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auの「Galaxy Note9」&「Xperia XZ3」テストレポート。新型XperiaにもXperia XZ2と同じく気がかりなポイントが
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印刷2018/10/13 19:25

テストレポート

auの「Galaxy Note9」&「Xperia XZ3」テストレポート。新型XperiaにもXperia XZ2と同じく気がかりなポイントが

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 既報のとおり,2018年10月11日,KDDIは,auの2018年秋冬モデルスマートフォン計4機種を発表した。
 ラインナップの中で,ゲーマーの選択肢となるであろうスペックを備える製品と言えば,Qualcomm製のハイエンドSoC(System-on-a-Chip)「Snapdragon 845 Mobile Platform」(以下,Snapdragon 845)を搭載する「Galaxy Note9 SCV40」(以下,Galaxy Note9)と,「Xperia XZ3 SOV39」(以下,Xperia XZ3)の2機種となる。

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 東京都内で行われた新製品発表会場でのタッチアンドトライは,時間が限られていたため,テストはGalaxy Note9を中心に行ったのだが,Xperia XZ3についても,タッチに対する反応といった気になる部分はテストを行えた。今冬注目となりそうなハイエンド製品2機種のテストレポートをお送りしよう。


Galaxy Note9


 本体に収納可能な専用スタイラス「S Pen」を有するスマートフォンとして,独特の地位を築いたGalaxy Noteシリーズの最新モデルが,Galaxy Note9だ。
 見た目的には,一回り巨大化した「Galaxy S9」といったところで,スペックも共通する部分が多い。Galaxy S9と「Galaxy S9+」も含めると,「Samsung Electronics(以下,Samsung)製のハイエンドスマートフォンは,3サイズから選べる」と言ってもいいくらいだ。

 また,最近のハイエンドスマートフォンでは,ディスプレイ上端に切り欠き(ノッチ)を設けたり,4極3.5mmミニピンのヘッドセット端子を省略したりする製品が増えているが,Galaxy Note9はノッチを持たず,ヘッドセット端子も従来どおり装備し続けているので,その点でもゲーマーの選択肢に含めやすい端末であろう。

前面:縦長画面だがノッチはない。また受話口はスピーカーも兼ねている
背面:かなりスッキリした背面。先代の「Galaxy Note8」は,指紋認証センサーがアウトカメラの横にあったため,センサーに触れようとした指がカメラのレンズに触れてしまうことがあり,不評を買っていた。そこでGalaxy Note9では,カメラユニットの下側に指紋認証センサーを移動している
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上側面:サブマイク孔とSIMカード兼microSDカードスロットが並ぶ。ちなみに,最大容量512GBのmicroSDXCカードまで対応する
下側面:3.5mmミニピンのヘッドセット端子,USB Type-Cポート,マイク孔,スピーカー,S Penの収納部という並びだ
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左側面:音量調整ボタンと,Samsung独自のAIアシスタント機能「Bixby」(ビクシビー)を呼び出す[Bixby]ボタンがある
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右側面:[電源/スリープ]ボタンがあるだけだ
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 6.4インチサイズの有機ELパネルから湾曲した左右端まで,前面全体が強化ガラスで覆われているため,ベゼルが目立たずに大画面感を強く感じるデザインは,Galaxy Note8やGalaxy S9シリーズと同様である。とくに,サイズの近いGalaxy S9+を手にしたことがあるのなら,Galaxy Note9は,少しサイズが大きくなっただけの端末に思えるかもしれない。

S Penを出したところ(左)。ロック状態でS Penを取り出すと,S Pen対応アプリが起動するといった要素は,従来機種から継承されている。右写真は,左側にGalaxy Note9,右側に筆者のGalaxy S9を並べたところ。サイズは一回り違うが,外観のイメージはそっくりだ
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 発表会でのデモブースでは,従来機種とのハードウェア設計の違いをアピールするためか,やや突っ込んだ紹介も行われていた。
 たとえば冷却周りでは,Galaxy Note8との比較展示があり,「ウォーターカーボンクーリングシステム」の採用によって,冷却性能が約21%向上したそうだ。説明によるとウォーターカーボンクーリングシステムとは,“ヒートパイプで熱を伝えて,カーボンシートで熱を逃がす”仕組みだそうだ。ただ,カーボンシートをどこに挟み込んでいるのかという具体的な説明はなかった。
 なお,放熱は音量調整ボタン付近で行うそうで,実際,ベンチマークテストの開始直後から,ボタン周辺では温度の上昇が露骨に感じた。一方,ベンチマークテストが終了すると,短時間で温度の低下を体感できたため,スムーズな冷却を行えているようだ。

