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印刷2012/09/19 23:06

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「SCEJ Press Conference 2012」詳報後編。クロスプラットフォーム対応のPS Vita用新作タイトルが続々と発表。PS Vitaの新色やPSPの価格改定も明らかに

画像集#062のサムネイル/「SCEJ Press Conference 2012」詳報後編。クロスプラットフォーム対応のPS Vita用新作タイトルが続々と発表。PS Vitaの新色やPSPの価格改定も明らかに
 ソニー・コンピュータエンタテインメントは本日(2012年9月19日),報道関係者向けの発表会となる「SCEJ Press Conference 2012」を東京都内にて開催した。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン プレジデントの河野 弘氏によって,プレイステーションプラットフォームの今後の展開について,さまざまな発表が行われた今回の発表会だが,後編となる本稿では,主にPlayStation VitaとPSPに関する内容についてお伝えしていこう。

「SCEJ Press Conference 2012」詳報前編




PS Vitaのこれまでの取り組みと,新たなサービス。「ニコニコ」に生放送配信機能が搭載&Reader Storeに対応


 まず,PlayStation Vitaについては,これまでの取り組みと,今後控えている新サービスについて紹介が行われた。

 これまでに発売されているPS Vita向けソフトの本数は全91タイトル(うちパッケージ版は65タイトル)。その中でもとくに「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」や「初音ミク -Project DIVA- f」といったタイトルがヒットしたのは記憶に新しいところだ。その一方で,河野氏は「サムライ&ドラゴンズ」の好評ぶりを例に挙げ,PS Vitaの3G通信機能がいわゆるFree-to-Playのタイトルと親和性が高いことを強調した。さらに,PS Vitaの3G通信機能に関しては,NTTドコモの主催による「PlayStation Vita “楽しもう3G”プレゼント企画」第2弾で,初音ミク -Project DIVA- fのキャンペーンが10月4日からスタートするそうだ。

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 また,今年8月のシステムアップデートによって,PS Vitaはゲームアーカイブスの初代PlayStationタイトルにも対応している。ここでゲームアーカイブスで遊べるタイトルの例として,河野氏が「クラッシュ・バンディクー」のプレイを実演。PS Vitaの有機ELディスプレイによって,初代PlayStationのタイトルがより鮮明なビジュアルで楽しめることをアピールした。ゲームアーカイブスでは600以上の初代PlayStation向けタイトルが配信されているが,河野氏によると,PS Vitaのシステムアップデートが行われた8月28日から9月18日までにかけて,約18万ダウンロードを記録しているそうだ。

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 さらに河野氏は,PS Vita,PS3,PSPといったプレイステーションプラットフォームのハードウェアが連携する「クロスプラットフォーム」の取り組みについても言及した。

PS3用のコントローラとしてPS Vitaを利用できる「Cross-Controller」。会場では,「リトルビッグプラネット2」を例に実演が行われた
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クラウドサーバーを介して,他機種間のセーブデータを共有する「Cross-Save」
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PS3とPS Vitaなど,他機種間でのマルチプレイを可能にする「Cross-Play」

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購入したコンテンツを他機種間で共有する「Cross-Goods」

 Gamescom 2012で初めて発表された「Cross-Buy」も,日本では「みんなのGOLF 6」PS3/PS Vita)を皮切りにスタートする。これはPS VitaとPS3の両機種で発売されるタイトルについて,一方のバージョンを持っている場合は,もう一方のバージョンを安価に購入できるというものだ。

 こういったクロスプラットフォームの取り組みについて河野氏は,「開発者の皆さんのクリエイティビティを刺激し,そしてユーザーの皆様に,これまでにない新しいゲーム体験をもたらす仕組みであることは間違いない」と自信をのぞかせた。

画像集#013のサムネイル/「SCEJ Press Conference 2012」詳報後編。クロスプラットフォーム対応のPS Vita用新作タイトルが続々と発表。PS Vitaの新色やPSPの価格改定も明らかに
Cross-Buy
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ゲーム開発の裾野を広げるため,角川ゲームスと共に「Project Discovery」という取り組みもスタートしている

 これらの取り組みを踏まえて,河野氏は今後の新情報とサービスを発表した。まず最初に発表されたのは,PS Vitaの新色として11月15日に発売される,「コズミック・レッド」と「サファイア・ブルー」だ。

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 また,PS Vita向けの「ニコニコ」アプリは,2013年に予定されているアップデートによって,いよいよ生放送の配信にも対応する。会場のステージでは,開発中のデモ版によって実際に生配信が実演された。

「ニコニコ」で配信されている画面には,会場の風景にトロの姿が合成されている。河野氏のプレゼンではとくに触れられなかったが,これはPS Vita版の独自機能だろうか?
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 さらに10月中旬からは,ソニーの運営するeBookストア「Reader Store」がPS Vitaに対応。PS Vita上でコミックが読めるようになるとのこと。河野氏は「ワンピース」「Fate/stay night」といったコミックを使ってこれを実演。コミックの閲覧はボタン操作とタッチ操作の両方に対応しており,本体を縦向きにして読むことも可能だという。

