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オープニングムービー初公開や開発スタッフのトークショーで盛り上がった「LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII」体験会をレポート
製品とほぼ同等のバージョンが1時間にわたって試遊できたり,開発スタッフによるトークショーが行われたりと,ファン垂涎の内容だったイベントの模様をお伝えしたい。
ルクセリオにも行けた,初公開シーン目白押しの試遊
まずは,本作のプロデューサーを務める北瀬佳範氏が登壇して挨拶を述べ,続いて「LRFFXIII」の試遊が始まった。ここで筆者が驚いたのが,試遊版にオープニング映像が入っていたこと。E3 2013や,イベント「お台場合衆国」などに出展された試遊版へつながる,一連の物語の流れが明らかになったのだ。
ここで描かれていたのは,すでにスクリーンショットも公開されている,ライトニングとスノウの戦闘シーン。E3でプレイできた試遊版では,スタート地点に氷のような巨大なオブジェがあったので,もしやとは思っていたが……。
2人がなぜ対立することになったのか,非常に気になるところだとは思うが,詳細は製品版までのお楽しみにしてほしい。
序盤の展開は,E3のプレイレポートなどで語られているとおり。バトルのチュートリアルとして用意されているパートということもあり,初めてプレイする参加者でも,新要素であるスタイルチェンジなどを試しつつ,ラストでルミナが呼び出したモンスター,ザルティスを「ノックアウト」させるなど,うまくバトルをこなしているようだった。
しかし,中には,雑魚モンスターの弱点をいち早く見抜いて,速攻でノックアウトさせたり,ザルティスがなかなか死なない相手であることを踏まえ,ガイド通りに倒さずにいろいろなアビリティを試したりする猛者の姿も。チュートリアルとはいえ,それぞれのスタイルで,本作のバトルを楽しんでいるようだった。
ちなみに,これまでに公開された試遊版では,このザルティスを倒すところまでしか遊べなかったが,今回は製品版と同様の要素が入っているバージョンで,しかもプレイ時間は1時間とたっぷり。その後の展開も楽しめた。
簡単に説明すると,ザルディスを倒したあと,いったんホープのいる箱舟(The Ark)へ。ここで一息ついて,ライトニングが「FFXIII」「FFXIII-2」を経て,「LRFFXIII」において解放者になるまでのこと,解放者の役割,なぜか少年の姿に戻っているホープの近況など,現在の状況確認が行われる。このあたりは前作を遊んでいないユーザーへの配慮ともいえそうだ。
このあと,ホープからウェアや武器などをもらい,ライトニングのカスタマイズができるようになったところで,神ブーニベルゼを崇める宗教都市“光都ルクセリオ”へと向かうことになる。
ルクセリオでも,それまでいた“ユスナーン”と同様に,チュートリアル的な要素が強い展開となる。バトルはほとんどない代わりに,クエストの基本が学べるという印象だ。クエストの種類はさまざまで,単純な聞き込みによる証拠集めから,人探し,NPCの護衛,人物の尾行などがプレイできた。
また,ライトニングの使命である「魂の解放」の過程も,改めてここで描かれるようだ。問題が解決し安息を得たことで人々の魂が解放されると,ライトニングの胸の飾りに魂が吸い込まれていくのは,モンスターを倒したときと変わらないのだが,どうやら解放したからといって,即その場で死んでしまうということではないらしい。
ルクセリオにはショップもあり,ウェアやデコレーション(性能に関係しないアクセサリなど)の購入が可能だったほか,購入したものでさらなるカスタマイズを試すこともできた。ウェアは結構なペースで手に入るようで,80種類近くあるというのもうなずける。
デコレーションには眼鏡やピアスなどがあった。街でアビリティなども拾うことができるようで,早速ブリザラなどを入手している参加者もいた。クエストを紹介してくれる「チョコリーナ」もここで登場したのだが,このシステムを「要は掲示板だろ」とばっさり切り捨てるライトニングには思わず笑ってしまった。さすがライトニングさん……。
そうこうするうちに,あっという間に1時間が経過し,試遊は終了。ボス戦も交えたバトルに加え,多彩なクエストを体験できるなど,がっつりゲームを遊べたという印象だった。
裏話が続出した開発スタッフ10名によるトークショー
