[E3 2013]多くのチャレンジが盛り込まれた新作「ソニック ロストワールド」。セガブースで飯塚プロデューサーが本作の見どころを語った
「ソニック ロストワールド」公式サイト
ソニック ロストワールドは,ソニック達が住む世界の上空に浮かぶ幻の大陸“ロストヘックス”を舞台に繰り広げられるアクションゲームだ。ロストワールドというタイトルが示すとおり,ソニック達がこれまで訪れたことのない世界が舞台になっており,これまでとはがらりと変わったアクションが楽しめるのが,本作最大の特徴だという。
本作は,基本的にフォワードビューの画面で,手前から奥に向かって進むタイプのアクションゲームだ。これは「ソニック カラーズ」や「ソニック ジェネレーションズ」などでも採用されていた方式だが,その性質上ほぼ一本道で,ひたすらスピードを競う内容になりがちだったという。そこでこの欠点を補い,フォワードビューのアクションをより楽しくするために考案されたのが,ステージ1にも採用されている“チューブ状”の世界だ。
これにより奥に向かって進みながらも,ステージを回り込むように移動できるようになり,フォワードビューでありながら,サイドビューアクションのような,プレイヤーが新たな発見を楽しむプレイが可能になったという。
また,本作におけるもう一つの大きなチャレンジが,ソニックの移動スピードを遅くしたこと。これにより,3Dアクションとして遊びやすくなったという。これは「ソニックは速すぎて難しい」というプレイヤーからの声に応えた調整だそうで,実際Wii U GamePadのアナログスティックを最大まで倒しても,これまでのような高速な移動はできなくなっている。
とはいえ,シリーズの持ち味であるスピード感が失われたわけではないのでご安心を。Rトリガーを押したまま移動することで,これまでのソニックと同等のスピードを出すことができる。
つまり最大スピードから最低スピードまで幅が広がったわけで,細い足場を渡るときなどはゆっくり移動し,見晴らしのいい場所ならRトリガーを使って爽快に駆け抜ける,という使い分けができるようになっている。さらにLトリガーによるスピンダッシュを加えれば,3段階の速度調節も可能だ。
これに,段差や壁などを乗り越える新アクション“パルクール”が加わったことで,初心者でもスピード感を損なうことなくゲームが進められるという。
なお,これまでのソニックシリーズでは,一つのテーマによって構成されたステージが,複数のゾーン(アクト)に分かれているのが普通だったが,本作ではステージごとではなく,アクトごとにテーマが変わるのがコンセプトになっているそうだ。E3 2013で試遊できたバージョンでも,例えば“Desert Ruins”というステージは,アクト1とアクト2でまったく違った内容になっていた。中には謎を解きながら進んでいくなど,これまでのソニックシリーズではあまり見られなかったフィーチャーも取り入れているそうなので,期待しておこう。飯塚氏によれば,「それだけに,今まで以上に作るのが大変」とのことである。
Wii U版独自のフィーチャーについても触れておこう。Wii U GamePadを利用した操作では,“カラーパワー”の操作をタッチスクリーンで行うことができる。カラーパワーとは,“ウィスプ”と呼ばれる生物の力を借りて,ソニックがさまざまなアクションを行えるという要素で,2010年発売のソニック カラーズから採用されたシステムだ。本作では“シアン・ウィスプ”を取ることで発動する“シアンレーザー”の向きなどを,タッチスクリーンで指定できるとのこと。
そのほか,もちろん手元の液晶パネルにゲーム画面を表示して遊んだり,対戦モードでプレイヤーごとの画面を表示するといったことも可能だそうだ。
一方,携帯ゲーム機ではシリーズ初の3Dアクションとなったニンテンドー3DS版では,先ほどのWindy Hillを始めとして,Wii U版と変わらないプレイフィールを実現している。ただし完全に同じというわけではなく,飯塚氏曰く,両方を購入しても損しない内容だそうなので,ソニックファンは楽しみにしておこう。またゲームのボリューム自体も,かつて2つのプラットフォームで発売されたソニック ジェネレーションズを超える分量になっているそうである。
Sonic Lost World 3DS Trailer - E3 2013
さてここからは,メディア合同の質疑応答に答えた,飯塚氏のコメントを掲載しよう。
メディア合同質疑への「ソニック ロストワールド」プロデューサー飯塚氏のコメント
――全ステージ中で,フォワードビューのステージと,サイドビューのステージは,どの程度の比率で登場するのでしょうか。また,それ以外の特殊なステージはあるのでしょうか。
飯塚 隆氏(以下,飯塚氏):
今作では,1つのワールドがいくつかのゾーンで構成されます。1つのワールドには,フォワードビューとサイドビューのステージがどちらも必ず登場します。またそれ以外にも,特定のルートを進むのではない,開けた場所もあります。
――飯塚さんおすすめの仕掛けやギミックはなんですか?
