紹介記事
PC版「黒い砂漠」の既存17クラスがリブート。プレイ感触が良かったのは?(前編)
また,筆者の印象が分かりやすいように,各クラスに対して「快適度」を5段階で評価した。これは上記のテスト条件で,以下の点を総合的に判断して決めたものとなる。
・火力
・操作難度
・安定性
・必要スキルポイントの少なさ
つまり,「難度が高めの狩場において,火力があり,操作も楽で,安定して狩れる。かつ,早い段階で実用的になるクラスは快適」となるわけだ。執筆は1月4日時点で,今後アップデートで仕様が変わる可能性は十分にある。そのため,現時点でクラスにどのようなバランス差があったのかの記録として見ていただければと思う。また,評価はあくまで筆者の感触,印象で判断したものという点は留意してほしい。
なお,前半記事ではクラスのゲーム実装順にウォーリアからツバキまで,後半記事でウィッチ以降のクラスを紹介していく。
ウォーリア(伝承):快適度 ★★
ウォーリアの伝承は,「ソード」と「シールド」を装備する近接ファイターだ。ものすごいダッシュを行う「突進突き」や,遠距離から前進斬りする「強:アドバンスソード」のような,盾持ちとは思えない高い機動力を持つスキルが持ち味で,狩場を走り回るときはとくに重宝する。使いやすい前方ガードスキルの「トワイライトスカー」も,きちんと火力が上げられている。
ただ,ソードのリーチの短さや前方ガードを持つスキルの少なさによって,十分な防御力がないと攻撃をガッツリと受けてしまい,ヒヤっとする場面も多い。このあたりは筆者の練度もあると思うが,快適度という意味では,次に紹介する覚醒の方が優れていたように感じた。
ウォーリア(覚醒):快適度 ★★★★
ウォーリアの覚醒は,身の丈ほどある「大剣」を振るう。伝承と同様に赤黒いオーラをまとった邪悪な印象の斬撃を放つのが特徴で,聖騎士というよりはダークファンタジーのヒーローのようなイメージだ。
伝承に比べ,覚醒の大剣は防御力がやや足りていないものの,安定感はある。スキル自体は以前と大きな違いを感じられなかったが,自分を中心に振り回すスキルが多いので,敵に囲まれたときも攻撃を当てやすい。
注目したいのはバフスキルの「不撓不屈」である。移動速度が10秒間アップするのだが,10秒ごとに再使用できる。つまり,つねに移動スピードをアップできるのだ。
十分に狩りができる火力と機動力を持っており,「大剣を豪快に振り回して戦いたい!」という気持ちがしっかりと満たされる変更になっていた。
レンジャー(伝承):快適度 ★★
レンジャーの伝承は「ロングボウ」と「ダガー」を持った遠距離型のクラスだ。エルフという種族らしく,攻撃速度や移動速度に優れた特徴を持っている。
リブートでもっとも変化したのはバックアタック(背後からのボーナスダメージ)が入るようになったことだ。これまで,レンジャーは背後から攻撃してもバックアタック判定にはならなかったので,これは嬉しい修正だ。
しかし,バックアタックが有効になった代償か,伝承スキルはほかのクラスと比べると火力が不足している印象が否めない。実際,「強:カットスロートアロー」「強:風に乗る羽根」「強:風の通り道」などは弱体化されている。遠距離職らしく逃げ撃ちをしているとあまり火力が得られないため,状態異常を使って敵の足を止めたり,「強:回避爆発ショット」など移動系スキルを使ったりなどして,積極的に敵の背面を取るといいのかもしれない。単純に遠距離攻撃が強くなったことを期待してプレイすると,肩透かしを食らってしまうだろう。
レンジャー(覚醒):快適度 ★★★
レンジャーの覚醒は両手に「精霊剣」を持ち,近接〜中距離戦闘をこなすデザインのキャラクターとなる。当初は「なぜ遠距離じゃないんだろう」とがっかりする意見も多かったが,クイックな動きで雑魚乱獲に使いやすいクラスとなっていた。
