ミュージック フロム ゲームワールド：Track 16

　今年のプロ野球もオールスターゲームが終わり，後半戦へと突入しました。今年はセ・リーグの混戦が非常に熱く，広島ファンの私も毎試合，目が離せません。さて，近年は女性の広島ファンを指す「カープ女子」や，女性のオリックスファンを指す「オリ姫」など，女性ファンが増えていることが注目されています。

　では，ゲーム音楽界隈はどうでしょうか。一口にゲーム音楽といっても，元のゲームに依存するジャンルだけに，もちろん男性ファンも女性ファンもいるのですが，あえてここでゲーム音楽ファンの女性を指す愛称を考えてみたい！

　「ゲーム音楽女子」「ゲームミュージックガール」「げーみゅっ娘」「ゲーオト姫」──と，思いつきを並べてみましたがいかがですか。それ以前に，この連載を読んでくれているゲーム音楽が好きな女性はいるんでしょうか!?　もしいたら，Twitterのユーザー名とかに「いおな＠げーみゅっ娘」みたいに書いてくれちゃってもいいんですよ！
　ということで今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」へ，男子も女子もまとめてご招待！

壮大なファンタジー世界に似合うオーケストラサウンド

「サウザンドメモリーズ オリジナルサウンドトラック vol.1」

タイトル	サウザンドメモリーズ オリジナルサウンドトラック vol.1	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年7月22日
価格	2500円（税込）
発売元	noisycroak RECORDS
コピーライト	（C）2015 Akatsuki Inc. （C）2015 noisycroak Co.,Ltd. （C）COCOCARA Inc. （C）Miracle Bus. Co.,LTD.

　今やスマホでも壮大なファンタジー世界を描いたRPGが遊べるようになり，筆者も現在進行形でプレイしているゲームがあります。それは，通称「千メモ」と呼ばれる「サウザンドメモリーズ」（iOS/Android）です。

　王道のファンタジー世界をベースにしながら，可愛くて親しみやすいチビキャラが動き回り，シンプルな操作で手軽にサクサク進められるこのゲーム。音楽もいいなと思いながら楽しんでいたところに，待望のサントラがリリースされました。ということで，今週の1枚めは「サウザンドメモリーズ オリジナルサウンドトラック vol.1」をご紹介！

　作曲はノイジークローク所属のいとうけいすけ氏が手掛けており，壮大なオーケストラサウンドを軸に，サントラにはバラエティに富んだ楽曲が揃っています。500年の歴史を紡ぐ世界観を描いた「Theme from THOUSAND MEMORIES」で幕を開け，続いて力強く飛び出してくる通常戦闘曲「ロード・オブ・リターナーズ」が一気に“千メモワールド”に引き込んでくれます。
　そして，緊迫感を煽るコーラスとハードな演奏が襲い掛かる3曲めの「ラスト・バトル」では，早くもクライマックス気分！　なぜこんな前半にラストバトルの曲が？　と疑問に思った人は，実際にゲームをプレイして，その理由を確かめてみてください。

　サントラの折り返し地点にさりげなく配置されている美しいアコースティック曲「涙は涸れず、嘆きは癒えず」では，悲壮感あふれるメロディとサウンドがダイレクトに胸に刺さり，「アルティメット・バトル」では「Theme from THOUSAND MEMORIES」で流れていたメロディをモチーフにしつつ，ロックオーケストラ風アレンジに仕上げられており，意外性が楽しめます。
　さらに，後半のハイライトであるテーマ曲「果てしなき空」が神秘的な雰囲気で空気感を一気に変えるなど，アルバムを通して聴きどころが満載です。

