プレイレポート
縦持ちと横持ちで変わる操作感&本格3Dゲームもこなす新型UIを搭載。アエリアのスマートフォン向け新作タイトル「Klee〜月ノ雫舞う街より〜」プレイレポート
本作は,スマートフォン向けタイトルとしては出色の出来のグラフィックスでリリース前から話題になっていたオンラインRPGで,アエリアとネイロの共同開発となっている。なお,プロデューサーは「シェンムー」や「スペースチャンネル5 パート2」「メテオス」といった名作タイトルの開発に携わったことで知られるネイロ平井武史氏だ。
PC向けオンラインゲームだけでなく,多数のスマートフォン向けタイトルの企画開発や販売を行っているアエリアと,「orgarhythm(オルガリズム)」をはじめとする個性的なタイトルを生み出してきた平井氏が放つKleeとはいったいどんなゲームなのか。今回は,事前にテストプレイをさせてもらったので,そこで得た情報から本作のゲーム内容を紹介していきたい。
iTunes:Klee(クレー)〜月ノ雫舞う街より〜
スマートフォンの3Dアクションゲームながら,自然な操作のできるユーザーインタフェース
気になるのは,その操作性だが,Kleeでは横持ち時の画面を半分に分割し,左半分でキャラクターの移動,右半分で視点の移動を行うようなシステムが組まれている。
ちょっと複雑に思えるかもしれないが,触ってみると直感的に操作でき,誤操作もほとんどない優良な操作系だった。さらに,バトル時に,敵を常に正面に捉えることができるターゲット機能も用意されているので,より扱いやすくなっている。
キャラクターの操作以外では,画面右下あたりに用意されたバーチャルボタンでスキルなどを発動することになる。この部分はホイール式になっており,表示されているボタン数以上のスキルを登録することが可能だ。
年々スマートフォンの性能は向上し,3Dグラフィックスなども十分扱えるようになってきているのだが,それでも「3DMMORPGや3Dアクションゲームは無理だろうなあ」と思わせていた主要因が,操作性の悪さだった。スマホ用のアクションゲームではバーチャルパッドが使われることもあるのだが,概ね操作性は悪い。しかし,今回Kleeで採用されたシステムは,かなり自然に3Dキャラクターを操作でき,スマホ用3Dゲームの今後に明るい期待を抱かせてくれるものに仕上がっている。
さて,完全同期型のオンラインRPGであるKleeは,冒険の拠点となるタウンでクエストを受けてパーティを組み,仲間と共にインスタンスタイプのクエストを攻略していくのが基本的なゲームの流れとなる。PCゲームでいうと,「ファンタシースターオンライン2」などと似た感じと思えばいいだろう。
パーティは最大4人で,パーティの人数によって敵の強さが変わることはないため,難しいクエストは多人数で挑みたい。なお,パーティは自動的にマッチングされるが,設定次第で特定のフレンドのみを招待したり,ソロで突入することも可能だ。ちなみに,Skypeをバックグラウンドで起動していれば,会話しながらKleeをプレイすることもできるのだとか。
全体的に,クエストは数分で終わる程度の短いものになっているので,パーティで上位のクエストに挑むのも,ソロで簡単なクエストを周回するのもお手軽にプレイできそうだ。ただし,クエストに入るには時間の経過で回復していく「スタミナ」を消費しなければならないため,効率よくレベルを上げたいなら,受けるクエストを吟味する必要がある。
装備する武器によってキャラクターの特性が変化するシステム
RPGだけにキャラクター育成要素も気になるところだろう。いわゆる「職業」というものがないのがKleeの特徴だ。武器には,素早い攻撃とガードが特徴の「片手剣」,範囲攻撃に優れた「大剣」,魔法攻撃に長けMP回復が早い「杖」が存在し,装備する武器によってキャラクターの特性が変わるのだ。
また,各武具はそれぞれ異なった見た目になっていて,着せ替えを楽しむこともできる。キャラクターレベルのほかに,武器ごとの修練度を表す武器レベルがあり,各武具は「強化」して強くすることも可能だ。性能ではなく,見た目で武器を選んで育てていくのもアリかもしれない。