覚醒は伝承よりも狩りのスピードが早く,上位の狩場でも意外に安全性が高い仕上がりだ。キビキビとよく動くうえに,前方ガード付きのスキルも多いため,近距離戦にもあまり不安がない。範囲スキルの「精霊の銀河」,遠距離スキルの「守護する風」,無敵回避の「大草原の風」などが増え,伝承の調整に比べるとアグレッシブでリブート感を感じやすい。普段使いなら覚醒のバランスの良さは魅力だが,ワールドボスなど,あまり近寄りたくない相手であれば距離を保てる伝承のほうが使い勝手は良いかもしれない。
ソーサレス(伝承):快適度 ★★★
ソーサレスは魔女のような風貌を持ちつつも,伝承では「護符」と「タリスマン」を装備して,近接でキックやパンチを繰り出すという,格闘要素もあるクラスだ。
リブートでは狩りで多用する「強:ダークウェーブ」の範囲が広くなったことで,雑魚敵を倒しやすくなり,「強:闇の連撃」に前方ガードが付いて安全性も増した。そのほかのスキルの使用感だが,再使用待機時間が短縮されたことに関しては,正直なところ,筆者の操作熟練度だと違いはあまり分からなかった。前方ガードが多めで,無敵回避スキル「レイブン」もあるため,格上の狩場でも比較的安全に狩れるが,手数が多いクラス設計なので操作は忙しく感じる。
ソーサレス(覚醒):快適度 ★★★
ソーサレスの覚醒はデスサイズ(大鎌)を持ち,より魔女らしい出で立ちを楽しめる。「コンボ:レイブンラッシュ」が「カラスの羽」という名前に変わり,前方に突っ込みつつ,クリティカル確率40%アップのバフが付くようになった。これで突っ込んで戦闘を開始しろということだろう。
代表的なスキルである「ナイトメア」は左右移動で分割して出せるようになったため,敵と真正面から長時間殴り合わなくても済むようになり,痛い狩場での使い勝手が向上したのも良かった。
一方,弱体化されたスキルもある。これまでは再使用待機時間中(※)にも火力が下がらなかった「ブラッディゲイル」は,ダメージが減るようになり,むやみに連発すると火力が出なくなってしまったので注意が必要だ。
※一部のスキルは,再使用待機時間中にも火力減少などのペナルティは発生するが利用できる
ジャイアント(伝承):快適度 ★★★★
ジャイアントはその名の通り「ジャイアント族」のキャラクターで,人間よりも体格が大きくモーションも目立つため,動かしていて楽しいクラスだ。伝承では片手斧「アックス」を両手に持ち,補助武器として「組み糸飾り」を使う。
伝承で感じられる変化としては,「強:止められない野獣」が印象的だった。好きなタイミングで野獣に変身できるスキルで,火力を上げたいときに使えば,右クリックでガシガシと敵をひっかいて簡単に倒せる。ダッシュスキルの「強:溶岩貫通」も素晴らしいスピード感で移動でき,狩場の移動ストレスはまったくない。ぐるぐると回ってお手軽な「強:ブラストライトニング」も初心者向きだ。伝承の中でも比較的使いやすい部類に入ると感じた。
ジャイアント(覚醒):快適度 ★★★
ジャイアントの覚醒は,ハンドキャノンのような「バスターガントレ」を装備し,ド派手な攻撃が楽しめる。
これまでの調子で「コンボ:乱打」で殴ったり,「荒ぶる大地」で地面を殴っているだけだと,火力面が底上げされてスキルが少し調整されたかな?という印象しか持てなかった。しかし,新規実装の「コンボ:破裂砲火」は中距離まで届き,「ギガントインパクト」は改編されて遠距離まで届くようになるなど,射程面で重要な変更が行われている点に注目したい。射程が伸びると移動を省略して倒せる場合もあるので,狩りの効率も上がりそうだ。
