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日本法人を構えたX-LEGENDの狙いと第1弾「Pride of Soul -舞翔伝-」について聞いてみた。“非可愛い系”の新作は,遊びやすさと新しいプレイ感覚を追求した野心作だった
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印刷2012/10/20 15:09

インタビュー

日本法人を構えたX-LEGENDの狙いと第1弾「Pride of Soul -舞翔伝-」について聞いてみた。“非可愛い系”の新作は,遊びやすさと新しいプレイ感覚を追求した野心作だった

画像集#010のサムネイル/日本法人を構えたX-LEGENDの狙いと第1弾「Pride of Soul -舞翔伝-」について聞いてみた。“非可愛い系”の新作は,遊びやすさと新しいプレイ感覚を追求した野心作だった
 台湾のPCゲームメーカーX-LEGEND ENTERTAINMENTが,日本法人となるX-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANを設立した。X-LEGEND ENTERTAINMENTは,「Grand Fantasia -精霊物語-」「Finding Neverland Online -聖境伝説-」「晴空物語」といった可愛い系MMORPGを中心に開発を行っている会社で,それらのタイトルが日本でヒットしたこともあり,なんとなく名前に見覚えがあるという人もいるかもしれない。日本では開発会社という立ち位置で認知されているわけだが,今後は運営サービスも行っていくことになる。

 日本法人設立後の第1弾タイトルはオンラインMMORPG「PRIDE OF SOUL -舞翔伝-」(以下,Pride of Soul)だ。本作は今秋のサービス開始を予定しており,現在クローズドβテスター募集が行われている。とはいえ,ゲームの内容についてはよく知らないという人が大半ではないだろうか。今回,X-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANの取締役社長兼COOの陳 建文氏,Pride of Soul開発元であるX-LEGEND ENTERTAINMENT 企画部副理の顏 稚剛(Lance Yen)氏,ならびに運営ディレクターのM氏にインタビューすることができた。日本支社を設立した経緯から,第1弾タイトルとなるPride of Soulのゲーム内容まで,幅広く聞いてきたので,さっそく紹介していきたい。

※画面はすべて開発中のものです
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日本現地に支社を設立したX-LEGENDの思惑


X-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANの取締役社長兼COO 陳 建文氏
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。最初に,X-LEGENDの日本法人を設立した経緯から教えてください。

陳 建文氏(以下,陳氏):
 X-LEGEND日本法人は,2012年5月に登記を済ませて,正式な準備は8月から行ってきました。今までX-LEGENDは,日本の市場を重視した作品を作って提供してきたわけですが,昨年12月に台湾国内で上場を果たしたのをきっかけに,自ら運営サービスも提供していこうという方針になったのです。
 X-LEGENDグループとしての戦略ですが,他社とのコラボレーション,アライアンスは今後も行っていく予定ですし,必ずしも自社コンテンツを日本法人からのみ配信するわけではありません。また,チャネルマーケティングの部分でも柔軟性を持たせつつ運営していきたいですね。
 弊社の会長である張 峰旗も,パートナー企業とWin-Winの関係を作って,より良い製品とサービスをプレイヤーに提供していけるようにしたいと申しています。

4Gamer:
 これからリリースされるX-LEGENDの新作タイトルについても,日本法人が運営を担当するとは限らないと。

陳氏:
 「プレイヤーが一番楽しめる環境を作りたい」という気持ちが大きいので,他社が運営するほうがプレイヤーにとってメリットが大きいなら,そちらに運営を任せても構わないと考えます。

4Gamer:
 なるほど。X-LEGENDの海外進出は,日本が初めてだとお聞きしました。リリースされているタイトルとの親和性で考えると日本は妥当だとは思いますが,選択肢としてマーケットの大きい中国への進出も考えられたのではないでしょうか。

陳氏:
 中国のマーケットが大きいことは確かです。ですが,外資企業が中国へ進出しても成功する例が少ないのが現状です。それと,弊社の開発チームに親日派が多いことも少なからず影響しているんじゃないですか(笑)。

X-LEGEND ENTERTAINMENT 企画部副理 顏 稚剛(Lance Yen)氏
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顏 稚剛氏L(以下,顏氏):
 開発現場からも「こういった要素は日本で受けるのではないか」と提案されることが多いです。日本市場を重視しているというより,日本の文化が好きでタイトルに盛り込んでいる感はありますが。「武将を女性化したい」という話が出たときは,どう対応したらいいかと思いましたが(笑)。

