プレイレポート
タッチでMOBAが遊べるの? iOS「Vainglory」のインプレッションを掲載
しかし,PCゲーム発祥のジャンルであるMOBAが,タブレット / スマートフォンのタッチインタフェースで遊べるの? という疑問をVaingloryに抱いている人は少なくないはず。スマートフォンメインでゲームを遊んでいる層には,そもそもMOBA自体を知らない人が多いかもしれない。そのため本稿では,MOBA経験者と未経験者の両方の視点から,Vaingloryのプレイインプレッションをお伝えしていこう。
「Vainglory」公式サイト
「Vainglory」App Storeページ
MOBA経験者なら誰もが抱く疑問
タッチインタフェースで遊べるの?
筆者はタブレット「iPad Air」とスマートフォン「iPhone 5s」の両方でVaingloryをプレイしてみたが,結論から言うと,Vaingloryの操作感はかなり良好だ。
MOBAプレイヤーならご存じのとおり,これは“オートアタックムービング”などと呼ばれる,オートアタックのディレイ中に敵との距離を詰める/離す技術だが,キーボード&マウス操作の場合,移動もターゲッティングもマウス(片手)で行うことになるため,実際やろうとするとけっこう難しい。
タッチインタフェースだと先述のとおり,左手で移動,右手でターゲッティングという風に操作できるので,マウスでの操作時に比べると格段に簡単なのだ。PCでMOBAを遊びこんでいる人でも,Vaingloryは楽しめるタイトルだろう。むしろ,オートアタックムービングがタッチインターフェースだといかにやりやすいかを知るためだけに,Vaingloryを一度は遊んでみるのもアリなのではないだろうか。
1試合にかかる時間は15〜30分。これはMOBAとして一般的だが,タブレットやスマートフォン向けアプリとして考えると「長すぎる」かもしれない。もちろん試合は,最初から最後まで6人のプレイヤーとの同期対戦なので,それなりの通信環境が必須だ。電車で移動しながら遊ぶといったことは,現実的に難しいだろう。
MOBAの概要と
Vaingloryにおける基本的なゲーム展開
MOBAを知らない人のために,ざっくりとだが,MOBAとVaingloryそれぞれの概要を補足しておこう。
MOBAとは,Multiplayer Online Battle Arenaの略称で,複数のプレイヤーが2つのチームに分かれてバトルを繰り広げる“対人ゲーム”だ。プレイヤーはそれぞれ1体のキャラクターを操作し,仲間と共に勝利を目指すことになる。
イメージ的には,MMORPGの攻城戦を切り取ったもの,という感じだ。タンクやダメージディーラーといった役割を,各プレイヤーがうまく果たすことが勝利のカギとなっている。息の合ったプレイでうまく敵を翻弄したり,倒したりしたときの興奮は,なにものにも代えがたい。
試合のポジションは,レーンでミニオン(雑魚モンスター)にラストヒットを与えてゴールドを稼ぐ「レーン」,レーンの下に広がるジャングルで中立ミニオンを倒しながら,隙があれば敵のレーンにGank(奇襲)を仕掛ける「ジャングル」,そしてレーンとジャングルの両方をサポートするため臨機応変に動く「ローム」の3つ。マッチング後のヒーロー選択時に,自分はどのポジションをやりたいのかという意思を味方に示すことができる。
試合に勝つためのカギは,ミニオンにトドメを刺したり,敵のヒーローを倒したりすると獲得できる「ゴールド」を,いかに集められるかという部分にある。ゴールドは,回復ポーションを始めとする消耗品のほか,ヒーローの装備品を購入するときに必要なゲーム内通貨だ。ヒーローの強さは装備品一つでガラッと変わる。ゴールドをうまく稼げないうちは強くなれないといっても過言ではない。
ポジション的に一番ゴールドを稼げるのは,常に複数の敵/味方ミニオンが戦っているレーンである。敵ミニオンにトドメを刺すとゴールドが得られるので,うまく狙おう。
ジャングルにもミニオンが存在するが,ジャングルに存在するミニオンは「中立ミニオン」と呼ばれ,こちらは敵でも味方でもない。中立ミニオンもミニオンと同様,倒せばゴールドが手に入るため,レーンとジャングルの両方でゴールドを集めてチーム全体のゴールド獲得量を引き上げることが,勝利へとつながっていくだろう。
気をつけたいのは,ジャングルには身を隠せる“茂み”が多いという点だ。茂みの中は,茂みの外からは見えないため,敵のヒーローが待ち構えている可能性もある。ジャングルを1人で行動するのは非常に危険。なるべくロームとジャングルの二人三脚で動くのが基本だ。敵の位置が一定時間丸見えになる「フレア・ガン」と,視界を確保し敵に踏まれると爆発する地雷「スカウトトラップ」といった消耗品をうまく使うと,味方の危機を防いだり,すみやかに敵を倒してチャンスの状況を作ったりできることも忘れてはならない。
フレア・ガン |
スカウトトラップ |
このようにVaingloryは,MOBAとしてのだいご味がしっかりと押さえられ,少なくとも筆者がプレイした限りでは,ゲーム性のキモがスポイルされている印象は受けなかった。タブレット / スマホ向けアプリとしてはやや試合時間が長いことと,良好な通信環境を必須とする点はネックだが,持ち運びしやすい端末で本格的なMOBAを遊べるのは特筆すべきところだろう。
繰り返しになるが,とくにMOBAプレイヤーは,オートアタックムービングのやりやすさを確かめてみてほしい。
なお現在,Android版のβテストが実施されており,「こちら」のGoogle+コミュニティに参加申請しその承認を受けると,Android搭載の端末からiOS版と同じサーバーにインしてゲームを遊べる。Androidユーザーはぜひ参加申請を行おう。
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