インタビュー
高橋名人,新作アクションRPG「KRITIKA」に挑む! プレイ直後の名人に直撃インタビュー
この作品をさまざまな分野で活躍する著名人にプレイしてもらい,その感想を聞いてみようという企画がゲームオンから4Gamerに持ちかけられた。なるほど,単純にゲーマー視点でアクションゲームを評するのではなく,特定の分野でプロフェッショナルな視点を持つ,一般プレイヤーの生の反応を聞くというのも面白い試みだ。
今回4Gamerでは,「16連射」で知られるあの「高橋名人」から話を聞けることになった。どちらかと言えば,ゲーマー視点を持つプレイヤーのような気もするけれど。ともあれ,ファミコン世代にとってのヒーローである名人は,「KRITIKA」に触れて,どう感じたのだろうか。
「KRITIKA」公式サイト
ゲームは単純に面白いだけではなく
溜まった鬱憤が爆発する感じが大事
本日はよろしくお願いします。さっそくですが,「KRITIKA」を実際にプレイしてみて,どのような印象を持たれましたか?
高橋名人:
序盤からスピード感のあるアクションが楽しめて,ドンドン行けちゃいますね。止め時を見つけるのが難しいくらい,楽しいゲームだと感じました。オンラインゲームだと,ここまでアクション性が高いものはなかなかないですよね。まるで家庭用ゲームのような感じでした。
4Gamer:
アクション性が高いゲームとなると操作性が気になりますが,そのあたりはいかがでしょうか。
高橋名人:
攻撃ボタンを押すだけでコンボがつながるので,とても簡単でしたね。スキルを使ったあとは一定時間クールダウンが必要なんですが,それも待ちきれないくらい前のめりになっちゃう(笑)。そんなじれったさもちょうどいいです。
4Gamer:
ちょうどいいじれったさ,ですか。
高橋名人:
ゲームって単純に「面白い」ことが続くだけだとダメで,鬱憤も溜まるじれったさが必要なんです。そして,溜まった鬱憤が爆発する瞬間がないと,本当の意味で面白くならないと思うんです。すべてが思いどおりに進んだら,簡単すぎて面白さがなくなりますよね。逆に難しすぎれば,普通のプレイヤーは離れていってしまう。溜まった鬱憤が爽快感になるような,そういうチューニングが大切なんだと思います。
4Gamer:
確かに,単純に爽快なだけではゲームとして成立しないですね。
高橋名人:
爽快感溢れるアクションをウリにする「KRITIKA」にとって,バランス調整は大きなテーマといえるでしょうね。「KRITIKA」の序盤を遊んだ限りだと,通常の難度ではちょっと物足りないかなと思いました。歯ごたえのあるプレイを求める人は,もっと上の難度に挑戦したほうがいいかもしれません。ボスを5分や10分で倒せてしまうのは,「ちょっと弱いんじゃないの?」と(笑)。
4Gamer:
序盤は,練習のようなものでしょうから(笑)。ちなみに,「KRITIKA」には「戦士」「盗賊」「魔術師」という3種類のキャラクターがいますが,高橋名人はどのキャラクターがお気に入りですか。
戦士 |
盗賊 |
魔術師 |
戦士ですね。僕はRPGを遊ぶとき,防御力より攻撃力を重視するタイプなんですよ。大剣を振り回してモンスターをやっつけるというスタイルは,とにかく爽快です。魔術師は,銃と魔法の遠距離攻撃を得意とするキャラクターなので,あまりダメージを受けたくない人にお勧めかな。
盗賊は唯一の女の子だから,一番人気が出そうですね。背負ったダガー……っていっても結構デカいんですけど,これを使ってザクザク斬りまくる,スピード感満点のキャラクターです。ショートパンツをはいているんですけど,「こんなベルトの締め方でよく脱げないな」という感じがいいですね(笑)。
4Gamer:
そこですか(笑)。ショートパンツっぷりはともかく,盗賊は見た目で人気が出そうなキャラですよね。「KRITIKA」のグラフィックスに関しては,どのような印象を受けましたか?
高橋名人:
いわゆるフォトリアリスティックなものではなく,カートゥーン調の絵になっていて親しみやすいですね。個人的には,リアルな人間が戦ってしまうことには抵抗があるんですよ……。昔から,人が人を直接傷つけるゲームはあまり好きじゃなくて。でも,「KRITIKA」はカートゥーン調な絵柄なので,それほど抵抗なくゲームの世界に入れました。
4Gamer:
実際にプレイしてみて,「KRITIKA」に対する希望やご意見などはありますか。
高橋名人:
新しく始める人向けのモードがあってもいいかもしれませんね。初心者って,敵に近づくまでが辛いと思うんですよ。よく分からないうちにやられてしまう。なので,例えばあるキーを押すと,敵の目の前に自動で接近してくれるようなモードがあるといいのではないでしょうか。「Z」キーはすでに使われているし,「F」キーも埋まっている……とすると「G」キーあたりかな。
逆に上級者に対しては,倒すのに30〜40分かかってしまうくらいの,とことん強いボスがいてもいいでしょう。
4Gamer:
序盤が簡単とは言っても,操作に慣れるまでの差はあるかもしれないですね。我々みたいな,PCゲームに慣れ親しんでいると気がつかないことですが……。では,このゲームはどんなゲーマーにお勧めだと思いますか。
高橋名人:
基本的には若い方にお勧めですね。ただ,ファミコン世代の方にも一度遊んでみてほしいです。比較的低スペックのPCでも動くようですので,お子さんとご自身でタッグを組んだりすると面白いでしょう。昔のファミコンゲームには,不条理といっていいほどの難しさがありました。段差を少し降りると死んでしまうようなゲームなんかもありましたけど,それを体験しているお父さんなら大丈夫です。お父さんの威厳を見せるのにも,ちょうどいいかも。
4Gamer:
高橋名人は,常に「ゲームは親子のコミュニケーションツールであってほしい」とおっしゃってますよね。
高橋名人:
面白いゲームであれば,親子で体験を共有するというのもアリだと思うんです。例えば,いつも使っているデスクトップPCに加えて,ノートPCを買ってきて「KRITIKA」を遊ぶというような。あとは「KRITIKA」用のジョイスティックがあってもいいかもしれませんね(笑)。スキル用のボタンが付いていて,スキル名が書かれているような。
4Gamer:
もしくは,スキル名が書かれたシールだったでしょうか(笑)。ちなみに名人はゲームを遊ぶときに,ゲーマー向けデバイスは使われるんですか?
