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リベール王国の形はタイがモチーフだった!? 「軌跡」シリーズの開発秘話が惜しげもなく語られた「Falcom Acoustic Live&Talk Show」をレポート
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印刷2014/01/27 16:38

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リベール王国の形はタイがモチーフだった!? 「軌跡」シリーズの開発秘話が惜しげもなく語られた「Falcom Acoustic Live&Talk Show」をレポート

画像集#002のサムネイル/リベール王国の形はタイがモチーフだった!? 「軌跡」シリーズの開発秘話が惜しげもなく語られた「Falcom Acoustic Live&Talk Show」をレポート
 2014年1月25日,東京・新宿ロフトプラスワンにて,「Falcom Acoustic Live&Talk Show〜近藤社長に聞く!『閃の軌跡』続編と謎の大型タイトル〜」が開催された。
 このイベントでは,Falcom jdk BANDによるアコースティックライブが行われ,日本ファルコム 代表取締役社長の近藤季洋氏を迎えたトークライブも実施。すでにお伝えしているように,「英雄伝説 閃の軌跡」の続編となる「英雄伝説 閃の軌跡II」PS3/PS Vita)の発表もあり,会場は大いに盛り上がっていた。

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 この日のイベントは,Falcom jdk BANDによるアコースティックライブで幕を開けた。今回の編成は,ボーカルの小寺可南子さん,パーカッションの岡島俊治さん,ギターの井上央一さん,さらにサポートメンバーとしてギターの宮崎大介さん
 「寮に帰ろう」「星の在り処」「波風のレクイエム」といったバラード調やミドルテンポのナンバーが中心のセットリストで,アコースティックならではの緩やかな雰囲気の中,観客もゆったりと身体を揺らしながら耳を傾けていた。MCではビールを注文してファンと一緒に乾杯をするなど,ロフトプラスワンという会場にふさわしく,終始笑顔の絶えないアットホームなノリでライブは進行していった。
 ラストは,新宿ロフトプラスワンで演奏し始めてから定番曲になったという「PANDRA」を全員で大合唱。鳴り止まない拍手と歓声の中,アコースティックライブは幕を閉じた。

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●セットリスト
1.もっと近くで(「英雄伝説 空の軌跡FC〜リベールの歩き方」より)
2.寮に帰ろう(「英雄伝説 閃の軌跡」より)
3.星の在り処(「英雄伝説 空の軌跡FC」より)
4.波音のレクイエム(「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」より)
5.誰かがあなたを愛してる(「ぽっぷるメイル」より)
6.PANDRA(「イース6 ナピシュテムの匣」より)


あの人気アクションRPGの新作が制作中

近藤氏のギリギリトークにファンは大盛り上がり


画像集#007のサムネイル/リベール王国の形はタイがモチーフだった!? 「軌跡」シリーズの開発秘話が惜しげもなく語られた「Falcom Acoustic Live&Talk Show」をレポート
日本ファルコム 代表取締役社長の近藤季洋氏(右),岡島俊治さん(左)
画像集#006のサムネイル/リベール王国の形はタイがモチーフだった!? 「軌跡」シリーズの開発秘話が惜しげもなく語られた「Falcom Acoustic Live&Talk Show」をレポート
「英雄伝説 閃の軌跡II」のタイトルロゴを発表
 続いては,近藤氏と岡島さんによるトークライブが行われた。「こちら」の記事でお伝えしているとおり,近藤氏からシリーズ最新作となる「英雄伝説 閃の軌跡II」が発表された。イベント名に“「閃の軌跡」続編”と謳われているものの,やはりその衝撃は大きかった様子で会場は大いにどよめいていた。

 「英雄伝説 閃の軌跡II」というタイトル名について,近藤氏は「非常にシンプルだが,それだけに僕らが『英雄伝説 閃の軌跡』というタイトルに気合いを入れているということ」とコメント。また,「英雄伝説 閃の軌跡」は「(エンディングの)続きを早く(見たい)!」との要望が非常に多かったようで,「その声にお応えするタイトルです」と正統な続編であることを強調していた。
 今回もシナリオにはかなり力を入れているようで,内戦が勃発した“帝国”の物語が描かれるという。これまで明らかにされていなかった,帝国の意外な一面が見られるかもしれないとのことだ。

 また,ここでは「英雄伝説 閃の軌跡II」と合わせて発表された「謎のタイトル」にもスポットが当てられた。近藤氏は「ファルコムの中でも,自分を含めて4人ぐらいしか見ていない」という貴重な資料を公開。「浜辺のキャンプ」や「時空の穴」と書かれた設定資料や,モンスターのイラストなどが披露されていった。
 さらに,近藤氏の口から「冒険家」「ジャンルはアクションRPG」「ワイ(Y)ズ(S)を作っている」など,ファルコムファンであればピーンと来るであろうコメントが次々に飛び出すと,そのたびに会場からは大歓声があがっていた。「謎のタイトル」については,具体的なタイトル名などは明かされなかったが,当たり前のように察しがつくということなのだろう。

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カシウスはオープニングで死ぬ予定だった!? 


