プレイレポート
これが坂口博信氏による“スマホ時代の本格RPG”だ。「TERRA BATTLE」プレイレポート
坂口博信氏や植松伸夫氏といった,ゲーム業界のビッグネームが制作に関わっていることや,累計ダウンロード数に応じてさまざまな企画が実施される斬新な施策「ダウンロードスターター」(関連記事)などにより,リリース前から大きな注目を集めていた本作。その勢いは配信後も続いており,リリースからわずか数日(10月15日時点)で50万ダウンロードを軽々と突破し,App Store / Google Playのセールスランキングでも上位を獲得。今最もホットなスマートフォン向けタイトルといえるかもしれない。
本稿では,そんなTERRA BATTLEのゲーム内容をおさらいしつつ,同作の魅力に迫っていこうと思う。すでにプレイしているという人はもちろん,まだダウンロードしていないという人も,ぜひ目を通してほしい。
「TERRA BATTLE」公式サイト
iOS版「TERRA BATTLE」ダウンロードページ
Android版「TERRA BATTLE」ダウンロードページ
まずはおさらいを兼ねて,ゲームの基本的な要素を見ていこう。TERRA BATTLEの戦闘は,縦8マス,横6マスのボード上で行われ,味方キャラクターは最大6となっている。こちらの記事でも軽く紹介しているが,味方キャラクターを自由に動かしたり,位置を入れ替えたりして敵キャラクターを挟むことで攻撃を行うというものだ。
なお,味方キャラクターに指を置いて離すまでの間,もしくは制限時間を迎えるまでであれば,キャラクターは自由自在に動かせる。ただし敵がいるマスを通過することはできないので,その点は注意が必要だ。加えて,通り道に自軍キャラクターがいる場合,そのキャラクターは進行方向とは逆に1マス移動する。こういった基本ルールに則りつつ,敵を挟んでダメージを与え,通常3〜5回の“Battle”に勝利するとミッションクリアとなる。
“連鎖”や“属性”がポイントとなる奥深い戦闘システム
また本作には,戦闘を有利に進めるためのテクニックやシステムが多数用意されている。その中でも代表的なものが“連鎖攻撃”だ。これは,敵を挟んだキャラとの直線上に味方キャラがいると発動するシステムで,連鎖上のキャラが追加攻撃してくれるというものだ。また,連鎖で発動するスキルをもったキャラがいれば,魔法攻撃や回復が発動する場合がある。キャラの配置次第では,畳み掛けるように次々と攻撃が繰り出され,一度のアタックで圧倒的なダメージを与えることが可能だ。
また,敵味方のキャラには,剣,槍,弓,杖という4種類の武器ジャンルが設定されており,このうち剣,槍,弓は三すくみの関係にある。剣は弓に強く,弓は槍に強く,槍は剣に強いという感じで,有利な状態で戦うとダメージが2倍になる。戦闘では,こういったところも考慮しつつ連鎖攻撃を狙っていきたい。
ユニット間の相性を考えるうえでは,炎,氷,稲妻,闇,回復,ST(ステータス)という6種類の属性についても覚えておきたい。炎と氷,稲妻と闇はお互いに2倍のダメージを与えられ,回復とSTはほかの属性の影響を受けないなど,武器の三すくみとは違った特徴があるのだ。炎と氷,稲妻と闇は,属性ボーナスを生かして敵を瞬殺できればいいのだが,仕留め損ねると手痛い反撃を受けることになるため,難度の高い戦闘のときほどじっくりと考える必要がある。
なお,敵の情報はバトル開始前のステージ情報画面で確認できる。敵の数/属性やダメージ床の有無数などをチェックできるので,状況に応じてチーム編成を変えて挑んでみるといいだろう。
そういったシステム/テクニックを駆使して敵にダメージを与えていると,画面左上にある“パワードポイント”のゲージが溜まっていく。このゲージは通常3つあり,1つ溜まるとボード上にパワードポイントが出現する。これを,敵を挟んでいる味方キャラの直線上に配置して連鎖攻撃を行うと,攻撃力が大幅にアップするほか,味方スキルの発動率が100%になる。本作では5〜6章あたりから,戦闘の難度がグッと上がってくるので,パワードポイントの使い方/使いどころはしっかりと押さえておいたほうがいい。