飯塚氏:
やはり,カラーパワーですね。今回展示したバージョンは,Wii U版では“レーザー”が,またニンテンドー3DS版では“ドリル”と,さらに本作初登場の“アステロイド”が体験できます。どちらのプラットフォームにも,このほかたくさんのカラーパワーが登場しますので,ご期待ください。
――Wii U版とニンテンドー3DS版,それぞれの特徴を教えてください。
ルック&フィールはどちらも近く,ステージ名なども共通ですが,まったく同じステージは一つとしてありません。ゲームデザイン上はそれぞれ別のものとして制作しています。今回は“エッグマン六鬼衆”という新しいキーキャラクターが登場しますが,彼らとの戦い方も,Wii U版とニンテンドー3DS版ではまったく違います。
またWii U版ではWii U GamePadを使った2人プレイができる一方,ニンテンドー3DS版では,最大4人でインターネット対戦が楽しめます。まだ詳しくお話できませんが,両者の連動についても検討中です。
――E3 2013でのプレイヤーの反応はいかがですか。
飯塚氏:
最初にトレイラーを公開したときは,「スーパーマリオギャラクシー」に似ているのでは? という反応が多かったんです。でも実際に触っていただけたら,「やはりこれはソニックだ」と感じた人が多かったようです。
――今回の出展バージョンには,ソニックの仲間達が登場していませんでしたが,彼らは今後登場するのでしょうか。また,新キャラクターは登場しますか?
飯塚氏:
プレイヤーキャラクターとしては,今回はソニックだけです。しかし,物語の中にはテイルスやナックルズ,エミー,エッグマンなど,おなじみのキャラクターが登場します。新キャラクターは,先ほども触れたエッグマン六鬼衆です。非常に個性的な6人で,見ているとニヤけてしまうような楽しいキャラクターです。
――エッグマン六鬼衆に,セリフなどはありますか?
飯塚氏:
はい,ちゃんとしゃべります。先日アフレコに立ち会いましたが,どなたも個性的な方ばかりで,非常に楽しかったです。
――サウンドはどなたが手がけているのでしょうか。
飯塚氏:
「ソニックワールドアドベンチャー」などを手がけた大谷智哉がサウンドディレクターを務めています。ゲーム本編がアクションゲームとして分かりやすいのと同様に,サウンド面でもアクションが楽しくなるよう心がけています。
6月23日に東京ジョイポリスで開催される「ソニック バースデーパーティー2013」では,大谷もステージに登場する予定ですので,サウンドについて熱く語ってくれるのではないでしょうか。
――体験版の配信予定はありますか?
飯塚氏:
はい。これまでソニックを遊んだことのない人でも楽しめることを,体験版で多くの人に知っていただければと考えています。
――ゲームの完成度は現在どれくらいでしょうか。
飯塚氏:
日本語版は開発は現在デバッグ中で,最後の仕上げの段階です。告知しているとおり,2013年秋にはお届けできると思います。
――本作の表現で難しかったところはありますか。
飯塚氏:
非常に細かいことなんですが,チューブ状の地形を作るのに,試行錯誤を重ねました。レベルデザインとして,まったく新しい挑戦だったのはもちろん,ステージが左右に回転することで,後ろで見ている人が酔ってしまうという問題があったんです(笑)。それを解決する工夫――例えば地面と空を似たトーンにするなど,細かい調整を積み重ねました。
――発売は,Wii U版とニンテンドー3DS版が同時と考えていいのでしょうか。
まだ具体的な発売日は決定していませんが,同時進行で開発しています。なので,恐らく同時に提供できるはずです。
――DLCの予定はありますか?
飯塚氏:
現時点では,できればやりたいと考えている程度ですね。具体的にはまだ何も決まっていません。
――最後に,本作に期待しているファンにメッセージをお願いします。
飯塚氏:
本作は,今までのソニックに慣れ親しんだ人にとっては驚きの連続になると思います。また,これまでソニックをやったことがない人でも,任天堂プラットフォームのアクションゲームが好きな方なら,きっと楽しんでいただけるはずです。クオリティと操作性は抜群ですので,ご期待ください。6月23日のソニック バースデーパーティー2013でお会いしましょう!
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