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第2世代Surfaceの実力はいかに? Tegra 4搭載のSurface 2をじっくり触ってみた。「艦これ」の動作ムービーもあり
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印刷2013/10/25 00:00

テストレポート

第2世代Surfaceの実力はいかに? Tegra 4搭載のSurface 2をじっくり触ってみた。「艦これ」の動作ムービーもあり

米国とほぼタイムラグなしで発表されたSurface Pro 2(左)とSurface 2(右)
画像集#001のサムネイル/第2世代Surfaceの実力はいかに? Tegra 4搭載のSurface 2をじっくり触ってみた。「艦これ」の動作ムービーもあり
 既報の通り,2013年10月24日,日本マイクロソフトは純正のWindows 8.1タブレット端末「Surface 2」「Surface Pro 2」を,一部製品を除いて10月25日から国内発売すると発表した。
 前モデルの「Surface RT」「Surface Pro」のときは,米国で発売されてから国内で発売されるまで,半年もかかったのに比べると,今回は米国からわずか3日遅れでの発売にこぎ着けたわけだ。発表即発売というのは予想していなかったので驚かされたが,11月1日には「iPad Air」が発売されるので,その機先を制したかった……というのは考えすぎだろうか。
 製品ラインナップと価格は以下のとおり。

製品名 メインメモリ容量 ストレージ容量 価格
Surface 2 2GB 32GB 4万4800円(税込)
64GB 5万4800円(税込)
Surface Pro 2 4GB 128GB 9万9800円(税込)
8GB 256GB 12万9800円(税込)
512GB 17万9800円(税込)
(11月下旬発売)

 PC的に使うなら,Core i5を搭載するSurface Pro 2のほうが適当だろうが,タブレット端末という点では,大幅パワーアップを果たしたというSurface 2のほうが気になるところ。というわけで,ここからはSurface 2を中心に,24日に開催された新製品発表会でのファーストインプレッションをお届けしたい。


デザインそのままでスペックは大幅強化されたSurface 2


 まず最初に注意をしておこう。前モデルのSurface RTと違い,Surface 2では製品名から「RT」の文字が消えている。しかし,あくまでも搭載するOSはWindows RT 8.1だ。PC用のWindows 8.1ではないので,動作するアプリはWindowsストアアプリと,Internet Explorer 11+Flash Player上で動作するブラウザアプリに限られる。……「艦これは動きますよ」ともいえる。

新オプションの「Type Cover 2」を装備した状態のSurface 2。本体カラーはシルバーになったが,デザイン自体はSurface RTと変わっていない
画像集#002のサムネイル/第2世代Surfaceの実力はいかに? Tegra 4搭載のSurface 2をじっくり触ってみた。「艦これ」の動作ムービーもあり
 さて,既報にもあるとおり,Surface 2は大幅にパワーアップを遂げたタブレット端末となっている。
 第1の変更点は,SoC(System-on-a-Chip)にNVIDIA製の「Tegra 4」を採用したことだ。Surface RTが採用していた「Tegra 3」と比べて,CPU,GPUともに大幅な性能向上を実現している。新製品発表会で,日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は,Tegra 4の採用により「(Surface RTと比べて)4倍速い」と豪語していた。

 第2の変更点は,10.6インチIPS液晶パネルの解像度が,1366×768ドットから1920×1080ドットへと高解像度化されたことだ。
 10インチ級のタブレットでは,iPad Airが解像度1536×2048ドット,Googleの「Nexus 10」やASUSTeK Computerの「ASUS Pad TF701T」などは解像度2560×1600ドットという具合に,フルHD解像度を超える製品が今や珍しくない。その点では,Surface 2でようやく,それらと比べても見劣りしないレベルになった,というほうが妥当かもしれない。

Brian Hall氏(General Manager,Surface and Windows Hardware Sales and Marketing,Microsoft)
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 第3の変更点はSurface 2とSurface Pro 2共通の特徴で,背面の開閉式スタンド「Kickstand」(キックスタンド)が改良されて,2段階の角度で設置できるようになったことにある。従来モデルは,スタンドの開く角度が約22度のみだったが,Surface 2では24度と40度の2パターンで開くようになった。
 新製品発表会でSurface 2を紹介した,MicrosoftのSurface and Windows Hardware担当マネージャーBrian Hall氏は,「身長の高い人は,前モデルの角度だけでは厳しかった。40度を用意したことで,リラックスして操作したい場面にも対応できる」と,新しいキックスタンドの利点をアピールしていた。

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キックスタンドの角度を変えて撮影してみた(本体はSurface Pro 2)。左が24度で,右が40度。これだけ開くと上からでも見下ろしやすい

 そのほかに,ボディカラーがシルバーに変更されたこと,フルサイズのUSBポートがUSB 3.0に対応したこと,アウトカメラが画素数500万画素,インカメラが同じく350万画素に強化されたことなどが,Surface 2の主な変更点である。

