「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」のキャバ嬢役には，アイドリング!!!の遠藤 舞さん，外岡えりかさん，橘 ゆりかさんを起用。名越稔洋氏も出演した記者発表会をレポート

　セガは2011年11月8日，2012年春発売予定のPSP用ソフト「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」（以下，「クロヒョウ2」）に出演するキャバクラ嬢役発表会を，東京都内で開催した。この発表会では，「クロヒョウ2」に，アイドルグループ・アイドリング!!!から，遠藤 舞さん，外岡えりかさん，橘 ゆりかさんの3名がキャバクラ嬢役として出演することが明らかにされた。

　また発表会後には，「龍が如く」シリーズの総合監督を務めるセガの名越稔洋氏と，アイドリング!!!のメンバー3人に，メディア合同ではあるがショートインタビューの時間が設けられている。本稿では，発表会の模様とショートインタビューの模様をお伝えしよう。

「龍が如く」シリーズ 総合監督 名越稔洋氏

　発表会では，最初に名越氏が登壇し，「クロヒョウ2」が現在鋭意開発中であると報告，できあがったばかりの最新トレイラーを披露した。

　続いて，「シリーズに新しい風を吹き込んでくださる方々」と前置きして，名越氏はキャバクラ嬢役である，アイドリング!!!の遠藤 舞さん，外岡えりかさん，橘 ゆりかさんを招き入れた。
　名越氏は，今回アイドリング!!!の3名を起用した理由として，シリーズの特徴であるキャバクラ嬢とのやり取りを，話題として大きく盛り上げたかったと，その理由を述べた。



　遠藤さんは，収録時の感想について，キャバクラに行った経験がなく想像だけで演じたため，自身のイメージが役柄と合っているのか，かなり悩んだとコメントしていた。

　外岡さんは，普段は口にしないようなセリフが多く，非常に恥ずかしかったと感想を述べた。ディレクターからは，「もっとセリフに“ラブ”を入れて」との注文を受けたとのこと。また，フェイスキャプチャーで自分の顔の構造が把握できたのは面白かったとも話していた。

　滋賀県出身の橘さんは，関西弁を話す大阪のキャバクラ嬢役だったので，気楽に演じられたと述べた。また，得意の“動物モノマネ”も収録したそうなので，ぜひゲーム内で確認してほしいと付け加えた。

遠藤 舞さん

外岡えりかさん

橘 ゆりかさん

　なお，3Dグラフィックス化された自分達の映像を見た遠藤さん，外岡さん，橘さんは，口々に「似てる」「ビックリ」「少し恥ずかしい」と感想を述べ，「実物よりもナイスバディに作っていただけた」と話し，会場に集まった取材陣の笑いを誘っていた。

　遠藤さんは，映像に登場したアフターの私服姿について，「普段，自分達が着ているようなデザインの服になっているので，ぜひ注目してほしい」とアピールしていた。

　それぞれの髪型やキャバクラのメニューには，3名がアイデアを出したとのことで，外岡さんによれば，「普段はできない派手な髪型や，自分達が本当に好きな食べ物を取り入れてもらった」そうである。

　橘さんは，3人それぞれに用意されたサブストーリーについて，ドキドキワクワクがあると述べ，「誰か一人を選んで楽しむだけでなく，ぜひ3人分のストーリーを楽しんでほしい」と話していた。

　名越氏によると，こうして本人達ときちんと話をするのは，この会場が初めてであるとのこと。ボイス収録前の台本や，ゲームで3名を口説くパートなどをチェックしていたときには，なかなか3名をうまく口説けなかったそうで，ドレスを身にまとったメンバーを前に「口説けなくて当然かな。素晴らしいです」と感想を述べていた。

3Dモデリングと実際のゲーム画面。左から遠藤さん，外岡さん，橘さん

　発表会の最後は，以下のように登壇者達が「クロヒョウ2」に期待する人に向けたメッセージで締めくくられた。

遠藤 舞さん：
　「クロヒョウ2」は全体に緊迫した感じのゲームですが，その中でキャバクラに寄って，私達に癒されていただけると幸いです。

外岡えりかさん：
　ぜひゲームの中で私のハートを撃ってください！

橘 ゆりかさん：
　今後，キャバクラ嬢役を演じることは少ない──むしろ，ないかもしれません。「クロヒョウ2」でしか見られないアイドリング!!!のキャバクラ嬢姿を，皆さんに見てほしいです。

名越氏：
　「龍が如く」シリーズ自体，ハードな男のドラマであり，「クロヒョウ2」もバトルを中心とした世界観を持っています。その中でキャバクラは柔らかい面を担当しており，エンターテイメントとして広がりを出しています。
　今回，このお三方にご協力をいただいたことで，いい立体感が出せたと思っています。とくにキャバクラは前作よりもスケールアップしています。“動物モノマネ”にも期待してください（笑）。

「アイドリング!!!」遠藤 舞さん/外岡えりかさん/橘ゆりかさんメディア合同ショートインタビュー

──今回，「クロヒョウ2」でキャバクラ嬢役を演じた感想を教えてください。

遠藤さん：
　私は男性っぽいと言われるタイプなので，女性らしくて男性を誘惑するような役作りに苦労しました。私もいい歳なので，年の功でカバーしてみました（笑）。

外岡さん：
　私もサバサバしているタイプなので，「ラブが足りない」と何度も言われました。普段言わないようなセリフで，しかも語尾にハートをつけるような感じでしたので，すごく難しかったです。「ドキドキしちゃう♥」とか，何度も収録し直しました。

橘さん：
　関西弁のイントネーションだと，「ありがとう」はキツく聞こえてしまうことがあるので，“と”のあとに小さい“ぉ”を入れる感じで柔らかく言うようにしてみました。

