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  • 発売日:2014/07/16
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エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
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印刷2014/07/26 00:00

インタビュー

エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー

画像集#018のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
 エイティングは2014年7月16日,スマートフォン向け新作アプリ「激突!ブレイク学園」iOS / Android)のiOS版をリリースした(Android版は現在事前登録受付中)。
 エイティングと言えば,受託という形でアーケード/コンシューマ向けの格闘ゲームやアクションゲームの開発を手がけており,ここ数年はモバイル端末向けソーシャルゲームの運営開発にも携わってきた企業である。受託開発という業務の性質上,あまり表に出ることはなかったが,ゲーム業界の事情にある程度明るい人であれば,一度は名前を聞いたことがあるのではないだろうか。

 そのエイティングが,これまで培ってきたゲーム開発およびソーシャルゲーム運営のノウハウを投入し,自社で開発/運営するタイトル第1弾が「激突!ブレイク学園」だ。
 同タイトルは,味方のキャラクターを指で引っ張り,敵に激突させてダメージを与え,ステージクリアを目指すという,いわゆる“引っ張りゲー”である。「モンスターストライク」のヒット以来,同ジャンルは多くのゲームファンから注目を集めているが,「激突!ブレイク学園」では,往年のバトル漫画のように破天荒な展開を見せるストーリーと,ビリヤードの要素を取り入れたキャラクターの挙動という部分が大きな特徴となっている。

 今回4Gamerでは,エイティングが自社パブリッシングに乗り出した経緯や,「激突!ブレイク学園」の開発意図などについて,同タイトルのプロデューサーを務める亀井康孝氏と,ディレクターの島林幸司氏に聞いた。

「激突!ブレイク学園」のプロデューサーを務める亀井康孝氏(右)と,ディレクターの島林幸司氏(左)
画像集#001のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー

「激突!ブレイク学園」公式サイト

iOS版「激突!ブレイク学園」ダウンロードサイト(AppStore)



これまで培ってきたゲーム開発および運営のノウハウを自社タイトルに投入


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回は,「激突!ブレイク学園」(以下,ブレイク学園)に関するお話をうかがおうと思うのですが,このタイトルは,エイティングが自社パブリッシングする初めてのスマートフォン向けゲームですよね。まずは,その経緯からお聞かせください。

画像集#002のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
亀井康孝氏(以下,亀井氏):
 エイティングは設立から20年以上経つ会社で,もともとは「バトルガレッガ」や「魔法大作戦」といった,自社開発のアーケードゲームタイトルをパブリッシングしていました。そういった活動の中で,格闘ゲーム「ブラッディロア」シリーズはコンシューマ機向けにも展開しましたが,ちょうどそのあたりから,他社タイトルの受託開発を手がけるようになったんです。
 そして3年ほど前からは,同じく受託業務でモバイル端末向けのブラウザ型ソーシャルゲームや,スマートフォン向けネイティブアプリの運営開発にも携わっています。

4Gamer:
 エイティングの名前を出すことはなかったものの,モバイル端末向けのゲームにも長らく関わってきたわけですね。

亀井氏:
 ええ。またエイティングには,コンシューマゲームとソーシャルゲームの開発という2本の柱以外に,PCオンラインゲームを開発していたという実績があります。それらの実績を一つに集約していこうという取り組みが,今回の「ブレイク学園」の自社パブリッシングというわけです。
 たとえば「ブレイク学園」のスタッフを例に挙げると,私自身はエイティングでゲーム開発に関する業務を一通り経験しています。ここにいる島林は,もともとコンシューマゲームのプランナーで,3年ほど前に弊社へ入社してからは,ずっとソーシャルゲームの運営開発に関わってきました。また現場で開発しているプログラマーやデザイナーは,格闘ゲームを手がけていたチームのメンバーです。そしてサーバーエンジニアは,PCオンラインゲームに携わっていました。
 このように「ブレイク学園」では,これまで培ってきた弊社のノウハウをすべて集約し,自社タイトルのスマートフォンアプリとして大きく打ち出していこうと考えています。

4Gamer:
 この1〜2年,スマートフォンアプリ市場に参入するメーカーや企業が増え,競争も激化していますよね。その中にはエイティングに匹敵するような実績を誇るところもあります。それを踏まえた上での,御社ならではの強みを教えてください。