左がGalaxy Note8,右がGalaxy Note9。赤線で囲われた部分が,放熱機構の代表的な改良部分で,銅製のヒートパイプが大型化しているのが分かる
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 バッテリーの増量も,Galaxy Note9における改良点であるという。Galaxy Note9のバッテリー容量は4000mAhで,Galaxy Note8の3300mAhよりも1.2倍も増えている。発表会場では,バッテリー駆動時間の長さをアピールする動画が用意されており,「PUBG MOBILE」を延々とプレイし続けて,Galaxy Note9のほうが長時間プレイできるという様子を示していた。
 ちなみに,その場にいた説明員氏が,延々とプレイする人力ベンチマークを実行した当人であったため,Galaxy Note9におけるPUBG MOBILEのプレイフィールについて質問したところ,「最高設定でも,もたつきはほとんどなかったが,ベンチマークテストの後半になってから,もたつきを体感し始めた」とのこと。超長時間のプレイだと,さすがにSoCの熱を捌ききれないようだ。

プレイの実録タイムラプス動画で,前モデルとのバッテリー駆動時間の違いを見せていた
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 それではベンチマークテストで,Galaxy Note9の性能を検証していこう。
 今回実行したのは,「3DMark」のSling Shot Extreme Unlimitedプリセットと,Sling Shot Extreme Vulkanプリセット,「PCMark for Android」のStorage test,「AnTuTu Benchmark」のアプリ版と,HTML5版「AnTuTu HTML5 Test」,そして「ぺしぺしIkina」の6種類だ。

「パフォーマンスモード」の仕様は,Galaxy S9から変更はなかった。S Pen以外のソフトウェア面も,ほとんど違いがないようだ
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 また,性能に対する冷却機能の影響が気になったので,Galaxy S9のベンチマークスコアも掲載している。なお両端末とも,設定アプリにある「パフォーマンスモード」の項目から,画面解像度を2960×1440ドット,「ビデオエンハンサー」は「オフ」に設定した。また,「バッテリー」の項目で省電力モードをオフにして,CPU動作クロックに制限が入らないようにしている。

 3DMarkから見ていくと,Sling Shot Extreme Unlimitは「4962」,Sling Shot Extreme Vulkanは「3675」といった具合で,Snapdragon 845搭載端末としては平均的なスコアとなった。Galaxy S9とのスコア差は,誤差範囲に収まっている。
 3DMarkは,実行時間の短いベンチマークテストであるため,冷却機能の差が出るほど発熱しないのだろう。

3DMarkにおけるGalaxy Note9のスコア(左)とGalaxy S9のスコア(右)
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 次にPCMark for AndroidのStorage testだが,スコアは「3258」だった。最新のハイエンド端末としては少々低めの値であるが,Galaxy S9も同程度だったので,2018年のSamsung製ハイエンド端末では,この程度のスコアが標準的なのだろうか。この程度のスコアでも,アプリの起動が遅いといった印象はない。

Storage testにおけるGalaxy Note9のスコア(左)とGalaxy S9のスコア(右)
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 AnTuTu BenchmarkではGalaxy S9と明確なスコア差が生じた。分かりやすいのがGPUの項目で,Galaxy S9比で約18%も上回ったのだ。GPU以外の項目も,Galaxy Note9はGalaxy S9よりも上回っている。

AnTuTu BenchmarkにおけるGalaxy Note9のスコア(左)とGalaxy S9のスコア(右)
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 AnTuTu HTML5 Testでも,GPU性能がものを言う「Periodic」で,Galaxy Note9が高いスコアを記録したのが目立つ。

