連載
世界クズ化の第一歩は高知県から。iOS向け放置型RPG「黒歴史クエスト」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第247回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
独特の世界観や,ぶっ飛んだキャラクターたちがウリのタイトルをリリースし,多数のコアなファンを持つusefool。そのusefoolがこの度リリースした新作が,本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」で紹介する「黒歴史クエスト」だ。相変わらずの悪ノリっぷりだが,これまでにないゲーム性がキラリと光る作品となっている。
「黒歴史クエスト」ダウンロードページ(App Store)
本作はダンジョンを「侵略」するという設定のRPGだが,プレイヤーは主人公をリアルタイムで操作するのではなく,主人公をダンジョンに送り出し,一定時間後に侵略の結果を確認する,という手順を繰り返すシステムになっている,
いわゆる「放置型」に分類されるRPGだが,本作には「武器」や「防具」などの装備を自分で選ぶことはできないという特徴がある。毎回装備がランダムで生成されるという,一風変わったシステムになっているのだ。
ゲームの目的は,世界のクズ化のため,手始めに高知県を侵略するというもの。なぜ高知県なのかというと「一番人気が無いから」らしい。アニマとカノンのそんな掛け合いのあと,いよいよゲームがスタートする。
なお,高知県の扱いに関するご意見やお問い合わせは,4Gamerではなく,usefoolまでお願いいたします。
プレイを開始すると,高知県のワールドマップ(?)が表示されるので,その中から侵略したいエリアを選択。とはいえ,最初は「草原高知」しか選べないので,ひとまずこれを選ぼう。するとさらに細かいエリアマップが表示され,侵略するステージを選択することになる。初回のプレイでは,左上に「ゴトゴト岩」と書かれたステージが表示されているので,これをタップし,「出発する」を選べば侵略開始だ。
前述したように,侵略には一定時間かかるので,出発したら放置でOKだ。基本的にはこのようにワールドマップからエリアを選択し,そこからさらにステージを選んで侵略を繰り返していくのが基本的な遊び方となる。
なお,各ステージには「トンボ公園」「野良時計」「大樽の滝」など,高知に実在する観光名所の名前が割り振られており,usefoolの高知愛を感じさせてくれる……とフォロー。
さて,侵略時には「武器」が必要となるが,これは毎回「ミニアルマ」が,主人公が所持しているアイテムや属性を使い,ランダム生成してくれる。アイテムや属性については,侵略時にたまに入手できる宝箱や,お店で購入可能だ。
武器のベースになるアイテムは「剣」や「ハンマー」といったベーシックなものから,「妹」「ジンバブエ」「月曜日」といった,これは武器なのかと問いたくなるようなものまでさまざま。武器によって強さのランクも違い,基本的に,ゲーム後半で入手できるものほど強力になる。
本作における属性は,武器につく枕詞のようなもので,「危険な」や「匠の」というように表現される。たとえば,武器が「ニート」,属性が「渋谷の」だった場合,できあがる武器は「渋谷のニート」になる。どんなニートだ。この武器と属性の組み合わせによって最終的な強さランクが決まり,ランクが高いほど侵略の可能性も高まることになるる。属性も武器同様,後半に登場するものほど基本的に強力だ。
なお,武器は24種類,属性は40種類,都合1000種類もの武器のバリエーションが存在する。武器をどれだけ集めたか,という実績も存在するので,やり込み要素としても文句なしだ。
さて,侵略にはもうひとつ重要な要素がある。それが「カノンのやる気」だ。カノンのやる気は最大100で,1回侵略が成功すれば10ポイント,失敗すれば30ポイント減少する。侵略成功率は「武器×属性×やる気」で算出されるので,やる気はつねにMAX近くを保っておきたい。なお,侵略時に「休憩する...」を選ぶと,3分の休憩時間の後に,やる気が30ポイント回復するので,こまめに行うといいだろう。
本作独自のシステムとして,侵略中にプレイできるアクションタイプのミニゲームがある。侵略を行っているあいだ,横スクロールアクション風のステージを進むアニマとカノンのドット絵が画面上部に表示され,ときおりステージの右からモンスターたちがやってくるので,アニマたちの下にある「Action」ボタンをタップして攻撃しよう。モンスターを倒せば「コイン」が入手できるのだ。
モンスターは「地上を歩くタイプ」と「空を飛ぶタイプ」の2種類存在し,地上の敵はカノン,上空の敵はアニマの攻撃で倒せるので,うまく対応しよう。
もちろん,このミニゲームをプレイしようがしまいが,ダンジョン侵略には何の関係もないのだが,「放置型ゲームの放置中にゲームを触らせる」というこの逆転の発想が,なかなか面白い。なお,コインは侵略の成功失敗問わず,侵略挑戦終了時にも獲得できる。
ステージをクリアすると次のステージが開放され,エリアの最終ステージをクリアすれば,次なるエリアが解放。これを繰り返し,高知全域の侵略を目指そう。
1つのステージをクリアするたびに閲覧できるページが増えていく「侵略日記」や,侵略度に応じて変化する「称号」,エリアクリアのたびに展開されるストーリーなど,やり込み要素をはじめとしたゲームのボリュームはかなりのもの。
果たして全世界クズ化は成るのか? 勝手に侵略されていく高知県の運命は? そんなカオスでブラックユーモア溢れる本作に魅力を感じた方は,ぜひ一度プレイしてもらいたい。なお,どの辺りが「黒歴史」なのかよく分からないが,こういう「色んな武器やら属性を考えたり組み合わせたりする中二病的思考」は,確かに黒歴史に成りうるなぁと思ったり。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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