亀井氏:
 エイティングは,これまで格闘ゲームやアクションゲームの開発を手がける中で,気持ちよく遊べること――いわゆる「手触りのよさ」――を第一のセールスポイントにしてきました。スマートフォンアプリでも,それをきちんと打ち出していきます。とくにスマートフォン向けのゲームはプレイサイクルが短いので,「ちょっと触って気持ちいい」というところを大事にしています。
 そこには格闘ゲームやアクションゲームのように,ダイレクトなレスポンスがあるゲームを作ってきた弊社ならではの強みがあると考えています。

4Gamer:
 ちなみに「ブレイク学園」以降も,エイティングは自社パブリッシングタイトルを続々と展開していく予定なんでしょうか。

亀井氏:
 「ブレイク学園」の成果次第というところはありますが,もちろん,その可能性はあります。まだ,あまり詳しくはお話できないのですけれど……。


ビリヤードの2手先3手先を読む戦略性を取り入れ,アクションゲームらしさを実現


4Gamer:
 それでは,「ブレイク学園」についてお聞かせください。

画像集#003のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
島林幸司氏(以下,島林氏):
 企画開発にあたって最初に考えたのは,いかに存在感を出すかということです。と言うのも,競争が激化している現在のスマートフォンアプリ市場では,単にゲームを作って出すだけでは,すぐに埋もれてしまうからです。
 そこで,ある種のバカバカしさやハチャメチャな感じを盛り込み,セールスランキング上位にいるファンタジーものやモンスターがバトルするようなタイトルと差別化を図ろうと考えました。

4Gamer:
 その結果が学園ものだったと。

島林氏:
 はい。学園でバトルというのは,今の市場の主流ではありません。しかし,それだけにオンリーワンになれる可能性があるんじゃないかと考えたわけです。

4Gamer:
 とは言っても,ジャンルは人気の高まっている引っ張りゲーですよね。

島林氏:
 ゲームの内容自体に関しては,見た目や引っ張るアクションから「モンスターストライク」や「スリングショットブレイブズ」と比較されてしまうことが多いのですが,実際にプレイすると,かなり遊び方が違うことに気づいていただけると思います。
 ですから「ブレイク学園」は,この両タイトルとは異なる層にもアピールできますし,また新参者の私達が言うのも何なのですが,ライバルとして争える内容に仕上がったと自負しています。

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4Gamer:
 引っ張りゲーの先行タイトルと比較したときの「ブレイク学園」独自のポイントを教えてもらえますか。

島林氏:
 最大の特徴は,キャラクターの挙動にビリヤードの要素を取り入れていることです。ここは最も苦労したポイントでもあります。と言うのは,ビリヤード的な挙動は運頼みになってしまいがちで,思ったようにキャラがぶつかってくれなかったりするからです。
 これが一般的な引っ張りゲーであれば,どんどん連鎖をつなげることで気持ちよさを演出できるんですよね。しかし「ブレイク学園」では,ビリヤード的な戦略性を盛り込みつつ,いかに気持ち良さを表現できるかという部分に時間をかけました。

4Gamer:
 具体的に,どういう形で表現したのでしょう。

島林氏:
 ビリヤードのように,2手先3手先を考えていただくための手法として,「友情リレー」を採用しました。このゲームでは,各キャラクターが攻撃力アップ/スピードアップ/体力回復のいずれかの特殊効果を持っています。それぞれの特殊効果は,味方のキャラクター同士がぶつかると追加されていきますので,最初にどういう組み合わせでチームを編成するかによって,戦い方がまったく変わります。
 たとえばバランスよく組み合わせてもいいですし,回復キャラを入れずに攻撃キャラを集めて,攻撃力を2倍3倍に上げて速攻クリアを目指すのもアリです。

