レビュー
華麗なテクニックで難コースを攻めろ! あっ,失敗だ。
トライアルズ エボリューション ゴールドエディション
Xbox LIVE アーケードで人気絶頂のTrialsシリーズが,
1つになってPCに登場
2010年6月にXbox LIVE アーケードに登場して以来,ダウンロードランキングの上位を常にキープし続けている横スクロールのモトトライアルアクション「Trials HD」。そのTrials HDを勢いよく進化させた「Trials Evolution」も,2012年4月に配信が開始されて以来,前作をしのぐ勢いで人気を集めており,2本合わせて全世界累計で400万本(ダウンロードも含む)以上のセールを記録したという。
そんな「Trials HD」「Trials Evolution」をセットにしてPC版へ移植した「トライアルズ エボリューション ゴールドエディション」が,Amazon.co.jpのPCソフトダウンロードストアで,2013年3月21日に発売されたのだ。
走行中にコースが崩れるなど,ダイナミックに変化するコースも多数用意されており,バリエーションは豊富だ |
リアに体重をかけるのが遅れたために障害物(タイヤ)を超えられなさそう。筆者はもう無理だが,すぐに体重移動すれば,転倒は免れるかも |
屋内がメインのTrial HDではテクニカルなコースが多い。何度もトライしてコースを覚えよう |
コースは曲がっているが,自動でカメラアングルが切り替わるので,ハンドル操作は必要ない |
「トライアルズ エボリューション ゴールドエディション」購入ページ
Trialsシリーズは,コース上に設置された障害をテクニックを駆使して攻略し,いかにミスせず短時間でゴールを目指せるかを競う「モトトライアル」をテーマにしたゲームだ。おおざっぱに分けて,屋内に坂道や障害物を配置して作られたコースがメインなのが「Trials HD」で,大自然の中にある丘や岩などを使った野外コースがメインとなるのが「Trials Evolution」となる。
即座にリトライできるから高難度コースにも挑める
見事なゲームデザイン
同じシリーズとはいえ,もともとは別のゲーム。本作ではシングルプレイのキャリアモード(SINGLEPLAYER)に,Trials Evolutionが「クラッシュ郡」として,またTrials HDが「HD Warehouse」としてまとめられている。
いずれにも,複数のコースで構成される「イベント」が用意されており,コースを走破して獲得できるメダルの数によって,新しいイベントがアンロックされていくというアンバイだ。それぞれのイベントには難度が設定されており,「BEGINNER」から始まって,「EASY」「MEDIUM」「HARD」,そして最高難度「EXTREME」へとステップアップしていく。要するに,走れば走るほどコースが難しくなっていくわけだ。
ミスの回数と走破タイムにより,「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の各メダルがもらえるが,メダルは共通で,例えばクラッシュ郡の次のイベントをアンロックするために,HD Warehouseのイベントでメダルを獲得してもいい。2つが1つになったことで,Xbox LIVE アーケード版より楽にゲームが進められるようになったという印象だ。
アンロックに必要なメダル数がすぐに確認できるため,ついつい挑戦を続けてしまうのだ。ああ,止められない |
ミスしても,最後まで走りさえすればブロンズメダルが獲得できるが,全コースでゴールドメダルを目指そう(プラチナはかなりきつい) |
それぞれの難度について客観的に説明すると,「BEGINNER」はたぶん鼻歌まじりでクリアできるが,「MEDIUM」あたりになるとミスを誘うようなコースデザインになり,かなり苦労するはず。「HARD」ともなると本当にクリアできるのか心配になり,「EXTREME」では「もうダメ!」と投げ出しそうになるだろう。分かっていただけましたか。
ボタンを押した瞬間,即座にチェックポイントからプレイ再開となるため,再ロードをイライラしながら待って,始まったとたんにまたミスして,やってらんねえとコントローラ(またはキーボード)を投げ出すことはない。ストレスなくリトライできるのは非常に重要な要素で,この機能があってこそ本作の面白さがあるのだと思う。
なお,本作にはさまざまなコースが用意されているが,本物のモトトライアルとはかなりかけ離れた,突拍子もないコースも多い。このへんはぜひ,掲載したムービーを見てほしい。
シンプルな操作性から再現される奥の深い
バイクの挙動を楽しもう!