以上が,TERRA BATTLEの基本的なルール/システムとなる。筆者は本作を実際にプレイする前,ムービーなどで確認した操作方法から「パズル&ドラゴンズ」のような“パズルRPG”を想像していたのだが,実際にプレイしてみると,その印象はすぐに払拭されてしまった。
こちらのインタビューで坂口氏が答えているように,操作方法こそパズドラ風だが,ゲーム性の核は挟み将棋や「Archon」に近く,キャラクターの育成要素やボスモンスターとのバトルから受ける印象は,坂口氏が得意とするRPGそのままといった感じである。限られた状況下で二手三手先を読みながら最善手を模索するシミュレーションRPGのようなタイトルが好きな人なら,TERRA BATTLEはかなり楽しめるゲームなのではないだろうか。
その気になれば無課金プレイでもクリア可能
キャラの戦力と汎用性を高めるジョブチェンジシステム
TERRA BATTLEのやり込み要素の一つである成長要素についても,もう少し詳しく紹介しておこう。本作のキャラクターはバトルに勝利することで経験値を得て,経験値が一定値に達するとレベルアップする。レベルが上がると各種ステータスが上昇し,一定レベルごとに新たなスキルを習得するほか,レベル20以上になるとスキル枠が開放され,ほかのジョブで得たスキルを設定してキャラをカスタマイズできるようになる。
なお,ジョブチェンジは「酒場」で行える。しかしジョブチェンジには,「やるせない石」「やくそくの爪」「深月の涙」といった,敵からのドロップで入手するアイテムが必要となるので,ハンティングZONE(プリン)などを利用して積極的に集めるようにしたい(すべてのキャラがジョブチェンジに対応しているわけではないのだが)。
ジョブチェンジを行うと,各種パラメータがアップするほか見た目(イラスト)も変化する。違う武器種になるキャラもいれば同武器種のままジョブチェンジするキャラもいるので,このシステムを上手く利用すればチーム編成の幅がグッと広がる。RPGの“レベル上げ”感覚で,お気に入りのキャラをとことん強化してみるのも面白いだろう。
遊んでみると分かる,意外なほどの「RPGっぽさ」
今後の展開が実に楽しみな良作
2011年発売の「THE LAST STORY」から数えると,坂口氏にとって約4年ぶりの新作RPGとなるTERRA BATTLE。実際にプレイしてみて強く感じたのは,本作に対するミストウォーカーの“本気”だ。軽いゲームに見られがちなスマホ向けタイトルであり,坂口作品としては驚くほど落ち着いた(換言すれば地味な)RPGでありながら,奥深い遊びと重厚な世界観がしっかりと表現されている点は「さすが」の一言である。
ゲームの難度は比較的高めだが,キャラを育て,チーム編成を工夫し,敵の行動パターンや弱点を読みつつ,ここぞという場面で実力(とそこそこの運)を発揮できれば大抵の困難は突破できるところも,坂口氏の手がけるRPGらしい仕上がりと言えるだろう。一般的なパズルRPGの感覚で遊んでいると,難しすぎたり,キャラのレベルアップ速度に不満を感じたりするかもしれないが,ゲームバランスについては(開発陣が必要だと考えるなら)適宜調整されるはずである。
この記事が掲載される頃には,すでに70万,80万ダウンロードという数字を叩きだしているかもしれないTERRA BATTLE(※2014年10月17日,70万ダウンロード達成が発表された)。リリース直後の盛り上がりを見る限り,ダウンロードスターターにおける200万ダウンロード達成の公約(コンシューマ版の開発開始)も,かなり現実味を帯びてきているのではないだろうか。それまでには多数の新キャラクターが追加されるだろうし,70万ダウンロードで協力プレイモード,100万ダウンロードで対戦プレイモードの開発がスタートすることも公約されている。ゲームの質的にも,ミストウォーカーの熱量的にも,末永く遊べることは約束されているようなものなので,興味のある人はぜひ一度,気軽にTERRA BATTLEをプレイしてみてほしい。
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