4Gamer:
 台湾の開発の方とお話しする機会も多いのですが,雑談レベルでもかなりコアな日本文化(?)の話を聞けたりしますからね(笑)。話を戻しますが,日本のPCオンラインゲーム市場は,スマートフォンの隆盛もあって変化しています。その辺りはどうお考えですか。

陳氏:
 日本市場のトレンドがソーシャルやアプリにシフトしていることは知っていますが,それでもなおMMORPGにこだわりを持ってやっていきたいです。弊社が目指すところは,MMORPGのエキスパートです。

4Gamer:
 日本法人を構えることで,どのようなメリットがありますか。

陳氏:
 お客様の声をダイレクトに受け,製品の品質向上に役立てられるのは大きなメリットですね。

運営ディレクターM氏(以下,M氏):
 これまでX-LEGENDが提供してきたタイトルの状況から見ても,日本のお客様から出る意見や要望は,開発側が思いもしなかったような部分にまで及ぶことがありますので,タイトルの品質が向上するのは間違いないと思います。そうしたことも踏まえ,日本法人は必要不可欠であると判断するに至ったわけです。


リアルな描写の新タイトル「Pride of Soul」は,X-LEGENDにとっても挑戦だった


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4Gamer:
 それでは,X-LEGEND日本法人が運営を行う第1弾タイトルについて詳しく聞かせてください。

陳氏:
 第1弾のタイトルは「Pride of Soul -舞翔伝-」(以下,Pride of Soul)です。この作品は東洋ファンタジー系MMORPGとなっていて,日本のプレイヤーが楽しめるような要素を積極的に追加しています。

顏氏:
 Pride of Soulは,各国にある神話や伝説を参考にしつつ,オリジナルの物語も挿入したタイトルです。神話や伝説に登場する「武将」と交流し,また武将を仲間として一緒に戦うことができるのが大きなアピールポイントになるでしょう。開発期間は2年ほどで,その中でも企画や調整に多大な時間を掛けてきました。

4Gamer:
 X-LEGENDのタイトルラインナップは,可愛い系のMMORPGが多く人気もありますよね。一方で,本作はリアル系のビジュアルとなっており,今まで人気があったタイトルとは違った作風になっていますが。

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顏氏:
 弊社では長年オンラインゲームを制作しており,開発のノウハウも蓄積されてきています。昨今はPCの性能も上がり,ゲーム内で表現できることの幅も広がってきていますので,リアルなキャラクターでリアルなバトルを作ったら,どこまでの作品が作れるのかを追求したいという思いも強くなっていました。Pride of Soulは弊社にとって,“挑戦”の意味も持ったタイトルだとも言えます。実際,台湾でのプロモーションでは,「X-LEGENDの新たなチャレンジ」というキャッチコピーを使っていますし。

4Gamer:
 キャラクターのモデリングをリアルな等身にしたことで,苦労したことも多かったのではないでしょうか。

顏氏:
 Pride of Soulでは「空中戦闘」をフィーチャーしていて,敵を打ち上げ空中で追撃することができます。その際に重要となってくるジャンプや空中での挙動の調整には苦労しました。背景もリアルなものになっているのですが,シャドウの付け方などにはこだわっています。ゲームエンジンを一度バラして,新しい便利な機能を追加するなどしていますので,確実に技術の革新は進んでいます。かなり苦労はしましたが,その分勉強になったのかなと。

4Gamer:
 ジャンプと空中戦について,もう少し詳しく聞かせてください。

顏氏:
 ジャンプは本作で最も重要なアクションですね。ジャンプ後にもう一度ジャンプ,すなわち二段ジャンプが行え,高いところから滑空したりもできます。建物の多い街中だと,自由自在にジャンプ移動ができますよ。

高低差の大きなマップなら,簡単に屋根の上などに移動できる
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4Gamer:
 空中戦のほうは,具体的にどうやって行うものなのでしょうか。

打ち上げた敵を追ってジャンプ
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M氏:
 敵を空中に浮かせるスキルがありまして,そのスキルを敵に当てると“打ち上げ花火のように”敵を空へと舞い上げることが可能です。その直後にキャラクターをジャンプさせると追いかけるように飛んでいきますので,空中での追い討ちが可能になるわけです。
 スキルを駆使して地上で戦うことも可能ですが,空中では,敵に与えるダメージが上昇します。また,空中戦闘を行えばレアアイテムが出現しやすいように設定されていますので,積極的に空中戦を行うのがPride of Soulらしい戦い方だといえるでしょう。