バイクの操作は,アクセルとブレーキ,それと前後への体重移動のみと非常にシンプルだ。見た目は3Dだが中身は2Dなので,コースがカーブしていてもハンドル操作の必要はなく,このシンプルさがたまらなくいい。
モトトライアルだけに平坦なコースは少なく,あちこちにジャンプスポットが用意されている。そのためレースでは,先のことを考えてジャンプする必要があり,地面の傾斜などに合わせて着地しなければ,スピードが落ちてしまう。
ジャンプからの着地では,姿勢次第で簡単に転倒する。このへんが腕の見せどころだ。あわててアクセルを踏んだり,急激にリアに体重移動させると状況をさらに悪くすることがあるので,臨機応変に対処したい |
排気量,トップスピード,アクセルレスポンス,機敏性などが異なる5種類のバイクが用意されている |
ゲームではジャンプを多用するが,飛ぶ瞬間に体重をリアからフロントに移すことで,普通よりも高く遠くへ飛べる。また,フロント→リア→フロントに素早く体重を移動することでバイクをバウンドさせ,小さい障害物を乗り超えることが可能だ。トライ&エラーを繰り返し,こうしたテクニックを身につけることで,「絶対に無理!」と思っていた場所も,いつの間にか楽勝で突破できるようになり,やればやるほど面白くなるはずだ。意外とマグレで突破できてしまうこともあって,プレイしている自分が驚くこともある。
垂直に近い坂道でも,アクセルワークと体重移動で登れる。ちょっとでもバランスを崩すと落下するので,慎重な操作が必要だ |
ルートによってタイムに影響が出る場合がある。ジャンプで上の段に届かずに落下しても,下の段に着地すればミスにならない |
バイク好きでなくても,
ゲーム好きならプレイしておきたいタイトル
「スキルゲーム」(Skill Game Circus)と呼ばれるモードがクラッシュ郡とHD Warehouseに用意されており,ここではさまざまな課題に挑戦していくことになる。
例えば,スキーでコースを滑り降り,ジャンプ中に宙返りしてポイントを稼ぐという「Ski Jump」,障害物にライダーを激突させ,骨折した場所の数を競う「Down The Stairs」,巨大な鉄球を操作し,どこまで進めるかを競う「S.P.H.E.R.E.」など,モトトライアルとはまったく関係ないものばかりで,中にはUFOを操作するというものさえある。とはいえ,このスキルゲームでもメダルが獲得できるし,なにより面白いので,やらない手はない。
バイクの代わりにスキー板を装着してコースを攻める。ジャンプ中に宙返りをすることでポイントアップだが,もはやモトトライアルではない |
鉄球を操作してどこまで運べるかを競う「S.P.H.E.R.E.」。スキルゲームには,息抜きにちょうどいい,遊べるゲームが揃っている感じだ |
さらに,「コースエディタ」(TRACK CENTRAL)でオリジナルのコースが作れ,それをネットで公開できる。もちろん,ほかのプレイヤーが作成したコースをダウンロードすることも可能で,すでに大量のデータがアップロードされているため,片っ端からダウンロードして遊んだら時間がいくらあっても足りないだろう。
シンプル操作で手軽に遊べ,一度始めるとなかなか止めどきが見つからない,魔性の魅力を持った本作。コースデザインも細かいところまで良く練り込まれているので,思う存分にモトトライアルの世界(というか,現実のモトトライアルの世界を逸脱しているが)が楽しめる。興味はあったけどコンシューマ機を持っていなかったという人は,この機会にぜひプレイしてほしい。
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