リトルサマナー(伝承):快適度 ★★★
黒い砂漠の永遠のアイドルであるリトルサマナー。最大の特徴はもふもふの「黒狼」を召喚して共に戦える点だ。「小剣」と「装身具」を装備する伝承では,黒狼に乗って戦うこともできる。
範囲攻撃の「強:獅子吼」の使い勝手が非常に良い。徒歩戦闘ではもちろんのこと,馬の騎乗状態でも利用でき,雑魚に突っ込んで連打しているだけで倒せてしまうほどの威力となる。再使用待機時間中のダメージ量が減少されるようになったものの,HP回復量が増えたり発動の速度が上昇するなど,使い勝手としては十分に主力スキルである。
また,「霹靂掌」「崩撃」のコンボも簡単で火力が高く,それら3つのスキルを回しつつ回避しているだけでも狩りができるだろう。ただ,つねに超接近戦となるため敵の攻撃は食らいやすい。
なお,黒狼の基本の攻撃では状態異常効果が与えられなくなったので,自分も適切な攻撃を行う必要がある。黒狼への命令は「攻撃して」「守って」「ついてきて」「助けて」の4つに再編されて,「攻撃して」を選ぶことで黒狼攻撃に状態異常効果が付くようになった。
黒狼に乗っての戦闘については,再編されてこれまでより実用的になったものの,上位狩場で使うにはちょっと厳しいか。黒狼に愛のある人向けだろう。
リトルサマナー(覚醒):快適度 ★★★
リトルサマナーの覚醒は,「天聖棍」という長い棒を持ち,アクロバティックな棒術を扱うキャラクターとなる。棒術らしい打撃感と,伝承の小剣にはなかったリーチ,クイックな回避が特徴だ。もちろん覚醒でも黒狼は一緒に戦ってくれる。
「四聖神舞」は,上下左右キー+右クリックで「朱雀」「玄武」「青龍」「白虎」といった4種類の攻撃を出し分けられる面白いスキルだ。リブートではスキルの違いが与えられる状態異常やモーションのみとなり,威力は共通となっている。また,スキルに応じて5分間の「共鳴」バフが付くようになり,その状態で「四聖神舞:共鳴」を出すと,バフに応じた状態異常効果付きの強力な攻撃を撃てる。覚えやすいので初心者でも直感的に使えるだろう。さらに,HPを吸収できる「神獣乱舞」に本スキルで前方ガードを付ければ,攻撃が痛い狩場でもかなり安全に戦える。
ボコボコと殴っている感覚に棒術らしさがあり,使っていて楽しいキャラクターだと感じた。
ヴァルキリー(伝承):快適度:★★
ヴァルキリーは,ウォーリアをベースに魔法要素が加わった女性剣士クラスだ。伝承ではウォーリアと同じく「ソード」と「シールド」を装備する。
攻撃面はまずまずで,前方ガード付きの主要な攻撃である「強:シールドスロー」の威力が上がり,機動性がある程度担保されているのでとりあえずは攻撃が痛い狩場でも立ち回れる。「極:聖なる力」の再使用待機時間が短縮されたこともあって,追加打撃の「強:聖なる力」も使いやすくなった。また,「強:光の審判」の攻撃範囲が広がった。
一方,ガード状態の「防御姿勢」は耐えられるダメージ量が上がったが,上位狩場では受けるダメージそのものが高く,回避のほうが重要であるため,あまり価値を見いだせない。
基本的な回避/移動スキルである「シールドチェイス」の再使用待機時間が短縮されるなどしたが,あまり体感での違いは感じられず,再使用待機時間にフラストレーションを感じることもあった。
ヴァルキリー(覚醒):快適度:★★★
ヴァルキリーの覚醒は,大型の「ランス」を装備する。リブートではメインの移動方法である「追撃」の再使用待機時間が短くなり,移動距離も増加。自分および味方を回復するスキルの「エリアンの息吹」にクリティカル確率上昇効果が付くなど,より攻撃的な側面が強化された。