4Gamer:
 なるほど。空中での戦闘は単に見栄えがいいだけでなく,火力やアイテムなどでのメリットもあるわけですね。ムービーにあったような空中での連続的な追撃はどのように行うのですか。

M氏:
 空中の敵はゆっくりと落下してきます。地上に落ちてしまう前に,通常攻撃を含む攻撃スキルを使ってダメージを与えていくと,敵をさらに浮かせて攻撃を持続できるのです。もちろん,スキルにはクールタイムが設定されていますので,どういった順番でスキルを使っていくのかが重要になってきますが。
 また,Pride of Soulでは複数の武器を装備することが可能ですが,武器によってスキルが違い,クールタイムも別々ですから,空中で武器を切り替えながら連続してスキルを使って戦うという,新しい感覚の戦闘をお楽しみいただけると思います。

4Gamer:
 すでにサービスを開始している台湾では,空中戦闘にどういった反響がありましたか。

顏氏:
 最初のうちはプレイヤーも戸惑っていたようですが,火力とレアアイテムの入手確率が上がるということが分かると,すぐに浸透していきました。今では概ね高評価をいただいています。

画像集#016のサムネイル/日本法人を構えたX-LEGENDの狙いと第1弾「Pride of Soul -舞翔伝-」について聞いてみた。“非可愛い系”の新作は,遊びやすさと新しいプレイ感覚を追求した野心作だった
4Gamer:
 操作上は,敵を打ち上げてジャンプで追いかけて,途切れないようにスキルを使って……と大変そうな印象ですが。

顏氏:
 戦闘を極めようとすると,攻撃のバリエーションが豊富ですのでキー操作が忙しくて大変かもしれません。しかし,根本となる戦闘システムは,「敵をクリックして攻撃する」という簡単なものですので,今までMMORPGに触れたことがあるプレイヤーの皆様なら,とくに問題なく遊べるものだと思います。
 ちなみに,台湾ではPvPも盛んで,ジャンプを使った攻撃と回避,また空中でのコンボ,といったような,Pride of Soulならではの対戦プレイをみんな楽しんでいます。

4Gamer:
 いろいろと“挑戦”しているタイトルということでしたが,開発するうえで苦労したことがあれば教えてください。

顏氏:
 ジャンプの挙動には細心の注意を払って制作しましたので,キャラクターのモデリングとあわせて非常に苦労しました。ビジュアル面では,過去のタイトルに比べて4倍以上の時間が掛かっています。ただグラフィックスを綺麗にするだけなら簡単かもしれませんが,誰でも気軽に始められるように,データを極力軽くする作業も並行して行いました。結果的にノートPCでもプレイ可能なタイトルにすることができました。


ゲーム中に登場する”武将”と交流し,仲間にすることで遊びの幅が広がる


4Gamer:
 本作には,東洋のいろいろな物語が出てくるということなのですが,これはマップごとに違うストーリーの世界になっているということですか?

顏氏:
 そうです。歴史上は時代が違いますが,漢の時代や水滸伝などの世界も並行して存在します。また,同じ三国志でも場面が違うと別マップになっていたりします。

4Gamer:
 マップで展開される世界にはどんな種類があるのでしょうか。

顏氏:
 現在開放されているのは,三国志,水滸伝,西遊記,項羽と劉邦,ジンギス・カン,封神演義のマップですね。

4Gamer:
 すでにかなり入っているみたいですね。では,先ほども少し話に出ていた武将についてはどうでしょうか。

水滸伝から魯 智深
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顏氏:
 東洋の人気のある物語をベースに,登場人物をゲーム内に登場させています。もちろん,それらの物語を扱ったゲームはほかにもあるわけですが,Pride of Soulでは,そうした武将達とストーリー以外でも会うことができるのです。普通に街の中に立っていたりですね。そして,そんな武将達を仲間にできる,というのがPride of Soul最大の特徴です。