キャラクターのレベルアップ時は自動的にステータスが上昇するので,ステータス振りで悩むことはない。武器の種類によってステータスの補正が行われるため,能力を気にせず,好きな武器を使って戦おう。
なお,武器には火や水といった「属性」が付与されていることがある。同じように敵モンスターにも属性が設定されているので,敵の属性と相性のよい武具を装備すると,クエストの攻略が楽になりそうだ。
縦持ちと横持ちで変化する操作感。持ち替えの設定はいつでも切り替え可能
実際のバトルについて紹介していきたいが,まず,Klee最大の特徴になる横持ちと縦持ち両方に対応している独特のシステムについて解説しておこう。
横持ち時は,UIを使いやすいよう,独自にアレンジした移動キーを操作しながら,通常攻撃とスキルのショートカットをタップして戦う。前述のように,キャラクターの移動と視点の移動は,画面の左右タッチで行え,きめ細かな動作指示が可能だ。
一方,縦持ち時は,移動の操作は片手でも操作しやすいよう,目的地の地面をタップして移動するなどの簡略化が行われている(押しっぱなしでグリグリ動かすことも可能だった)。戦闘も敵をタップするだけのオートバトルとなる。
本格マニュアル操作の横持ちと,片手で簡単なオートマティック操作の縦持ちといった感じで,持ち方はいつでも切り替えられるのだ。
●横持ちの特徴
- 移動/攻撃/視点変更ともに完全マニュアル操作
- スキルは画面に三つ表示され,残り三つのスキルを使うときはホイール式操作で切り替える必要あり
- 通常攻撃ボタンを押しっぱなしで溜め攻撃が使える
- スキルの横にあるクローバーアイコンをタップすると近くの敵やNPCをターゲットできる。画面外にスワイプするとターゲット切り替えも可能
- スキルがキャラクターの周りに6つ表示され使いやすい
- かばんに入っているアイテムを自動で使う機能の追加
- 移動は目的地の地面をタップ
- 敵をタップしてターゲットすれば自動で通常攻撃や設定してあるスキル攻撃を行う
- 溜めスキルは使用不可
クエスト中のザコ敵は縦持ちでサクサク倒して進み,最後に待つボスとの戦いでは,きめ細かな操作が行える横持ちに替えるとか,電車の中では縦持ちで片手プレイで,家でゆっくりプレイできるなら横持ちでアクションを楽しむ……といったようにシチュエーションに合わせて操作方法を変えられるのは面白い試みだ。
バトルを盛り上げる要素として,Combo/Chainというシステムも存在する。敵に攻撃を何度もヒットさせると「Combo」が発生し,このComboをつなげていくと,少しずつダメージが増加していく。ちょっと硬い敵だと思っても,地道に攻撃してComboが増えていくと案外楽に倒せたりもする。「Chain」も,Comboと役割は同じだが,こちらはパーティ専用となっている。
丁寧に作られた完成度の高い世界をスマホのアプリとして手軽に楽しめる
ここでは紹介できなかったが,オンラインゲームなので,チャットやエモーション,ギルドといったコミュニティ関連の機能も用意されている。いうなれば,現在も根強い人気のMMORPGをスマートフォンでプレイする感覚に近い。
MMORPGというとちょっと面倒だと思ってしまう人もいるかもしれないが,ゲームそのものは短いクエストで区切られ,無駄な移動をしなくて済むよう,クエストの入口の横にクエストを一括して受けられるNPCがいるなど,スマートフォン向けのチューンも施されていているので,手軽にプレイすることも可能となっている。
正式リリースされて間もない今,スマホのアプリとしての手軽さを持ちつつ,本格オンラインRPGが楽しめる本作をぜひ一度プレイしてみてほしい。
「Klee(クレー)〜月ノ雫舞う街より〜」公式サイト
iTunes:Klee(クレー)〜月ノ雫舞う街より〜
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