プレイレポート
ペットと騎乗をテーマとした「イルミアナイツ」先行プレイレポート。陣形を駆使して魔神に挑め
さて,4Gamer読者であれば,「72の魔神」や「陣形」と聞いてピンときた人も少なくないかもしれない。最初に種明かしをしておくと,このゲームは,以前アエリアがサービスしていた「ナイトエイジ」のリニューアル版である。
「なぜ新しいタイトルでCJから?」と疑問に思う人もいると思うので,このゲームが再始動することになった経緯を簡単にまとめておこう。
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「イルミアナイツ〜4つの鍵と72の魔神〜」公式サイト
「騎馬の並びが特定の陣形を描いたら特殊効果が発動するようにする」という陣形の基本コンセプトは早くから決まっていたものの,それを具体的にどのように実装するかについてはなかなか決まらなかったようだ。開発は遅れに遅れ,結局,アエリアのナイトエイジは,長期のβテストを繰り返すも,ついに陣形システムの完成を待たずに正式サービスを開始してしまっている。
新システムをウリにしたゲームで,日本先行サービスを敢行したのは,ちょっとした英断でもあったのだが,結果的にはいろいろなものが裏目に出てしまったとしか言いようがない。
さて,そんなこんなでメインディッシュ抜きでのスタートを切ったアエリアのナイトエイジなわけだが,4Gamerの読者レビューを見てもらえば,意外なほど「付け合せ」の部分での評価が高いことに気づくだろう。評価はどれも陣形導入前のものだが,全体的に未完成ながら,素材としての筋は悪くないと感じている人がかなり多かったのだ。これで,陣形システムが最初から完備され,コンテンツの少なさが解消されていたらどうなったのか……。
今回は,最初から5種類の陣形が組み込まれ,全体的にリファインされた,いわば「完成版」としての登場だ。未完成状態だったナイトエイジからの運営移管ではなく,心機一転,あくまでも新作MMORPGとしての再ローンチとなる。ようやくナイトエイジ=イルミアナイツの真価を確認できるときがきたのだ。
前置きが長くなってしまったが,今回はこのようなイルミアナイツのCBT直前バージョンを先行テストプレイしてきたので,ゲームの概要とプレイフィールを紹介してみたい。
ポップなキャラクターとシリアスな物語が織り成す世界観
神を含め多くの超越者たちが見守る世界“イルミア”。タイトル名の所以ともなっているこの世界は,精霊,妖精,巨人族,そして人間が暮らす平和な場所であった。
しかし,この世界の創造主の一人である“貪欲と破壊の神ルード”が闇の力を用い,自身が望む破滅へと世界を導き始める。
危機を感じた神々の“主神ジェニー”は,闇の力を砕く四大武器を創造。そして,闇の力に対抗すべく,四大武器の所有者であるシグルドと妖精リジェの元へ人間の冒険者(プレイヤー)が集結した。
かくしてイルミアでは,闇の勢力であるルードとそれに従う72の魔神と,闇の勢力に対抗する大勢の冒険者たちの間で,激しい抗争が行われることになるのだ……。
物語の核心に触れるような場面では,一転してシリアスな雰囲気になる。プレイヤーは強大な闇の勢力に対抗するイルミアの騎士となり,クエストを通じてさまざまな冒険を行う。味方を助け,仲間を集め,そして自身はレベルアップという形で成長しながら,イルミアを脅かす敵と対峙するのだ。
冒険をするうえで必要不可欠な三つのキズナ
冒険をする中で大切になってくるのが,三つの“キズナ”。プレイヤーを補佐してくれるペットとのキズナ,プレイヤーと共に世界を駆ける乗り物とのキズナ,そして同じ目的を持つ仲間とのキズナだ。
イルルの入手方法は,まずイルルの卵を見つけることから始まる。卵はフィールドの各地に出現したり,ダンジョンのボスを撃破したあとに発見できたりする。フィールドの卵はある程度出現場所が決まっていて,時間の経過で出現する仕組みだ。
こうして卵を発見したら,卵を持ち上げて街にいるイルルマスターのところに運んで孵化させる。卵によって生まれるイルルが何種類か決まっており,低確率でレアなイルルが生まれることもある。
ちなみに,運んでいる途中で敵に攻撃されたりして卵を落とすと割れてしまうので注意が必要だ。イルルマスターから遠く離れた場所から運ぶのは大変だが,ワープアイテムなども使えるので活用しよう。
孵化したイルルはプレイヤーと契約したこととなり,カバンの中にアイテムの形で配置される。カバンの容量の許す限り,何匹でもイルルをペットにすることができる。
イルルはプレイヤーに追従するように行動し,普段はプレイヤーの攻撃に合わせて同じ敵を攻撃する。「その場で待機」とか,「選択した敵を攻撃しろ」といった指示が可能で,イルルのスキルを自分の好きなタイミングで発動できるので,うまく使いこなせば戦力として大いに期待できるだろう。
ペットとしての能力は,ほかのMMORPGに比べても強力な部類で,ある程度育っていればプレイヤーは見ているだけでもザコ敵を殲滅してくれるほど。何匹も所持できることもあって,イルルを入れ替えつつ戦えば,強力な敵とも善戦できるはずだ。
