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「LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII」のスペシャルライブをレポート。ネタバレギリギリの演出も……
出演したのは,スクウェア・エニックスのコンポーザー鈴木光人氏と,バイオリニストの金子飛鳥さん率いる「金子飛鳥ストリングス」。鈴木氏が手掛けるLRFF XIIIの楽曲を,世界的に活躍する金子さんのユニットによる弦楽器演奏でいち早く楽しめるということで,300名の客席は,開演時にはほぼ満席となっていた。
注目の1曲目はLRFF XIIIより,「ライトニングリターンズ」。疾走感のあるサウンドでライブがスタートした。LRFF XIIIでは,鈴木氏は金子さんとともにストリングスアレンジを制作しているとのことで,今回のライブではその生演奏を世界中の誰よりも早く聴けたということになる。続いての3曲は,「FINAL FANTASY XIII-2」(PlayStation 3 / Xbox 360)からの楽曲で,「ネオ・ボーダム」では金子さんがコーラスも担当した。
今回のライブは,金子さんが国内外のアーティストを招いて年1回ペースで開催している「金子飛鳥ストリングスmeets」シリーズのライブに鈴木氏を招こうという話がきっかけだったとのこと。ちょうどLRFF XIIIのレコーディングをしていた時期で,鈴木氏も「これライブで演ったらいいんじゃない?」と話していたらしく,今回それが実現して嬉しいと2人はMCで語っていた。
金子さんは,大貫妙子,佐野元春,福山雅治といった有名アーティストの作品に参加しているほか,自身のアルバムもリリースしている |
コンポーザーの鈴木光人氏。ステージ上で操作するミキサーの「つまみ」さばきも見どころとなっていた |
続いての演奏は,鈴木氏と金子さんが初めて仕事をしたというPSPタイトル「The 3rd Birthday」からの3曲で,そのうちの「Dive into Myself」「Girl in the Dream」は,金子さんいわく「光人さんの世界を広げる」という弦楽アレンジバージョンで披露された。
続いてライブはトークコーナーへ。ステージには鈴木氏と金子さん,そしてゲストとしてスクウェア・エニックスのアートデザイナーである上国料 勇氏が登場し,作品制作のエピソードを語った。司会は,鈴木氏に抜擢されたという,スクウェア・エニックスのアニメーター,田中雄介氏がつとめた。
金子飛鳥ストリングスが鈴木氏とライブを行うのは今回が初だが,金子さん個人が鈴木氏とユニットを組むことはこれまでにも何度かあったそうだ。2人のときはかなり自由な演奏となるようで,ライブ中,金子さんが演奏しているエレキバイオリンの音を鈴木氏が勝手に変えてしまうこともあるらしい。
今回のリハーサルでも,演奏中にいきなりオケが止まって,何があったのかと思いきや,鈴木氏がわざと一小節止めていた,ということがあったそうだ。メンバーが唖然としている様子を,鈴木氏が平然と眺めていたという,微笑ましい(?)エピソードも明かされた。
アートデザイナーである上国料氏は,作品のプロットを見て世界観のイメージボードを描く仕事をしていて,鈴木氏や金子さんはその完成した絵を見ながら楽曲をイメージするそうだ。仕事の順番として,絵はどうしても先になってしまうのだが,上国料氏は今回のように曲を聴く機会があると「この音楽を先に聴けていたら,違う絵を描いた」と思うことがあるそうだ。「人の息吹を感じられる音の情報は,感性に鋭く響く」と語る上国料氏は,時おり先行して鈴木氏から送られてくる譜面や音源に助けられることもあるという。
音楽へのこだわりを見せた上国料氏の話を裏付けるように,鈴木氏は,以前上国料氏がブレイク前のレディー・ガガをBGMに絵を描いていたという裏話を披露。その“耳の確かさ”に,観客も感心していたようだった。
やがてトークは金子さんがゲームを遊ぶのかと言う話題に。本人によると「実はまったく遊ばない」そうで,鈴木氏が完成したゲームを渡しても,息子さんのものになってしまうのだとか。ただ金子飛鳥ストリングスのメンバーにはゲームを趣味としている人もいて,チェロ奏者の江口心一さんは,当日のリハーサル終了後「FINAL FANTASY XIII」を手にして,「買ってきましたよ!」とメンバーに報告したそうだ。
トークコーナーはここで終了し,再びLRFF XIII楽曲のライブへ。ライトニングがゲーム中で行くことになる「ユスナーン」「箱舟」「ノウス=パルトゥス」「デッド・デューン」などのテーマがスクリーンの映像とともに演奏され,来場者は約1か月後にプレイすることになるであろうLRFF XIIIを疑似体験できた。ちなみにこれら映像は,映像クリエイターのスギモトトモユキ氏が,リアルタイムVJで映し出していたものである。
本編ラストとアンコールでは,別アレンジの「ライトニングリターンズ」のほか,曲名非公開の2曲が怒濤の展開で演奏され,ライブは終了となった。このアンコール2曲は,会場のスクリーンに一瞬だけタイトルが表示されたが,実はそこに物語の重要なキーワードが隠されていたとのこと。ネタバレにつながってしまうため詳細は書けないのだが,どうしても気になる人は,ライブに行った人に聞いてみよう。本当に一瞬の表示だったので,現地でも見逃してしまった人が多いかもしれないが……。
ほんのわずかな人しか聴いたことがないLRFF XIIIの新規楽曲を,弦楽器の美しい旋律で堪能できるという,非常に価値のあるライブとなり,来場者も満足げだった。今回来られなかった人はぜひ,約1か月後に発売となるゲーム本編で楽曲を楽しんでほしい。
金子飛鳥ストリングス×鈴木光人 presents LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII
Special Live Eventセットリスト
01.ライトニングリターンズ 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
02.ネオ・ボーダム 【FINAL FANTASY XIII-2】
03.ミッシングリンク 【FINAL FANTASY XIII-2】
04.ヒストリアクロス 【FINAL FANTASY XIII-2】
MC
05.Dive into Myself 【The 3rd Birthday】
06.Girl in the Dream 【The 3rd Birthday】
07.Queen 【The 3rd Birthday】
ゲストトークコーナー (ゲスト:上国料 勇氏)
08.祝祭を待ちわびて 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
09.享楽の都ユスナーン 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
10.たちはだかる者 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
MC
11.箱舟 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
12.ノウス=パルトゥス 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
13.砂漠の目覚め 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
14.デッド・デューン 〜熱砂の砂漠〜 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
15.ライトニングリターンズ 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
16.アンコール1 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
17.アンコール2 【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】
「LIGHTNING RETURNS: FINAL FANTASY XIII」公式サイト
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(c) 2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
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