高橋名人:
基本的には,純正のものを使っていますね。ただ,家庭用ゲーム機でシューティングをプレイするときはアーケードスティックを使います。僕は昔の人間なので,ボタンがたくさん付いているものが好きなんです。Xbox 360の「鉄騎」は最高でしたね。ロボットを起動するために次々とスイッチを押していく感覚がたまりません。
3台のモニタでゲームと映画を組み合わせる,名人流プレイスタイル
4Gamer:
ところで名人は,プライベートでオンラインゲームなどは遊ばれるんですか。
ええ,ブラウザゲームなどをよく遊びますね。ジャンル的にはタワーディフェンスタイプのゲームが好きです。
4Gamer:
有料アイテムなどを買われたりも?
高橋名人:
ゲームが面白ければ買いますよ。僕は,1か月に使っていいゲームに関するお金の上限を決めているんです。これはすべてのゲームを合わせての金額なので,そのときに一番ハマっているのがオンラインゲームなら,有料アイテムを買ったりしますね。ウチの奥さんはこういうものに理解があるんですが,あまり使いすぎたりすると喧嘩になりそうで(笑)。
4Gamer:
人によって違うと思いますが,使う上限を決めておくのは大切ですね。
高橋名人:
僕はいろいろと趣味もあるので大変なんですよ。この前もツーリングを記録するためのデジカメを買い換えたんです。今度のデジカメは海外仕様でレーザーポインタが搭載されていて,どこに向けて撮影しているかが分かるんです。これは便利ですね。
4Gamer:
な,なるほど。ブログからも多趣味ぶりがうかがえますが,お小遣いのやりくりは大変そうですね。
高橋名人:
趣味が多いと大変ですよ。いろいろと揃えた瞬間に興味が失せたりすることもありますし。1980年代にMIDI……いまで言うところのDTMみたいなものですかね,これにハマって。さまざまな音源やキーボード,演奏ソフト,8トラックのマルチレコーダーを買って,3か月かけて「フィンランディア」っていう交響曲を演奏させたんですよ。でも,「オレ,これでプロになれるわけじゃないよね」って考えてしまって(笑)。買い集めたものは全部,知人に売りました。
4Gamer:
一度興味を持つと,納得がいくまで試してしまうんですね(笑)。
結婚するならこういう人を選んではいけません(笑)。ちなみにいま,リビングには3台のモニタが置いてあります。
4Gamer:
3台もですか?
高橋名人:
テレビ番組用,映画観賞用,そしてゲーム用ですね。テレビ番組と映画を見ながらゲームをしているんですよ。テレビ番組なんかは,とりあえず流していると耳に入ってくるじゃないですか。
4Gamer:
ゲームをしながらテレビ番組を横で流すというのはありますが,ゲームと映画って両立できるんですか?
高橋名人:
両立はさすがに無理かな。好きな映画を流しておいて,気に入ったシーンが来るまでのあいだにRPGのレベル上げをしたりという使い方ですね。
4Gamer:
ああ,なるほど。
高橋名人:
ストーリー的に重要だけど,見ていて辛いシーンなんかは飛ばしたいじゃないですか。例えば「ガラスの仮面」なら,マヤちゃんが虐められているようなところは,何度も見たくないんですよ。さすがに初めて見る映画だと,ゲームはストップしますね。
4Gamer:
それは,映画の内容に集中したいですよね。では最後に,「KRITIKA」を楽しみにしている読者へのメッセージをお願いできますか?
高橋名人:
基本無料+アイテム課金で,始めてみる分にはお金が掛からないので「まずはやってみなよ!」という感じですね。レベル20〜30になる頃には面白くてもう止められないと思いますので,ぜひダウンロードしてみてください。今回はレベル15という,ゲーム開始から数時間くらいのキャラクターを使わせていただいたんですが,このままレベルを上げてすべてのスキルを見てみたくなりました。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
取材中,何度か趣味の話に脱線していたのだが,それを聞いていると仕事と趣味にかける高橋名人のバイタリティには本当に圧倒させられる。当時,ハドソンにおける一般の社員でありながら,映画から主題歌まで精力的に活動していた名人の姿は,いまも昔も変わらないなと感じさせられた。
そんな名人もお勧めの「KRITIKA」だが,2013年11月14日から始まったクローズドβテストも終了し,まもなくオープンβテストも開始される予定だ。名人が言うところの「止め時が見つからない」楽しさ,そして盗賊のショートパンツが気になる人は,本作をプレイしてみよう。
「KRITIKA」公式サイト
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