 その後,トークのテーマは,2004年に発売された「軌跡」シリーズへ。近藤氏によると,同シリーズの立ち上げメンバーは近藤氏と先輩と同期社員の3名。「英雄伝説 空の軌跡FC」は,企画段階から携わったオリジナル作品だったため,非常に思い入れが深いとのこと。
 また,開発時に意識したのは,ガガーブトリロジー(「英雄伝説III 白き魔女」「英雄伝説IV 朱紅い雫」「英雄伝説V 海の檻歌」の三部作)だという。
 当初はガガーブトリロジーの続編を作るという選択肢もあったが,これらを超える作品にするためには,延長線上ではなく,まったく新しい世界観のものでなければいけないと考えたそうだ。そのうえで,ガガーブトリロジーが持つ「街の人がお節介で,いい人が多い」という雰囲気は引き継ぎつつ,新たに「産業革命」というキーワードを盛り込むことで独自性を高めていったと語っていた。

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画像集#015のサムネイル/リベール王国の形はタイがモチーフだった!? 「軌跡」シリーズの開発秘話が惜しげもなく語られた「Falcom Acoustic Live&Talk Show」をレポート
近藤氏が手書きで描いたリベール王国の地図。半島が突き出ている部分など,タイの名残りを確認できる
 同期社員が機械式時計が好きだったことから,「これで魔法が発動できたら面白いね」という話になり,そこからシリーズ作品ではお馴染みのオーブメント(オーブとムーブメントを組み合わせた造語)が生まれたエピソードを披露。さらにリベール王国は「風光明媚」な雰囲気にするために,スイスやオーストリアをイメージしたという。
 また,近藤氏が以前,タイに住んでいたことから,リベール王国の形はタイをモチーフにして作成したという事実も判明。これには観客も驚いた様子で,「マジかよ」「そうだったのか」と口々につぶやいていた。

 ファルコムファン歓喜の開発秘話は,まだ終わらなかった。続いて,近藤氏はキャラクター設定について語った。
 「空の軌跡FC」「空の軌跡SC」では,ガガーブトリロジーの要素を残したいということで男女のキャラクターを主軸にするとともに,今までにない挑戦として主人公を女性にしたとのこと。しかし,この選択には「本当にいいのか?」という迷いもあったという。そのため,初期段階ではエステルとヨシュアの性別が逆だったようだ。つまり,ヨシュアがエステルのコスチュームを,エステルがヨシュアのコスチュームを着ていたのである。

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 さらに近藤氏は,まだ未熟な主人公を成長させる要素として,先輩キャラクターが必要だったと続けた。そこで登場することになったのが,シェラザードとアガットというわけだ。
 また,同じく主人公の仲間となるジンは,シドという名前だったとのこと。名前を変更した理由は「飛行船に乗っていそう」。これには会場も大爆笑だった。ちなみに,シドの後にはカズマにする案が挙がったが,こちらも先輩から「東方過ぎる」との指摘があったため,却下となったようだ。

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 前述のオーブメントも,最初はプリズムという名称だったそうだが,ファルコムではなるべく造語を使いたいとのことで,最終的にオーブメントになったという経緯も語られた。
 トークの終盤には,エステルの父,カシウスはオープニングで死亡する設定だったという衝撃の事実が発表された。近藤氏によると,カシウスはかなり強いので,主人公達と一緒にいると,成長の妨げになって困るとのこと。こうした理由から,結果的には「出張中」という設定にしたという裏話も飛び出している。

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 また,クロスベル編は「空の軌跡 the 3rd」の制作時に構想が練られており,実はそのまま帝国編のエピソードに盛り込んで描いてもよかったという。しかし,帝国の恐ろしさをより強調するため,クロスベルの物語を描く「零の軌跡」「碧の軌跡」が制作されたとのことだ。

 まだまだ話題は尽きない様子だったが,残念ながら終了時間を迎えると,両氏から「語り足りないよ」とのコメント。この続きは,3月29日に同じく新宿ロフトプラスワンで開催予定のイベントへと持ち越されることになった。次回のイベントでは,発売から20周年を迎える「英雄伝説III 白き魔女」や「英雄伝説 閃の軌跡II」の新情報も飛び出すそうなので,ファンは今から楽しみに待っていよう。

日本ファルコム 公式サイト

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