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「トータル・イクリプス」祝・アニメ化。「マブラヴ オルタネイティヴ クロニクルズ03」の新情報も公開された,「ニコニコオルタバカ会議」レポート
とくに2012年はPC用の新作「マブラヴ オルタネイティヴ クロニクルズ03」(全年齢向け)と,テレビアニメ「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」が控えていることもあって,新情報も盛りだくさん。ニコニコ生放送を視聴した人はすでにご存じの事と思うが,その収録の模様を改めてお伝えしていこう。
Xbox 360版「マブラヴ オルタネイティヴ」公式サイト
マブラヴの「過去」「現在」「未来」が語られた第2部「オルタバカ会議」
第1部から若干の休憩を挟みつつ始まった第2部では,引き続き司会を担当する八木たかお氏と,アシッド代表取締役社長で「マブラヴ」シリーズの製作総指揮も務める吉宗鋼紀氏,そしてゲストの栗林みな実さんが居残りつつ,新たなMCとして批評家の村上裕一氏と坂上秋成氏が新たに登壇し,MCを担当した。両氏は同人誌「ビジュアルノベルの星層圏」で吉宗氏にインタビューをしたのをきっかけに,今回のMCを任されたとのこと。
ここに「月刊コミック電撃大王」でコミック版「マブラヴ オルタネイティヴ」を手がける蒔島 梓氏と,同じくコミック版「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」の第1部の執筆を担当したイシガキタカシ氏,またファンの代表として,自身のWebサイトでマブラヴ評を掲載しているペトロニウス氏と橋本しのぶ氏が加わって,マブラヴシリーズの「過去」「現在」「未来」というテーマで,熱いトークが繰り広げられた。
その第2部で話題の中心となったのは,「現在」の項として取上げられた東日本大震災との絡みについてだ。とくに「マブラヴ オルタネイティヴ クロニクルズ」(以下,クロニクルズ)シリーズ中の1作として展開中の「MUV-LUV UNLIMITED THE DAY AFTER」(以下,THE DAY AFTER)には,その影響が色濃く表れているという。
ここでクロニクルズについて改めて説明しておこう。既に「クロニクルズ01」と「クロニクルズ02」の2作(いずれも18禁タイトル)が発売済の同シリーズは,これまで個別に展開されてきたマブラヴのスピンオフ作品を1つのパッケージにまとめた,連載形式のPC用ノベルゲームだ。最新作である「クロニクルズ03」(こちらは全年齢向け)が現在開発中となっており,こちらは2012年3月30日の発売が予定されている。
その中の一編であるTHE DAY AFTERは,マブラヴ本編で最後まで語られることなく終わった「マブラヴ アンリミテッド」のその後を描いたものだ。この世界では,新型爆弾の集中運用による焦土作戦「オルタネイティヴ5」と,その影響で引き起こされた「大海崩」――大規模な重力異常と大津波により,日本を含むユーラシア大陸はすでに海中に没してしまっている。残った日本人の多くはアメリカのシアトルに移住して暮らしており,THE DAY AFTERの物語は,その狭い日本人居住区を舞台に展開していくことになる。
これに対し制作者側である吉宗氏は,制作作業そのものは震災前であるため,企画段階から意図したものではないと前置きしつつも,震災が作品に落とした影響は少なくないと語った。とくに(これはTHE DAY AFTERに限らず)マブラヴシリーズは,舞台として用意されたガジェットの多くが現実の影響を受けやすく,それゆえ内容を何度も書き直すことになるという。
またマブラヴ本編で描かれることなく終わってしまったアンリミテッド世界(ありていにいえばバッドエンド後の世界)を今改めて描くことについては,本編の発売から6年が経過したことによる吉宗氏自身の成長と心情変化,また大きく変化した社会環境から「絶望しか残っていない現実であっても生きていかなければならない。子供に希望を紡がなくてはならない」ことを伝えたい責任感が,その根底にあるのだそうだ。
さらにトークは現実の震災,今この瞬間に何をすべきなのかという話題に及ぶ。実際に被災地を訪れている八木氏は「被災者でない僕等が健康でいること」だけでも間接的な支援に繋がると語る。また吉宗氏は記憶を風化させないことが大切と語り,コーナーの締めとした。辛い体験などは忘却も必要だが,都合の良い未来だけを見ないこと,そして支援活動を一過性の流行で終わらせないことが重要なのだという。
