企画記事
「Detroit: Become Human」をクリア済みの4Gamerスタッフで語り合ってみた。たった1つの選択で,全く違う物語に
革命を起こすために何を犠牲にする?
革命の先導者,マーカス編を語ろう
鼬:
次はマーカスの物語について語っていきましょう。チャプター「ストラトフォードタワー」で世界にメッセージを配信するため,放送室をジャックします。その時に,放送室から1人おじさんが逃げ出すんですが。
さがさん:
ああ。殺すシーンね。
鼬:
殺すって確定なの!?(笑)
さがさん:
だって,ノース※が撃てって言うから……。
※ノース……マーカスと共に行動するアンドロイド。選択によっては,マーカスとの間に恋愛感情が生まれる。
だび:
僕は撃たなかったです。マーカスパートに関しては完全に考えが一貫してて,人間側に誰一人として犠牲を出しちゃいけない。こっち(アンドロイド)にいくら犠牲が出ようとも,手を出したら終わりだと思ってました。非暴力不服従のガンディー精神ですよ。
鼬:
1人でも撃っちゃったらそれが世論に反映されそうだもんね。
さがさん:
私はノースの好感度を上げたかったから撃ちました。
鼬:
思考が完全に乙女ゲーだよね? 世間体より愛する人のためって感じ。
だび:
僕は全く逆ですね。アンドロイドという種が生き残れば,ノースとの関係はどうでもいいみたいな。
鼬:
私はマーカスを操作する時,脳裏にチラチラと以前の主だったカールの姿がよぎって,最後まで人を殺せなかった。で,次ですよ。SWATが突入してきて,負傷してこれ以上逃げられない仲間のサイモンを「置いていく」か「殺す」かの選択を迫られます。
だび:
僕はサイモンを撃ちました。そのまま残して置いていったら敵に情報が流出するじゃないですか。アンドロイド全体のために,悪いけど君は死んでくれって。
さがさん:
シビア……。
鼬:
私はマーカスの手を汚したくなかったから撃ってない。
さがさん:
私もそのまま置いていきましたね。さすがに自分の手で仲間は殺せなかった。
鼬:
オペレーターのおじさんはすぐ撃ったのに?
さがさん:
だってノースが……。
鼬:
でも今になると,サイモンを置いていくのもけっこう残酷かなって思いますね。その後解析されたり,あんなことやこんなことをされるかもしれないし。ちなみに,サイモンを殺したのは世界で11%です。だびさんは少数派ですが。
だび:
だって,人間側に犠牲が出なくて,アンドロイドさえ存続すれば良いでしょ。
さがさん:
私は仲間の好感度しか気にしてなかったな。
だび:
僕はノースには最後までめちゃくちゃ反発してましたね。ノースは人間には攻撃的なのに,アンドロイドには甘すぎますよ。
あなたは平和的な革命を望みますか?
それとも暴力的な革命を望みますか?
鼬:
チャプター「キャピタルパーク」でいよいよマーカスたちが本格的に動き出します。ここで暴動を起こすわけですが,マーカスの起こすアクションによって,人を傷つけない平和的なものか,暴力的なものになるかが決まります。ちなみに,世界の比率だと74%が平和的だったようです。
だび:
そりゃ僕もLove & Peaceでしたよ。
さがさん:
ここまでたくさん,人を殺してきた私ですけど,ここは平和的な暴動を選びました。
鼬:
その時によってやることが違うよね(笑)。
さがさん:
我ながらすごいちぐはぐだった(笑)。
鼬:
それ世論に叩かれるんじゃない?
さがさん:
そう! なぜか世論の好感度が全く上がらなかったんですよ。平和的に動いてるのに。
鼬:
いやいや,「なぜか」じゃないよ。ちなみに私も平和的な暴動を選択しました。その後のチャプター「自由への行進」ではマーカスたちによるデモがはじまります。
さがさん:
ここでノースと恋人関係になった気がする!!
