ミュージック フロム ゲームワールド：Track 194 「エスプレイドΨ」「ファイナルファンタジーVII」

Illustration by しなぷう

　ファン待望の「FINAL FANTASY VII REMAKE」が，いよいよ2020年4月10日に発売されます。今回はそれにちなんで「ファイナルファンタジーVII」のアレンジアルバムを取り上げているのですが，何度も聴いているうちに待ち切れなくなって，オリジナルのPlayStation版の再プレイを始めてしまいました。リメイク版の発売までには，クリアしたいと思います！

　ということで，今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」は，「エスプレイドΨ」のアレンジサントラと「FINAL FANTASY VII」のジャズアレンジの2枚をご紹介します。

リミックスされた軽快なテクノチューンが炸裂

「エスプレイドΨ Drive Waves 2019」

タイトル	エスプレイドΨ Drive Waves 2019	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2020年1月23日
価格	2700円（税抜）
発売元	SweepRecord
コピーライト	（C）ATLUS （C）SEGA （C）2019 M2 Co., Ltd. Original Game :（C）ATLUS/CAVE 1998

　1998年に発売されたアーケードゲーム「エスプレイド」。今週の1枚めは，その初移植となる「エスプレイドΨ」（PS4/Switch）の楽曲をCD2枚組に収録した，「エスプレイドΨ Drive Waves 2019」をご紹介。コンシューマ版では新たにアレンジBGMモード「Drive Waves 2019」が追加されており，そのリミックス曲を収録したのが本サントラとなります。

　過去にPlayStation 2で発売された「怒首領蜂大往生」と「エスプガルーダ」では，スーパースィープのコンポーザー陣が中心となって手がけたアレンジモード用のリミックス曲が追加されていましたが（サントラ盤は「怒首領蜂＆エスプガルーダ-perfect remix-」のタイトルで2005年にリリース），本作もまさにその延長上で作成された1枚と言えそうです。

　DISC1には，全20曲のリミックス曲を収録。2曲め「DESPERATE SCHOOL」はアッパーな四つ打ちテクノチューンで，「エスプガルーダ」のSTAGE1曲「血別〜血着」にも通じる，エモーショナルなメロディラインが耳に残ります。6曲めの「ACT IN JUDGE」は明るいメロディが印象的なテクノポップ。いつまでも聴いていたくなる仕上がりです。

　11曲めの「YAKSA」はシンプルなシーケンスが繰り返されるトランスナンバー。エンドレスで聴いていると，トリップしてしまいそう……。15曲めの「RAGE」は，「エスプレイドΨ」で追加された新曲をリミックスしたもの。寂しさと安堵感が交錯するスローバラードです。

　DISC2には，ロングバージョンのエクステンドリミックスを10曲収録。通常のリミックスとはまた違ったテイストで，「エスプレイドΨ」のサウンドを2度楽しめる豪華な構成になっています。シューティングゲーム楽曲の魅力の1つである，軽快なテクノミュージックが満載のサントラです。

「エスプレイドΨ」公式サイト

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「FFVII」の楽曲を通じてジャズの魅力を知る

「SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY VII-」

タイトル	SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY VII-	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2020年1月22日
価格	3000円（税抜）
発売元	スクウェア・エニックス
コピーライト	（C）1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA illustration: NOVOL

　今週の2枚めは「SQUARE ENIX JAZZ」シリーズ第3弾となる，「SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY VII-」を紹介します。タイトルどおり，今回は「ファイナルファンタジーVII」から厳選された楽曲を収録。本シリーズではおなじみのトロンボーン奏者中川英二郎氏と，ベーシストの川村 竜氏がジャズアレンジを手がけており，演奏のクオリティと熱量は保証付き！

　1曲めは「オープニング〜爆破ミッション」。ピアノのフレーズが張り詰めた雰囲気を生み出す冒頭部分から，チェロの太く生々しい音が先導するバンド演奏へ。原曲のモチーフを採り入れつつ自由なフレーズを生み出していく，楽器同士がぶつかり合う演奏がスリリング！

　3曲めは人気曲「エアリスのテーマ」。前半はピアノを主体とした演奏で，中盤からはホーンセクションを導入した，ムーディなジャズバラードに仕上がっています。7曲めの「更に闘う者達」は，メインとなるフレーズに各楽器が次々と飛び込んできて見せ場を作っていく構成が鳥肌モノ。ピアノの速弾きフレーズや，ホーンセクションによる即興ソロバトルなど，濃厚なアレンジが楽しめます。

　9曲めの「J-E-N-O-V-A」はスピード感のある原曲とは打って変わって，意外にもスローテンポなアレンジに。前半は穏やかな空気感で進行しますが，中盤以降の盛り上がりにも要注目。そしてラストは「F.F.VII メインテーマ」。原曲は神秘的なオーケストラナンバーでしたが，ジャズバンドによる演奏でずいぶんと賑やかな曲へ変貌を遂げています。これぞジャズ音楽の本領発揮といったところ！

　「ファイナルファンタジーVII」の楽曲を通じてジャズの魅力を伝えたいという，制作陣の熱意が強く感じられるこのアルバム。普段はあまりジャズに馴染みがないという人も，「FINAL FANTASY VII REMAKE」の発売に向けて，本アルバムで気持ちを高めておいてはいかがでしょうか。
　また，明日2月15日には，大阪・ Billboard Live OSAKAで本アルバムの楽曲を披露する「Billboard Live presents SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY VII-」が開催されます。お時間に余裕のある人は，こちらもぜひ。

「SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY VII-」公式サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来は惑星あくあに移住してサイキックと共存しながら最新ゲームで遊びまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，あまりりすのプロデュース＆運営も手掛けています。