インタビュー
稲船敬二氏がついに作家デビュー。「REM」で小説にまで手を広げた氏の思惑(とゲームのこと)を聞いてみた
「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」 (C)コーエーテクモゲームス Team NINJA All rights reserved. Co-developed by comcept Inc. Spark Unlimited |
レム 2012年9月14日発売 定価:1785円(税込) ISBN 978-4-334-92845-2 フィクション、文芸 判型:四六判ハード |
出版直前の忙しい時期に,版元である光文社で他誌(ダ・ヴィンチ)のインタビューがあると聞いたので,その小一時間ほど前に無理やり時間を取って話を聞かせてもらうことになった。氏がどういうつもりで小説に手をつけて,どういうものが出来上がっているのか,そしていまのゲーム業界をどう思っているのか,少しだけ聞いてみよう。
「REM」紹介サイト(光文社)
「REM」(Amazon.co.jp)
4Gamer:
お久しぶりです。送られてくるプレスリリースなんかで動向は分かっていたんですが,あれからお元気だったでしょうか。
稲船氏:
はい,なんとか元気にやってます。
4Gamer:
「SOUL SACRIFICE」(ソウル・サクリファイス)も,やっと情報がじわじわと出だした感じですね。
稲船氏:
そうですね,ゲームショウにプレイアブルで出すので,いま詰めの調整中です(編注:本インタビューはTGS前に行われている)。
4Gamer:
comceptの人から「(難易度的には)かなり難しい」とお聞きしましたが。
稲船氏:
今まだ調整前ではあるけど,確かにかなり難しい……かも(笑)。
4Gamer:
実は今日はゲームの話ではなくて,なんだかついに小説まで出されると聞いて,これはとりあえず話を聞いてみないとな,と。
稲船氏:
そうなんですよ。ようやく本まで出せるようになりました(笑)。
4Gamer:
そもそも,稲船さんが常々標榜する「コンセプト」を,今回は本の形にしようと思った理由ってなんでしょうか。
稲船氏:
いくつかあるんですけど,んー,これ誤解を招きかねない表現なんですが「一番早い」からですかね。
4Gamer:
……早い?
稲船氏:
自分の考えたコンテンツを世の中に出すというアクションをするにあたって,もっともコストがかからない方法が小説なんですよね。
4Gamer:
なるほど。確かにそういうものかもしれません。
稲船氏:
僕らが日頃接している,例えばゲームであったりアニメであったり映画であったり,そういうものってどう考えてもコストが非常に高いわけです。
今回は例えば,「REMっていうゲーム」を考えましたから,これを開発しましょう,ということでもいいんです。しかし例えばソーシャルゲームにしようとしても数千万かかるわけですよね。昨今のリッチ気味になっているコンテンツ開発を考えると,もしかしたら億単位でかかっちゃうかもしれない。そこまでいくとそうそう簡単には動かせないわけで,それって要するに自分の考えてることをいろんなひとに話すと「面白いね」って言ってもらえるのに,それを形にできない状況になるわけです。形にできないと,腐っていくだけじゃないですか。
4Gamer:
自分の中で腐っていくこともそうですが,内容によっては新鮮味も失われていきますよね。
そう。そう考えると,ゲームとかに限らず何らかの形で世の中に出して,それを見てもらいたい,分かってもらいたいと思うときに,小説というのは一つのアウトプット方法としてとてもいいんじゃないかな,と。
4Gamer:
なるほど。
稲船氏:
普通だとここで「ゲームクリエイターに小説は無理だよ」ってね。
4Gamer:
以前もお話した記憶がありますが,まぁ普通は「あれは無理,これも無理」って言いますよね(笑)。
稲船氏:
出来ない理由から探しますからね。でも無理じゃないんですよね。別に僕が書く必要はなくて,プロの小説家の方と組めばいいんです。
ゲームだってそうですよね。普通は「俺ゲーム作ってるんだ」っていっても,一人だけでコツコツ作っているわけじゃないし。
4Gamer:
そりゃそうですよね。
稲船氏:
僕が作ってるけどみんなで作ってるわけですよ,ゲームだって。それと同じ感覚で,僕が書いてるんだけど弐藤さんが書いてるんだ,というものにすればいいんだって思ったわけです。弐藤さんという作家の良さも入るし,自分の良さも入るし。
そういう形でずっとゲーム作りをやってきたわけだし,それと同じ感覚で小説というものも作れるんじゃないかなぁ,と現実的な方法をいろいろと探してたくさんの人と話をしていたら,「面白いですね」って光文社さんで言われたのでこうなったわけです。
コンテンツを作る「プロ」同士のバトルがずいぶんと長引いた
4Gamer:
ところでこれっていつ頃から進んでいる話なんですか?