休憩をはさみ,後半は開発スタッフによるトークショーが行われた。登壇したのは,北瀬氏に加えて,ディレクターの鳥山 求氏,ゲームデザインディレクターの阿部雄仁氏,ルクセリオのリードプランナーである進藤和幸氏,ユスナーンのリードプランナー石原誠弘氏,ウィルダネスのリードプランナー澤田 唯氏,デザイナーの後藤宣広氏,同じくデザイナーの鈴木 大氏,ウィルダネスのプランナー清水佑輔氏と服部弥生氏という総勢10名だ。司会進行は,プロモーション担当の村上洋平氏が務めた。
まず鳥山氏が紹介したのが,「ワールドドリブン」の要素。ゲーム内には時間が流れており,そこに暮らす人々も時間に合わせて行動している。そういう世界にライトニングがどのように関わっていくかが,ゲームの根幹にあるという。
ゲームには4つの世界があり,遊びの要素も大陸ごとに変わっているが,それらの大陸は,各々20人ほどのスタッフで作られたとのことだ。
続いて,各大陸のコンセプトが語られた。進藤氏によれば,ルクセリオの街並みはゴシック調のデザインでまとめられており,いたる所に時計があるのだが,住民達は,終末が近づいていることをなんとなく感じていて,残った時間をどのように過ごしていくのかを意識しているという。また,ルクセリオの遊びのテーマは「探偵パート」と「追跡パート」にあるとのことだ。
石原氏は,担当したユスナーンを,毎晩お祭りが行われるきらびやかな享楽の街であると説明した。時間帯によってさまざまな催しが行われているので,多彩である反面,時間制限が厳しいクエストもあるという。
今のところほとんど公開されていないウィルダネスについて,担当の澤田氏は,自然の地形をベースにしたオープンワールドを遊んでもらうことがコンセプトになっていると述べた。鳥山氏からは「スカイリム(「The Elder Scrolls V: Skyrim」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)のこと)とガチで勝負しろ」と指示があったと笑う。チョコボを使って楽しめる,FFならではのエリアであるようだ。
また,手順を踏んで探偵チックにクエストを進めていくルクセリオに対し,ウィルダネスはより自由度が高く,最終的にたどり着くところは同じでも,プレイスタイルはさまざまになるだろうとのこと。
最後のデッドデューンは,担当者が会場にいなかったため,鳥山氏が説明してくれた。こちらは,砂漠にある遺跡がダンジョンになっていて,そこで冒険することになるという。
ここからは,事前に参加者から募集した質問に回答するQ&Aコーナーになった。以下に,質問とその回答を掲載しよう。
質問:
「LRFFXIII」は,衣装チェンジとアクション性を前面に押し出したシステムですが,開発当初はどのような案があったのでしょうか。
阿部氏:
やろうとしたことは,昨年の発表からはほとんど変わっていないのですが,細かいところは変更しています。最初は,世界の終焉までのカウントダウンが目立ちすぎて,テストプレイをすると,時間が減るのが怖くて何もしないという人が多く,そのため,2回くらい調整を行って現在のマイルドな感じに落ち着きました。
難度によっても,時間的余裕はかなり変わります。イージーだとテレポを使ったときなどの消費コストがかなり少ないので,ノーマルモードに比べて倍くらいの余裕があるんじゃないかと思います。
質問:
ゲーム開発にあたって,どのように楽しいコンテンツを思いつくのですか。
進藤氏:
旅行のパンフレットを参考にしましたね。そういうのを見ると「この時間にはこういうものが見られますよ」といった案内も載っていますので,時間的な仕掛けについてはかなり参考にしました。パンフレットを並べていたら,旅行に行くのかと勘違いされましたけど。
石原氏:
開発チーム内でネタ出しをしましたね。潜入というコンセプトがあったので,スパイ映画からネタをもらってきたりしました。
質問:
開発中の裏話や,プレイ時の楽しみが増えそうなお話があったら聞きたいです。
後藤氏:
難しいな(笑)。時計をモチーフにしたウェアがあるんですが,実装されたら常に時間が分かって,いいものになったかなと思っています。
質問:
今回は「FFXIII-2」よりも難度が高そうですが,開発者の皆さんでも倒すのに苦労するような,強敵は用意されているんでしょうか。
阿部氏:
一週間の通しプレイをしましたが,「ノーマル」でプレイする分には,それほど問題になる敵はいないですね。しかし,「やり込み」ではデバッガー2名に泣かれました。そのため今,調整してます。
村上氏:
やり込みモードがあるって,さらっと言っちゃいましたね(笑)。
質問:
