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「MOBIUS FINAL FANTASY」ファーストインプレッション。“うまくやれた”感を味わいやすい「たたかう」が起点となる戦闘システムは絶妙のバランス
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印刷2015/06/06 00:00

プレイレポート

「MOBIUS FINAL FANTASY」ファーストインプレッション。“うまくやれた”感を味わいやすい「たたかう」が起点となる戦闘システムは絶妙のバランス

画像集 No.031のサムネイル画像 / 「MOBIUS FINAL FANTASY」ファーストインプレッション。“うまくやれた”感を味わいやすい「たたかう」が起点となる戦闘システムは絶妙のバランス
 スクウェア・エニックスは2015年6月4日,新作スマートフォン向けRPG「MOBIUS FINAL FANTASY」(メビウス ファイナルファンタジー,iOS / Android)の正式サービスを開始した。

 MOBIUS FINAL FANTASYは,ファイナルファンタジーVII / ファイナルファンタジーXIIIプロデューサーの北瀬佳範氏を中心とする開発チームが制作したタイトルだ。シナリオはFFVII / FFXの野島一成氏が担当し,FFシリーズでおなじみの「ジョブシステム」を採用したという本作は,どのような仕上がりになっているのか。本稿でそのファーストインプレッションをお伝えしよう。

料金形態は基本プレイ無料のアプリ内課金制
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記憶のない異邦人“ブランク”が目指す

「光の戦士」とは一体?


記憶を失い,パラミティアに流れ着いた経緯も不明という主人公「ウォル」
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 ゲームの舞台となるのは,地球に似た架空の世界パラミティア。この世界は今,「カオス」が率いる魔の軍勢に侵略され,絶望的な状況に陥っているが,いつの日か「光の戦士」が現れて世界を救うという予言が伝わっている。

 またパラミティアには,記憶を失った数多くの異邦人が流れ着いており,彼らは「ブランク」と呼ばれている。光の戦士はこのブランクの誰かであるとされており,主人公の「ウォル」(※ゲーム開始時に変更可)もその一人だ。姿も形もない「ヴォイス」という謎多き存在(?)の声に導かれながら,ウォルは具体的な目的も不確かなまま旅を始めることになる。

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ウォルに助言を授ける鎧の騎士「ガーランド」。怪しい
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物語の序盤でモンスターに襲われたところをウォルに助けられ,旅の案内役としてウォルに同行することを買って出たモーグリ族の「モグ」。可愛い
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パラミティア王国の王女様「セーラ・ロット・コーネリア」(通称セーラ)。クリスタルを介し,ウォルと出会うことになる。可愛い
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本来は姿が見えないはずの妖精「エコー」。なぜかウォルには見える。いきなりウォルの前に姿を現し,勝手にウォルについてくる。なお画面写真は見えた瞬間をすかさず捉えたもの


“うまくやれた”感を味わいやすい

「たたかう」が起点となるバトルシステム


 本作におけるバトルの基本は「たたかう」だ。戦闘中,敵を「たたかう」で攻撃すると“エレメント”が溜まる仕組みで,このエレメントは,フレイムソードやブリザドといった「アビリティ」の発動に必要なリソースとなっている。

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編成画面でデッキにセットした“アビリティカード”のアビリティが戦闘中に使える
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 フレイムソードなら「火」,ブリザドなら「氷」といった具合に,アビリティはそれぞれ属性があり,敵の弱点を突くように使うことで有効に活用できる(大ダメージを与えられる)。
 ただし「たたかう」で得られるエレメントの属性はランダムで,アビリティを発動するには当然同じ属性のエレメントが必要だ。火属性のアビリティを使いたいのに,水属性のエレメントばかり獲得しているという状況も起こり得る。

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戦闘はターン制。画面に表示された数字が1ターンの行動回数だ
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主な属性は「火」「水」「風」「土」の4種類。属性の強弱は,火には水,水には火,風には土,土には風が有効という,3すくみではなく相互に作用する関係になっている。「ハート」という,体力回復などに使う例外的な属性も存在するが,こちらはほかのエレメントに比べて獲得しづらい