AnTuTu HTML5 TestにおけるGalaxy Note9のスコア(左)とGalaxy S9のスコア(右)
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ぺしぺしIkinaは,93〜96になるよう連打して「85」。66タップめ以降から飽和が連続するという面白い傾向だった
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 Galaxy Note9のメインメモリ容量は6GBなのに対して,Galaxy S9は4GBというスペック差はあるものの,メインメモリ容量の差が原因となって,GPUが絡むテストでこれだけの性能差がつくとは考えにくいように思う。3DMarkでは,両製品のスコアに大差がなかったこともあって判断に迷うが,強化された冷却機能の効果が,テスト時間が長めのAnTuTu Benchmarkで効果を発揮したのかもしれない。

こちらの写真は,いずれもCPU-ZでGalaxy Note9におけるCPUコアの動作を確認している様子だ。big側は高いクロックで動いていることが多く,LITLLE側のクロックも1766MHzで高止まりしているなど,動作クロックが上下動するシーンは少なかった。応答の良さは,動作クロックの高さが要因だろうか
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●Galaxy Note9 SCV40の主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 8.1(Oreo)
  • ディスプレイパネル:6.4インチ有機ELパネル「Infinity Display」,解像度1440×2960ドット,516ppi,アスペクト比 9:18.5,HDR対応
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」
    ・CPUコア:Kryo 385 Gold(最大2.8GHz)×4+Kryo 385 Silver(最大1.7GHz)×4
    ・GPUコア:Adreno 630
    ・モデム:Snapdragon X20 LTE
  • メインメモリ容量:6GB
  • ストレージ:内蔵128GB+microSDXC 最大512GB
  • アウトカメラ:有効画素数約1220万画素(※広角)+有効画素数約1220万画素(望遠)
  • インカメラ:有効画素数約800万画素
  • 対応SIM:nanoSIMカード
  • 対応LTEバンド:未公開
  • 対応3Gバンド:未公開
  • バッテリー容量:4000mAh(Qiワイヤレス充電対応)
  • 待受時間:約440時間(LTE)
  • 連続通話時間:最大2750分
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:5.0+LE
  • FeliCa対応:○
  • USBポート:USB Type-C
  • スピーカー:ステレオ
  • 公称本体サイズ:約76(W)×162(D)×8.8〜9.3(H)mm
  • 公称本体重量:約201g
  • 本体カラー:ラベンダーパープル,オーシャンブルー,ミッドナイトブラック


KDDIのGalaxy Note9 SCV40製品情報ページ



Xperia XZ3


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 Xperia XZ3は,Xperiaシリーズとしては初となる有機ELディスプレイ搭載が特徴の製品だ。前機種である「Xperia XZ2」と比べると,大きな違いはディスプレイの変更とボディの薄型化(約11.1mm→約9.9mm),そして,プリインストールOSがAndroid 8.0から9.0へとアップデートされたこと程度か。評判がいいとは言えなかった前機種から,半年程度でのモデルチェンジである点がとても気になる。

前面:6インチサイズの有機ELパネルを採用しているが,ノッチはない。ベゼル下部にあるSONYロゴが微妙に気になる。ちなみに,Xperia XZ3はフロントステレオスピーカー仕様だが,下部のスピーカーは目立ちにくい作りだ
背面:指紋認証センサーの位置は,評判の悪い中心近くのままだ
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 ボディの薄型化と,前面の上下左右端に強い丸みがついたことで,Xperia XZ2で感じた妙なデカさは感じない。また,Xperia XZ2では背面の膨らみが顕著であったため,背面を下にしてテーブル上に置くと,ハンドスピナーよろしくクルクルとよく回るのが印象的だった。Xperia XZ3では,その点もちゃんと改良されており,強めに回転させてみても2秒ほどで静止する。説明員の女性も,「あまり回らなくなりました!!」と元気よく言っていたので,たぶん同じテストをしたことがあるのだろう。

