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[gamescom]非対称型対戦アクション「The Flock」は,一定期間でゲームそのものが終了。販売さえも終わることが明らかに
このことについて,同社のゲームデザイナーであり,広報担当でもあるJeroen van Hasselt(ジェローン・ヴァン・ハサルト)氏に話を聞いてきたので紹介しよう。
「The Flock」は,GDC 2015でも紹介したように,5人のプレイヤーによるオンライン対戦が楽しめる作品だ。プレイヤーは大きな爪を武器に高速移動する“フロック”と呼ばれるモンスターを操作するのだが,光を放出するアーティファクトを手に入れたフロックは“キャリアー”と呼ばれる人間型キャラクターに変身。キャリアーになったプレイヤーには,時間ごとにポイントが加算される。ほかのプレイヤーはそれを阻止するために,1人対4人で戦うことになるわけだ。
アーティファクトは非常に重いために,キャリアーはゆっくりとしか進めないが,そこから放たれる光をフロックに当てるとキルできるという特性を持つ。対して,4人のモンスター役のプレイヤーは,この光に当たらないように攻めることになる。またフロックの防御策として,自分の動きを止めることで自分の体を石化し,光の影響を防ぐことができる。ほかのプレイヤーと協力して,四方八方からジリジリとキャリアーを追い詰めていく様は「だるまさんが転んだ」のようだ。
そんな「The Flock」だが,冒頭でも述べたように,カウンターがゼロになると本作が遊べなくなるという。ヴァン・ハサルト氏はこの理由として,「99%のオンラインゲームは,リリース直後にしばらくするとプレイヤー人口が減り,非常に淋しいものになって忘れられていく。我々インディーズ開発者としては,より多くの人にプレイしてもらいたいという願望はありますが,想定される閑散とした状態をダラダラ続けるよりも,もっとプレイヤーの記憶に残る形でゲームにエンディングをもたらせたいと考えています」と話す。
そこで作られた本作の設定が,フロックたちは人間の姿になろうと努力しており,アーティファクトを手に入れて勝ち残った1人が人間の姿になれるというもの。いずれは,この世界のフロックはほぼ消滅してしまうのだ。フロックがキルされたときに,それもカウント減少に含まれるのか詳細は不明だが,すべてのプレイヤーが共有するフロックのカウンターがゼロになると,その時点でゲームのフィナーレ的な新しいモードがアンロックされて,しばらくするとゲームは完全に終了。プレイできない状態になるという。もちろん,プレイできないのだから,この時点でゲームの販売も終了することになるのだ。
長きにわたって開発した自分のゲームを,自らの手で意図的に終わらせてしまうというのは非常にユニークであり,注目されつつある「The Flock」が,さらに多くのゲーマーからスポットライトを浴びることになるのは間違いなさそうだ。
なお,ヴァン・ハサルト氏によると,gamescom 2015が終了してから非常に近い時期に大きな発表を行うとのことで,第3四半期が想定されていた正式ローンチ日や,フロックのカウンターについての具体的なアナウンスがあると思われる。
また,Vogelsap側は現在のテストに参加している日本人プレイヤーのテスターとしての能力に非常に感謝している様子で,今年の東京ゲームショウにも参加する予定とのこと。何か,さらに大きな計画もあるようなので,正式な発表を待ちたいところだ。
「The Flock」公式サイト
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The Flock
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