テストレポート
auの「Galaxy Note9」&「Xperia XZ3」テストレポート。新型XperiaにもXperia XZ2と同じく気がかりなポイントが
ラインナップの中で,ゲーマーの選択肢となるであろうスペックを備える製品と言えば,Qualcomm製のハイエンドSoC(System
東京都内で行われた新製品発表会場でのタッチアンドトライは,時間が限られていたため,テストはGalaxy Note9を中心に行ったのだが,Xperia XZ3についても,タッチに対する反応といった気になる部分はテストを行えた。今冬注目となりそうなハイエンド製品2機種のテストレポートをお送りしよう。
Galaxy Note9
本体に収納可能な専用スタイラス「S Pen」を有するスマートフォンとして,独特の地位を築いたGalaxy Noteシリーズの最新モデルが,Galaxy Note9だ。
見た目的には,一回り巨大化した「Galaxy S9」といったところで,スペックも共通する部分が多い。Galaxy S9と「Galaxy S9+」も含めると,「Samsung Electronics(以下,Samsung)製のハイエンドスマートフォンは,3サイズから選べる」と言ってもいいくらいだ。
また,最近のハイエンドスマートフォンでは,ディスプレイ上端に切り欠き(ノッチ)を設けたり,4極3.5mmミニピンのヘッドセット端子を省略したりする製品が増えているが,Galaxy Note9はノッチを持たず,ヘッドセット端子も従来どおり装備し続けているので,その点でもゲーマーの選択肢に含めやすい端末であろう。
6.4インチサイズの有機ELパネルから湾曲した左右端まで,前面全体が強化ガラスで覆われているため,ベゼルが目立たずに大画面感を強く感じるデザインは,Galaxy Note8やGalaxy S9シリーズと同様である。とくに,サイズの近いGalaxy S9+を手にしたことがあるのなら,Galaxy Note9は,少しサイズが大きくなっただけの端末に思えるかもしれない。
発表会でのデモブースでは,従来機種とのハードウェア設計の違いをアピールするためか,やや突っ込んだ紹介も行われていた。
たとえば冷却周りでは,Galaxy Note8との比較展示があり,「ウォーターカーボンクーリングシステム」の採用によって,冷却性能が約21%向上したそうだ。説明によるとウォーターカーボンクーリングシステムとは,“ヒートパイプで熱を伝えて,カーボンシートで熱を逃がす”仕組みだそうだ。ただ,カーボンシートをどこに挟み込んでいるのかという具体的な説明はなかった。
なお,放熱は音量調整ボタン付近で行うそうで,実際,ベンチマークテストの開始直後から,ボタン周辺では温度の上昇が露骨に感じた。一方,ベンチマークテストが終了すると,短時間で温度の低下を体感できたため,スムーズな冷却を行えているようだ。
バッテリーの増量も,Galaxy Note9における改良点であるという。Galaxy Note9のバッテリー容量は4000mAhで,Galaxy Note8の3300mAhよりも1.2倍も増えている。発表会場では,バッテリー駆動時間の長さをアピールする動画が用意されており,「PUBG MOBILE」を延々とプレイし続けて,Galaxy Note9のほうが長時間プレイできるという様子を示していた。
ちなみに,その場にいた説明員氏が,延々とプレイする人力ベンチマークを実行した当人であったため,Galaxy Note9におけるPUBG MOBILEのプレイフィールについて質問したところ,「最高設定でも,もたつきはほとんどなかったが,ベンチマークテストの後半になってから,もたつきを体感し始めた」とのこと。超長時間のプレイだと,さすがにSoCの熱を捌ききれないようだ。
それではベンチマークテストで,Ga
今回実行したのは,「3DMark」のSling
3DMarkから見ていくと,Sling
3DMarkは,実行時間の短いベンチマークテストであるため,冷却機能の差が出るほど発熱しないのだろう。
次にPCMark for AndroidのStorage testだが,スコアは「3258」だった。最新のハイエンド端末としては少々低めの値であるが,Galaxy S9も同程度だったので,2018年のSamsung製ハイエンド端末では,この程度のスコアが標準的なのだろうか。この程度のスコアでも,アプリの起動が遅いといった印象はない。
AnTuTu BenchmarkではGalaxy S9と明確なスコア差が生じた。分かりやすいのがGPUの項目で,Galaxy S9比で約18%も上回ったのだ。GPU以外の項目も,
AnTuTu HTML5 Testでも,GPU性能がものを言う「Periodic」で,Galaxy Note9が高いスコアを記録したのが目立つ。
●Galaxy Note9 SCV40の主なスペック
- メーカー:Samsung Electronics
- OS:Android 8.1(Oreo)
- ディスプレイパネル:6.4インチ有機ELパネル「Infinity Display」,解像度1440×2960ドット,516ppi,アスペクト比 9:18.5,HDR対応
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」