上側面:SIMカード兼microSDカードスロットのカバーと,サブマイク孔がある。前面と背面の末端が丸みを帯びており,グリップ感はとてもいい
下側面:USB Type-Cポートとマイク孔がある。ヘッドセット端子はない
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右側面:左からシャッターボタン,[電源/スリープ]ボタン,音量調整ボタンが並ぶ定番のXperiaレイアウトだ。なお,左側面にはなにもなし
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 Xperia XZ3で加わった新しい機能に,「サイドセンス」というものがある。これは,左右問わず画面の端をダブルタップすると,タップした付近にユーザーが次に使う可能性があると予想されるアプリのアイコンが8個表示されるというものだ。ユーザーが任意のアプリを配置することも可能なので,ランチャーとしても使用できる。
 また,画面の左右端を指でなぞると,[戻る]ボタンの入力が実行されるといった操作もできるので,使い勝手が少しよくなる便利な機能といったところか。

丸みのある側面の端をダブルタップしたり,スライドしたりすると,操作を補助する機能が動作する(左)。プリインストールOSはAndroid 9.0だが,Xperia独自の設定項目は,Xperia XZ2と違いがなかった(右)
画像集 No.035のサムネイル画像 / auの「Galaxy Note9」&「Xperia XZ3」テストレポート。新型XperiaにもXperia XZ2と同じく気がかりなポイントが 画像集 No.036のサムネイル画像 / auの「Galaxy Note9」&「Xperia XZ3」テストレポート。新型XperiaにもXperia XZ2と同じく気がかりなポイントが

 この種の機能は,意図せずにこうした入力してしまう可能性が気になるところだが,端末を保持している状況を検出して,たとえば,親指の付け根あたりではダブルタップの認識精度をあえて下げるといった処理をしているそうだ。適当に保持して操作してみたが,画面端でのダブルタップが意図せず実行される様子もなく,ゲームプレイ時の邪魔になる可能性は低いだろう。

 さて,最後にベンチマークテストだが,冒頭で述べたとおり,今回はXperia XZ2で気になった入力周りのみをチェックした。
 ぺしぺしIkinaによる連打応答性の計測だが,93〜96になるよう連打してのスコアは「74」とあまり高くなく,12〜14タップごとに長めの飽和が発生した。この傾向はXperia XZ2と同じであるため,Xperia XZシリーズにおけるチューニングの方向性が,こういうものである可能性が高い。
 また,デレステもプレイしたところ,連続入力での取得漏れとは遭遇しなかったが,スライド操作の習得漏れが気になった。

ぺしぺしIkinaの結果は「74」(左)。85前後が珍しくない最近のスマートフォンではやや低め。デレステのタイミング調整は「+12」と良好な値で,他のリズムゲームにも向きそうだ
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 発売は11月上旬と少し先なので,Xperia XZ3の導入を検討しているのであれば,店頭のデモ機でよくチェックすることをお勧めしよう。

●Xperia XZ3 SOV39の主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 9.0(Pie)
  • ディスプレイパネル:6インチ有機ELパネル「トリルミナスディスプレイ for Mobile」,解像度1440×2880ドット,アスペクト比 9:18,HDR対応
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 845」
    ・CPUコア:Kryo 385 Gold(最大2.8GHz)×4+Kryo 385 Silver(最大1.8GHz)×4
    ・GPUコア:Adreno 630
    ・モデム:Snapdragon X20 LTE
  • メインメモリ容量:4GB
  • ストレージ:内蔵64GB+microSDXC 最大512GB
  • アウトカメラ:有効画素数約1920万画素
  • インカメラ:有効画素数約1320万画素
  • 対応SIM:nanoSIMカード
  • 対応LTEバンド:未公開
  • 対応3Gバンド:未公開
  • バッテリー容量:3200mAh(Qiワイヤレス充電対応)
  • 待受時間:約520時間(LTE)
  • 連続通話時間:最大2240分
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:5.0+LE
  • FeliCa対応:○
  • USBポート:USB Type-C
  • スピーカー:ステレオ2ch
  • 公称本体サイズ:約73(W)×158(D)×9.9(H)mm
  • 公称本体重量:約193g
  • 本体カラー:ブラック,ホワイトシルバー,フォレストグリーン,ボルドーレッド

KDDIのXperia XZ3 SOV39製品情報ページ

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