覚醒のポイントとなるのは,回避時に発生する武器の強制持ち替えだ。ヴァルキリーは,覚醒武器状態での左右回避時に自動でメイン武器を持ち替える特性があり,これが苦手という人も少なくない。しかし, 強力な敵を相手にする時はガードだけでは間に合わないので,回避を織り交ぜた攻撃パターンが重要となってくる。そこで,メイン武器状態からスペースキーの「勅裁」や,「天上の槍」から続くFキーの「セイクリッドエンスラー」などを出すことで,覚醒武器に素早く戻せる。操作はやや煩雑だが火力はあるので,使いこなせれば強そうだ。
ブレイダー(伝承):快適度 ★★
ブレイダーは「刀剣」をメイン武器としたキャラクターで,補助武器の「角弓」によって補助的な遠距離攻撃も可能なクラスだ。「迅駆」という,連発できるダッシュスキルが特徴で,動き回りながらの剣戟を楽しめるコンセプトになっている。
リブートでは伝承専用バフの「強:静かな精神」が改編され,バフが有効な間は「大旋風:爆炎」「強:防風陣」に攻撃範囲増加,「強:月影斬」に気絶の効果がそれぞれ追加される。つまり,バフを意識しながら狩りをすると良くなったわけだ。ただ,ガード面が弱く,「迅駆」を駆使して立ち回らないと耐えられない狩場では,攻撃している余裕がなかった。
ブレイダー(覚醒):快適度 ★★★
覚醒すると「武神刀」という長柄武器を装備する。覚醒は何も考えずに範囲攻撃をガシガシ出していけるので,個人的にも爽快感が高かったキャラクターだ。
使いやすい範囲攻撃の「龍炎陣」など,前方ガードが付いているスキルも多く,初心者でも爽快な戦闘が楽しめることは間違いない。→横移動攻撃が強めに設定されている点も魅力だ。画面に炎!炎!という感じでとにかく派手。また,リブートされた顔と髪型がイケメン風なのでキャラメイク好きにもおすすめだ。
ツバキ(伝承):快適度 ★★★
ツバキはブレイダーと同じく「刀剣」をメイン武器としたキャラクターで,補助武器の「角弓」によって補助的な遠距離攻撃も可能なクラス。「迅駆」という,連発できるダッシュスキルを利用できる点もブレイダーと同様だ。
伝承では「赤い剣気」というツバキ専用のバフがあり,これを3段階まで溜めた状態で発動すると挙動が変化するスキルがある。これまでは「強:螺旋突衝」の挙動が変化したが,リブート後は「強:連斬」の挙動が変わるようになった。赤い剣気バフが有効な間に「強:連斬」を使うと,持久力(スタミナ)がなくなるまで突きを連発できる。強力なぶん持久力消費は激しめだ。
また,「赤い剣気」バフが活性化されていると「真:武士道」の代わりに「(伝承):武士道」が発動し,FP/HP回復が回復するようになった。
そのほか,狩りで使った限りでは,横移動しながら攻撃できる「強:旋剣舞」がかなり使いやすいと感じた。覚醒ブレイダーの「斬払い」に近い使い勝手で,FP(MPみたいなもの)も回復する。これで避けつつ「強:秘剣:三日月」を撃ち,敵と正面でやり合うときには前方ガードありの「強:秘剣:紅月」を使っていけば,最低限の狩りができるだろう。赤いエフェクトがカッコよく,ズバズバと斬撃をしたい人向けのクラスだ。
ツバキ(覚醒):快適度 ★★
ツバキの覚醒武器「花月槍」は,伝承と比較すると攻撃は全体的に直線的で,癖が強く上級者向けだと感じる。Qガード,後退ガードが使えるとはいえ,「迅駆」を細かく使って位置取りしなおすなど,ひと手間かかる印象だ。
前方ガードは「霜柱」「コンボ:冰柱霜華」と,新スキルの「アイスファング」にある。伝承の火力アップがやや少なく感じた分,覚醒はコンボ火力があるので,使いこなしてみたくなる魅力が感じられた。
前半はここまで。後半ではウィッチ以降のクラスを紹介していこう。
- 関連タイトル:
黒い砂漠
- この記事のURL:
(C)PearlAbyss Corp. All Rights Reserved.