・CPUコア:Kryo 385 Gold(最大2.8GHz)×4+Kryo 385 Silver(最大1.7GHz)×4
・GPUコア:Adreno 630
・モデム:Snapdragon X20 LTE - メインメモリ容量:6GB
- ストレージ:内蔵128GB+microSDXC 最大512GB
- アウトカメラ:有効画素数約1220万画素(※広角)+有効画素数約1220万画素(望遠)
- インカメラ:有効画素数約800万画素
- 対応SIM:nanoSIMカード
- 対応LTEバンド:未公開
- 対応3Gバンド:未公開
- バッテリー容量:4000mAh(Qiワイヤレス充電対応)
- 待受時間:約440時間(LTE)
- 連続通話時間:最大2750分
- 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
- Bluetooth対応:5.0+LE
- FeliCa対応:○
- USBポート:USB Type-C
- スピーカー:ステレオ
- 公称本体サイズ:約76(W)×162(D)×8.8〜9.3(H)mm
- 公称本体重量:約201g
- 本体カラー:ラベンダーパープル,オーシャンブルー,ミッドナイトブラック
KDDIのGalaxy Note9 SCV40製品情報ページ
Xperia XZ3
ボディの薄型化と,前面の上下左右端に強い丸みがついたことで,Xperia XZ2で感じた妙なデカさは感じない。また,Xperia XZ2では背面の膨らみが顕著であったため,背面を下にしてテーブル上に置くと,ハンドスピナーよろしくクルクルとよく回るのが印象的だった。Xperia XZ3では,その点もちゃんと改良されており,強めに回転させてみても2秒ほどで静止する。説明員の女性も,「あまり回らなくなりました!!」と元気よく言っていたので,たぶん同じテストをしたことがあるのだろう。
Xperia XZ3で加わった新しい機能に,「サイドセンス」というものがある。これは,左右問わず画面の端をダブルタップすると,タップした付近にユーザーが次に使う可能性があると予想されるアプリのアイコンが8個表示されるというものだ。ユーザーが任意のアプリを配置することも可能なので,ランチャーとしても使用できる。
また,画面の左右端を指でなぞると,[戻る]ボタンの入力が実行されるといった操作もできるので,使い勝手が少しよくなる便利な機能といったところか。
この種の機能は,意図せずにこうした入力してしまう可能性が気になるところだが,端末を保持している状況を検出して,たとえば,親指の付け根あたりではダブルタップの認識精度をあえて下げるといった処理をしているそうだ。適当に保持して操作してみたが,画面端でのダブルタップが意図せず実行される様子もなく,ゲームプレイ時の邪魔になる可能性は低いだろう。
さて,最後にベンチマークテストだが,冒頭で述べたとおり,今回はXperia XZ2で気になった入力周りのみをチェックした。
ぺしぺしIkinaによる連打応答性の計測だが,93〜96になるよう連打してのスコアは「74」とあまり高くなく,12〜14タップごとに長めの飽和が発生した。この傾向はXperia XZ2と同じであるため,Xperia XZシリーズにおけるチューニングの方向性が,こういうものである可能性が高い。
また,デレステもプレイしたところ,連続入力での取得漏れとは遭遇しなかったが,スライド操作の習得漏れが気になった。
発売は11月上旬と少し先なので,Xperia XZ3の導入を検討しているのであれば,店頭のデモ機でよくチェックすることをお勧めしよう。
●Xperia XZ3 SOV39の主なスペック
- メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
- OS:Android 9.0(Pie)
- ディスプレイパネル:6インチ有機ELパネル「トリルミナスディスプレイ for Mobile」,解像度1440×2880ドット,アスペクト比 9:18,HDR対応
- プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」
・CPUコア:Kryo 385 Gold(最大2.8GHz)×4+Kryo 385 Silver(最大1.8GHz)×4
・GPUコア:Adreno 630
・モデム:Snapdragon X20 LTE - メインメモリ容量:4GB
- ストレージ:内蔵64GB+microSDXC 最大512GB
- アウトカメラ:有効画素数約1920万画素
- インカメラ:有効画素数約1320万画素
- 対応SIM:nanoSIMカード
- 対応LTEバンド:未公開
- 対応3Gバンド:未公開
- バッテリー容量:3200mAh(Qiワイヤレス充電対応)
- 待受時間:約520時間(LTE)
- 連続通話時間:最大2240分
- 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
- Bluetooth対応:5.0+LE
- FeliCa対応:○
- USBポート:USB Type-C
- スピーカー:ステレオ2ch
- 公称本体サイズ:約73(W)×158(D)×9.9(H)mm
- 公称本体重量:約193g
- 本体カラー:ブラック,ホワイトシルバー,フォレストグリーン,ボルドーレッド