ブラウザ型MMORPG「Ravine Online」で正式サービス後初の「第1回大型アップデート」を実施。農園や飛行など各種新システムや新ダンジョンを追加

　ゲームウェーブのブラウザ型MMORPG「Ravine Online」は，2012年8月1日に「第1回大型アップデート」を実施する。5月29日に正式サービスをスタートさせてから，数か月しか経過していないのだが，今回のアップデートでは新しくギルド専用ダンジョンやカップル専用ダンジョン，飛行システム，農園システムなどの新要素のほか，キャラクター強化用の各種新システムが追加されるなど充実した内容となっている。

　Ravine Onlineは中国で先行サービスを展開しているわけだが，第1回大型アップデートで，中国と日本の差はほとんどなくなるとのこと。以降は，中国でアップデートされた要素は，間を置かずに日本でも導入されることになりそうだ。
　今回はアップデートに先駆けて一部の新要素をテストプレイしてきたので，その内容を紹介していこう。

親密度を上げる「ペアダンジョン」と大人数で挑む「ギルドダンジョン」

　まず，通常のダンジョンとは異なる限定された状況下で入場できるダンジョンが2種類追加される。

ハート型のフィールドで，次々に湧いてくるモンスターをやっつけよう

　一つめは，男女のキャラクター2人が部隊（パーティ）を組んで挑戦する「ペアダンジョン」だ。こちらは1日1回のみチャレンジできるダンジョンで，従来のダンジョンよりも多くの経験値が期待できるというもの。対象レベルは40以上だ。
　ペアダンジョンは，専用のフィールド内にいる敵を全滅させると，新しい敵が出現してくるようになっている。次々と敵を倒していき，最後にボスを倒すとクリアとなる。男女のキャラクターにレベル差があっても入手する経験値にペナルティはないので，男性キャラクターがか弱い女性キャラクターを守りながらレベルアップのお手伝いをする……なんてこともできるのだ。
　報酬として課金アイテムと同等の，男女間の“親密度”を上げるアイテムも入手できるため，男女の仲をより深めたい場合に活用していきたい場所だ。


　親密度とはキャラクター間に設定されたステータスで，この数値が高いと部隊を結成した際に能力が上昇したり，男女の場合はいずれは“結婚”することもできるようになる。
　Ravine Onlineの結婚システムはかなり力が入っていて，壮大なパレードを含む披露宴を行ったり，専用の衣装やペットがもらえたりといった特典がある。しかし，親密度を上げるのはかなり難しいという状況もあり，結婚をしているプレイヤーはまだまだ少ないのだとか。
　ペアダンジョンの導入で，新密度が上げやすくなり，結婚へのハードルも低くなるだろう。なお，結婚式を盛り上げ，使用することで経験値も入手できる“花火”などもペアダンジョンで入手可能だ。

　ちなみに部隊に関しては，新しいシステムが導入され，遠くのメンバーをいつでも部隊長のいる場所へ“召集”できるようになった。部隊長がダンジョン入り口で待機していれば，時間の短縮にもつながるのでぜひ活用しよう。

　新規に追加される，もう一つのダンジョンは，ギルドメンバーで挑む「ギルドダンジョン」だ。ギルドレベルが2以上のギルドなら，ギルド長か副ギルド長の操作によって1日1回だけ開放でき，ギルドメンバー全員がギルドダンジョンに入場可能だ。ギルドポイントは消費しないので，毎日でも実行したいところ。対象レベルはギルド加入条件と同じレベル30以上となっている。
　ギルドダンジョンは階層型になっており，階層を進めば進むほど敵は強くなっていく。半面，クリア報酬や敵からのドロップアイテムは豪華になっていくので，ギルドメンバーと力を合わせて限界にチャレンジする楽しみは大きい。
　なお，こちらのダンジョンで入手できる報酬には，ギルド財産や個人のギルド貢献度が含まれており，いろいろな意味でギルドの活性化が図れるのだ。ギルドボスと今回紹介したギルドダンジョンが，当面はギルド活動の目的となりそうだ。


　テストプレイをした感じでは，ギルドダンジョンは相当な難度のダンジョンであると感じた。敵が強いということもあるが，階層ごとに設定されている制限時間が結構厳しい。ギルドメンバー総出の大部隊で攻略するのが望ましいだろう。ただ，敵モンスターからのドロップも通常ダンジョンより多いので，少人数ギルドでもチャレンジする価値はあるだろう。