なお,乗り物の入手方法はクエストや店からの購入という形で,チュートリアル中にロバを1匹もらえる。まずはそこから始めよう。
乗り物も成長するのだが,プレイヤーが入手する経験値では成長せず,フィールド上に群生するエサをクリックして食べさせなければならない。フィールドを移動しているときは,近くにエサが生えていないか確認し,マメに食べさせるようにしたい。
また,後述の陣形システムを使うときも仲間とのキズナは必要不可欠となる。仲間が集まることで,より大きな力を使えるのだ。
4種のキャラクターが協力し,難攻不落なインスタンスダンジョンに挑む
●ナイト
味方の盾となって戦い抜く屈強な剣士。重厚な装備による高い防御力が最大の魅力で,とくにパーティプレイ時は仲間を守る存在として重宝される。半面,ナイト単体では攻撃面に不安があるので,ソロで活動するときは攻撃力のあるイルルを連れていきたい。
●メイジ
魔力が高く攻撃魔法と治癒魔法の両方を使いこなせる。パーティには欠かせないクラスであるが,打たれ弱く,無理をするとあっという間に戦闘不能になってしまう。遠距離からの攻撃がメインとなるので,広いフィールド上ではソロでも安定して戦える。
遠距離からの攻撃が得意なアタッカー。単に攻撃するだけでなく,敵に毒や混乱といった状態異常を与えることもできる。敵単体に対するトータルダメージが高く,強力なボスとの戦いで活躍してくれるはずだ。序盤は範囲攻撃が弱く,ソロでのザコ狩りでは苦労するかも。
●ランサー
近距離での直接攻撃を得意とするアタッカーで,ランスを構えた突進で敵の背後に回ることも可能。ナイトほどではないが,正面から敵と殴り合える頑健さも備えている。ただし,敵の背後から攻撃すると,より強力になるスキルも所持しているので,パーティプレイで本領を発揮するクラスと言えるだろう。
イルルの戦闘力が高いので,各キャラクターともにソロでレベル上げを行うこともできる。だが,ダンジョンに関しては各クラスを揃えて挑戦したいところだ。
イルミアナイツのダンジョンはインスタンスタイプで,奥地にいるボスモンスターを倒すのが目的。道中はザコ敵が道を阻み,地震のトラップや雷球の壁といったさまざまなギミックが存在する。ギミックの中には,即死級のダメージを受けるものもあり,それがイルミアナイツの特徴ともいえるだろう。初見では理不尽さを感じるかもしれないが,攻略法を覚えれば回避することはそれほど難しくない。パーティでチャレンジしているときは,ある種のイベントに近い感じでギミックを楽しむこともできるだろう。
なお,ダンジョンはNormal/Hard/Extremeの三つの難度が設定されていて,難度が高くなるほど敵が強くなり,同時に報酬の質もグッと上がる。運が良ければ,倒した魔神型のイルルを入手できることもあるのだとか。
「陣形」システムを駆使して臨機応変に戦おう
陣形の組み方は,まずパーティリーダーが,陣形から一つを選んで指示を出す。するとリーダーを中心に,陣形の形に合わせてパーティメンバーの人数分のサークルが出るので,制限時間内にそれぞれのサークル内にパーティメンバー全員が収まれば陣形発動となる。
ウィンドランナー |
ライジングフォース |
アサルトストーム |
コンセントリックファイア |
ディフェンスサークル |
陣形が完全に解除されるのは,リーダーが陣形解除の指示を出したときと,メンバー全員がリーダーから離れてしまったときとなる。
現状では,以下の5種類の陣形が存在しており,その効果自体はかなり強力だ。
●ウィンドランナー
パーティメンバーの移動速度上昇。
●ライジングフォース
パーティメンバーのSTR上昇。
●アサルトストーム
パーティメンバーのAGI上昇。
●コンセントリックファイア
パーティメンバーのDEX上昇。
●ディフェンスサークル
パーティメンバーの防御力上昇。
ただ,ダンジョンなどでは,それぞれのメンバーが個別に動くことになると思うので,陣形を維持しながら戦うのはちょっと難しいかもしれない。一方,限られたエリア内で戦うボス戦では効果的に使える場面も多くなるだろう。敵にターゲットされにくいキャラクターをリーダーにし,中央付近に据えてその周囲でメンバーが戦うなど,工夫次第では陣形をうまく活用できるはずだ。
かつてのナイトエイジは,騎乗戦闘をフィーチャーし,男女問わず多様な年齢層のプレイヤーが楽しめる安定したシステムが特徴のタイトルであった。冒頭でも述べたように,残念ながらサービスは終了してしまったが,その理由はシステム面に問題があるわけではなく,“コンテンツ不足”によるところが大きかった。今回は,そのあたりがある程度解消されての再スタートとなる。広い年齢層をターゲットにしたオーソドックスなシステムを採用しているタイトルだけに,コンテンツの充実は必要不可欠。イルミアナイツが今後どのような進化を遂げるのか,CJインターネットジャパンの手腕に期待しよう。
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