4Gamer:
 チームをどう編成し,キャラクターをどう使うかが鍵になると。

画像集#011のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
島林氏:
 ええ。こういったタイプのゲームですと,キャラクター自体のスペックが大きく影響することが多いんですけど,「ブレイク学園」の場合はチーム編成や戦略性,プレイ上のテクニックでスペックの低さをカバーできるようにもなっています。
 たとえば必殺技の「ブレイクインパクト」を使うには,「激突力ゲージ」をMAXにする必要がありますが,そのゲージの貯まり方も攻撃テクニックによって変化します。一度,壁に当ててから攻撃する「バンクショット」,弱点属性を突く「エレメントアタック」,背後から攻撃する「バックアタック」などを組み合わせて,敵にダメージを与えつつ,いかにしてゲージを貯めていくか,そしてどのタイミングで必殺技を使うかという判断が重要になっています。

4Gamer:
 倒された味方や倒した敵が檻に入って,画面上に残るというのも独特ですよね。

島林氏:
 倒れたキャラも何らかの形でバトルに参加できたほうが面白いだろうと考えたんです。檻に入ったキャラは,敵にぶつけてダメージを与えられますが,味方の近くにうまく誘導すれば壁となり,敵の攻撃を回避することもできます。そういったテクニックを駆使すれば,ボス戦で味方が一人になってしまっても,大逆転できる可能性が生じるわけです。
 もちろん,キャラクタースペックの高さでゲームを進めても構わないのですが,やはりエイティングとしては,アクションゲームが好きな方が遊んでもやり応えのあるゲームにしようと。

4Gamer:
 プレイ中,キャラクターを引っ張った時点で,反射したときの軌跡まで表示されますよね。あれは,今,お話しになったように,見た目以上に複雑なゲーム性をサポートする意味があるのでしょうか。

島林氏:
 そのとおりです。引っ張りゲーでは,往々にしてキャラクターが事前に予想していたのと異なる挙動をしてしまいがちです。とくに反射の角度が少しでも違うと,そのあとの展開がガラリと変わってしまいます。そこで,きちんと最初の狙いどおりに動かせるようにしようと考えました。これは,操作が的確に反映されるという意味において,アクションゲーム的な気持ちよさを狙った部分でもあります。

4Gamer:
 引っ張りの角度を決めるとき,アナログ的にカクカク引っかかる感触があるのですが,あれも角度を固定して狙いやすいよう,あえてそうしているのでしょうか。

島林氏:
 おっしゃるとおりです。また,引っ張ってから指を離す少し前の情報をもとに角度を決定するという工夫もしています。ですから,乱暴に指を離しても,角度が変わってしまうようなケースはかなり少なくなっているはずです。

亀井氏:
 指を離した拍子に角度が変わってしまうと,プレイ上の大きなストレスになりますからね。
 また,引っ張りのキャンセルにも工夫を加えており,引っ張るとカメラの角度が変わり,キャンセルすると元に戻ります。これにより,引っ張りをキャンセルしたつもりなのにキャラクターが飛んでしまうという誤動作を防いでいます。

4Gamer:
 なるほど,キャンセルされたことが見た目でパッと分かるわけですね。

画像集#010のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
亀井氏:
 ええ。もう,できる限り分かりやすくしようと。たとえば,最初にどこを狙っていいのか迷う人であれば,とりあえずバンクショットとかバックアタックとか,画面にいっぱい文字が表示されるところを狙ってもらうだけでも,いい結果が出せるようにしています。遊んでいる人は,最初は意味が分からなくとも,そこに飛ばせば何かいいことがあるだろうと判断できるわけです。そういった分かりやすさには,相当こだわりましたね。

4Gamer:
 そういった操作へのこだわりは,やはり格闘ゲームを作ってきたノウハウから生まれているのでしょうか。

島林氏:
 そうですね。私自身は,今回,初めて格闘ゲームのスタッフと組んで仕事をしたのですが,プログラマーから「ここをこうしたほうが手触りがよくなる」という意見をもらったり,デザイナーから「このほうが見栄えがいい」といったアドバイスをもらったりしました。また,逆に彼らはスマートフォンゲームの開発が初めてだったので,私から「ソーシャルゲームだと,こうしたほうがよくなる」といった意見を述べたりもしました。
 結果として,格闘ゲーム/アクションゲームとソーシャルゲームのいいところが,うまく融合できたと捉えています。