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 そこで活用すると面白いのが,「エレメントリング」というシステムだ。エレメントリングを使うと,エレメントを吸収して,その属性への耐性が得られる。ハート属性のエレメントを吸収した場合は体力を回復できる。
 さらに,エレメントリングで吸収した属性のエレメントは一定時間,「たたかう」で入手しづらくなるという効果もある。こちらは聞く限りだと,デメリットに思えるかもしれないが,例えば火属性の敵との戦闘を想定してみてほしい。

 火属性の敵には,水属性のアビリティが有効だ。敵と同じ火属性のアビリティに活躍の機会はない。したがって,この戦闘において火属性のエレメントは不要。「たたかう」で火属性のエレメントを獲得したらガッカリするだろう。

 しかし,エレメントリングで火属性のエレメントを吸収すると,火属性への耐性を得られるうえ,火属性のエレメントが獲得しづらくなる。結果的には被ダメージが減り,水属性のエレメントが獲得しやすくなるという状況を作り出せるわけだ。要はメリットしかないのである。

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 といっても,エレメントリングは決して万能というわけではない。エレメントリングの吸収は,「たたかう」やアビリティの発動と同様に行動回数を消費するため,攻撃の手数を減らすことにつながる。あくまでも状況に応じた使い分けが重要で,だからこそ“うまくやった”ときはかなり爽快だ。

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序盤であったにも関わらず,ボスとの戦闘はかなり歯ごたえがあった。油断すると,マジでやられる(やられた)
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このほか,ゲージが溜まると必殺技を発動できたが,威力も実用性もイマイチというのが正直なところ。ある程度ゲームが進むと真価を発揮するのかもしれない


チュートリアル完了時点で使えるジョブは3種類

ジョブによって扱える属性が決まっている


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 本作における「ジョブシステム」は非常に分かりやすい設計で,主人公のジョブは,デッキにセットした「ジョブカード」で決定される。チュートリアル完了時点で「たまねぎ剣士」「みならい魔導師」「かけだしレンジャー」という3つのジョブカードを持っており,戦闘中以外は転職し放題だ。

 注意したいのが,ジョブによって扱える属性が決まっている点だ。例えば,たまねぎ剣士は火,水,土の属性を扱えるため,この3属性のアビリティカードをデッキにセット可能。火,水,風の属性を持つ敵に対して優位に立ち回れる。しかしその反面,土と光,闇の属性を持つ敵に対する有効な手立てはない。

 雑魚との戦闘はいわゆる「たたかう」オンリーのゴリ押しでも問題ない印象だが,ボスクラスの敵が相手になると,戦いが厳しくなること必至だ。

各ジョブは,戦闘で獲得できる“シード”を使ってスキルパネルを埋め,「オートアビリティ」などを習得する。スキルパネルをすべて埋めれば上位ジョブが開放される。このあたりを理解してくると,ジョブシステムの知識は十分といえるだろう
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ゲーム自体は文句なしに面白い!

バッテリーや熱が若干気になるかも


バッテリー消費や熱が気になる人は,コンフィグ画面から省電力モードを試してみよう
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 謎の多いストーリー,序盤から歯ごたえのあるボス戦,理解が進んでくると効率的な戦い方が見えてくるという絶妙なバランスのバトルシステム,そして(個人的には)地道に埋めていくスキルパネルが楽しいジョブシステム。プレイ時間は原稿執筆時点で2時間前後といったところだが,仕事を忘れて朝まで遊んでしまいそうなほど面白いと感じたというのが,本作に抱いた正直な感想だ。

 むしろ筆者が気になったのは,ゲームの内容とは別のところだ。iPhone 6 Plusを使って本作をプレイしているのだが,バッテリーの消耗が激しいのと,手に汗をかくほど本体が熱を持つという点である。個人的にはiPhone本体が心配になるわけではなく,単にゲームへの没入感が削がれるので,少なくとも熱に関しては,なんとかならないものだろうかと思っている。

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エコー役:丹下 桜さんのボイスがとくに寝かせてくれなそう
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スクエニ製の妖精だけれど,エコーには気を許してもいいよね

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