だび:
そうそう。僕はノースと考えがまったく反対だったから,好感度なんて上がらないと思ってたのに,最後にキスをして「どういうことだ!?」ってなりましたもん。
さがさん:
私はその時「よし!」って思いましたけどね。
鼬:
恋人関係になった人はけっこう多いみたいで,ノースの“攻略難度”はそんな高くないんだよね。そういうゲームじゃないですけど。
さがさん:
それ聞くと「私がノースのために人を殺したのは,一体なんだったんだろう」って思っちゃう。
だび:
僕も完全にぽかーんでしたね。この人とはうまくやっていけないと思っていたのに,突然あれって感じ。
鼬:
デモを始めてしばらくすると,警察が行く手を阻んできます。この時の選択肢は「動かない」「解散する」「攻撃する」と3パターンありました。
さがさん:
私は銃が怖くて,これは勝ち目がないなと思って解散しました。
だび:
僕も解散しました。ここで全員が死ぬとやばいなと思って。
鼬:
えっ,じゃあ私だけ違うのか。私は鋼の意志で,ここから動くまいと思って居座り続けました。これだけアンドロイドを集めたし,最後のチャンスかなと思ったので。ここでけっこう味方のアンドロイドが殺されちゃいましたけど。
さがさん:
やっぱりそうなるよね。でも,逃げてもけっこう殺されましたよ。
だび:
僕は一方的に人間が発砲してるのを見たら,世論が動くかなと思いましたね。
鼬:
情に訴えかけるって感じですね。私は,マーカスにはリーダーとして頑張ってもらわないといけないと思って,最後は撃たれちゃったんですよね。でも,途中で仲間になったジョンが犠牲になって,なんとか生き残りました。
だび:
僕の場合もジョンはいたんですけど,解散した場合は逃げただけで終わりでした。メインのアンドロイドたちは誰も死にませんでした。
鼬:
私がわざわざジョンを殺したみたいに聞こえる(笑)。でも,どの選択肢も正解とは限らないじゃないですか。だって,誰も死なずに逃げられたとしても,それじゃ何のためにデモをしたんだって思いますし。
だび:
そうなんだよね。だから解散した場合は「リーダーとしてどうなの?」みたいな感じで,仲間の好感度は下がりました。
鼬:
やっぱりそうでしょ? 動かなかった場合は仲間からも世論からも好感度が上がったんですよ。やっぱりリーダーとしての威厳を見せないと!
主人公3人はどんな結末に至った?
エンディングを語ろう
鼬:
最後に,それぞれがどんな結末になったかを語っていきましょう。
さがさん:
私のコナーはあらゆる調査を失敗して,クライマックスよりだいぶ前に死んじゃったんですよね。
鼬:
全く役に立たなくて,廃棄されたんだっけ?
さがさん:
そう。それで,カーラはバスに乗ってカナダに逃げようと思ったんだけど,検問所を迂回したらバスに乗り遅れちゃって,そしたら駐車場にいたローズ※が車に乗せてくれて,国境の川に連れて行ってくれた。
※ローズ……アンドロイドを国外へ逃がす手助けをしている人間。物語中盤ではカーラたちをかくまってくれた。
だび:
そのルート全然知らないや。
さがさん:
えっ,違うんですか。その後はボートでカナダを目指すんですけど,湾岸警備隊が現れてアリスが撃たれちゃうんです。なんとかやり過ごして,対岸まで渡ったんですけど,アリスが死んじゃって,その後のカーラの選択肢が「生き続ける」か「命を絶つ」かの2択という……。
鼬:
うわーそれめっちゃ悩む。私ならカーラを1人にさせたくないし,「命を絶つ」かも。
さがさん:
私は「生き続ける」を選びましたよ。とにかくカーラには生き残ってほしかったから! とりあえず目標達成でめでたしめでたしだなって。
鼬:
私にその考えは絶対無理だなぁ。カーラはアリスとルーサー※の3人が揃っていてこそ幸せなのかなと思った。
※ルーサー……男性の姿をしたアンドロイド。カーラたちと行動を共にし,まるで家族のような関係となる。
さがさん:
マーカスは革命を起こそうとして収容所を攻撃して,銃撃戦になりましたね。
だび:
さっきまで平和的とか言ってなかったっけ?(笑)。
さがさん:
だって向こうが銃で撃ってくるんだから仕方ないじゃないですか。人間が悪いんですよ! うまく隠れながら進まないといけなくて,操作が難しいから途中で撃たれて重傷になってしまうんですけど,その時ノースが心臓を差し出すんですよ!!