戦闘の爽快感が話題になっていますが,ほかにすごく力をいれたのはどういうところですか。
阿部氏:
今回,ウェアを街で購入し,主に敵が落としたアビリティを集め,自分でスタイルを組むという部分があります。前作までは,仲間のアクションは最初から決まっていましたが,今回は(1人で3役をこなす)ライトニングのスタイルを自分で細かく設定できるようにしました。組み合わせが膨大で,中にはとんでもない組み合わせもできてしまうので,現在,これを調整しています。テスト中,ラスボスが50秒で撃破されてしまうということもありましたね(笑)。この組み合わせはなくしてはいませんが,もう少しマイルドになるように調整しました。
質問:
FFシリーズの,キャラクターモーションの美しさには毎回驚かされます。今回,「最も自信アリ!」と思われるモーションがありましたら,ぜひ教えてください。
鈴木氏:
ライトニングのモーション担当からはアイドリング(フィールドでしばらく何もしなかったとき,ライトニングが見せる待機モーション)を見てほしい,とのことでした。あとは壁際で反転して壁に手を突き,その反動で壁を離れるモーションですね。
質問:
ライトさんがCカップからDカップになったって本当ですか(ちなみに,これが最も多かった質問とのこと)。
鈴木氏:
鳥山からの指示ですよ(笑)。ええ,実際大きくしました。
村上氏:
衣装によっても強調されてますね。揺れたりとか。
鈴木氏:
そうですね(重々しく)。セクシー系の衣装がありますが,ウェアによっても補正されています。未発表のものだと……胸を締め付けているようなものもがあります。
質問:
今作のライトニングは,衣装チェンジができますが,もし没になったデザイン案があれば教えてください。また,没になった理由はなんでしょうか。
鈴木氏:
完全に没になったのはないですね。
清水氏:
再現が難しいものは,デザインを調整したりしました。そういえば,はっちゃけた衣装を作ろうというときに出てきた,ケット・シー・スーツという案は,没になりましたね。
ライトニングをとことん楽しむというコンセプトの本作において,衣装が重要な要素であることは間違いない。澤田氏によれば,最初から用意されているウェアの組み合わせは,バランス型,物理型,魔法型となっているが,遠距離戦闘用で固めるなど,偏ったカスタマイズも可能だそうだ。また,アクションが苦手でも,防御力とHPを上げていけば多少失敗しても大丈夫とのこと。テストでは「ノーガードプレイ」をしていた強者もいたそうで,ボス戦を除けば,ほぼそれでクリアできるという。
逆にアクションが得意なら,回避アビリティを付けるのもいいとのこと。ショップでは装備した状態を確認しつつ衣装を遊べるので,デコレーションなどに凝った,見た目重視の選択も簡単にできるそうだ。
ここで,澤田氏がウェアのカラーカスタマイズを実演。特定の部位の色だけを変えたり,カスタムパレットを使うことも可能となっていたりすることが紹介された。操作は,左スティックで色合いを,右スティックで明るさを変更するといったもの。ちなみに,居合わせたスタッフも知らなかったそうだが,(澤田氏の意向で)メニューを消した状態でライトニングの姿をチェックできるようにもなっている。
また,「FFXIII」や「FFXIII-2」のライトニングの衣装も用意されていることが,映像で紹介された。こちらは,HDDの中に,「FFXIII」や「FFXIII-2」のセーブデータがあれば入手できるとのこと。ゲームをクリアしている必要はないそうだ。
最後は,来場者と直接の質疑応答が行われた。ライトニングの腋へのこだわりという,鋭い質問が飛び出したり,モーションへの細かい指摘について,鳥山氏が「持ち帰って検討します」と応じたりという場面も。ファンイベントならではの,和気あいあいとした雰囲気の中,トークショウは終了した。
大盤振る舞いの情報公開となった,今回の体験会。詳細については順次公開されていくと思われるが,参加したファンにとっては,スタッフと直接交流できるなど,得がたい経験ができたイベントだったに違いない。
「LIGHTNING RETURNS: FINAL FANTASY XIII」公式サイト
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(c) 2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
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