プレイレポート
「ウィッチャー3 ワイルドハント」の拡張パック第1弾「無情なる心」プレイレポート。圧倒的なボリュームでゲラルトの新たな冒険を満喫
この拡張パックは,ゲーム本編に新規のクエスト(ボリュームは10時間以上)や,「付呪」と呼ばれる装備アイテムの新たなカスタマイズシステムなど,さまざまな要素を追加するもの。今回,一足先に「無情なる心」をプレイしてみたので,序盤のストーリーと新要素について紹介しよう。
「ウィッチャー3 ワイルドハント」公式サイト
新たなクエストには懐かしのシャニと
意外な“あの人物”がキーパーソンとして登場
「無情なる心」はレベル30以上のキャラクターが対象で,その最初のクエスト「悪魔の手が触れる時」の推奨レベルは32となっている。基本的にはゲーム本編で作成したセーブデータを引き継いでプレイすることになるが,セーブデータがなくてもすぐに「無常なる心」のコンテンツを遊べる「スタンドアロンモード」もある。
このモードでは,装備やアビリティがある程度そろったレベル32のデータが用意されるが,本編のメインストーリーはプレイできないので,その点は注意してほしい。
「悪魔の手が触れる時」では,主人公・ゲラルトがオクセンフルトの下水道に巣くう怪物を退治することになる。その依頼主であるオルギエルド・フォン・エヴェレックは教養豊かで芸術を愛し,振る舞いも貴族そのものだが,謎めいた部分が多く,かつ取り巻きのガラの悪さもあってか,地元では悪い噂が絶えない人物だ。
問題となっている下水道に降り立ったゲラルトは,そこで懐かしい人物と再会することに。その人物とは,シリーズ第1作「The Witcher」のヒロインの一人,シャニ。以前の出会いから数年が経過し,成長した彼女は開業医となっており,今回は調査部隊に加わって怪物が振りまく毒のサンプルを採取しに来たのだという。しかし怪物に襲われた部隊は,彼女を除いて全滅してしまったのだ。
下水道の探索を続けていると,やがて怪物の巣にたどり着き,ボスモンスターにあたる「カエルの王子様」と対決することに。今回は時間の都合もあって,バトルの難度がもっとも低くなる「ストーリーモード」でプレイしたのだが,それでも単に攻撃ボタンを連打しているだけでは,なかなかダメージを与えられない手ごわい相手だ。
相手が攻撃を仕掛けてくるように誘導しつつ,その隙を突いて反撃する必要があるなど,ストーリーモードと言えども手応えのあるバトルを楽しめる。もちろん,これ以降のボス戦も,相手の行動パターンを見極め,それに合わせた攻略法を見つけ出さなければならない。
どうして,この怪物が「王子様」なのかは,自分の目で確かめていただきたいが,ともかく激しいバトルの末に怪物退治に成功したゲラルト。しかしその後,紆余曲折あって,遠方の地「オフィル」から来た一行に拉致されてしまう。
そしてオフィルへと連行される船上で,ゲラルトはもう一人の懐かしい人物と再会する。それが,ゲーム本編の序盤に何気なく登場したゴウンター・オーディムである。
自らを“鏡の達人”と名乗るゴウンター・オーディムは,逃亡を手助けする代償として,ゲラルトにある依頼をする。それはオルギエルド・フォン・エヴェレックの3つの願いを叶えるというもの。何でも鏡の達人は,オルギエルドと契約を交わしたのだが,その3つの願いの遂行はゲラルトにしかできないというのである。
ゲラルトはこのあと,オルギエルドの願いを叶えるために3つのクエストに挑むことになるのだが,鏡の達人とオルギエルドは,いずれも一癖も二癖もある人物で,かつ謎めいた部分も少なからずあり,彼らの言葉を額面どおり受け取るのは危険な雰囲気もある。
果たして,どのようなストーリーが待っているのか,ここから先はぜひゲームをプレイして確認してほしい。
ソケットを使った新装備強化システム「付呪」が登場
カードゲーム「グウェント」のバランス調整も
新システムの「付呪」は,装備アイテムのソケットに特別な「ルーン文字」や「刻印文字」を施し,これまでの強化とは異なる効果を付与するというもの。付呪には常に3つのソケットが必要となるため,装備アイテムにソケットを追加できるシステムも合わせて実装される。
付呪にはさまざまな種類があり,例えば「回転剣舞」や「強襲」の効果範囲を広げる「切断」のルーン文字や,防具が矢をすべて自動的に弾くようになる「回避」の刻印文字といったものがある。
付呪システムを利用するためのクエストは,上述した「悪魔の手が触れる時」のスタート地点にある掲示板で受けられる。つまり「無情なる心」をインストールした直後から関連クエストを進められるので,こちらを先に済ませ,付呪で装備を強化してからストーリーを進めるのも悪くない選択だ。
カードゲーム「グウェント」には新たなカードが追加され,さらに大幅なバランス調整が施されている。中でも注目したいのが,新たに追加される各派閥の指導者カードで,その効果は「全諜報員カードの戦力を2倍にする(両プレイヤーに影響)」というもの。つまり,どんどん「諜報員」カードを使って自分の手札を増やすという,これまでの必勝パターンの一つが取りにくくなったわけだ。
また,「無常なる心」に先駆けて配信されるパッチ1.10では,グウェントの難度をイージー/ノーマル/ハードの3段階に設定できるようになる。ノーマルは従来の難度と同等なので,もっと手応えが欲しいという人はハードを選択すると,これまでより賢いAIとカードバトルの駆け引きを楽しめるだろう。
ちなみに筆者は,今回紹介した部分の先まで「無常なる心」のストーリーを進めているのだが,その感触からすると,この拡張パックは正直,公式に謳っている「10時間以上のゲームプレイ」を軽く超えるボリュームになっているのではないかと思う。実際,スパイク・チュンソフトのスタッフに確認したところ,一通りプレイするだけでも15〜20時間くらいは必要になるだろうとのことだ。
もちろん,ただボリュームが大きいだけでなく,クオリティの高さも折り紙つきで,ゲーム本編を気に入った人であれば,本拡張パックでさらに広がった世界観と新たなストーリーを存分に堪能できるはずだ。
また,古くからのウィッチャーシリーズファンなら,シャニがストーリー上の重要人物として再登場するところも見逃せないポイント。ネタバレになってしまうので詳しい言及は避けるが,新アイテムなどにも,シリーズのファンをニヤリとさせるようなネタが仕込まれているので,隅々までじっくり遊び尽くしてほしい。
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Wiedzmin (C) CD PROJEKT S.A, based on the novels by A. Sapkowski. All Rights Reserved.
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