プレイレポート
[TGS 2014]PS Vita最新作「ファンタシースター ノヴァ」のTGSバージョンをプレイ。開発者も手こずるという,強大なギガンテスを倒せるか!?
TGS 2014では,ソロプレイ用と4人でのマルチプレイ用の試遊台がそれぞれ用意され,内容は共通だった。クエストは3種類から選べ,そのうち1つはバトル体験版と同じ内容のもので,2つは今回新たに用意されたものだ。体験版と同様にプレイヤーキャラクターのエディットはできず,プリセットのハンター,レンジャー,フォース,そして新クラスのバスターのいずれかから選べるようになっている。またマルチプレイの試遊台では,全員がそれぞれのPS Vitaに割り当てられた別のクラスでプレイするという仕様だ。
今回,筆者は2つめのクエストを,バスターを使って挑むことにした。その道中はあくまで腕ならしというところで,新武器であるパイルの感触を確かめながら,エネミーである原生獣を倒して進んでいくという展開だ。パイルはすでに体験版でも使えるが,脇に抱えたミサイルのような巨大な武器の先端から杭を打ち出すというアクションは,「ファンタシースターオンライン」以降のシリーズの武器としてはかなり斬新で気持ちがいい。
また方向キーの上下で選択できるプリセットの武器パレットには,ロッドやマシンガンなどもあり,“すべての武器を装備できる万能クラス”というバスターの持ち味を実感できた。
このクエストの最後には「ガラティオン」なるギガンテスが登場し,プレイヤーに襲いかかってくる。翼を持つ巨大な馬のような姿をしたこのガラティオンは,飛び道具による攻撃を主体としていた体験版で登場したアグリオスとは違い,接近戦でその力を発揮する。恐ろしいのは翼と脚に備えられたチェーンソーで,これで斬られるとHPをごっそりと持っていかれてしまう。黄色く光るチェーンソーが画面を横切った瞬間にやられてしまうこともあって,接近するのがとても怖い存在だ。
今回は体験版ということで,やられても10秒後に自動的に復活できるのだが,制限時間もあるのでそう簡単にやられるわけにはいかない。と思いつつも,パイルのような武器は敵の懐に飛び込まないと活躍できないため,無理に接近してはいつの間にかやられるということを繰り返す。考えてみれば,バスターなら状況によってパレットを変更して,武器を飛び道具に変えつつ戦うという手もあったのだが,戦いに必死でそこまで対応できなかった。
ガラティオンの弱点は胴の部分にあり,ここを攻撃するには高いところに足場を作れる武器「ヘイロウ」を使いこなす必要がある。空中に出現させた足場には,真下に立って[○]を押せば,そのまま上に行けるようになっている。アクションRPGの要素としてこれもまた斬新で面白いのだが,時折すごいスピードで突然突進してくるガラティオン相手に1人でパレットを変更しながら,足場を作って戦うというのは少々無理があったようだ。このヘイロウはすべてのクラスが装備できるので,足場を作る専門のメンバーを1人割り当てておくのが現実的かもしれない。
今回,筆者1人でのソロプレイと,セガのスタッフ3人とマルチプレイを同じシチュエーションでプレイしてみたのだが,どちらも時間切れでガラティオンを倒すことができなかった。マルチプレイ時はゲームに慣れているであろうスタッフ3人と一緒にプレイしたので,途中までいけそうな手応えもあったのだが,それでも時間切れとなってしまったのが残念だった(筆者が足手まといになったというのもあるかもしれない……)。
セガブースに居合わせた本作のプロデューサー,都築靖之氏に話を聞いてみたところ,今回の選べた3つめのクエストには,バトル体験版に登場したアグリオスの上位種「強アグリオス」が出現するとのこと。その強さはガラティオンをさらに上回るもので,ゲームに慣れた開発陣4人が集まってやっと倒すことができるほどの強敵だそうだ。都築氏もこのTGS 2014期間内で一体どれだけのプレイヤーがこのクエストをクリアするのか楽しみだと話していた。
なお今回出展したTGSバージョンは,バトル体験版配信後に寄せられたユーザーアンケートの内容を反映させたもので,実際に比較してみると手触りなどもずいぶん変わっているとのこと。このTGS 2014での反応も参考にするそうなので,会場で実際にゲームをプレイをして何か気づいたことがあった人は,その場にいるスタッフや公式サイトでその感想や要望などを伝えてみるといいかもしれない。筆者自身が気になったのは,ヘイロウで作った足場が周囲と中央以外透けていて,歩ける範囲が少々分かりづらかったという点だ。
「ファンタシースターオンライン」の流れを汲むRPGながら,よりアクション性を高め,仲間と力を合わせて巨大な敵を倒すという共闘スタイルに意識が向けられた本作。ヘイロウやパイルなど,斬新な要素も盛り込まれ,キャラクリエイトなども楽しくなりそうなので,このあたりをじっくり遊ぶために,2014年11月27日の製品版の発売を待ちたい。また,もし機会があるなら,発売までに2回めの体験版の配信などにも期待したいところである。
「ファンタシースター ノヴァ」公式サイト
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ファンタシースター ノヴァ
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