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[TGS 2014]カードゲームで人気のOink Gamesがスマホゲームに殴りこみ。独特のテイストが楽しいパズルゲーム「MUJO」プレイレポート
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印刷2014/09/22 10:00

プレイレポート

[TGS 2014]カードゲームで人気のOink Gamesがスマホゲームに殴りこみ。独特のテイストが楽しいパズルゲーム「MUJO」プレイレポート

 ボードゲームとコンピューターゲームは,かなり昔から近い存在だった。たとえば日本に限っても,ボードゲームとして作られたウォーゲームを,ほぼそのままPCに移植したり,カードゲームをPCでプレイできるようにしたりといった試みが,1980年代から連綿と続いていたものだ。

画像集#002のサムネイル/[TGS 2014]カードゲームで人気のOink Gamesがスマホゲームに殴りこみ。独特のテイストが楽しいパズルゲーム「MUJO」プレイレポート
 近年は,ゲーム内で使える画像の解像度が大幅に向上したおかげで,ボードゲームを快適に遊ぶにあたって欠かせない「ひと目で見渡せる情報量」が増大。さらに,ニンテンドーDSとスマートフォンによって「タッチパネル」という直感的な入力デバイスが一般化したことで,ボードゲームをコンピューターゲーム化する動きが再燃している。とくにタブレット端末は,その最良のプラットフォームといえるだろう。
 そんな状況を背景に,独特の世界観とビジュアルを持ったカードゲームの制作で世界的に知られるOink Gamesが,新作ゲームをひっさげて東京ゲームショウ2014に参加した。彼らの作ったものは,「ゲームオーバーのないパズルゲーム」なのだという。いったいどんなゲームなのだろうか?


「パズドラ」×「さめがめ」?

パネルを集めて消して,敵と戦うパズルゲーム


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 Oink Gamesが出展していたのはiOS用の「MUJO」というパズルゲームだ。現在はiOS用だけだが,Android版も製作中とのこと。

 ゲームとしては,連続する同色のパネルを3枚以上タッチすることで消していくというのが基本となっている。「さめがめ」系のパズルといえば,イメージできる人も多いだろう。画面上側には敵がいて,攻撃パネルを消すと消した枚数だけ敵のHPにダメージを与える。敵のHPを0にすればステージクリアと,シンプルなルールのゲームだ。

 だが,ここにはひとつ障害が用意されている。敵のHPはパネルを消すごとに回復してしまうのだ。つまり,なるべく多くのダメージを,なるべく1度で与える必要がある。
 ところが敵のHPは,「100」とか「1000」とかいった数字が当たり前のように表示される。画面にあるパネルは8×8で最大64枚しかない。「これって無理ゲー?」といわんばかりだ。

 ここでミソとなるのが,パネルの長押しだ。パネルはタッチすると消えるが,消せるパネル群を長押しすると,それらのパネルが1マスに集まって,集めたパネルの2乗の価値に高まる。つまり,4枚集めれば16パネルぶん分,10枚集めれば100パネル分というわけ。これを利用すれば,敵のHPを一気に削り取れるのだ。

写真中央に3枚の攻撃パネルをまとめたら,価値は「13」になった。3枚なのに13パネル相当なのは,後述するキャラクターによる攻撃力補正の効果がかかっているため
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キャラクターは特殊能力でプレイを手助けしてくれるが,3名までしか保持できない
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 MUJOにはキャラクターの概念もある。画面下側に並ぶのがそれで,キャラクターは最大3名まで保持可能で,攻撃力を高めたり,画面上のパネルを変化させたりといった特殊能力を持つ。
 キャラクターは,それぞれ対応する色のパネルを消すことで,経験点を獲得して成長していく。「このままではちょっと難しいな」というステージも,キャラクターを成長させることでクリアできる可能性があるというわけだ。


あちらをたてれば,こちらがたたず

ジレンマにどう立ち向かうかがMUJOの鍵


 MUJO最大の鍵は,いわゆる「ジレンマ」である。
 たとえば,パネルを1か所に集めれば,高い価値を持ったパネルを作れるが,それを消すために「同じ色のパネルが3連続以上」という条件を満たすのが難しくなる。

画像左側から2列めの中央にあるのが黒十字型のパネルが爆弾パネルだ
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 また,ゲームを進めていくと「爆弾パネル」が出現するようにもなる。この爆弾パネルは一定の条件を満たすと爆発して,縦一列と横一列に並ぶパネルを全部消してしまう。普通の「さめがめ」系ならそこまで痛くないペナルティだが,1パネルに100や200といった価値を付与できるこのゲームでは,しばしば凶悪に痛い。

 パネルの価値を高めれば高めるほど効率は上がるが,そもそも消せなくなったり,爆弾で消えてしまったりする危険性も高まる。「どこまでまとめ,どこで消すのか」の判断こそが,MUJOのコアとなる面白さと言えるだろう。

 ところで冒頭で述べたように,MUJOにはゲームオーバーという概念がない。敵は存在するものの,こちらを攻撃したりはしないのだ。
 その代わりといってはなんだが,「このままではもうブロックを消せない」状態になっても,自動的な救済策はない。そうなったときプレイヤーは,「画面を1ライン上にスクロールさせ,新しい1ラインを登場させる」ボタンを押すことになる。

キャラクターの上にある「△UP」をタップすると,画面が1ライン上にスクロールし,新ラインが生まれる
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 これによって画面上にスクロールアウトしたパネルは消えてしまう。一生懸命育ててきた高価値パネルが消えれば,これまでの努力も水の泡だし,爆弾パネルがスクロールアウトすると,起爆条件が満たされてドカンだ。
 おまけに敵のHPは自然回復するので,「ゲームオーバーはないが,いつまでもクリアできない」状況はあり得る。ある意味,「これはクリアできなさそうだ」とどこで見切りをつけるのかでも,プレイヤーの判断が問われているといえるだろう。


App Storeでも快進撃中


有料のお助けアイテムは「パネルを1枚消す」効果を持つ
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 MUJOにキャラクターは登場するが,いわゆる「ガチャ」はない。キャラクターはゲーム中に登場する「宝箱パネル」をタップするだけで獲得可能だ。この宝箱パネルも「まとめる」ことが可能で,まとめればまとめるほど,レアリティの高いキャラクターが出てくる可能性が高まる。
 元々有料アプリ(200円)であることに加えて,任意のパネルを1枚消せるお助けアイテムがアプリ内課金で購入できる。これらで売り上げを立てているわけだ。

 Oink GamesはMUJOが初のTGS出展で,自社ブランドでのモバイル向けゲームもこれが初となる。ただし,これまでも受託開発でいくつもゲームを手がけているのだという。そのためか,自然で扱いやすいUIも含めてゲームの完成度は高く。非常に手慣れたものを感じた。

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 さて,Oink Gamesという会社は,今までにいくつも傑作カードゲームをリリースしている。そこで,こうしたカードゲームをアプリ化する予定はないかと聞いてみたところ,「ゲームのテイストが伝わらないことが多いので,現状では考えていない。ただし,アプリ化に適したカードゲームが完成したら考えていきたい」とのことだった。

 独特の雰囲気と良質なプレイ感に,こなれたUIも備えたMUJOは,App Storeのパズルカテゴリでトップを取ったほか,公開一週めにして世界20か国でトップ10入りを果たしたという。
 スマートフォンアプリでも快進撃を始めたOink Gamesからは,今後も目が離せなさそうだ。

「MUJO」App Store(iTunesが起動します)

Oink Games 日本語公式Webサイト

4Gamer「東京ゲームショウ2014」特設サイト

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