4Gamer:
 ヒットストップの演出なんかは,格闘ゲームにも通じる絶妙さがありますよね。

亀井氏:
 ええ。そこは打撃のインパクトをきちんと表現しようと工夫しました。
 実際,「ブレイク学園」は格闘ゲームと同じような考え方で開発しているという側面もあるんです。タッチしたとき,指を離したとき,ポンとタップしたときなどさまざまな入力があって,画面上のキャラクターが動く。動いたキャラクターに当たり判定が存在し,それに当たった敵のキャラクターが吹っ飛ぶ。そこに関しては,コントローラのボタン操作で遊ぶ格闘ゲームと,何も変わらないんですよね。

4Gamer:
 ビリヤード的な部分でプレイヤーごとのテクニックに差が出そうですよね。上手な人がどうプレイしているのか,非常に気になるゲームです。
 その一方で,今回初めて「ブレイク学園」を知ったという人は,どうしても「モンスターストライク」の二番煎じや亜流だと捉えてしまったり,あるいは実際にプレイして違いに戸惑ったりしてしまうかもしれません。エイティングとして,どうやってその点を乗り越えていくのでしょうか。

島林氏:
 確かに,最初のPVでは,従来の引っ張りゲーとの違いを伝えきれていませんでした。そこで現在,操作を紹介するムービーを用意し,これまでの引っ張りゲーとは違う部分をアピールしています。
 また実際にプレイした方は,まずはアクションゲーム的な気持ちよさやストレスのなさといった違いを感じ取り,さらにプレイを続ける中でやり応えや戦略性などの魅力を見出していただけるんじゃないかと考えています。

画像集#004のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー


ストーリーでは古きよき少年漫画のバカバカしくも熱い学園バトルを展開


4Gamer:
 「ブレイク学園」はイラストやサウンドも独特ですよね。そのあたりのこだわりについても教えてください。

画像集#005のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
亀井氏:
 スマートフォンのゲームですと,コストを下げて大量に作るという考え方もありますが,それでは納得できないゲーマーもいるでしょう。そこで,納得してお金を支払っていただけるようなものを作ろうと,あまり一般的ではないスタイルを取っています。具体的には全キャラクターに2Dのカードイラストと3Dモデルを用意し,ボイスを付けました。

4Gamer:
 ボイスが付くのは,特定のレアリティ以上のキャラというわけではなく……。

亀井氏:
 全キャラクターです。やはり,「このキャラがほしい」「育てたい」と思っていただけないことには,遊ぶ人に満足を提供できないと思うんですよね。
 昨今のゲームビジネスは,パッケージを売る商売から,サービスに満足していただいてお金を頂戴するという形態に変わってきています。「ブレイク学園」の一つ一つの要素についても,いかに満足していただけるかに重きを置いて企画開発を進めました。

4Gamer:
 サービスイン時点でのキャラクター数は,どれくらいいるのでしょう。

亀井氏:
 全80キャラです。もちろん,今後のアップデートで追加されるキャラクターにも,すべてボイスが付きます。

島林氏:
 登場するキャラクターは全員,何かしらの部活に所属しています。野球部やサッカー部といったポピュラーなものから,プロレス研究会やオカルト研究会,あるいは金融部とかヤンキー部とか,もはや部活と言っていいのか分からないものまでさまざまです。見た目も,身体が炎に包まれている野球部員とか,どうみても学生に見えない人とかなんですが,皆,真面目に学園に通っているという設定です。それぞれバトル上のスペックが異なるのはもちろんのこと,個性的なボイスや決めゼリフを用意しています。

4Gamer:
 とくに特徴的なキャラクターは,どのあたりになるんでしょうか。

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亀井氏:
 バスケ部の「瀬戸 不亜羅央」(せと ふぁらお)ですね。たいてい,どのキャラもキャラクターデザインよりボイス収録が先行するのですが,このキャラも「落ち着いて一本取ろう」など,熱血爽やか系のボイスを準備していたんです。ところが,いざキャラクターデザインが上がってみたら,ファラオをモチーフにしたものだったんです。ですから,すごいギャップが(笑)。

