プレイレポート
本日発売された「レインボーシックス シージ」は,久々にガチなチームベースのオンラインシューター
「レインボーシックス シージ」公式サイト
シリーズ第1弾となる「Tom Clancy's Rainbow Six」が発売されたのは今を去ること1998年で,8月15日に掲載した記事でも紹介したように,プレイヤーは西側諸国の特殊部隊の精鋭隊員を集めたカウンターテロ部隊,「レインボー」を指揮して,悪いヤツらをやっつける。ウリはなんといっても「プランニングフェーズ」で,テロリストの立てこもる建物への突入に当たって,さまざまな作戦が立案でき,ミッションの成否はこの段階でほぼ決まってしまうといっていいほど,非常にタクティカルなゲームで,そのへんが人気の秘密だったと思う。
その後,シリーズ作がコンシューマ機にメイン機種をシフトするにつれて,面倒な雰囲気のあったプランニングフェーズはオミットされ,比較的シンプルなシューターに変身していった。ヒットした「Rainbow Six: Vegas」(2006年)は,偵察や突入経路の立案を重視しないとやられやすい,という昔ながらの雰囲気は残っていたが,基本的にはアクション要素の強いシングルプレイのTPSだった。
2008年の「Rainbow Six: Vegas 2」に続いて,シリーズ最新作として「Rainbow 6: Patriots」がアナウンスされたが,これは結局キャンセルされ,レインボーシックス,どうなっちゃうのだろう? ジョン・クラーク,大ピンチ! と思っていたところ,2014年のE3のプレスカンファレンスで突然明らかになったのが本作,「レインボーシックス シージ」だったのだ。いい流れだ。
シリーズ最新作は,ハードなオンラインFPSに
シリーズ最新作「レインボーシックス シージ」は,オンライン対戦に軸足を置いたFPSとして登場した。いわゆるオンラインFPSというやつだ。
ゲームには,プレイヤーが5人対5人のチームに分かれて戦う「マルチプレイ」と,1人〜5人でプレイできる対AI戦「テロハント」,そして1人で練習ができる「シチュエーションモード」の3つが用意されている。メインはやはりマルチプレイで,戦場はほとんどがインドアという構成だ。
「マルチプレイ」は攻守のハッキリしたものになっており,人質を取ったり,謎の爆弾を仕掛けたりして立てこもる守備側に対し,もう一方のチームが攻撃を仕掛ける。守備側は「準備フェーズ」で,攻撃に備えてさまざまなトラップやバリケードを設置し,その間,攻撃側は,カメラを搭載した地上走行型ドローンを建物の内部に送り込んで敵情を探る。人質や爆弾をこの段階で見つけると画面上に表示されるので,攻略が楽になる。
総勢10人の戦いにしては比較的マップが広く,かつ作りが複雑になっており,ミニマップなども表示されないので,最初のうちは何が何だか分からないうちに倒されてしまう。勝敗を決めるのは,各プレイヤーの立ち回りとシューティングスキルだ。ふふふ,かかってこい。みたいな。
5人編成のチームで1人欠けると敵味方のパワーバランスが大きく変化するので,個人の技量はかなり重要だ。その一方,弾丸はかなりバラけるため,複数で1人の敵を狙ったほうが有利になり,チームの連携も大切になる。欧米ではボイスチャットを使用しているプレイヤーも多く,気持ちは分かる。
チュートリアルもCo-opもやり応えあり
初めてプレイする場合は,いきなりマッチに参加するのではなく「シチュエーションモード」をこなすのがよさそうだ。このモードには,「近接戦の基本」「郊外での人質回収」など,10のミッションが用意されており,それぞれ,ノーマル,ハード,リアルから難度が選べる。
これってチュートリアルでしょ,となめてかかるとビックリするはずで(筆者はした),ノーマルで挑戦しても,ミッションをこなすにつれて状況はどんどん厳しくなり,簡単にはクリアさせてもらえない。
敵のAIはかなり優秀で,出現場所こそ各ミッションであらかじめ決まっているものの,出現後はかなり自由に移動するため,さっきはここでやられたから要注意,みたいなことは通用しないのだ。とくに,爆発ベストを身につけて襲ってくるヤツが怖すぎる。
これは,Co-opである「テロハント」も同様で,こっそり背後に回って撃ってきたりなど,AIのくせにそこまでやるか,という印象だ。人間チームがAIチームに敗北を喫することも珍しくなく,自分のやられっぷりがよく分かって困る「ラウンド終了リプレイ」(いわゆる「キルカム」だが,勝った場合も表示される)も用意されている。
簡単に言うと,「シチュエーションモード」と「テロハント」だけでもかなり遊べる。難度「リアル」とか一生無理,という気がするほどで,やり応えは十分すぎるほどだ。
好きなオペレーターを見つけて,戦いに挑め
最近,特殊部隊の隊員はカッコよく“オペレーター”と呼ばれるようだが,本作には,イギリスのSAS,アメリカのFBI SWAT,ドイツのGSG9など,5か国の代表的な特殊部隊に属するオペレーターが用意されている。このへんがいかにもレインボーシックスという感じだ。それぞれのオペレーターが特技を持っており,例えば,スペツナズのタチャンカは味方全員が使える小型機関銃を設置できるし,SASのサッチャーはEMPグレネードを使って範囲内の電子機器をすべて破壊できる。
トム・クランシーものらしく,各オペレーターに用意されたハイテクガジェットの種類はきわめて豊富で,爆弾の位置を特定したり,窓やドアのフレームにブービートラップを仕掛けたりなど,攻撃に防衛に威力を発揮する。もちろん,レインボーシックスでは忘れてならない「心拍センサー」も用意されているが,中には使い方さえ分からないガジェットもあり,その使用法を実戦で学んでいくのも面白い。
ちなみにオペレーターはゲームの最初から全員使えるわけではなく,プレイを重ねて「名声ポイント」を獲得し,それを使ってアンロックしていく。名声ポイントは,「マルチプレイ」に限らず,「テロハント」と「シチュエーションモード」でも手に入るので,まずは対AI戦をこなして名声ポイントを溜め,それなりのオペレーターをアンロックしてから「マルチプレイ」に挑む,といった流れが王道なのかもしれない。まあ,好き好きですけど。
以上,ざっと紹介してみたが,本作はユービーアイソフトが「レインボーシックス」の冠のもと,最近あまりないガチなオンラインFPSを本気で作ったという感じがする。もちろん,ビギナーでも楽しめる要素もあるが,プレイの難度はお高めで,筆者はあまり長く生き残れない。守備側になって,ドアを補強したりシャッターを設置したりして準備している間の緊張感も高い。ヤツらはどこから入ってくるのだろうか?
初代「レインボーシックス」は,確かに戦略を立てることが楽しかったが,AI隊員の融通は割と利かず,例えば投げた手榴弾がドアに当たって跳ね返ってレッドチーム全滅とか,なんだこいつら,ということもあった。今回は,仲間が人間なので,おまえはあのドアから,おれは上から行く,みたいな作戦が事前に立てられ,それがピタリと決まるとかなり面白くなってきそうだ。
マップは豊富で,テキストだけでなく音声もばっちり日本語化されているので,アレとかコレとか最近のFPSはヌルいぜ,という人はぜひチェックしてほしい。
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(C)2015 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Tom Clancy’s, Rainbow Six, The Soldier Icon, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.
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