稲船氏:
ええと,独立してすぐのころからかな。
4Gamer:
すぐというと,大体……。
稲船氏:
去年の1月,2月くらい。
4Gamer:
ほんとに「すぐ」ですね。
稲船氏:
そう(笑)。だから,さっきは「一番早い」とか言ってたけど,実は逆に時間かかっちゃったかもしれない。最初のゲームが出るまでに出せるかな,と思ってやってたら,結局同じくらいかかっちゃって。
4Gamer:
じゃあ,あの当時稲船さんが「ゲームじゃないいろんなことにもチャレンジしたい」と言ってたときには,すでに頭の中に構想があったわけですね。
稲船氏:
はい,ありました。もうプロットも書いてたし。
最初のプロットを書き上げた段階であちこちと話をして進めてきたんだけど,ここまで時間がかかったのは,やはり弐藤さんと「プロットのキャッチボール」を続けたからかな,という気はします。
4Gamer:
なるほど,単なる名前貸しじゃないところが稲船さんらしいですね。
稲船氏:
何回やり直したかなぁ……7回か8回か。たぶん8回くらいかな?
4Gamer:
プロットだけで8稿?(編注:原稿を修正しつつ8回出した,の意)
稲船氏:
そう。プロットだけで8稿やってます。
4Gamer:
それはまた……。さすがに小説に手をつけたのは初めてだと思うんですけど,どんなことが大変でした?
稲船氏:
いつもどおり「コンセプト」といえば分かりやすいですが,「想い」ってあるじゃないですか。なぜこうしたいのか,なぜこういうことを言わせたいのか。そういったものを伝えるために,最初にプロットを読んでもらって話をして,ああこれは伝わったかなと思ったんですけど,あとで弐藤さんが書いてきたプロットを見たら,全然伝わってなかったときがあったんですよ。
いやいや,重要なところはそこじゃないんです,とかそういう話をまとめるのは意外と大変でしたね。イヤな作業ではないけど,「どう説明すれば伝わるだろう」って真剣に考えるのは割と大変でした。
4Gamer:
弐藤さんもプロとして「解釈」してるわけですからね,きっと。
稲船氏:
そうなんですよ。決して弐藤さんの解釈を無下にしたいわけではないですが,僕のやりたいのは違うことで,そこは譲れないんです。僕はあくまでもコンセプト出しなので,もちろんそれを弐藤さんがどこまで変えても構わないんだけど,「そこだけは変えられたら困る」というところもあって,それがお互いの中でフィックスするまで相当時間がかかりましたね。やっぱり弐藤さんの中でも,考えてることとか組み立ててることがあって,そういうものと当たりをつけながら彼の中に落ち着くまでに時間がかかったでしょうしね。
実は途中で,「あぁこれは無理かな」って思った時期もあったんですよ。それくらい大変でした。
4Gamer:
連名にするだけあって,完全な合作ですね。
稲船氏:
今だから言えますが,ちょっと険悪な時期もあったんですけどね。ちょっと,じゃないかもしれないくらい(笑)。
4Gamer:
いいじゃないですか,コンテンツ制作のプロ同士の揉め事ですし。
稲船氏:
この本って,テーマとして「虐待」を取り上げてるんですよ。まずそこで議論があって,僕の考える「虐待」と弐藤さんの考える「虐待」が違っていて。
4Gamer:
虐待って児童虐待ですか?