4Gamer:
 武将はどういった方法で仲間にすることができるのでしょうか。

顏氏:
 二つ方法があります。ダンジョンのボスとして登場するタイプの武将は,そこで勝利することで仲間にできます。こちらはドロップアイテムの形ですので,実際に仲間にできるかどうかは運も必要になりますが。
 もう一つの方法は,武将と交流して好感度を高めることです。武将が出すクエストを進めたり,対象となる武将が好むものを贈り物として渡していくと好感度が上ったりといった具合です。好感度が一定以上になると仲間にすることができます。

獲得できる武将は一覧可能。好感度を上げていこう
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4Gamer:
 ダンジョンのボスとして登場するタイプだと,難度が高くて入手が困難な武将もいそうですね。現状で仲間にするのが一番難しい武将は誰でしょうか。

顏氏:
 今のところは呂布ですね。戦闘力も高く,仲間にすると心強い武将です。なお,台湾では男性武将の人気ナンバー1は呂布,女性武将は妲己です。呂布は強さから,妲己はセクシーな見た目から人気が出た感じでしょうか。そのほか,おとぼけキャラになっている劉邦も人気がありますね。

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呂布さん表裏
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4Gamer:
 台湾では,現在実装されている武将数はどれくらいですか。

顏氏:
 現在150名ほどの武将が登場します。これらは見た目だけでなく性格にもこだわってキャラ設定を行いました。日本ではこれからサービスが始まりますので,お気に入りの武将を見つけていただければ幸いです。

妲己さん表裏
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メイン武器とサブ武器の組み合わせによるスキルビルド


4Gamer:
基本のゲームシステムに関してですが,プレイヤーはどういった形でキャラクターを育成していくのでしょうか。

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顏氏:
 Pride of Soulには職業という概念はありません。その代わりに,大剣/スピア/扇子/杖/ナックルという5種類の武器があり,それぞれで習得できるスキルが異なるので,戦闘スタイルも変わってくるという感じです。最初にメインの武器を選び,レベルアップするとサブ武器が使えるようになります。また,レベルアップしたときに入手できるポイントを,好きなステータスに振ることができますので,メイン武器とサブ武器の組み合わせ,そしてステータスの上昇のさせ方によって,個性的なキャラクターが育成できるというわけです。

4Gamer:
 武器ごとの特徴を教えてください。

顏氏:
 大剣は防御面に特化した,いわゆるタンク用の武器です。スピアは攻撃力があるアタッカー役で,扇子は攻撃系スキルもありますが,回復系スキルを使えるのが一番の特徴といえるでしょう。杖は遠距離から魔法攻撃を行う武器で,ナックルは自己回復と攻撃とを器用に使い分けられる武器となっています。
 各武器ともに特徴と合致したスキルを習得していく感じですね。同時に武器ごとに異なる「心法」というパッシブスキルも習得でき,キャラクターの能力値を引き上げてくれます。心法ごとにどの能力値が上がるか特徴がありますので,メインとサブ武器の選択は重要になってくるでしょう。

M氏:
 補足しますと,メイン武器とサブ武器とで上限となるレベルも異なってきます。例えば,メイン武器がレベル10だとしたら,サブ武器はレベル8までしか上がらないといった具合です。
 防具に関しましては,物理攻撃用防具,魔法攻撃用防具といった区分はありますが,武器の選択に影響を受けずどんな防具でも装備できます。

杖と槍の武器を持つキャラクター。タブには第3武器の記述も見えるが?
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4Gamer:
 武器の組み合わせは,単に習得できるスキルの違いだけでなく,戦い方そのものまで違ってくるほど重要なんですね。メイン武器やサブ武器の変更は可能ですか?

顏氏:
 現状では武器の変更はできませんが,将来的にはなんらかの方法で対応するかもしれません。


ストレスのないレベリングを実現し,短時間でも満足できるゲームを


4Gamer:
 空中戦闘,武将システム,キャラクターの育成方法と聞いてきましたが,ほかにPride of Soulでこだわった要素はありますか。

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顏氏:
 短時間のプレイでもサクサクとレベルが上がるように設定してあります。台湾では現在レベルキャップが80ですが,6月にサービスを開始してから10月までの3〜4か月で,多くのプレイヤーがレベルキャップもしくはその近くまで到達しています。近々,レベルキャップを100に引き上げる予定です。
 また,クエストが1000以上用意されていて,そのクエストをクリアしていくことで自然にレベルが上がっていくよう調整しています。レベリングのためにひたすら敵を倒し続ける必要もありませんので,ゲームに入ったら好きなクエストを進めていくスタイルで遊んでいただけるのではと考えています。ダンジョンでレアアイテムを狙うといったやり込み要素も豊富ですので,仲間と長時間プレイできるときに,ガッツリと遊ぶことも可能です。