4Gamer:
 そもそも,お前の格好が落ち着いてないだろう,と(笑)。

亀井氏:
 しかも進化すると,よりファラオ感がアップするという(笑)。でも,こんな格好をしているのに,セリフは好青年なんです。

4Gamer:
 一応聞かせてもらいますが,何でバスケ部なのにファラオなんですか。

亀井氏:
 すべての部活においてそうなんですが,そのままのイメージで描いたものは採用しなかったんですよ。

島林氏:
 バスケ部で発注しているのに,「本当のバスケ部を描いてどうするんだ」というようなやり取りがありましたね。

4Gamer:
 メチャクチャじゃないですか(笑)。

亀井氏:
 ちなみにバスケ部は,このファラオのほかに,ギリシャ兵のイラストが候補に挙っていました。ほかの部活も同じように没になった案がたくさんあります。

島林氏:
 ギリシャ兵よりは,ファラオのほうがバスケ部っぽかったんです(笑)。ともあれ,こういう形でキャラ作りをした経験がなかったので,苦労しつつも面白かったですね。

亀井氏:
 それぞれの名前も酷くて……たとえば帰宅部は「家仁 河江朗」(いえに かえろう)ですからね。

4Gamer:
 1970〜80年代のギャグ漫画的なセンスですね。

島林氏:
 ええ。またバトル前のアドベンチャーパートでは,演出を交えて彼らの掛け合いを楽しめるようになっています。ソーシャルゲームだとストーリーはオマケ的な扱いになっているケースも見受けられますが,このゲームではクエストを進めていくモチベーションになるよう作っています。

4Gamer:
 ストーリーは,どんな感じに展開していくのでしょう。

島林氏:
 まさにハチャメチャな感じを出していきます。プレイヤーは,ヒロインの「天ヶ下 伊夜」に誘われて「世界征服部」に入り,ブレイク学園という小さな世界に留まらない,大きな世界で戦うこととなります。そのインフレ感をぜひ楽しんでいただきたいです。ここまでやらなくても……というところまで力を入れたので,ぜひ。

亀井氏:
 これまた古きよき少年漫画の,いい意味でバカバカしい,熱いバトルが描かれていますよ。

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アップデートで協力プレイシステムを追加。キャラごとのストーリーも検討中


4Gamer:
 それにしても,これだけの物量をそろえるのは,並大抵のことではないと思うのですが。

亀井氏:
 私達もこれまで100体以上のキャラクターが登場するようなゲームの開発をしてきた経験がありますが,こうして自分達で売り出していくとなると,あらためて大変さを実感する反面,楽しくもあります。

4Gamer:
 基本的にはエイティング内製なんですよね。

亀井氏:
 はい。カードのイラストもデザインも,基本的に社内のデザイナーが手がけています。ちなみにボイスの収録は,80キャラ分すべて1日で行いました。
 ……あと,一番最初の企画書を見つけたので持ってきたのですが,その時点で「ビリヤード」や「キャラクターを引っ張って,ぶつけて,気持ちいい」という「ブレイク学園」の基本的な部分は決まっていましたね。

4Gamer:
 ちなみにこの企画書は,いつ頃作ったんでしょう。

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亀井氏:
 2013年の9月から10月にかけてです。だから,「モンスターストライク」が大ヒットする前のことなんですよね。今,そんなことを言っても,誰も信用してくれないでしょうけれど……。

4Gamer:
 「モンスターストライク」が大きく話題になり始めたのが,2013年末頃のことでしたよね。

亀井氏:
 ちょうど社内で「ブレイク学園」の企画書を通している最中に,「『モンスト』というゲームがヒットしているらしいぞ」と。

島林氏:
 それで「アクションと3Dという部分で,エイティングのよさを出していこう」と決めたところで,今度は「スリングショットブレイブズ」がアナウンスされて。

亀井氏:
 3Dモデルという部分が被っているし,豪華だし,何よりコロプラさんの新作だし……もう「最後の砦となる学園ものだけは,どこも出さないでくれ!」という気持ちでした。

4Gamer:
 そういう意味では,主流を外したハチャメチャな設定というのは,ある意味,大正解でしたね。

島林氏:
 似ていると言われた時点で負けですからね。繰り返しですが,触ってみればゲームとしての違いが分かりますので,ぜひ遊んでいただきたいです。

4Gamer:
 開発がスタートしてからは,順調にことが運んだのでしょうか。

亀井氏:
 開発の経験があっても,自分達でパブリッシングまでするのは初めてでしたから,そもそも何をすればいいのかというところに時間がかかりました。

画像集#006のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
島林氏:
 ゲームの内容では,バトルの仕様作りに時間がかかりましたね。ルール的に面白くするにはどうすればいいのか……正直なところ,本当に面白いと言えるようになったのは6月くらいでした。