 ボディカラーこそ変わったものの,Surface 2のデザインはSurface RTと変わっていない。ボディの素材に,「VaporMg」と称するマグネシウム合金を採用しているのも従来どおりで,堅牢性も変わりないと考えてよさそうだ。

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Surface RT(左)とSurface 2(右)を並べて。サイズが違って見えるのは,Surface 2のキックスタンドが40度になっていたため
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こちらは背面側の写真。手前がSurface2で奥側がSurface RTだ。色が違うだけで,デザインやインタフェース類の配置も変わらない

 サイズと重量は下記のとおりで,ほとんど変わっていない。しかし,手に持ったときの印象は軽く感じたので,各種部材の配置を見直して,体感的に重量を感じにくいようにしたのではないだろうか。

製品名 サイズ 重量
Surface 2 275(W)×173(D)×8.9(H)mm 約676g
Surface RT 275(W)×172(D)×9(H)mm 約680g

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本体背面。アウトカメラ500万画素とマイクがある。ちなみに背面ロゴは「Surface」に変更されている
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本体上側面には[電源/スリープ]ボタンがある。ボタンの高さが少し高くなり,押しやすくなった

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本体左側面。ヘッドフォン端子と音量調節ボタンがある
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本体右側面。HDMI micro Type D端子とUSB 3.0ポートが並ぶ

 なお,メインメモリ容量は2GBで,内蔵ストレージ容量は32GBまたは64GB。本体右側面にmicro SDXCカードスロットを備えるといった仕様は,Surface RTと変わらない。内蔵無線LANがIEEE 802.11a/g/nまでの対応で,IEEE 802.11acに対応しないのは少し残念だ。

 簡単ではあるが,リリースされたばかりのWindows RT用「3DMark」を使い,グラフィックス性能をテストしてみた。

3DMarkの結果。現時点で最速クラスの「GALAXY Note 3」に迫るスコアになっている
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 その結果は,「さすがTegra 4」と言いたくなるレベルであった。Ice Stormは余裕で測定上限超えの「Maxed Out!」,負荷の高いIce Storm Extremeでも「9617」で,Ice Storm Unlimitedは「14129」と,iPhone 5sを含む2013年冬モデルのスマートフォンやタブレットの中でも,トップクラスといえるスコアを記録。「Tegraシリーズはそれほど速くない」という筆者のイメージを払拭するほどだった。
 Ice Stormの計測中は,どのシーンを描画してもフレームレートがほぼ60fpsに達していたことにも好感が持てた。今までテストしたAndroid端末は,スコアが高くてもフレームレートの変動が大きいことが多かったのだ。今後,Windowsストアアプリでリッチなグラフィックスのゲームタイトルが増えてきたとしても,Surface 2なら快適なプレイを期待できるのではなかろうか。

画像集#013のサムネイル/第2世代Surfaceの実力はいかに? Tegra 4搭載のSurface 2をじっくり触ってみた。「艦これ」の動作ムービーもあり 画像集#014のサムネイル/第2世代Surfaceの実力はいかに? Tegra 4搭載のSurface 2をじっくり触ってみた。「艦これ」の動作ムービーもあり
Xbox 360 Controllerを使って,Surface 2で「Halo: Spartan Assault」をプレイしてみせるHall氏(左)。右写真はプレイ中の画面で,軽快な動作を披露した

 発表会場では,Surface 2による「艦これ」のプレイにも挑戦してみた。ベンチマークテストではないので,あくまで主観による判断になるが,「Atom Z3740」を搭載するWindows 8.1タブレット「Iconia W4-820」でテストしたときの印象と比べると,戦闘終了時のリザルト画面や,建造終了時などはもたつきを感じたものの,それ以外のレスポンスは大差なく,問題なく遊べるレベルだ。少なくとも,リモートデスクトップアプリを使いAndoridタブレット上でプレイするよりも,はるかに快適な動作だった。
 またIconia W4-820では,ログイン直後のぷかぷか丸,もしくはスタート画面で,Flash Playerのパフォーマンスダウン警告が表示されたのだが,Surface 2では表示されなかった。

 母港から出撃し,戻ったあと建造を確認するまでのプレイをムービーで撮影してみた。提督諸氏の環境と比較しつつ,Surface 2を候補に入れるか考えてみてはどうだろうか。


●Surface 2の主なスペック
  • サイズ:275(W)×173(D)×8.9(H)mm
  • 重量:約676g
  • OS:Windows RT 8.1
  • プロセッサ:Tegra 4,動作クロック 1.7GHz
  • ディスプレイ仕様:10.6インチ液晶パネル
  • ディスプレイ解像度:1920×1080ドット
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ容量:内蔵32GB,64GB
  • 3G/LTE通信:非搭載
  • 無線LAN:IEEE 802.11a/g/n
  • Bluetooth:4.0 搭載
  • NFC:非搭載
  • センサー類:加速度,磁気,環境光,ジャイロ
  • 外側カメラ:500万画素
  • 内側カメラ:350万画素
  • バッテリー:容量未公開,最長10時間駆動