遠藤さん：
　あとは「ちゅっ」とかありましたよね。

一同：
　あった〜！

橘さん：
　めっちゃ恥ずかしかった（笑）。

遠藤さん：
　さまざまなバリエーションがあった方がいいと思って，何度も収録したんです。

──3人の中では，誰がNo.1キャバクラ嬢になれそうですか？

一同：
　うーん，誰だろう？

遠藤さん：
　皆，素質ないんですよね（笑）。これから頑張ります。


──今，着ているドレスの感想を教えてください。

一同：
　嬉しいです。

遠藤さん：
　今，小さい女の子が将来就きたい職業の上位にキャバクラ嬢が入っているんですよ。すごい時代になったと思っていたんですが，こういう綺麗なドレスを着ると，気持ちが分かりますね。
　やっぱり女の子は綺麗な格好をするとテンションが上がりますし，普段着ない服を着ると，違う自分になった感じがします。

橘さん：
　姿勢とかも女性らしく綺麗になりますよね。

外岡さん：
　ゲームに登場するドレスと似たデザインになっているので，本当に“ゲームから現れた”みたいで，自分でもビックリしています。

──「私のハートをゲットして！」みたいなセリフもあるようですが，男性にこう迫られるとキュンと来るみたいなことはありますか？

遠藤さん：
　ゲームの中でいうと，見た目が強そうで怖そうな人が実際は優しかったりすると，結構来ちゃいますね。

外岡さん：
　（右京龍也のポスターを見ながら）コワモテの人に，優しく声を掛けられたらキュン！　と（笑）。

──もう「クロヒョウ2」をプレイする機会はあったんですか？

遠藤さん：
　それはまだですけれど，発売されたら3人とも自分で買って遊んでみます。

橘さん：
　自分を指名してみたいです（笑）。

──うまく口説けないかもしれませんよ？

橘さん：
　えー，どうしよう（笑）。

遠藤さん：
　全然，自分が分かってないってことですよね（笑）。
　ゲーム中の食べ物の好みなんかは，リアルの好き嫌いが反映されているので，アイドリング!!!メンバーのブログにヒントが隠されているかもしれません。

「龍が如く」シリーズ 名越稔洋氏メディア合同ショートインタビュー

──キャバクラ嬢役に起用されたアイドリング!!!の3名の印象を教えてください。

名越氏：
　やはりアイドルだけあって，綺麗に花を添えていただけたという感じです。
　ゲーム的に言うと，前作よりもエンジンがブラッシュアップされていますので，女の子もより可愛く見えるようになっていますし，カメラワークも非常に凝ったものになっています。その土台にふさわしい素材があるという，いいまとまりになりました。

──キャバクラパートの遊びが広がったとのことですが。

名越氏：
　今までは場面ごとの展開こそありましたが，うまく流れとして紡ごうとすると，プレイヤーの脳内補完に頼る部分が多かったんです。今回，外でデートできたり，その過程で起きるエピソードも繋がりがあったりとか，それを実際に操作できるように落とし込みましたので，ずいぶん没入感が違うんじゃないでしょうか。

──そうなると開発の作業量やデータ量が大きく増えたのですか？

名越氏：
　それは毎回，大変です（笑）。
　今回，キャバクラパートに限らずゲームの総尺が長くなっています。前作も「長い」とクレームまがいの批評をいただいたのですが，まあクレームも褒め言葉の裏返しと捉えて，今回も長くなりました。ぜひプレイしてみてください。

──バトルに新たに加わった，タッグパートナーとの協力シーンについて教えてください。

名越氏：
　バトルでは一人で戦う場面もあれば，二人で戦う場面もあります。
　誰と一緒に戦うことになるかはシナリオによって異なるのですが，野次馬が手伝ってくれることもあります。変に手伝うので，逆に迷惑だったりもするのですが，それも遊びの一つとして楽しんでほしいです。あとは，プロレスではないですけれども，協力することで合体技が出たりもします。
　もともと「龍が如く」シリーズは，「クロヒョウ」を含めて，正確にどこに何を当ててどうするというような格闘モノではなく，わりとギャーギャーボコボコしているだけで気持ちいいというゲームです。
　その雰囲気を壊さずにタイミングよくQTEを加えることで，より爽快感が増す，今回でいえば二人で盛り上げる感じになっています。壁が壊れて，その中に相手を放り込めるようなゲームらしい演出も加わっていますので楽しめると思います。

──タッグパートナーのカスタマイズはできるのでしょうか？

名越氏：
　それは，今後の発表を待ってください。

──現在の開発の進捗状況はどのくらいですか？

名越氏：
　順調です。先だって発表した湘南乃風の楽曲も，新曲を含めてどの場面に使うかといったチョイスの段階に入っています。
　全体の作業量は増えていますが，前作の土台がある上でのブラッシュアップですから，より効率が上がっていますので，発売までそんなにお待たせすることはないんじゃないかと思います。

──龍が如くスタジオは，非常にハイペースで開発を進めている印象がありますよね。

名越氏：
　そうですね。「龍が如く 5」の発表もしましたし，今は「クロヒョウ2」と「バイナリー ドメイン」（PS3 / Xbox 360）の開発が，佳境の佳境に差し掛かっています。
　「クロヒョウ2」は，前作が30万人というプレイヤーに支えていただけましたので，今回はスケールアップを図りたいですし，グラフィックスを見ただけでも「すごい」と思っていただけるはずです。「龍が如く」の1作目はPlayStation 2でリリースしましたが，それよりも圧倒的に綺麗です。
　もう5〜6年やっていますから，その成長を確認していただけるんじゃないでしょうか。まあ残念ながら，もうすぐ新しいハードが出てしまいますけど（笑）。

──期待しています。ありがとうございました。

「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」公式サイト