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「Tree of Savior」のプレス発表会および体験会をレポート。8月24日開始のOBTでは7次職や新フィールドなどが実装予定
ネクソンとIMC Games双方が自信を持って展開するハイクオリティのMMORPG
イベントの主催者を代表して登壇したネクソン代表取締役社長のオーウェン・マホニー氏は,同社のようなゲームビジネスを主体とする企業が成功するためには,提供するゲームの品質にこだわりを持つことが重要であると語る。ToSもまた,そうした高品質のゲームであり,一見正統派のMMORPGだが,ストーリーとそれを彩る精緻なグラフィックスや美しい音楽によって,深いゲーム体験を楽しめるとのことだ。
またマホニー氏は,日本のPCオンラインゲーム市場においてMMORPGの新作が少なくなっていることに言及し,そうした状況のもとローンチするToSのサービスを長期的に継続したいと意気込みを語った。
ToSのデベロッパであるIMC GamesのCEO,キム・ハッキュ氏は,MMORPGの魅力について「臨場感あふれる世界の中で,ほかのプレイヤーと協力しつつ体験を楽しめること」と表現。そうしたMMORPGの新作となるToSは,独特なアイデア,多様なキャラクター,行き届いた演出,美しい世界を描き出す背景とサウンドなどに注力して開発が進められたとのことだ。
また,キム氏は,日本でのローンチが遅れた理由は,ネクソンと綿密な連携を図っていたからだとし,「そのぶん日本のプレイヤーに満足していただける仕上がりとなった。お待ちいただいた皆さんに感謝します」と話していた。
続いて,ToSのプロジェクトマネージャーを務めるネクソンの今濱隆一郎氏により,本作のプレゼンテーションが行われた。それによるとToSは,「変わらないもの」「変わったもの」「進化したもの」の3つを融合したMMORPGであるという。
変わらないものとは,ハック&スラッシュを軸とした,昔ながらのシンプルなゲーム性である。
一方,変わったものは,マウス&キーボードだけでなくゲームパッドに対応するなど,ユーザビリティに多様性を持たせた点だ。
そして進化したものとして挙げられたのが,グラフィックスとサウンドである。たとえば縦500×横300ピクセルのような大きいサイズの表示であっても,ドット絵風のテイストを損なうことなく,さまざまな表情やモーションで動くキャラクターは,従来の2DMMORPGとは一味違う印象を与えるだろうと今濱氏は語った。
それらに加え,ToSの大きな特徴となるのが52種類に及ぶ多様なクラスの存在である。複数回のクラスチェンジを経て,さまざまなクラスのスキルを習得したキャラクターは,プレイヤー各自のスタイルが反映された唯一無二の存在となるのだ。
これらをまとめて今濱氏は,ToSが目指すものを「クラシックなシステムとハイエンドな技術を融合させた,MMORPGの新しいスタンダード」と表現した。
ここでToSの国内における2016年のロードマップが公開され,オープンβテストが8月24日にスタートすることが発表された。なお,このテストはサーバーの安定性の確認などを行うために1か月以上実施され,そのあと正式にサービスインとなる予定だ。
2015年に行われたクローズドβテストから追加される要素としては,まず7次職が紹介された。ソードマン系が「テンプラー」と「ドラグーン」,アーチャー系が「マスケティア」と「キャノニア」,ウィザード系が「ウォーロック」と「フェザーフット」,クレリック系が「プレイグドクター」と「カバリスト」となる。いずれも基本的には各系列の最上位クラスとなるが,テンプラーだけはギルド運用に特化した特殊な存在である。
またレベルキャップがレベル280まで引き上げられ,それに合わせて「大地の塔」や新フィールドなどの高レベル向けコンテンツや,新たな装備アイテムが登場する。
さらに同一アカウント内のキャラクター間でアイテムを共有できる「チーム倉庫」も実装される。
ちなみにToSは,さまざまな機能を拡張できる有料サービス「トークン」を用意しているが,オープンβテスト中は無料でこのサービスを体験できる予定とのことである。
