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MediaTek製SoC搭載スマホでベンチマーク不正が発覚。計50機種が「PCMark for Android」のランキングから除外される
除外対象となったSoCは以下のとおりで,実に8製品が挙げられている。
- MediaTek Helio G90
- MediaTek Helio G70
- MediaTek Helio P95
- MediaTek Helio P90
- MediaTek Helio P65
- MediaTek Helio P60
- MediaTek Helio P20
- MediaTek Helio A22
リストに挙げられたSoCを搭載するスマートフォンとしては,KDDIの「BASIO4 KYV4」や,同じくKDDIが販売予定の「Galaxy A41 SCV48」などがある。
ULの声明によると,オンラインメディアのAnandtechによるテストで,この問題が発覚し,ULによるテストでも同様の現象が確認されたため,スコアの除外に至ったという。除外対象のSoCを採用する端末は,ファームウェア内にベンチマークアプリの名前を記した「ホワイトリスト」が存在しており,リストにあるベンチマークアプリ――今回ならPCMark for Android――が実行されるときだけユーザーには非公開の動作モードである「Sports Mode」で端末を動かすことで処理性能を本来よりも高めて,ベンチマークスコアの結果を高くみせかけていたそうだ。
ULからの問い合わせに対して,MediaTekは回答していないそうだが,Anandtechに対しては,「業界標準に従っており,ベンチマーク結果は当社製品の性能を正確に反映している」と返答したとのこと。
ULでは以前から,アプリの名前を基準として端末の動作モードを変えて処理性能を上げたり,ユーザーが利用できないベンチマークアプリ固有の最適化動作モードを使ったりしたスコアは,端末における真の性能を反映しないとしてスコアを除外する処分を下していた。覚えている人もいるだろうが,ULは以前にも,
今回の処分もそれにならうものといえ,ULがMediaTeK製SoC搭載端末に対する処分を,なにもせずに撤回する可能性は少ない。ただ,過去に除外されたメーカーの1つであるHuawei Technologiesは,後に最適化モードをユーザーが利用できるようにしたうえで,スコアが最適化モードを使用したものかどうか分かるようにして,ランキングに復帰したという事例もあるので,今後のMediaTekによる対応が注目を集めそうだ。
ULによる当該プレスリリース(英語)
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