マブラヴの「過去」=これまでについて振り返る蒔島 梓氏。その魅力は? との質問には「社会人に必要なものを教えてくれる作品」と回答。なお氏の描くコミック版は,ただ原作を再現するだけでなく,その後に登場したスピンアウトへの伏線や,これまで描かれなかった夕呼先生の過去話などを含み,より作品を掘り下げた“蒔島オルタ”になっているという |
コミック版「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」の第1部をつい先日完結させたばかりのイシガキタカシ氏。コミック版を描くに当たっては,それまで表面的に楽しんでいたばかりだった原作を深く読み込み,理解を深めていったのだとか |
「ラジオ トータル・イクリプス」の構成作家として,マブラヴシリーズに初めて触れたという八木たかお氏。作り手とファン双方の作品愛の深さに驚いたそうだ。また震災について「被災地の風景はまさにSFの世界。本物を体験してしまった今,フィクションを作る人はこれから大変だと思う」と語っていた |
「マブラヴ オルタネィティヴ」で社霞を演じた栗林さん。マブラヴシリーズは,仕事で辛いときにプレイして「自分はなんて甘いんだろう」と再認識させてくれる,そんな作品。霞については,だんだんと感情を顕わにしていく様が,業界で働き出した頃,もっと自己主張をしなきゃと考えていた当時の自分に重なるという |
「クロニクルズ03」の新情報も公開に
そして「未来」についての項目では,2012年3月30日発売の「クロニクルズ03」についての情報が公開された。同作には,先ほどもお伝えした「THE DAY AFTER」の最新話episode:02が収録されるほか,“オルタ後の世界”での伊隅ヴァルキリーズの活躍を描いた新シリーズなども収録される。収録では新作カットが幾つか公開されたので,その一部を以下に掲載しておこう。
また収録では,2012年内の放映が予定されているアニメ版「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」についての情報もあったのだが……残念ながらこちらはまだ非公開とのこと。アニメ版を楽しみにしている人は,今後の情報に期待してほしい。
なおマブラヴシリーズの今後としては,このほかライトノベルの「シュヴァルツェスマーケン」(著:内田弘樹)がある。マブラヴ本編から18年前の東西ドイツが舞台の作品で,現在2巻までが発売されている。4Gamerでも「こちら」で紹介しているので,参考にしてほしい。シリーズの中では一番手に取りやすく,マブラヴ入門にもオススメとのこと(吉宗氏談)。
またライトノベルでは「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」(著:吉宗鋼紀)もある。アニメの原作にもあたるこちらは,2011年10月に5巻発売されたばかり。トータル・イクリプスシリーズでは,コミック版の第2部も間もなくスタートする予定とのことなので,こちらもお楽しみに。また以前よりアナウンスされていたゲーム版も,プラットフォーム未定ながら開発が進んでいるそうである。
このほか先にも紹介した“槇島オルタ”ことコミック版「マブラヴ オルタネイティヴ」に,フィギュアなど立体物での展開を含め,今年もまだまだ楽しめそうなマブラヴシリーズ。とくにトータル・イクリプスは,ファンにとって待ちに待ったアニメ化も控え,期待が高まる。アージュ的にも社運をかけた(?)プロジェクトになるそうなので,そのクオリティにも注目しておこう。
畑さんとのトークでは,当然楽曲の話……と思いきや,音楽の話にはほとんど触れずに,居酒屋トーク&下ネタトークへと突入。ファンには周知の事実だが,畑さんはかなりのお酒好きとしても知られており,その辺り逸話には事欠かないようである |
2011年12月21日に発売されたばかりのニューシングル「拝金聖者我が街を進まん」。「お金を崇めて振り回されるのではなく,目的(主にお酒)のために稼ぐのだ」という畑さんのポリシーが込められた楽曲とのこと |
畑さんに続くもう1人のゲスト 栗林みな実さんは,セクシーなポリス風衣装に身を包んでの登場。視聴者からの「来年の目標は?」という質問には「自分から積極的に動くと空回りするので,いただけた仕事に全力投球していきたい」と答えていた |
2012年1月25日に発売予定の2枚組ライブDVD「Live Tour 2011『miracle fruit』」。リハーサルの模様などのおまけ映像も収録されているそうなので,ファンはこちらも要チェックだ |
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マブラヴ オルタネイティヴ クロニクルズ03
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