4Gamer:
 ソロでコツコツとクエストをクリアしてレベル上げをし,たまに仲間とパーティプレイでダンジョンに行ったりして楽しむのがプレイするプレイヤーの基本スタイルになりそうですね。

M氏:
 そうですね。クエストが1000以上あるという話をしましたが,10分程度で終わるような手軽なクエエストが多く用意されています。つまり,1日1時間しかプレイできない忙しい社会人でも,クエストをクリアすることで達成感が得られるというわけです。MMORPG本来の遊び方とは少しズレてしまうかもしれませんが,コンシューマRPGのように1日に一つか二つクエストをクリアする,といった遊び方もできると思います。

4Gamer:
 1日のうち短時間だけプレイするプレイヤー層も想定して設計された,と考えてよろしいのでしょうか。

顏氏:
 はい。台湾では,ゲームにログインしているだけで経験値の伸び率が上昇したり,褒賞アイテムを入手できたりします。ですので,ゲームにログインしたらしばらく放置して,経験値獲得率を上げてから数十分実際にプレイし,また放置するといったスタイルで遊んでいる人が多いですね。
 ソロでも十分楽しめタイトルですが,パーティプレイでは入手できる経験値が増えたり,ドロップアイテムの質が上がったりしますので,効率を求める人にはパーティプレイをオススメします。

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M氏:
 ダンジョンは,1人用とパーティ向けの5人用とで入口が別になっていて,敵の強さや一部演出が異なるのも特徴でしょうか。

顏氏:
 ダンジョンにはもう一つ,3人用ダンジョンというのもあります。こちらは,普通のダンジョンとは異なっていて,プレイヤー自身が“武将の姿”になって攻略していきます。ほかにも,数多くの敵が出現するフィールド内で何体の敵を倒せるかといった遊び方ができるダンジョンも用意しました。

4Gamer:
 ダンジョンに連れて行く武将によっても戦術が変わるでしょうから,遊び方もいろいろといった感じですね。

いわゆる拠点防衛戦的な,たくさんの敵が襲ってくるダンジョン
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顏氏:
 そうですね。ダンジョンには巨大なボスもいて,ジャンプを駆使して空中戦を挑むといったシチュエーションもあります。地上にいると地震でダメージを受けるので,二段ジャンプで滞空時間を延ばしつつ戦うわけです。

巨大なボスとの空中戦
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M氏:
 演出に関しては,X-LEGEND初の試みとして,ストーリー中にカットシーンを挿入いたしました。モーション付きで,NPCとの会話やイベントのあらすじが紹介されます。

4Gamer:
 開発についてはすでに何タイトルも行っているX-LEGENDですが,運営の面で気を配っていることはありますか。

M氏:
 プレイヤーの皆様が求めていることを極力ゲーム内に落とし込んでいこう,という方向で開発陣と協議しています。また,MMORPGということで,コミュティは大事にしていきたいと思います。関連機能でいうと,プレイヤー検索機能とパーティやギルド結成をアシストするシステムですね。
 また,無課金でもある程度快適に遊べる環境にもこだわりました。イベントの達成やゲーム内でほかのプレイヤーに“あいさつ”をすることでポイントが溜まり,無料で課金アイテムを利用可能にできるような仕組みを導入します。また,一部のゲームでは高額課金アイテムの代名詞となっている「能力ポイントのリセット」を,ゲーム内通貨で安価に行えるようにする予定です。

顏氏:
 従来のクエストとは趣向の違う「達成クエスト」というのも用意しています。こちらは,「どのNPCが持っているか分からない宝を見つけ出す」といった具体的な指令は明かされていないクエストになっていて,達成すると課金アイテム相当のものがもらえる仕組みです。その一例を挙げると,西遊記マップで7つの珠を集めて孫 悟空に渡すといった感じですね。

4Gamer:
 7つの珠を集めると願いがかなうと……。原作の物語に準じた物語が展開する硬派なゲームだと思っていましたが,そういうクエストもあるんですね(笑)。

M氏:
 いくつもの世界観が同居するタイトルですので,その間を埋める部分はオリジナルな物語が展開します。西遊記マップの件も,オリジナル部分と解釈してください(笑)。

画像集#031のサムネイル/日本法人を構えたX-LEGENDの狙いと第1弾「Pride of Soul -舞翔伝-」について聞いてみた。“非可愛い系”の新作は,遊びやすさと新しいプレイ感覚を追求した野心作だった


今後も成長を続ける「Pride of Soul」。これから強化される要素は?


