Ultra Durable 5のロゴ
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台湾時間の2012年6月4日,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGA-BYTE)は,同社独自の品質規格「Ultra Durable」の最新仕様,「
Ultra Durable 5」を発表した。Ultra Durable 4の仕様を引き継ぎつつ,新たにInternational Rectifier(以下,IR)製のIC「
PowIRstage IR3550」(以下,IR3550)を独占的に採用することで,電源部の発熱を大きく低下させているというのが最大の特徴だ。
GIGA-BYTEが示したIR3550の模型
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IR3550は,従来のマザーボードで利用されていたドライバICとTop(High)/ Bottom(Low)のMOSFETとをワンパッケージに統合することで,MOSFETのオン/オフ切り替えをよりシームレスに行えるようにし,効率を高めたものになる。「それってDriver-MOSFET(≒DrMOS)と同じでは?」と思った読者は鋭いが,GIGA-BYTEによると,
- IRの「DirectFET」技術により,パッケージ内MOSFETを上下から銅板で挟むような構造が取れるため,熱を効率よく逃がせる(銅配線となるため効率がよくなる効果もある)
- ドライバICもIR製なので,電源効率を最適化できる
といった点がDriver-MOSFETに対する優位性になるという。組み合わせるPWMコントローラがIR製なのも,排熱と電源のさらなる効率化に寄与しているとのことだ。
IR3550のチップをバラした状態。拡大鏡越しに撮影したものだ
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GIGA-BYTEのプライベートブースで行われていた温度比較デモ
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GIGA-BYTEは,「Ultra Durable 5で採用したIR3550の低発熱性は,その原理上,CPUソケット周辺にエアフローが生じにくい液冷クーラーとの組み合わせに最適」と位置づけている。
実際,COMPUTEX TAIPEI 2012の会場「TWTC」(Taipei World Trade Center)にほど近い高層ビル「Taipei 101」に設けられたGIGA-BYTEのプライベートブースでは,簡易液冷クーラーのラジエータ部に取り付けられた120mm角ファン以外にエアフローが生じないデモ用PCケース内に,「Core i7-3770K/3.5GHz」が差さった下記の3条件を設定し,
- MOSFETドライバとTop/BottomのMOSFETがそれぞれ搭載された,従来型の8フェーズ電源部を採用するマザーボードで100%の負荷をかけた状態
- MOSFETドライバとTop/BottomのMOSFETがそれぞれ搭載された,従来型の8フェーズ電源部を採用するマザーボードで85%の負荷をかけた状態
- IR3550の6フェーズ電源部を採用するマザーボードで100%の負荷をかけた状態
という3つの状態でデモが行われ,3.の温度が最も,しかも圧倒的に低いとアピールされていた。
テスト環境(左)。Corsair製の簡易液冷クーラー(のラジエータ部)以外にエアフローがないという状態だ。空冷CPUクーラーと違って,CPUソケット周りにエアフローが発生しにくいため,従来型の電源部だと発熱が問題となりうるが,IR3550の6フェーズ構成は,従来型の電源部と比べて圧倒的に低い温度を示す……というデモになる(右)
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Ultra Durable 5の要件
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なお,日本メーカー製のアルミ固体コンデンサの全面採用や,基板を構成するGND層で用いられている銅箔の厚みを一般的な製品と比べて2倍に高めることで電気抵抗を減らしつつ放熱能力も高めるとされる「2オンス銅箔層」の採用など,従来の要素はUltra Durable 5でも引き続き採用するとのこと。Ultra Durable 4に加えて,IR3550を搭載してきたマザーボードが,Ultra Durable 5仕様ということになる。
今後登場の上位モデルでUltra Durable 5を採用
型番の最後は「UD」から「UP」に
IR3550搭載製品では,「P」の文字を模したフェライトコアチョークと組み合わせられる。1フェーズあたり60Aまでの電流駆動が可能とのことだ
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GIGA-BYTEは,Ultra Durable 5を,これから投入予定のマザーボード上位モデルで展開する予定となっている。従来,一般ユーザー向けマザーボードでUltra Durable仕様のものには「UD」という型番が与えられていたが,Ultra Durable 5では,「
UP」(※Pは「Power」の意)型番になるという。
同社のプライベートブースでは,そんなUP型番のマザーボードが並んでいたので,いくつかピックアップして,以下,写真を中心に紹介したい。Xeon用チップセット「Intel C606」を“X79S”として展開するモデルや,AMDのデスクトップPC向け「Trinity」に対応する「AMD A85」チップセット搭載モデルなど,なかなか注目度は高い印象だ。
●GA-X79S-UP5 WIFI
Intel C606チップセットを搭載しつつ,LGA2011版Core i7対応マザーボードとしてきた製品だ
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Intel C606は,あえて言うなら「Intel X79 Express」(以下,X79)のサーバー向けモデル。Serial ATA 6Gbps×2,Serial ATA 3Gbps×4というところはX79と同じだが,SAS(Serial Attached SCSI)ポートが8つ追加されている
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●GA-X79-UP4
4-way CrossFireX&SLIに対応するX79搭載製品だ
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GA-X79S-UP5 WIFIと異なり,ストレージ周りの基本仕様はX79を踏襲する
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●GA-Z77X-UP5 TH
「Intel Z77 Express」搭載のUltra Durable 5準拠モデル。Thunderbolt対応も特徴となっている
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●GA-F2A85X-UP4
AMDプラットフォーム向けに用意されるUltra Durable 5仕様のマザーボード。AMD A85チップセットについては別記事で説明している
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