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今週の「海外ゲーム四天王」は,E3で注目された見下ろし型のアクションRPG「Bastion」を紹介。グラフィックスとサウンドがとっても魅力的
今週の「海外ゲーム四天王」は,北米のデベロッパSupergiant Gamesが開発したアクションRPG「Bastion」を紹介しよう。2011年6月に開催されたE3 2011のGame Critics Awardsで「Best Downloadable Game」に選ばれ,メディアの注目を集めた本作のPC版が,ついにリリースされたのだ。
掲載したスクリーンショットからも分かるように,個性的なグラフィックスがオシャレな感じの本作を,ライターのUHAUHA氏が紹介する。
失われた世界の再建と,崩壊の謎を追って,少年の旅が始まった
今週の海外ゲーム四天王は,アーティスティックなビジュアルが特徴的なアクションRPG「Bastion」を紹介しよう。
地殻変動によって崩壊してしまったゲーム世界Bastion(バスティオン)。唯一人生き残った主人公は,Bastionを再建するため,崩壊で散らばったコアを集め,それと同時に地殻変動の原因となった「Calamity」(カラミティ)の謎を解き明かさなくてはならないのだ。
E3 2011のGame Critics Awardsで「Best Downloadable Game」に選ばれて注目を集めた本作は,2011年7月20日にXbox LIVE アーケードで配信され,続いてPC版が2011年8月16日にSteamで配信開始された。開発はコマンド&コンカーシリーズを手がけた元EAスタッフが在籍する北米のデベロッパSupergiant Gamesで,本作がデビュー作になるようだ。この記事では,PC版をプレイしている。
主人公のKid(キッド)がベッドの上で目を覚ますところからゲームはスタートする。ステージがやけに狭いと思ったら,少年の移動に合わせて地形やさまざまなオブジェクトがバラバラと組み上がっていくという特徴的な仕様になっているのだ。そのため,先がどうなっているのか分からず,冒険心がくすぐられる。また,ステージ上に破壊できるオブジェクトが多く登場するので,ストレス解消のために破壊しながら進めてもいい。
「Bastion」公式サイト
また,通常のステージのほかに,決められた武器で目標を達成すると最大で三つの報酬がもらえるというステージも用意されている。ただし,武器をどのようにパワーアップするのか,あるいはプレイ方法などを試行錯誤しないとすべての報酬を獲得するのは難しく,あとちょっとでクリアできるのに! という絶妙なバランスになっている。通常のステージは再挑戦できないが,「Proving Ground」と呼ばれるこのステージは再挑戦が可能で,三つの報酬欲しさに筆者は何度も挑戦してしまうことになった。
一度に二種類持てる武器には「Cael Hammer」「Fang Repeater」「Breaker's Bow」「War Machete」があり,それぞれの武器に「Bolt Burst」「Dancing Shot」「Whirl Wind」などといった必殺技が用意されている。例えば,弓ならため撃ちすることでパワーショットになったり,盾なら,タイミングよく防御することでカウンター攻撃が繰り出せたりといった具合だ。そのため攻撃のバリエーションも豊富。また,ステージに登場する敵に合わせた装備をチョイスすることで,戦いを楽に進められたりする。武器と必殺技の装備は,ステージのArsenalで設定が可能だ。
この世界では,敵やオブジェクトを破壊すると現れるFragmentsが通貨として機能しているので,できるだけ多く回収して買い物に利用しよう。
そんな感じでゲームを進めていくと,どうして人がいなくなったのか,少年だけなぜ無事だったのか,そしてカラミティとはなにかなど,さまざまな謎が解き明かされていくわけだ。本作では,ストーリー展開や謎の解明などがナレーションと字幕で表示されるため,ゲームのテンポは非常にいい。またこのナレーション,初めて遭遇する敵では「少年は初めてElephant Squirtと遭遇した」,またオブジェクトを壊しまくっていたら「彼は賞金が出るかのように,周りのものを壊しながら進んでいった」という感じで,プレイヤーの行動に合わせてリアルタイムに変化する。このへん,とても面白い。
Bastionは,グラフィックスやBGMが神秘的で美しく,ゲームもサクサク進んで気持ちがいい。戦闘もボタン連打で十分にこなせるので,ビギナーでも気軽にプレイできるはずだ。移動速度がややもっさりしているが,前転で進むと若干解消されるのでぜひ試してほしい。ゴロゴロ転がって,勢い余ってマップから落ちるのも意外と楽しいものだ。
また,SteamのBastionのページでは本作のデモ版が公開されているので,興味のある人はお試しを。
■■UHAUHA(ライター/四天王)■■
レースゲームやアクションゲームなどを好んでプレイする,反射神経系のライター。とはいえ,人間が相手だとつい熱くなってしまうので,マルチプレイはちょっと苦手。高いところと,ホラー系が不得意で,高い場所が出てくるゲームと,怖いゲームもちょっと苦手と意外と弱点も多いが,とくに悲壮感はない。4Gamerがスタートした頃からライターをやっている,ベテラン中のベテランだ。特技は,遠距離通勤。
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