稲船氏:
はい。でももちろん僕も弐藤さんも,虐待を受けたことがあるわけじゃありません。なのに「虐待はこういうものです」って語ってるわけですよ。
4Gamer:
でもコンテンツを制作するというのは,概ねにおいてそういうことですよね。
稲船氏:
ええ。もし僕が虐待を受けたことがあるのであれば「それは違います」って言い切れるし,向こうもその指摘を飲まなきゃいけないわけですよね。経験者なわけですから。
でも実際は,お互いに想像で語ってるわけです。いま話に出ましたが,弐藤さんも,小説家として例えば殺人事件とかを書くときに「殺人者の心理」になりきるわけですよね。殺人を犯したことはなくても。
4Gamer:
そうですね。
稲船氏:
そういう意味では,弐藤さんも擬似的にそういうことを考えることに慣れているわけです。そういう二人がバトルをするわけで(笑)。
でも結果として理解してくれたのがとても嬉しかったです。最後は僕の思うことを理解してくれました。
4Gamer:
どうでもいいと思っていればバトルは起こらないわけで,そこはお互いさすがですね。
稲船氏:
弐藤さんなんかは自分で考えて書ける方なんだから,揉めたら別に自分一人で書けばいいだけですから。感謝してます。
4Gamer:
そうですよね。
この「REM」のプロットを読んで気に入ってもらえたから最後までやりたいと言っていただけて。で,全部終わったあとにも,凄く良かったって言ってくれたんですよ。僕もすごく勉強になったし,弐藤さんの書き下ろし作品を前2作読んだうえで「REMが一番好き」って言えるんですけどね。
4Gamer:
そういえば,弐藤さんの作品を読んでみてどんな感想を持ちました?
稲船氏:
クセのあるって言っていいのかどうか分かりませんが――これ悪意を持って言うわけではないので誤解されたくないんですが――読んでて「胸糞悪い」小説ですよね。なんかこう,もやもやとする嫌なことを,嫌な表現で書く人というか。むろんそれが悪いとか嫌いとかじゃなくて,それがあの人の個性なんです。だから弐藤さんを選んだわけですし。
4Gamer:
まぁこの表紙からして,割とおどろおどろしい感じで。
稲船氏:
そうですね。うまく雰囲気が出たかな?と思ってます。
4Gamer:
ちなみにどんな話なんですか? 差し支えない範囲で教えていただければ。
精神科医の叔父と暮らす少年,亮介。彼には,眠っている人の深層意識に入る「潜脳」という特殊能力があった。亮介には同じ能力を持つ双子の姉妹がいて,3人には共通したある「過去」があった。
東京・多摩地区で,残酷で奇怪な連続殺人事件が発生。容疑者は犯行時の記憶がなく,睡眠中に誰かに操られたという主張をし,逮捕時も,眠るたびにうなされて暴れるという。
亮介は,精神科医の依頼で容疑者の夢に「潜脳」することになる。
驚愕の展開の中で迎える結末とは……。
(稲船氏があまりにしゃべりすぎたので,ここでは軽い内容紹介にとどめておく)
4Gamer:
……意外と暗いですね。トーンが。まあ装丁からして暗いですけど。
稲船氏:
かなり暗いですね。でも読み終わりは,すっきりしてますよ。ハッピーエンドとまでは言わないけど。
ダークなストーリー展開に込められた「可能性」というコンセプト
4Gamer:
このダークな話に,稲船さんが込めたかった”コンセプト”はなんですか?
稲船氏:
世の中には「現実」と「非現実」があるじゃないですか。例えば僕で言えば,ゲームを作って,そのなかでいろんな物を作り出すということは,そこに僕の「現実」を作ってるという言い方も出来るわけですよね。
4Gamer:
確かにそうです。ある意味,妄想を「ゲーム」という形で現実化しているわけですから。
稲船氏:
本を書いたりするのもそうですよね。で,みんながそれを出来るかと言ったら,出来る人のほうが少ないですよね。
4Gamer:
おっしゃるとおりです。
稲船氏:
出来るということに「可能性」があるわけです。
それで今回のテーマの「虐待」なんですが,これは様々な辛いことが伴うわけですが,その辛い思いを乗り越えるための「もう一人の自分」みたいなところの活躍を考えて,いかに前向きに生きていくことができるのか,を表現したかったんです。
その「もう一人の自分」にとって重要なファクターである「潜脳」を,ポジティブに使った少年とネガティブに殺人に使ってしまった彼女達と,そのギャップを見せて,あなたはどっちを選びますか,というか。
4Gamer:
なるほど。っていまさらりと「彼女達」って言ってますけど(笑)。
稲船氏:
あ(笑)。
まぁそれはさておき,今いじめの問題とかもいっぱいあって,自殺にまで追い込まれて。現実が一つなら,もうそうなるしかないんです。希望なんてないじゃないですか。学校に行ったらいじめられ,親には知られたくないし,先生に相談しても知らん顔をされ。
