ミュージック フロム ゲームワールド：Track 100 「パックマン チャンピオンシップエディション」「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3」

　本連載も，ついに記念すべき100回め。読者の皆様，ありがとうございます！
　ところで，先日4Gamerに掲載されたグレフさんへの訪問記事は，グレフゲー大好きな筆者にとって俺得記事でした。ちなみに同社タイトルの中でもとくに好きな「アンダーディフィート」は，これまでアレンジアルバムが制作されていません。グレフさん，そろそろいかがでしょうか？
　と，個人的要望を絡めつつ，100回めの「ミュージック フロム ゲームワールド」も，通常運転で始めたいと思います。

さまざまな年代の音をミックスしたナムコ流テクノサウンド

「パックマン チャンピオンシップエディション サウンドトラックス」

タイトル	パックマン チャンピオンシップエディション サウンドトラックス	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2017年4月4日
価格	2600円（税抜）
発売元	SweepRecord
コピーライト	（C）BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

　今週の1枚めは「パックマン」を正統進化させた「パックマン チャンピオンシップエディション」シリーズのサントラ，「パックマン チャンピオンシップエディション サウンドトラックス」をご紹介。
　2007年にリリースされた「パックマン チャンピオンシップエディション」を皮切りに，2010年の「パックマン チャンピオンシップ エディション DX」，そして2016年の「パックマンチャンピオンシップエディション2」，3作品の楽曲をCD2枚組で全曲収録しています。

　作・編曲には，大久保 博氏や井上 拓氏といったバンダイナムコスタジオ所属のコンポーザーを始め，現在は同スタジオを離れてフリーランスとして活躍中の川田宏行氏やAJURIKA氏も参加。1980年代のピコピコサウンドや1990年代のシンセサウンドなどを，今の音と一緒に一か所に放り込んでごちゃ混ぜにした，ナムコ流テクノサウンドが楽しめます。

　サントラは冒頭からエンジン全開。DISC1の1曲めは，みょんみょんと鳴っているアナログシンセのような音が気になってしまう井上氏の「2nd ENTRANCE」に始まり，繊細な旋律にずぶといビートを絡ませながらハイテンションで駆け抜ける，AJURIKA氏の「PAC JUMP UP!」，Mitsuhiro Kitadani氏のちょっとクールな「PAC LEVEL CAP」といった曲がノンストップで押し寄せてきます。「ディグダグ」のキュートなフレーズを散りばめた，川田氏による「HORINESIAN SUNDANCE」はナイスアレンジ！

　ナムコテイストをふんだんに散りばめて，愛らしいテクノアルバムに仕上がった，ナムっ子必聴のこのサントラ。筆者は速攻で虜になりました！

「パックマン チャンピオンシップエディション サウンドトラックス」公式サイト

---

玄人好みの選曲も──「FF」ブラスバンドアレンジ第3弾

「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3 with Siena Wind Orchestra」

タイトル	BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3 with Siena Wind Orchestra	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2017年3月15日
価格	2500円（税抜）
発売元	スクウェア・エニックス
コピーライト	（C）2017 SQUARE ENIX CO., LTD. Character Graphic: Kazuko Shibuya

　今週の2枚めは，「ファイナルファンタジー」シリーズ楽曲のブラスバンドアレンジアルバム第3弾，「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3 with Siena Wind Orchestra」を紹介します。年に1枚のペースで毎年3月にリリースされてきた同シリーズですが，今作も「待ってました！」といったタイミングでの登場です。演奏はもちろん，シエナ・ウインド・オーケストラが担当しています。

　今作は玄人好みの選曲が増えた印象で，ディープな「FF」ファンのハートをがっちりと掴みにきています。目の前に壮大な世界が広がっていくような1曲め「ファイナルファンタジーVメインテーマ」は，これぞオープニング曲といった貫禄。3曲めの「グルグ火山」はシンプルで印象的なメロディを多彩な楽器で奏でつつ，ブラスアレンジに違和感なく収めています。

　エスニック風のイントロで始まる4曲めの「Vamo' alla Flamenco」は，楽曲にぴったりと寄り添ったアコースティックな演奏が魅力的。そして10曲めの「エアリスのテーマ」は，優しいメロディを存分に堪能させてくれる，起伏に富んだ素晴らしいアレンジ。当時の思い出があふれてきて，これは泣けます。

　シリーズ第3弾は，よく“勝負作”とも言われますが，「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3 with Siena Wind Orchestra」は過去2作を超える力の入ったアレンジと演奏を聴かせてくれるオススメの1枚です。

「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3 with Siena Wind Orchestra」特設サイト

---

■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。所有CDは5000枚以上の廃人音楽オタ。2017年からは自らメンバーを集めて結成したアイドルグループ，DORCA（ドルカ）のプロデュースもしています。