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AMD,「Radeon HD 7990」を正式発表。HD 7970 GHz Edition相当のGPUを1枚の基板に搭載した製品
去る2013年3月26日にAMDは,サンフランシスコで開催されたGame Developers Conference 2013(以下,GDC 2013)の会期中に記者説明会を開催し,Radeon HD 7990のカードだけを披露していたのだが,ようやく,より詳しい情報が公表されたというわけだ。
今回は,現時点で公開されている情報を基に,Radeon HD 7990の実像に迫ってみたい。
Radeon HD 7970 GHz Edition相当のGPUを2基搭載
いま「相当」と断ったのには理由がある。HD 7970 GHz Editionでは,その名のとおり1GHzとなるベースクロックとは別に,自動クロックアップ機能によって達するブーストクロックとして1.05GHzが設定されているのだが,Radeon HD 7990に搭載される「HD 7970 GHz Edition相当のGPU」には,このブーストクロック設定が用意されていないのである。
だが,3Dレンダリング時の最大動作クロックが1GHzに留まることを除けば,Radeon HD 7990に搭載されるGPUは,HD 7970 GHz Editionと同じ仕様になっているのも確かだ。実際,AMDが謳う「総トランジスタ数が約86億個で,シェーダプロセッサ「Stream Processor」の総数が4096基,グラフィックスメモリ総容量が6GBで,理論上の演算性能が8.2 TFLOPS」というスペックは,HD 7970 GHz Editionのそれをほぼ2倍にしたものとなっている。
GPU温度,そして動作音も,「GeForce GTX 690」や「GeForce GTX TITAN」より低いと,説明会では強調されていた。
なお,ハイエンドGPUを2基搭載することでもう1つ気になるのは消費電力だが,発表時点において,AMDはカードの消費電力スペックを公表していない。ただ,8ピンのPCI Express補助電源コネクタを2基搭載し,推奨電源容量は750Wとされているので,そのあたりから,相当なレベルに達することは容易に想像できるだろう。
もっともRadeon HD 7990では,低負荷時の消費電力を下げるべく,面白い試みがなされている。「Graphics Core Next」アーキテクチャをベースとするRadeonでサポートされる省電力機能「AMD ZeroCore Power Technology」(以下,ZeroCore)が,カードレベルで実装されているのだ。
ちなみにインタフェースは,Dual-Link DVI-I×1,Mini DisplayPort×4。HDMI出力はサポートされていない。
価格は「GTX 690やGTX TITANに対して競争力が高」いものになる?
ある意味で最も気になる価格は,発表時点では未公表。説明会では,「GeForce GTX TITANやGeForce GTX 690に対して競争力の高い価格とする」とだけ言及された。
なお,メーカーを問わず,すべてのRadeon HD 7990搭載カードには,「BioShock Infinite」や「Far Cry 3」など,8タイトルのゲームを無償でダウンロードできるクーポンコードが付属するという。ゲーム8本を全部買えば,それだけで4万円前後はするのだから,その点でもお得感の高い製品とは言えそうだ。
なお,4GamerではさっそくRadeon HD 7990のレビューを行っている。興味のある人はそちらもぜひチェックしてほしい。
「Radeon HD 7990」レビュー。“AMD純正”の「デュアルHD 7970 GHz Edition」カードはGTX 690より速いのか
AMDのRadeon HD 7990製品情報ページ(英語)
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Radeon HD 7900
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