　そして個人的にお気に入りな点は，コンパクトにまとまっており，何度もリピートして聴きたくなるところ。ゲームの合間に，ちょっと“千メモ”の世界に浸ろうと思ったときにすぐに聴ける，ちょうどいい長さになっています。
　ちなみに「サウザンドメモリーズ オリジナルサウンドトラック vol.1」は配信版が先行リリースされており，CD版は2015年7月22日にリリースされたばかり。CD版にはボーナストラックとして「Theme from THOUSAND MEMORIES（piano version）」と「The Great Battle」が追加収録されているので，お好みのほうをどうぞ。

noisycroak RECORDS公式サイト

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“BEMANI MUSIC FOCUS”の楽曲も収録！

「REFLEC BEAT groovin'!! Upper ORIGINAL SOUNDTRACK」

タイトル	REFLEC BEAT groovin'!! Upper ORIGINAL SOUNDTRACK	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年7月1日
価格	3200円（税抜）
発売元	KONAMI
コピーライト	（C）2015 Konami Digital Entertainment

　ゲーセンで遊べるKONAMIの音楽ゲームには，ステキな思い出が詰まっています。カップルが2人で協力して「pop'n music」を遊んでいるのを横目に，ひたすら1人プレイに明け暮れたり，バンドを組んでギターをやっていたことで調子に乗り，友人の前で威勢よく「GuitarFreaks」やったところ，ちっともカッコいいプレイができなかったり……。
　ちなみに現在は，「クイズマジックアカデミー」の大会やキャラ台があることでも有名な地元のゲーセン「タイトーイン綾瀬」を拠点に，仕事帰りに「REFLEC BEAT」などの音楽ゲームを遊ぶ日々です。ということで，今週2枚めは「REFLEC BEAT groovin'!! Upper ORIGINAL SOUNDTRACK」を紹介します！

　「REFLEC BEAT」シリーズ最新作「REFLEC BEAT groovin'!! Upper」からの初のサントラとなる本作は，オリジナルサントラ1枚と，ゲーム内の期間限定イベント「BEMANI MUSIC FOCUS」で使用された楽曲を収録した2枚を合わせた，3枚組の大ボリューム。
　DISC 1は，昭和レトロテイストのメロディを独自のデジポップに昇華した猫叉劇団の「envidia」でスタート。9曲め，もえよ！功夫娘々☆Primの「はおち〜♡カンフー娘の鉄拳フルコース!!」のコミカルなチャイナミュージックも印象的です。

　そして私のお気に入り楽曲その1は，DJ TOTTO VS 兎々の「伐折羅-vajra-」。ボス曲といえばDJ TOTTOという期待を裏切らない，高難度のハイスピードナンバーで，中間部の美麗なピアノのメロディに聞き惚れてしまって何度もリピートしたくなる1曲です。
　お気に入りの2曲めは，tūmahaBという謎のコンポーザーによる「Eclipse Zero」。アンビエントな雰囲気が漂うピアノフレーズを高速ビートに乗せて疾走するこの曲。キメの部分で聴ける“パァーン”という音に聴き覚えがあるのは気のせいでしょうか？　tūmahaBの正体について，ぜひ楽曲を聴きまくって核心に迫ってみてください。

　DISC 2以降には，BEMANIアーティストが厳選した楽曲を，一部にリミックスも交えつつ収録。新しいファンは人気の曲をまとめて堪能でき，シリーズのファンにはベスト盤として楽しめる構成になっています。全3枚で構成されたこのアルバム，アッパーな楽曲で自分自身もアッパーになって楽しんじゃってください！

コナミスタイル「REFLEC BEAT groovin'!! Upper ORIGINAL SOUNDTRACK」

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，モタビア星に単独移住して現在に至るゲーム＆ゲーム音楽好き。ほかの趣味は邦楽インディーロック追跡，突発自転車旅行，広島東洋カープの応援など。ゲーム音楽好きが高じて本連載のほかに「ゲームサイド」シリーズ誌でゲーム音楽コーナー「撃音！」「激音！」「劇音！」の連載，ニコニコ生放送公式CHのクラリスチャンネルでゲーム音楽番組「Fami on♪」のプロデュース＆パーソナリティを担当。さらにゲーム音楽レーベル・クラリスディスクではスーパーバイザーも担当。今年の目標はWii Uを購入すること（3年連続3回目）。