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「GOD EATER 2」のPS Vita版や「SOUL SACRIFICE」の新情報に加え,初披露となるPS Vita用タイトルが続々登場


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 続いて河野氏は,PS Vita用新作タイトルの発表に移った。
 まず最初にPVと共に披露されたのは,「コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド」。本作の日本版は12月中に発売される予定だ。

 ここで,「SOUL SACRIFICE」の新情報の発表のため,comceptの稲船敬二氏が登場。SOUL SACRIFICEは東京ゲームショウ2012でプレイアブル出展が予定されており,稲船氏によると,4人同時のマルチプレイが楽しめるそうだ。
 また,今冬には本作の体験版が公開される予定で,稲船氏は「ぜひたくさんの人に遊んでいただきたい」としつつ,その一方で,本作の発売日が「今冬」から「2013年春」へ延期となったことを発表。しかし,これはTGSでのプレイアブル出展や体験版を通じてプレイヤーの意見を取り入れ,より良いゲームにするためで,稲船氏は「ソニーさんの太っ腹で,もうちょっと延ばしましょう,と言っていただいた」と述べた。また,この稲船氏の言葉を受けて,河野氏も「このタイトルを大事にローンチしたいと考えている」と語り,SOUL SACRIFICEに対する期待の高さを強調した。

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画像集#029のサムネイル/「SCEJ Press Conference 2012」詳報後編。クロスプラットフォーム対応のPS Vita用新作タイトルが続々と発表。PS Vitaの新色やPSPの価格改定も明らかに
稲船敬二氏
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はしもとよしふみ氏

 次に登壇したのは,マーベラスAQLのはしもとよしふみ氏。はしもと氏は,PS Vita用の新作として「ヴァルハラナイツ3」「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-」「朧村正」の3タイトルを発表した。
 まず,ヴァルハラナイツ3は原点回帰をテーマに,「繰り返しキャラクターをカスタマイズし,敵にチャレンジしていく」要素が魅力になっているそうだ。今回は3枚のスクリーンショットが披露されたが,中でもはしもと氏が猛プッシュしていたのは「大人の空間」(写真右下)。はしもと氏曰く「男性の方には喜んでいただけるような,かなり過激なタイトルになっている」。

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 閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-は,閃乱カグラシリーズの完全新作。本作について,はしもと氏は「PS Vitaには,かなりいろんな性能がございます」と含みを持たせつつ,「いろんな部分の限界にチャレンジして制作していきたい」と抱負を語った。

 そして朧村正は,2009年にWii用に発売された同名タイトルのPS Vita版となる。本作では緻密に描かれた2Dグラフィックスが魅力の一つとなっているが,発色に優れているPS Vitaの有機ELディスプレイによって,和風の色彩の美しさをあらためて実感していただけるのでは,とはしもと氏は述べていた。

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鯉沼久史氏
 続いて,コーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏が登壇し,同社の開発チームω-forceが手がける新作「討鬼伝(TOUKIDEN)」PS Vita/PSP)を発表した。本作はプレイステーションプラットフォーム専用の完全新規プロジェクトで,プレイヤーが相手にするのは異形の敵“鬼”。かつてない迫力と爽快感が味わえるアクションになっており,PS Vita版とPSP版のクロスプラットフォームによるマルチプレイにも対応しているとのこと。また,PS Vita版では専用のグラフィックスリソースを用意しているらしく,鯉沼氏は「携帯ハード最高水準のクオリティを実現する」と述べる。
 さらに鯉沼氏は,「コーエーテクモグループは,PS Vita向けのタイトルを数多く取り揃えるべく準備を進めている」と述べ,今後もさまざまなタイトルが控えていることを予告した。

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稲垣浩文氏
 バンダイナムコゲームスの稲垣浩文氏が発表したのは,PS VitaPS3のマルチタイトルとなる「ガンダムブレイカー」。ガンダム関連のゲームは数多く存在するが,本作がモチーフとしているのは“ガンプラ”だ。稲垣氏が本作の特徴として挙げたのは「破壊」「戦場」「スケール」の3つ。腕や頭などの部位破壊や,実物大ガンダムが立っているダイバーシティ(お台場)のステージ,そして1/60ガンダムに1/144ガンダムが挑むシチュエーションなど,ガンプラというモチーフの特徴を活かしたタイトルとなっている。また,稲垣氏によると「PS3とPS Vitaの連動など,まだまだお話ししたいことがたくさんある」らしく,続報についても公式サイト等で順次公開していくそうだ。