でも現実はそこ一つじゃないんだよねということを表現したかったんです。少年が生きてる現実もあれば,彼女達が生きてる現実もあり。しかもこの姉妹が生きている世界は,実は違うんです。同じ双子なのに,まったく違う人生という現実を歩んでるんですね。
4Gamer:
二重の意味で組み込まれてるんですね。
稲船氏:
いい現実を自分で作り出すことが,前向きに生きていくことに必要なことじゃないですか。それをこの小説の中ではしっかりと書けたんじゃないかと思います。
小説の最後のほうでも,今までの現実とは違う現実を歩み始めるし,暗い話とはいえ,ちゃんと最後には希望があるわけです。
4Gamer:
なるほど。であれば確かに読み終わったときの感じは悪くなさそうですね。暗いままだったらどうしようかな,って。
稲船氏:
いやあ暗い部分もありますよ。なにせ猟奇殺人を取り上げていますし。
4Gamer:
しかし最初に「夢に入って」と聞いたときに,僕もたいがい古い人間なので「レリクス」を思い出したんですよ。なんか非常にゲームっぽい演出にも出来そうですよね。
稲船氏:
元々はゲームで考えてたからね(笑)。
4Gamer:
あ,やっぱり。
稲船氏:
僕の本業――っていうと変だけど,元々やっぱりゲームという部分を踏まえて考えますから。お話の中の「現実世界」がアドベンチャーゲームで,夢の世界にダイブするとバトルが始まったりとか。
4Gamer:
あぁ,なんか分かります(笑)。
稲船氏:
ね(笑)。で,そうだなぁ……アドベンチャー部分って,小説の中でも書かれてるけど,夢の世界に入る一瞬前の映像を記憶できるんですよ。例えばあなたの夢に入るとするじゃないですか。そのときに,この部屋にある物を覚えるんです。ここで見てから夢の世界に入ると,カメラとかライトのスタンドとか携帯電話とかを夢の中で使えるんです。
4Gamer:
ということは見ないと何も使えない?
稲船氏:
そう。夢の中では「そこにあるもの」しか使えないから,ゲームで言うところの武器がないんですよね。
4Gamer:
あぁなんだかゲームっぽくなってきた……。意図的に見ないとダメなのかな。
稲船氏:
いや,意図的に見なくても使えるし,その夢に入る何十秒か前の記憶が,全部夢の中での現実になるんです。そういうゲームシステムです(笑)。
で,その名残りがこの本にはあるんですね。小説なので,夢の中で殴り合ったりとか銃を撃ちまくったりとかいうシーンは出てこないんですけどね。
4Gamer:
どっちかというとサスペンスホラータッチなんですね。
稲船氏:
そうですね。もしこれをゲームにした場合は,きっとそこがもっと派手なアクションになるだろうなぁ,という感じですかね。
4Gamer:
ゲームとしてサブセット版が出来たりしないんですか。
うーん……。夢の中ではスーパーヒーローになれるって話なわけですよね,これって。
それこそ「マトリックス」じゃないですけど,現実の自分と夢の中の自分は違ってて,現実の自分は弱くて親から虐待を受けてるんだけど,夢のなかの自分は親からの虐待もはね返せるし,人を救うことも人を殺すこともできる強い力を持った人間なんです。でもその力を,「あなたはどう使いますか」って聞かれると……。
4Gamer:
どっちに転ぶんでしょうね。
稲船氏:
いじめられていじめられて,もう自殺にまで追い込まれそうな人がその力を得たときには「殺してやる」ってなるかもしれないじゃないですか。
4Gamer:
まったくです。
稲船氏:
僕がヒーローになって,いじめられてる子を救うんだ! という人もいるかもしれないけど,基本的に人間は弱い生き物なので,簡単なほうを取っちゃうんじゃないのかなぁって。小説では,「簡単なほう」を選んだ犯人側と,ホントはイヤだったんだけどいろんなことがあって救う側に回った主人公と,そういう対比も見てほしいですね。
なので意外にストーリーが複雑で,そのままゲームにするのは難しそうです(笑)。
4Gamer:
そうなんですよね。最初に「稲船さんが本を出す」って聞いたときに――これをここ(編注:光文社さんの社内でインタビューしている)で言っていいのか分かりませんが――こんなに紙メディアが厳しい時代にわざわざ書籍化かぁ,って一瞬思っちゃったんですね。せめてラノベ的なものだったりすれば展開もいくぶんやりやすそうかな,とか。
でもストーリーを聞くと,全然そんなお話じゃなかったですね,ノリが。
稲船氏:
そうですね,一般的なラノベのノリじゃあないですね。ラノベはラノベに向いたものがあるので,そういうものをやればいいと思います。
4Gamer:
もちろんそうですね。
稲船氏:
またそういうインタビューのお願いが4Gamerさんにいくかもしれませんよ(笑)。
4Gamer:
どこまでが本気か分かりづらい人だからなぁ,稲船さん……。
まあでも稲船さんは「得意分野」とか「特徴」とかがないですからね。そういうものがないって意外にすごいことだと思うんですよ。ソーシャルもやるし本も出すし,SOUL SACRIFICEみたいな作品も作るし。
稲船氏:
んー,どうなんだろう?