　今回は2種類の限定ダンジョンを紹介したが，これ以外にもアップデート当日に追加されるダンジョンがあるという。詳しい内容は定かではないが，従来の階層型ダンジョンのパワーアップ版で，途中に休憩ポイントがあって，そこでしか買えないものもあるのだとか。

ステータスを向上させる“仙丹”の製造が可能な「仙園」システム

　新コンテンツとして「仙園」という農園系の栽培システムが導入される。自分専用の畑で植物を栽培できるこのシステムは，できあがった植物から“仙丹”というキャラクターのステータスを向上させるアイテムを作成するのが最終目的だ。
　仙園には“畑レベル”というものが存在していて，レベルが上がるほど栽培できる場所と植物の種類が増える仕組みとなっている。植物の種類によって効果が変わってくるので，自分好みの効果の高い仙丹を作るためには，畑レベルを上げることは必須といえる。植物を育てていけば自然と経験値が入手でき，同時に畑レベルも上昇するが，種を作付けしてから収穫までに時間が掛かるためレベル上げは一朝一夕にはいかない。


　Ravine Onlineには，経脈やペットの昇級，接続報酬などなど完了するまでに時間が必要な要素が多数ある。仙園はログアウト中でも種が成長するため，既存の要素以上にほかの作業をし“ながら”の感覚が強い。ダンジョンに行きながら，任務を遂行しながら，植物を育ててキャラクターを強化させていくのがよいだろう。なお，忙しい人向けのオプションとして，ロア（課金通貨）による植物の成長時間の短縮や栽培場所の増加も行える。

　ちなみに，仙丹で得られるステータスの向上は永続的なものになっている。仙丹一つでのステータスの伸びは微々たるものだが，長期的に続けていくことでキャラクターの能力は確実にアップしていくはずだ。

キャラクターの強化に関する三つの新システムを追加

　Ravine Onlineには，経脈や根骨を始め，数多くの付加ステータスが存在している。今回のアップデートでさらに3種類の新規ステータスが追加され，キャラクターの育成の幅がさらに広がることとなる。

キャラクターの横に浮かんだ剣が器魂だ

　最初に紹介するのは「器魂」というシステム。器魂はキャラクターの背後に浮遊する剣のような形をしており，プレイヤーに常時同伴する仲間ともいえる存在だ。既存のペットと似ている部分もあるが，ペットがスキルによってキャラクターの能力を底上げするものなのに対して，器魂は独自に戦闘能力を有しているのが最大の違いとなっている。独自に戦闘をするといっても，勝手に動き回るわけではなくキャラクターの攻撃に合わせてくれるので，特別な操作は必要ない。キャラクターの攻撃に追加ダメージが乗るといえば分かりやすいだろうか。

戦闘中は，勝手に攻撃をしてくれる

　器魂の成長に関しては，プレイヤーが経験値を入手するとその一部を器魂が吸収する形で強化されていく。また，器魂にスキルを覚えさせることも可能だ。ロアやクエストなどで入手できるRPを使うことでランダムにスキル書を取得でき，そのスキル書を使えば実際にスキルを習得したことになる。同じ種類のスキル書をレベル1→レベル2というように重ねていくことで，スキルのレベルも上げられる仕様だ。なお，器魂のスキルは実装直後の時点だとレベル5まで上げられるという。
　独自攻撃による火力アップと，キャラクターへの防御能力アップの両方に期待できる器魂システム。使用できるようになるレベル50に達したらすぐに入手し，育成を開始したいところだ。余裕があれば課金アイテムを使って器魂のグレードを上げ，能力の底上げをしてもいいだろう。


　続いて，新しくキャラクターに付与されるステータス「元魂」を紹介しよう。
　元魂はキャラクターのステータスを上昇させるカードのようなもので，元魂の種類は各ステータスと同じ数だけ存在している。これを専用スロットに装着することで効果を発揮するわけだが，どのステータスを上げたいかで装着する元魂を選ぶことができるのだ。キャラクターの流派（職業）の長所を伸ばすのか，または欠点を補うのか。その選択権はプレイヤーにあるというわけだ。

　元魂の入手方法は，専用のインタフェース内でロアもしくはRPを使ってNPCから購入する形となっていて，購入した元魂は専用のカバンに収められる。また，購入NPCは複数いて，その種類によって金額と高グレードの元魂の入手確率が変動する仕様だ。