さらに,モンスターの強さや各クラスの強さなど,各種バランス調整も行われる。とくに経験値は,クエストをこなさなくとも,戦闘を重ねることで稼げるような調整になっているという。
またコレクションがキャラクター単位でなくチーム単位に変更されたことや,チャットのユーザーインタフェースが2種類用意され,選べるようになったことも紹介された。
加えてモンスターの出現間隔も調整され,倒した先から湧いてくるような感じとなる。これはクローズドβテストにあった,モンスターを探して歩き回るストレスの解消を目指した調整とのことである。
そのほか,冒険日誌の機能などさまざまな部分が遊びやすくなるよう改善されている。
オープンβテスト以降に実装予定の要素としては,すでに8次職の開発をスタートしていることが明かされた。またキャラクターの能力を上昇させる「カード装備システム」や,装備をより強化するやり込み要素「アイテム超越システム」なども追加される。
また迫ってくるモンスターから設置オブジェクトなどを護衛するディフェンス系のミッションも続々登場する予定だ。
ほかにも新フィールドやダンジョンなどのコンテンツ拡充や,マップ表示機能の改善が予定されている。
今濱氏は最後に,「ToSは多人数でワイワイ遊ぶと非常に楽しいゲーム。そういったMMORPGの原点をぜひ楽しんでいただきたいです」とコメントしてプレゼンを締めくくった。
IMC Gamesのキム・ハッキュ氏とネクソンの今濱隆一郎氏が語るToSの日本展開
プレス発表会終了後,キム氏と今濱氏に対するメディア合同インタビューの場が設けられた。以下にその模様をお届けしよう。
――ToSの見どころはどこでしょうか。
キム・ハッキュ氏(以下,キム氏):
多彩なキャラクターとグラフィックスに注目していただきたいです。効率を重視して遊ぶのではなく,じっくりと堪能していただけると幸いです。
――プレイヤーの交流を活性化させるために考えたコンテンツはありますか。
キム氏:
各クラスのスキルがそれ単体で完結するのではなく,ほかのクラスのスキルと組み合わせたときに,より効果が得られるような仕組みとなっています。今後,その要素を拡張することで,より面白くなっていくと考えています。
今濱隆一郎氏(以下,今濱氏):
ToSにはギルド対戦コンテンツがあるのですが,こちらはサーバーの垣根を越えた対戦が可能です。この仕様はインスタンスダンジョンにも採用されており,ほかのサーバーにいるプレイヤーと一緒に攻略できます。
ToSにおけるギルドシステムは結構ハードルの高い内容です。そこで今後は,公式サイトにコミュニティを設置し,さまざまなサポートをしていこうと考えています。
――ダンジョンや各種コンテンツなど,日本向けにバランス調整を行う予定はありますか。
キム氏:
ToSは,基本的にグローバルバージョンでサービスを展開しています。とは言っても,サービスイン以降はプレイヤーの声を汲み取ってアップデートを続けていきますよ。
――日本では,極端に親切な作りのゲームが受け入れられやすい傾向にあります。その意味では,ToSは難しいゲームだと受け取られかねない状況にありますが,何か対策を考えていますか。
今濱氏:
私達は,ただ流れに沿って進む簡単なゲームだけが面白いものだとは考えていません。さまざまな選択肢の中から,何をチョイスするのか。それは難しいことである反面,ゲームの面白さの原点でもあります。ToSはそうした面白さの原点を内包したゲームだと捉えています。
それでも最初はよく分からなくて,すぐにプレイを放棄してしまう人もいることでしょう。そこはWebコンテンツや動画などでサポートしていきます。
――最後に日本でのサービスに向けた意気込みをお願いします。
キム氏:
安定性や不具合修正,バランス調整,クライアントの最適化など完成度を高めることに注力しています。日本の皆さんからは,過去に私が手がけたタイトルにおいて,開発者としていろいろ学ばせていただきました。ToSでも,また新しい独特なカルチャーを築いてくださることを願っています。
「Tree of Savior」公式サイト
- 関連タイトル:
Tree of Savior Japan
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