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[GDC 2023]「サイバーパンク2077」,NVIDIAの次世代グラフィックス技術「パストレーシング」を対応したテクノロジプレビューを4月11日に公開
「サイバーパンク2077」公式サイト
NVIDIAブログ:‘Cyberpunk 2077’ Brings Beautiful Path-Traced Visuals to GDC
「'Cyberpunk 2077' RT: Overdrive – Bringing Path Tracing into the Night City」と題されたセッションでは,NVIDIAが次世代のレイトレーシング技術と位置付けるパストレーシングの説明が行われた。発表によれば,レイトレーシングを拡張したパストレーシングはシーン全体の正確なシミュレートが可能で,ネオンきらめくナイトシティが現実と見分けがつかないようなグラフィクスで描かれるという。
リアルタイム性が要求されない映画向けCGは,ほぼすべてパストレーシングによって描画されているが,ゲームグラフィックスへの応用についてNVIDIAは「2035年頃」としていた(関連記事)。発表によれば,RTコアを搭載したGeForce RTX GPUと,AIを利用したNVIDIA DLSSのアクセラレーションが登場したことでリアルタイムグラフィックスへのパストレーシング適用が可能になったという。
テクノロジプレビューを試すには,当然それなりのスペックのハードが要求されるはずだが,今のところ詳細については発表されていない。最先端技術をいち早く体験したい人は,NVIDIAの公式ブログおよび,以下のリリースを参照してほしい。
4Gamer「GDC 2023」掲載記事一覧
「GDC 2023」公式サイト
『サイバーパンク2077』が
パストレーシングされた美しいビジュアルをGDCで披露
NVIDIAがゲームクリエイターCD PROJEKT REDの
没入感をもたらすアップデートを支援する開発者ツールを公開
ゲーム開発会社のCD PROJEKT REDは本日、サンフランシスコで開催されたGame Developers Conference(GDC)において、パストレーシングに対応した『サイバーパンク2077』のテクノロジプレビューを4月11日に公開すると発表しました。
フルレイトレーシングとも呼ばれるパストレーシングは、シーン全体の光を正確にシミュレーションします。ビジュアルエフェクトアーティストは、映画やテレビのグラフィックスを現実と見分けがつかないように作成するためにパストレーシングを使用しています。しかし、RTコアを搭載したGeForce RTX GPUと、AIを利用したNVIDIA DLSSのアクセラレーションが登場するまで、リアルタイムビデオゲームのパストレーシングは、GPUの負荷を非常に高めるため不可能でした。
NVIDIAのシニアテクノロジ開発エンジニアであるパゥエル コズラウスキー(Pawel Kozlowski)は次のように述べています。「これは、プレイヤーにより良いビジュアルを提供するだけでなく、ゲームの作成方法のパイプライン全体に革命をもたらす可能性を秘めています」
『サイバーパンク2077』のレイトレーシング: オーバードライブモード」のテクノロジプレビューにて、フルレイトレーシングの未来を垣間見ることができます。フルレイトレーシングにより、実質的にすべての光源が物理的に正しいソフトシャドウを投影するようになりました。『サイバーパンク2077』の世界では、自然な色の光が何度も跳ね返り、よりリアルな間接光とオクルージョンが生成されます。
レイトレーシングをいち早く採用していた『サイバーパンク2077』は、リアルタイムパストレーシングを利用する最新の大ヒット タイトルになります。『Minecraft』、『Portal』、『Quake II』のパストレーシングの直後に登場し、採用の波が高まっていることを示しています。
レイトレーシングと同様に、さらに多くが追従することが予想されます。また、ビデオゲームへの影響はほんの始まりにすぎません。リアルタイムパストレーシングは、多くのデザイン業界への応用が期待されています。
何十年にもわたる研究の成果を公開
何十年もかけて開発されたリアルタイムパストレーシングは、ゲーミンググラフィックスにおける大きな飛躍です。
映画のコンピューター生成画像で長い間使用されていましたが、そこでのパストレースはオフラインのレンダリングファームで行われ、多くの場合、1つのフレームをレンダリングするのに何時間もかかりました。
高速なフレームレートが要求されるゲーミングでは、約0.016秒でレンダリングを実行する必要があります。
1970年代以降、ビデオゲームはラスタライズテクノロジに依存してきました(以下を参照)。最近では、2018年にNVIDIAが RTX GPUを導入してレイトレーシングをサポートしました。パストレーシングは、最も物理的に正確なライティングとシャドウを実現するための最後のフロンティアです。
パストレーシングは、オフラインのレンダリングファームや映画のコンピューターグラフィックスで長年使用されている主要なライティングアルゴリズムの1つでした。GeForce RTX40シリーズとDLSS 3が利用可能になるまで、リアルタイムグラフィックスにパストレーシングを導入することはできませんでした。
『サイバーパンク2077』は、NVIDIAAda Lovelaceアーキテクチャ世代で使用可能なShader Execution Reorderingも活用しており、これにより、GPUワークロードが最適化され、より効率的なパストレーシングライティングが可能になります。
DLSS 3による高速化
DLSS 3は、パストレーシングの画期的な進歩を補完し、GPUで高速化されたディープラーニング上に構築された最新のAIをゲーミングパフォーマンスを強力に倍増させるために活用します。DLSSは、ゲームがピクセルの8分の1をレンダリングし、次にAIとGeForce RTX Tensorコアを使用して残りを再構築することで、フレームレートを大幅に増加させながら、ネイティブ解像度に匹敵する鮮明で高品質の画像を提供します。
GeForce RTX 40シリーズGPUで登場したAda Lovelaceの進歩によって動作するDLSS 3は、フレームレートを倍増させ、ゲームの画質と応答性を維持します。
強力なツールが登場
ゲーム開発者向けに、NVIDIAはGDCでRTX+ Path Tracing SDK1.0の提供を発表しました。テクノロジのパッケージには、DLSS 3、Shader Execution Reordering(SER)、RTX Direct Illumination(RTXDI)およびNVIDIAReal-Time Denoisers(NRD)が含まれます。
フルRTXパストレーシングの詳細をご覧ください。
今週のGTCに参加して、ジェネレーティブAIとメタバースのすべてのブレイクスルーをご覧ください。
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