連載
ミュージック フロム ゲームワールド:Track 55 「ネットハイ」「ALICE ORDER」
ゴールデンウィークもいよいよ残りわずか。最近はすっかり暖かくなったので,ゲーム音楽を詰めまくったiPodを片手にあちこちのCDショップをハシゴする,健康的なアウトドア生活を送る毎日です。自宅でもりもり増えるCDの山で遭難しないようにしたいものですが,今週もそんな音楽漬けの生活で見つけたとびっきりのゲーム音楽を紹介します。それでは「ミュージック フロム ゲームワールド」,いきまっしょい!
遊び心満載の勢いあふれる“打倒リア充”サウンド
「ネットハイ オリジナルサウンドトラック」
タイトル | ネットハイ オリジナルサウンドトラック | |
発売日 | 2016年3月23日 | |
価格 | 3200円(税抜) | |
発売元 | ティームエンタテインメント | |
コピーライト | (C)2015 Marvelous Inc. |
現代のネット界隈のコミュニケーションをパロディ化したマーベラスのPS Vita用ソフト「ネットハイ」。遠慮なしに登場する怒涛のネットスラングに圧倒されるこのゲームですが,BGMのほうも若さと勢いあふれる楽曲が目白押し。「龍が如く」シリーズや「ストリートファイターV」の作曲を手掛けている若林タカツグ氏による楽曲は,曲名と曲調のどちらも遊び心満載。今週の1枚めは,そんな「ネットハイ オリジナルサウンドトラック」を紹介します!
ホーンセクションを多用したジャズフュージョンを軸に据えたサウンドスタイルが本作の特徴で,ゲームタイトルを冠したDISC1の1曲め「ネットハイ」の,カラッと爽快でちょっとファンキーな演奏が気持ちイイ! ゆったりとしたジャズのグルーヴと各楽器の即興フレーズによるリレーが楽しめる2曲めの「とある日常」も,いわゆる“日常曲”でありながら味わい深いアレンジにニヤリ。
そしてカントリー風のギターソロが展開される「ウェーイ」が,これまた軽快な曲。カウボーイハットをかぶった,くわえタバコの渋い兄ちゃんが路上でプレイしている姿が浮かんできます。さらに曲名と曲調の合わせ技で盛大に笑わせてくれるのが「賢者タイム」。気だるくもムーディなアレンジが,“アノ時”の状態を表し過ぎていて無駄にリアル! 突き抜けるロックンロールな「俺の時代が来た」もカッコイイ!
DISC2の「自宅警備員」で聴ける,あまりに優雅なピアノフレーズには,そんな悠々自適でいいのかと問いたくなりますが,ほんの少し切なさを感じさせるフレーズが自宅警備員の悲しみにも思えてちょっとしんみり。メロディが心に傷跡を残して去っていくようです。ラストは熱血ヒーローアニメの主題歌をオマージュしたゲーム劇中歌「墓守超人グレイブバーン」。これぞアニソンな曲調と,ユニークな歌詞には笑いと熱さが同居しています。
攻めの勢いが楽曲にも十分すぎるくらい現れているこのサントラ。パンクスピリッツあふれるゲーム内容と,その熱を音ではじき返したような爆裂サウンドをしかと聴くべし!
「ネットハイ オリジナルサウンドトラック」公式サイト
林 ゆうき氏が手掛けた初のゲーム音楽がサントラ化!
「ALICE ORDER Original Soundtrack」
タイトル | ALICE ORDER Original Soundtrack | |
発売日 | 2016年3月23日 | |
価格 | 2300円(税抜) | |
発売元 | スクウェア・エニックス | |
コピーライト | (C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. |
スクウェア・エニックスがiOSとAndroid向けに配信中の“超能力ミリタリーRPG”「ALICE ORDER」。シナリオを「ARMS」「D-LIVE!!」で知られる七月鏡一氏,メインビジュアルを「シュタインズ・ゲート」のhuke氏が担当していることで話題を集めている本作のサントラがさっそく登場しました。今週の2枚めは,その「ALICE ORDER Original Soundtrack」を紹介します。
音楽は,現在公開中の劇場映画「僕だけがいない街」を始め,多数の映画やテレビドラマ,アニメ作品の楽曲を手掛けてきた林 ゆうき氏が担当。「ALICE ORDER」は林氏にとって初となるゲーム音楽で,どんな楽曲で聴き手を驚かせてくれるのかが注目ポイントです。
サントラでは,混沌とした世界観をオーケストラサウンドを軸にした楽曲で表現。まずは1曲めの「ALICE ORDER」が“日本崩壊”による危機的な状況に立ち向かうべく,力強く流れてきます。メインバトル曲「Valkyrie Dance」は,クラシカルなフレーズを交えて疾走する,最高にかっこいいキラーロックチューン。静と動が繰り返されるなか,ドラマティックなメロディで迫ってくる「Poetry of heroes」もイチオシの曲です。
軽快なビートとラウンジミュージック的なアレンジが特徴の「Lottery」の意外性は,アルバム中盤のいいアクセントに。悲壮感漂うピアノプレイとストリングスが印象的な「What is lost」には,退廃した美しさに鳥肌が立つ瞬間も。同じくピアノをフィーチャーした「Return」も素敵な曲で,瞬間的にさりげなく挿入されるアコギのフレーズに胸キュンです。ラストの「Divine judgment」は荘厳なコーラスと共に畳み掛けてくる焦燥感にノックアウト間違いなし!
まさに林 ゆうき氏の“今”を切り取ったかのような,見事なサウンドの数々はさすがのひと言。ゲーム音楽という枠を超えて,一人でも多くの人に聴いてもらいたいと感じさせる1枚です。
スクウェア・エニックス e-STORE「ALICE ORDER Original Soundtrack」
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