4Gamer:
クリエイターの人に限った話ではありませんが,やはり普通は得手不得手があると思うんです。
稲船氏:
そういう話で言うなら,たぶん僕の特徴は「ほかの人に合わせられる」ことじゃないかと思うんですよ。今までの自分とまったく違うものを,組んだ人に応じて作れるというか。
4Gamer:
なるほど。初めて聞きましたが,なんとなく納得できますね。
稲船氏:
だから人と組むんですよね。ほかの人のいいところをいかに吸収するかというのも大事なことだと思うんです。自分の力だけだと,やっぱり持ってる「芸風」を出すしかないわけじゃないですか。自分とは違う「芸風」を持った人と作業をするときに,自分をどう変化させるのか,とか。
だから,今回弐藤さんと組ませていただいて,自分ではいい変化をしたかなと思ってます。
4Gamer:
正直なところ,まさかハードカバーの単行本が出てくるとは思ってませんでした。
稲船氏:
小説も大好きなので,みなさんの評価が気になりますね。自分的には,表現したいこととか言いたいことがちゃんと言えたかなと思ってるので,これで「だめだ」と言われたとしても,納得出来る作品にはなったかな,と。
ほんとはこういう風にしたかったんだけど,作家の人の力が足りなくて「あーイマイチだなー。けど,しゃあないか」なんて思って出したものではないですよ。
4Gamer:
やるべきことはやった,と。
稲船氏:
はい。やるべきことはやりました。これで「面白くない」って言われたら,まぁ僕が悪いなと思えるくらいのレベルには出来上がりましたし。決して弐藤さんのせいでも何でもないですね。
で「ゲーム作ってるような奴が考えたプロットだからしょせんこんなものでしょ」と思って読まないで欲しいけれど,そう思って読んだ人にも「お,意外にちゃんとしてるじゃん」って思って欲しいですね。
ちなみに装丁にはなんて書いてあるんでしょう……。
なるほど,「稲船敬二(コンセプト)「弐藤水流(作)」ですか。見事な連名なんですね。
稲船氏:
あぁ,そこを見ましたか(笑)。
はい,「原作」とか「原案」とかじゃなくて「コンセプト」と指定させてもらいました。僕のコンセプトを元に,弐藤さんが弐藤さんの作風で書かれたものという意味です。
4Gamer:
なるほど。同じ扱い(=同じ文字サイズ)というのはちょっと意外でした。
稲船氏:
そうですね。上下はどっちでもいいんですけど,同じ割合ということで。
稲船の名前が小さくなるとか,稲船のあとに小さく弐藤さんが入るとかではありません。完全なる2人の合作だという意味を込めました。
4Gamer:
なるほど。……ってどうしたんですか?(稲船さんがしげしげと装丁を見てる)
稲船氏:
いや……装丁がね,実は急に変わったんですよ,この2,3日で。いま初めて確認してます(笑)。
4Gamer:
結構配置にインパクトありますよね。
文字の置き方とか,文芸誌の表紙みたいだし。「8月号」とか書いてあっても違和感ない(笑)。
稲船氏:
言われてみればそうかもしれない(笑)。
- 関連タイトル:
SOUL SACRIFICE(ソウル・サクリファイス)
- 関連タイトル:
YAIBA: NINJA GAIDEN Z
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