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[gamescom]EA作品としては異色なパズルゲーム「Unravel」のハートウォーミングなプレイアブルデモを体験
本作は,Electronic Artsの今期のポートフォリオに名を連ねる新規タイトルとして,E3 2015で発表されたパズルアクションゲーム。見た目だけで判断すれば「リトルビッグプラネット」シリーズのようなリアル系のグラフィックスと,毛糸でできた主人公がアンバランスな印象の,過去のEA作品の中でも異色な作風になっている。
開発を担当するColdwood Interactiveは,2003年にスウェーデン中部の田舎町ウメオに設立され,これまでにスキーをテーマにしたゲームを手掛けるなどしてきたが,パズルアクションを開発するのは初めてのこと。本作では「自分達の生まれ育った環境を描く」ことをコンセプトに,独自のゲームエンジンまで作り上げており,たった14人という小規模ながら,非常に能力の高いチームであると言えるだろう。
主人公の「ヤー二ー」(Yarny)は,編み物が趣味のおばあさんがバスケットに詰め込んでいた毛糸玉の中からこぼれ落ちた,赤い糸の屑から生まれたクリーチャーだ。日本で「赤い糸」といえば運命の相手と結ばれることを暗示するが,このヤー二ーも離れ離れに生活するおばあさんの家族を呼び戻し,おばあさんをハッピーにしてあげようと奔走することになるという,非常にハートウォーミングな物語が描かれている。
今回プレイできたのはゲームの序盤と思われる部分で,外の世界を知らないヤー二ーが,草むらから飛び立つ蝶々にビックリするなど,世間知らずでオドオドとした様子が見られた。後方にしっぽのように糸が伸びているのは,その先端がおばあさんの家までつながっているからだと思うが,進んでいくにしたがってヤー二ーの体もやせ細ってしまうので,ところどころに落ちている毛玉で補充しながら冒険していくというわけだ。
ゲーム中には池やベンチなどの人工物から,樹木に至るまでのさまざまな障害物が存在しており,ジャンプ力がそれほどあるわけではないヤーニーは,自分の体から放出する糸をうまく利用してそれらを乗り越えていくことになる。今回のデモでは,突起に糸を絡ませて登ったり,ターザンのようにスイングして別の場所に移動したりといった,いくつかの基本動作を確認できた。
また,2か所の突起を糸で結ぶことで橋を作り,これを使ってリンゴや浮きなどの軽量のオブジェクトを移動させたり,トランポリンのようにして自分の体を高所に飛び上がらせたりも可能だ。こうした「自分の進むべき道筋にある障害物を乗り越えていくこと」を念頭に置いた謎解きが,本作の基本的なゲームプレイになっている。
今回のデモは,木の上に引っかかった凧までたどり着き,風に乗ってうまく森を脱するところで終わっていたが,Electronic Artsのメディアブリーフィングでは「Sea」と題された海辺を舞台にしたレベルも紹介されており,スウェーデンの大自然を背景にしたさまざまな環境が描かれているようだ。
現代社会における家族の離散がストーリーの根底にあるものの,どこか民謡調の音楽も手伝ってか北欧の童話のような雰囲気があり,老若男女を問わず楽しめそうな本作。海外では2016年第1四半期の発売が予定されているとのことだが,日本でのリリースにも期待したい。
「Unravel」公式サイト
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(C)2015 EA International (Studio and Publishing) Ltd.
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