亀井氏:
 本当にギリギリまで変更していましたね。「まだ変えるんですか」と言われながらも,最後まで粘った部分です。実際,最後のほうで下した決断が功を奏していますし。

島林氏:
 ありがたいことに,他社の方々が「面白い」と言ってくださるんですよね。私自身,当初考えていた以上に面白いゲームができ上がり,「こんなゲームだったのか!」とちょっとビックリしたくらいです。

4Gamer:
 それでは,今後のアップデートについても教えてください。おそらく,サービスインまでに開発が間に合わなかった要素などがあるかと思うのですが。

島林氏:
 現在の「ブレイク学園」は,1人でいかに楽しく遊んでいただくかというゲームになっていますが,現在,通信協力プレイシステムを開発しています。このシステムが実装されたら,目の前にいる友人とも,遠く離れた人とも一緒に遊べるようになります。協力プレイでは,お互いに助け合ったり,逆に「何でそんなところにぶつけるんだ!」みたいなことになったりと,ひと味違った面白さを見出せるのではないでしょうか。
 また,それぞれのキャラクターに紐付いたストーリーやバトルを展開することも検討しています。こちらでは,新しいキャラクターを手に入れるモチベーションや,キャラクターに対する思い入れを増幅するような内容を提供していく予定です。

4Gamer:
 全キャラクターのストーリーとなると,かなり大変そうですが。

画像集#017のサムネイル/エイティングがiOS版「激突!ブレイク学園」をリリース。新作アプリを自社パブリッシングした経緯とゲームの概要,今後の展開についてインタビュー
島林氏:
 そのとおりですが,やはり遊んでくださる方の満足を考えるなら,やるべきだろうと。
 またメインストーリーも,現在19章まで実装していますが,「ブレイク学園」全体からするとまだまだ序章なんですよ。詳しくは明かせないのですが,「激徒十二学星」という敵がいまして,現在は1人しか登場しないんです。

4Gamer:
 というと,まだ残り11人のストーリーが控えているわけですか……。

島林氏:
 ほかにも部活ごとのストーリーや,あるいは部活同士の関わりみたいな部分も描きたいですしね。カードゲームだと,序盤で入手するようなカードはどうしても控えに回ってしまいますが,このゲームではスペックだけでなく,ストーリーや,ゲーム上でどう使っていくかということを含めて,キャラクターを大事にしていきます。

4Gamer:
 今後,キャラクターがどの程度の頻度で追加されていくのかも気になるところです。

亀井氏:
 もちろん,どんどん追加していきます。

島林氏:
 心意気としては,毎週追加するくらいのつもりでいます。言ってしまえば「ブレイク学園」は新参者ですので,「面白い」「続けて損はない」と皆さんに理解していただくためには,私達のほうからそれくらいやらないとダメでしょう。

4Gamer:
 なるほど。学園もので部活が軸になっていますから,コラボレーションがやりやすいのではないかと思うのですが,そういった話はどうでしょう。

亀井氏:
 もちろん,私達としてはそういったこともやっていきたいと考えていますが,まずは「ブレイク学園」を,そういうご提案ができるレベルまで育てていくことが先決ですね。

4Gamer:
 それでは最後に,「ブレイク学園」に注目している人に向けて,メッセージをお願いします。

島林氏:
 「ブレイク学園」は,ようやくスタートラインに立ったところです。私達としてはポテンシャルのあるゲームを作ったつもりですが,皆さんに末永く楽しんでいただけるものにしていくため,これからもサービスと新しい機能を全力で充実させていきます。繰り返しとなりますが,一度プレイしてみると,このゲームの面白さや独自性をご理解いただけると思います。ぜひ遊んでみてください。

亀井氏:
 このゲームでは,遊んで気持ちいいところと,バカバカしいキャラクターがたくさんいるところ,そして追加機能となりますが,友達と一緒に遊べるところをどんどん強化していく予定です。友達同士で遊べるようになるのは少し先になりますが,それ以外にもさまざまな新機能やイベントの準備を進めておりますので,今の「ブレイク学園」をぜひ一度プレイしてみてください。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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