　より能力を上げたい場合は，元魂をレベルアップさせればいい。その方法は，レベルを上げたいメインの元魂に，サブの元魂を合体させる。サブの元魂は消えてしまうが，メインの元魂は経験値が蓄積され，一定以上の経験値に達することでレベルが上がっていく。なお，高いグレードの元魂を手に入れても，低い元魂に溜めた経験値をそのまま受け継ぐことができるので，コツコツと育てることは無駄にならない。まずは身の丈に合ったグレードの元魂から育成していき，徐々に高グレードの元魂へと移行していこう。
　とにかく，元魂を鍛えるには数多く元魂を購入することが必要となるので，RPを入手できる「きゅークエ」などの毎日イベントを地道に行っていくことが，結果的にキャラクターの強化につながることになるだろう。

レベルアップさせたい元魂を「主魂」に置き，「副魂」に合体させる元魂を置いて合成する

　また，Ravine Onlineでは，装備品のスロットに宝石を装着することで能力を引き上げられるシステムが完備されている。今回のアップデートでは，同じ等級の宝石をグレードアップ可能な「宝石神煉」というシステムが導入される。
　詳しく解説すると，宝石の等級を4級から5級へと上げるのではなく，より良い4級の宝石へとグレードアップするのが宝石神煉の特徴となっている。宝石神煉が施された宝石には“神”という接頭字が付き，効果も上昇する。
　なお，宝石神煉の導入に伴いユーザーインタフェースにも若干修正が加えられた。今まで宝石関連のシステムは「神炉」というで項目内で行っていたが，アップデート後は「宝石」というアイコンが新設され，こちらで宝石の装着/合成/摘除（取り外し）/宝石神煉を行うことになる。

「飛行」システムやランキング機能の拡充といった新要素も

　新規ダンジョンとキャラクターの強化に関する新システムがアップデートのメインとなるが，それ以外にもいくつか新要素が追加される。例えば，まったく新しい移動方法となる「飛行」システムだ。

　プレイヤーが装着できるアバターアイテムである“羽根”を＋10まで強化して装備すると，プレイヤーは自在に空を飛べるようになる。どのくらい自在かというと，地上を歩いているときは避けて通らなければならなかった建物や地形の起伏といったオブジェクトを，すべて無視して移動できるほど。これにより，移動にかかる時間は大幅に短縮されることになるだろう。

　飛行を行うには，画面左上に新設される飛行アイコンを押せばよい。
　なお，飛行状態のときはどんな状況であっても，ほかのプレイヤーやモンスターから攻撃されることがなく，同時にこちらから攻撃することもできない。ソロで危険な場所を駆け抜けるような場面でも活用できそうだ。


　新しいランキングと称号の追加も行われる。ランキングはアップデート前から稼動中ではあったが，その中で未実装だった“文才”“武器”“防具”のランキング称号が開放され，新たにカップル用と器魂関連のランキング並びに称号も追加される。
　称号はその名称がキャラクターの頭上に表示されるだけだったが，称号に応じた能力がキャラクターに付与されるようになった。元々，コレクションややり込み要素としての意味合いが強かったシステムだが，今後は実プレイに少なからず影響を与える要素となる。


　以上が第1回大型アップデートでメインとなる新要素の概要である。
　カップルとギルド，2種類のコミュニティ専用のダンジョンは，その目的と利用者がはっきりしているのがポイントだ。親密度を上げたいならペアダンジョンへ，大勢の仲間と限界にチャレンジしたいならギルドダンジョンへ。ギルドダンジョンのほうは，非常に歯応えのあるコンテンツとなっている。最初は全滅してしまうかもしれないが，レベルを上げ装備を整えつつ何度もチャレンジしてもらいたい。
　そのほかの新要素は，主にキャラクターの強化に関わるシステムとなっていて，どれも腰を据えてじっくり行っていく必要がある。経脈やペット育成といった既存のシステムと並行しながら，長期的プランでキャラクターを強化していこう。

　秀逸なオート移動/オート戦闘によってプレイヤーの労力は最小限に抑えられ，ブラウザ型であることから軽くて別作業をしながらのプレイも可能なRavine Online。クエストの項目をクリックしたりダンジョンの入場を指示したりしたあとは，プレイヤーは見ているだけで（もしくはウインドウを最小化して別作業を行っていても）自動でクエストが進み，ダンジョンも攻略してくれる。そんなお手軽なゲーム性はアップデート後もそのままだ。
　ブラウザ型とはいえ，下手をするとクライアント型のMMORPGより充実したシステムを備えているかもしれないRavine Online。その初めての大型アップデートで追加されたシステムはなかなか膨大だ。中国での状況などを聞くと，今後も速いペースでコンテンツ追加されそうである。今後のアップデートにも期待しよう。

「Ravine Online」公式サイト