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[TGS 2013]大友克洋監督も登場! 須田剛一氏が手がける新作「SHORT PEACE 月極蘭子のいちばん長い日」のスペシャルステージレポート
なお,本作は2014年1月16日に発売されることが,今回の東京ゲームショウ開催に合わせて明らかにされている。価格は6980円(税込)。ソフトのBlu-rayディスクは,PlayStation 3なら映像とゲームが,Blu-ray再生機器では映像のみが楽しめるとのことだ。
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ステージに登場したのは,バンダイナムコゲームスのエグゼクティブプロデューサーである浅沼 誠氏と,スペシャルゲストの大友克洋監督。まずは「SHORT PEACE」プロジェクトの紹介が行われた。
前述のように,このプロジェクトは大友監督をはじめ,著名なクリエイターが参加して制作された劇場用アニメーション。7月20日から劇場公開されている。
バンダイナムコゲームスの浅沼 誠氏 |
大友克洋監督 |
映画の共通テーマを「日本」に設定し,「九十九(つくも)」(監督:森田修平氏),「火要鎮(ひのようじん)」(監督:大友克洋氏),「GAMBO(ガンボ)」(監督:安藤裕章氏),「武器よさらば」(監督:カトキハジメ氏)の4作品で構成。大友監督は自らが手がけた「火要鎮」について,「江戸時代を舞台にしたアニメーションは,着物や刺青のなどの貼り込みが大変で作るのが難しいが,短い作品なのでいろいろとチャレンジしてみました」と解説した。
その昔,大友監督が描いた同名の漫画作品は,火事が起きそうなところで終わってしまったが,アニメーションではその後の幻となっていた火事のシーンが描かれている。このシーンに登場する火消し達や建物などはすべてCGで制作。手書きとCGの違和感のないマッチングを,今回の作品のテーマの1つに掲げたそうだ。
オープニングシーン |
「九十九(つくも)」 |
「火要鎮(ひのようじん)」 |
「GAMBO(ガンボ)」 |
「武器よさらば」 |
続いて,「SHORT PEACE」プロジェクトの5番目の作品である「月極蘭子のいちばん長い日」について,須田氏とバンダイナムコゲームスのチーフプロデューサー 内山大輔氏がプレゼンテーションを行った。
GhMの須田剛一氏(左),バンダイナムコゲームスの内山大輔氏(右) |
本作を「最初は『源平討魔伝』(1986年に登場したナムコのアーケードゲーム)のような,サイドスクロールのアクションゲームにしようと思った」という須田氏だが,開発にクリスピーズの片岡氏が加わったことで,現在の「ハイスピードエフェクトアクション」として仕様が固まったとのこと。
主人公の月極蘭子は,世界のすべての駐車場を取り仕切る大財閥のお嬢様。昼は女子学生,夜は殺し屋のスナイパーという2つの顔を持っており,メインビジュアルでも彼女の2面性が表現されている。
本作は横スクロールのアクションゲームで,蘭子を操作して障害物を避けながら,後方から迫るエネミーから逃げる,という内容になっている。蘭子がジャンプやアタックなどのアクションをすると,画面に派手な「現代日本をミクスチャーしたエフェクト」が表示される。これが,本作のジャンルとして掲げているハイスピードエフェクトアクションの由来である。
ステージでは内山氏が実機のデモプレイを披露したが,プレイ直前に「ゲームはあまりうまくない」と発言したとおり,ゲームオーバーになってしまうこと2回。本作の特徴であるエフェクトをあまり披露することなく,プレイ時間は終了してしまった。
デモプレイの終了後,須田氏から本作のキャストが発表されている。キャラクターボイスを担当するのは,声優の鈴村健一さんと内田真礼さん。この2人で,かつてTV放送されていたアニメーション「まんが日本昔ばなし」よろしく,ゲーム中に登場する全キャラクターの音声を担当するとのこと。収録はかなり長くかかってしまったが,ちょっと変わった作品への参加に2人とも喜んでいたそうで,須田氏は「僕らの自信につながった」と話している。
その後,浅沼氏と大友監督も加わり,全5作品による「SHORT PEACE」プロジェクトの最終形態(クライマックス)のキービジュアルが公開された。大友監督は「これの前のシンプルな色使いのビジュアルも気に入っていたが,最終形態ということで派手めにお願いして,かっこよく仕上がった」と絶賛。
「月極蘭子のいちばん長い日」は,アニメ4作品の映画「SHORT PEACE」とともに1枚のBlu-rayディスクに収録された最終形態として,2014年1月16日にリリースが予定されている。
「SHORT PEACE」プロジェクトの最終形態のキービジュアル |
最後に須田氏は「大友監督が率いるプロジェクトの最後の作品になれたことは本当に嬉しい」とコメント。これに対して大友監督も「ゲームが完成したことで,失われたピースが埋まった」と応え,「ゲームともども,SHORT PEACEを楽しんでほしい」と述べている。
「月極蘭子のいちばん長い日」公式サイト
(C) KATSUHIRO OTOMO/MASH・ROOM/SHORT PEACE COMMITTEE
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SHORT PEACE 月極蘭子のいちばん長い日
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