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 ゲームメーカーからのゲストとして最後に登場したのは,バンダイナムコゲームスの富澤祐介氏。富澤氏は,PSP用ソフトとして開発が進められている「GOD EATER 2」について,同作のPS Vita版とPSP版が2013年に同時発売されることを明かした。

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富澤祐介氏
 富澤氏は,GOD EATER 2の基本姿勢が「手持ちのハードの性能に合わせて,最適な環境で同じ体験を楽しみ,そして共有していただく」ことだと述べる。そのため,PS Vita版ではグラフィックスや操作性がPS Vita向けに最適化されているそうだが,逆にそれ以外の要素についてはPSP版と同内容とのことだ。

 また,いずれのバージョンもクロスプラットフォームやアドホック・パーティーによるマルチプレイに対応。将来的なハードの買い換えなども考慮して,2つのハード間でのセーブデータの共有やムーブ等も検討中だという。

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 富澤氏は最後に,クロスプラットフォームタイトルとして“新生”したGOD EATER 2について「プレイヤー好みに自在に進化する必殺技」「絆を深めて仲間を成長させる,育成要素を持った仲間キャラクター達」「これまで以上にドラマチックに,そして戦略的に進化するミッション体験」といった新要素を挙げた。どうやら,これらの新要素の詳細については,TGS 2012の会期中に明らかにされるようだ。

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今年9月から年末にかけて発売を予定しているタイトルのラインナップも,河野氏が一挙に紹介した

 河野氏は「PS Vitaが持つ大きな可能性を最大化させ,長く愛されるプラットフォームにすることが,ゲーム業界の活性化につながると強く信じている」と述べ,PS Vitaに関するプレゼンテーションを締めくくった。


12月に発売から9年めを迎えるPSPが価格改定。そして,TGS 2012では会場限定の謎解きイベントも実施


 2004年12月の発売以来,今もなお現役のハードとして新作タイトルのリリースが続いているPSP。発売から9年めを迎えようとしているところで,河野氏は明日(9月20日)から本体価格を改定すると発表した。改訂後の価格は,本体価格が1万3800円で,バリューパックが1万4800円(共に税込)となっている。

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 さらに河野氏は,PSP用の新作タイトルとして,「ONE PIECE ロマンスドーン」「FINAL FANTASY III」「SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド」「ダンボール戦機W」「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2013」といったラインナップを紹介。
 PSPの9年めの抱負として,「新しい価格と,迫力満点のタイトルの発売で,PSPの世界にこの年末も新しいファンが増えてくると私達は信じています」と語った。

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 河野氏は最後に,明日(9月20日)から開幕する東京ゲームショウ2012の出展情報についても紹介を行った。
 TGS 2012のPlayStationブースでは,PS3で30タイトル,PSPで3タイトル,PS Vitaで27タイトル,PlayStation Mobileで15タイトルが,それぞれ出展される。中でもSOUL SACRIFICEについては試遊台を20台も用意しており,今回の大きな目玉となっているようだ。

 また,河野氏によると,試遊以外にもいくつかスペシャルなイベントを予定しているとのこと。「一遊入魂」と題されたステージイベントでは,腕利きのプレイヤーや開発スタッフなどがステージに登場し,新作タイトルについて「ここでしか見られない,臨場感満点のプレイを最高の演出と共にお送りする」という。

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 さらに,「東京ゲームショウ探偵団 -消えた女スパイを探せ-」と題した,TGS 2012の会場でしか楽しめない謎解きイベントも行われる。これはPS Vita用の専用アプリを事前にダウンロードし,AR機能などを用いて謎を解いていく内容になっているそうだ。このイベントはリアル脱出ゲームで有名なSCRAPが監修しており,クリアした人の中から抽選で100名に,プレイステーションネットワークチケット2000円分がプレゼントされるという。

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 各プラットフォームの新作タイトルが披露されたことに加え,PS3,PS Vita,PSPの各ハードウェアについて新型モデルや新色,価格改定といった発表が一挙に行われるなど,トピックの多い発表会だった。
 中でも印象的だったのは,今回発表されたPS Vita向けタイトルの多くがクロスプラットフォームに対応しているという点だ。古くはPlayStation 2で初代PlayStationのソフトがそのままプレイできたり,現在もゲームアーカイブスで購入したタイトルをPS3,PSP,PS Vitaのいずれでもプレイできたりと,「プラットフォーム間の互換性の高さ」はPlayStationプラットフォームの大きな特徴だった。そういった伝統を踏まえると,クロスプラットフォームに対する現在の取り組みも,いかにもPlayStationプラットフォームらしいアプローチといえるのではないだろうか。クロスプラットフォームに対応したタイトルが出揃うまでにはまだ時間を要するだろうが,明日から開催される東京ゲームショウ2012において,それもそれもひと足早く体験できることだろう。

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン プレジデントの河野 弘氏(左)とSCE 代表取締役社長 兼 グループCEO アンドリュー・ハウス氏(右)
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