Haswell世代になったSurface Pro 2。タブレットとしてはやはり重さが……


Surface Pro 2とオプションの「Type Cover 2」
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 もう1つの新製品であるSurface Pro 2は,CPUにHaswell世代の「Core i5-4200U」を採用するWindows 8.1搭載タブレットだ。前モデルのSurface Proが十分完成された製品だったためか,スペック上の主な違いはCPUの変更と,メインメモリ容量8GBモデルが追加されたことぐらいである。
 全体のデザインやフットプリントはSurface 2と同じだが,ノートPC用と同じCPUを搭載するだけあって,厚さは13.5mm,重量は約907gもある。さながら「軽めのUltrabook」といったところか。

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Surface Pro 2の左側面(左)と右側面(右)。13.5mmはさすがに分厚いが,スペックを考えれば致し方なし

 Surface Pro 2の中身はPCそのものであるため,PC用のデスクトップアプリケーションをそのまま利用できるのが最大の利点である。ゲーム以外の用途はもちろんのこと,グラフィックス負荷の軽い3Dゲームなら十分遊べる程度の性能があるし,最新のMMORPG,たとえば「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」あたりでも,設定次第では遊べるはずだ。

 また,発売は来年に入ってからの予定だが,机の上でノートPC的に使うときに便利なドッキングステーション「Docking Station for Surface Pro」が登場することも,Surface Pro 2をノートPCとして使いたいという人には歓迎されるだろう。USB 3.0×1を含む4つのUSBポートと,mini DisplayPort出力,100BASE-TX対応の有線LAN端子を備えているので,Surface Pro 2と組み合わせればPCとしての利便性は格段に向上する。

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Surface Pro 2とセットで使いたいDocking Station for Surface Pro。価格は1万9980円(税込)で,この種のオプションとしてはやや高めだ

ゲームではあまり使い道がないものの,Surface Pro 2はスタイラス(ペン)入力にも対応している。写真左に見える筆者所有のワコム製スタイラスでも入力できた。ちなみに,ホバー性能は目測で約30mm,安定感知距離は約25mmといったところ
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 樋口氏は発表会の中で,Surface 2シリーズを「地球上で最も生産性に優れたタブレット」であると述べていたが,Surface Pro 2は,まさにそれに当てはまる製品であろう。iPad Airの2倍近い907gという重量は,10インチ級タブレットの中では最も重い部類ではあるものの,ノートPCとしてみれば軽いほうであるし,スペックもタブレットより高い。前モデルでは「実動時間は短い」と批判されたバッテリー駆動時間も,「75%向上した」とMicrosoftは主張しているので,改善を期待できそうだ。「タブレット的に使えるモバイルノートPC」を求めている人には,魅力的な製品ではなかろうか。

●Surface Pro 2の主なスペック
  • サイズ:275(W)×173(D)×13.5(H)mm
  • 重量:約907g
  • OS:Windows 8.1 Pro
  • プロセッサ:Core i5-4200U,動作クロック 1.6GHz
  • ディスプレイ仕様:10.6インチ液晶パネル
  • ディスプレイ解像度:1920×1080ドット
  • メインメモリ容量:4GB,8GB
  • ストレージ容量:内蔵64GB,128GB,256GB,512GB
  • 3G/LTE通信:非搭載
  • 無線LAN:IEEE 802.11a/g/n
  • Bluetooth:4.0 搭載
  • NFC:非搭載
  • センサー類:加速度,磁気,環境光,ジャイロ
  • 外側カメラ:720p HDカメラ
  • 内側カメラ:720p HDカメラ
  • バッテリー:42Wh,最長10時間駆動


激戦の2013年タブレット冬戦線。筆者はSurface 2を選ぶ


 2013年冬のタブレット市場は,優れたスペックを備える製品が目白押しとなっている。Android系はNexus 7やASUS Pad TF701T,日本での発売も決まったKindle Fire HDXが登場しており,11月にはiPad AirとRetinaディスプレイ版のiPad miniが発売される。また,Atom Z3000シリーズを搭載した8インチサイズのWindows 8.1タブレットも,年内には各社から登場してくるはずだ。この乱戦にSurface 2とSurface Pro 2が登場したことで,どれを選んだものかと迷っている人も多いのではなかろうか。

 価格や重量,機能を考えると,Surface Pro 2はタブレットというよりはノートPCに近い製品なので別枠としても,Surface 2は各社の新製品タブレットとも,十分に戦える製品に仕上がっているように思える。Windowsのデスクトップアプリが動作しない点や,肝心のWindowsストアアプリがまだまだ貧弱というのはマイナス点であるものの,ブラウザベースのゲームタイトルであれば,非常にヘビーな艦これでも快適に動作しているので,まず問題はないはずだ。
 「とりあえず,8インチ級のWindows 8.1タブレットが出そろってから買う物を決めよう」という人もいるだろうが,筆者はそれらやiPad Airをスルーして,Surface 2を購入する予定である。

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