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4Gamer:
 まだ正式に稼動しているタイトルではないのですが,これから強化していきたい箇所などがあれば教えてください。

顏氏:
 台湾プレイヤーの反応を見ると,武将に関する要素の人気が高いようです。そのあたりを重点的に強化していきたいですね。武将と交流できる,仲間にできるというところからさらに発展させ,武将達と作戦会議を開くとか,ハウジングのような機能も入れたいですね。

4Gamer:
 現状は史実以外に東洋の伝記が登場していますが,未来の話や西洋の伝説にスポットを当てる計画はありますか。

顏氏:
 現在は先ほど挙げた物語のマップ制作の作業を行っていますので,それが終わってから検討することになります。新しい物語,新しい冒険の舞台を取り入れたい気持ちは当然ありますし,日本でサービスを行いますので,いろいろとご期待いただければと思います。

4Gamer:
 今後,戦国時代を舞台にしたマップが登場して,織田信長とかが登場することがあるかもしれないわけですね。それでは日本の運営チームとしては,どのような活動をしていきますか。

M氏:
 初めてのタイトルということもあり,プレイヤーの皆様から信頼してもらえるような──不具合をなくす,迅速な対応をする──といった当たり前のことを当たり前にできるように努力します。そして,ある程度運営が軌道に乗りましたら,オフラインイベントなども積極的に行っていきたいですね。

4Gamer:
 開発としては歴史あるX-LEGENDですが,運営としては0からのスタートになりますからね。まだ先の話だとは思いますが,X-LEGEND日本法人が運営を予定しているタイトルはありますか。

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陳氏:
 大人の事情で,はっきりとはいえない部分もあるのですが……遅くても来年半ばには第2弾タイトルを発表できるかなと考えています。

4Gamer:
 それは「Project 7」という開発コードネームのタイトルでしょうか。

陳氏:
 そうです(笑)。現在,他社との争奪戦をしていますので,はっきりとはいえませんが。

4Gamer:
 自社タイトルでありながら他社と競争というのも驚きなのですが,期待しています。では,最後にPride of Soulを楽しみにしているプレイヤーに向けて,メッセージをお願いします。

顏氏:
 Pride of Soulは,ゲームの背景やシステム,さらにグラフィックスやキャラクターの挙動など,あらゆる面にこだわって制作しました。独特な戦闘を含め,深いゲーム性が実現できましたので,日本のプレイヤーの皆様にも楽しんでプレイしていただきたいです。

陳氏:
 X-LEGENDの日本進出で初タイトルということもあり,開発と運営と数多くの協議を重ねて形にしてきました。今後もより良い品質のタイトル,そして運営サービスを提供してまいります。

M氏:
 開発直下の運営であるため,お客様の意見を素早く開発元にフィードバックできる環境です。こうした強みを活かし,開発と運営とで協力していく所存です。冒頭でも述べましたように,日本が大好きな開発陣ですので,日本のプレイヤーの皆様の期待に応えられるサービスが展開できると信じています。
 スタッフ一同,Pride of Soulを盛り上げるべく努力してまいりますので,今後ともよろしくお願いいたします。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


 “可愛い系”で知られていたX-LEGENDの新作は,リアルな等身のキャラを使った東洋系ファンタジーだった。プロモーションムービーで確認するだけでも,かなり新しい要素をいろいろと盛り込んだ作品であることが窺えるのだが,実際に開発者に話を聞いてみると,キャラクタービルドや戦闘,そして遊びやすさなど,あらゆる部分にこだわって作られた野心作だということがよく分かる。
 空中戦闘の目新しさ以外でも,武将のコレクション要素はかなり魅力的といえるだろう。三国志の関羽や封神演義の姜子牙などが仲間として戦ってくれるのだ。
 本作に興味を持った人は,ぜひ現在開催されているクローズドβテスター募集に応募してみよう。

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