鼬:
もう最後はすごい選択ばっかりになるよね。
さがさん:
そうなんですよ。それで「自分を犠牲にする」か「ノースを犠牲にする」の選択を迫られるんです。ドラマ的には心臓を受け取るべきなんでしょうけど,でも,ノースですよ? マーカスだったらノースは犠牲にできないだろうと思っちゃって,受け取れなくて。結局マーカスは死んで,革命も失敗してアンドロイドのほとんどは殺されちゃいました。
だび:
マーカスがやらかすと,ほかのアンドロイドたちも危険になりますよね。だから僕はマーカスを一番慎重に進めましたよ。
鼬:
だびさんは3人の結末はどうなったの。
だび:
まずカーラは操作を失敗しちゃって……,チャプター「交わる運命」で兵士に捕まってリコールセンターに連れて行かれちゃったんですよね。でも,ここでも兵士をボコボコにして,結果から言うとカーラもアリスもルーサーも3人そろって逃げられましたよ。
鼬:
お宅のカーラ,すぐ人間ボコボコにしない? 私のカーラもリコールセンターに行ったけど,周りに兵士いっぱいいるのに戦うって考えは絶対なかったなぁ。
だび:
うちのカーラは結構武闘派なんで(笑)。最初のトッドもボコボコにしましたしね。それで,コナーはマーカスたちの仲間になって,最後はきっちり「最終任務」もこなして終わりましたし,マーカスは平和行進を続けました。
鼬:
マーカスは最後にバリケードを張って,立て籠もるルートだよね?
だび:
そうです。パーキンスっていう警官が交渉に来るんですけど,こんなのもう映画で何度も見るシーンじゃないですか。バリケードから出たら狙撃手に撃たれて終わりみたいな。それにパーキンスって男も,コナー編で見てるから全く信用ならないし,だから僕はずっとバリケードの中に籠もったんですよ。
鼬:
でも,世界の比率は見ると平和行進に進んだのが54%で,そのうちの42%ぐらいが交渉をしているっぽいですよ。
だび:
ええ……絶対やばいって思うじゃないですか,あんな胡散臭い男。まぁ,その後はいよいよ追い詰められて,兵士が銃をこちらに向けて構えてるわけです。その時の選択肢が「ノースにキスする」とか「何もしない」とか「自分が犠牲になる」とかあったんですけど,その中に「歌う」があったんですよね。なんだこれって思ったんですけど,その時ハッと頭によぎったのが,“細かすぎて伝わらないモノマネ選手権”の「追い詰められた韓国の軍隊が最後に歌う」というので。
鼬:
……え?
だび:
だから歌ったんですよ。そしたら大統領が「攻撃をやめろ」って言って兵士が撤退していくんです。
さがさん:
人間的なところを見せたのが良かったってことなのかな?
だび:
そうなんですかね? 結果的には主人公たちは全員生き残りました。
鼬:
ええ……。終わりの直前までほとんど同じなのに,全く話が違う。私の場合,カーラは途中までさがさんと一緒でした。カナダに向かうためにバス停を目指していたんですけど,途中で兵士に捕まっているルーサーとジェリーを見つけるんです。これは早く助けねば!! と,めちゃくちゃ奮起しまして,手にレンガを持って後ろから兵士をぶん殴ってやろうかと思ってダッシュしたら見つかっちゃいました。ダッシュしたから……。
だび・さがさん:(笑)
鼬:
笑い事じゃないんだって! こっちは必死なんだから! それでまぁ,さっきの話の通りリコールセンターに連れていかれて。ここからはだびさんとほとんど同じなんですけど,最後の最後だけ違うんですよ。逃げようとしたら兵士に見つかってしまって,ひたすら逃げ続けたら後ろから全員射殺されました。
だび:
うわぁ。ほら,やっぱりそこで兵士をボコボコにしないと。
鼬:
だってうちのカーラはか弱いんですもん。そんな武闘派じゃないから。そもそも,周りに兵士いっぱいいるのに戦おうという発想にはならないですよ。
だび:
でも僕が倒したのは兵士1人だけだったんですけどね。
鼬:
それが不思議。だってほら,画面の後ろに兵士立ってるじゃん。お前仕事しろよ!(怒)。というか,この中でカーラ死んだの私だけじゃないですか……。
さがさん:
そうなりますね。つらい(笑)。
鼬:
めちゃくちゃしんどい。ちなみにこの結末は世界で1%でした。コナーはだびさんとまったく同じで,めちゃくちゃ順調に進んで最後まで生き残りました。マーカスも終わる直前までだびさんと同じルートだったんですよ。
だび:
行進をして,バリケードに立て籠もるルートですよね。
鼬:
そう。でも私はパーキンスの交渉を受け入れたんですよ。
だび:
なんで。どう考えてもアイツ怪しいじゃないですか。
鼬:
だって,世論はかなりこっちに傾いてたから,交渉の余地があるのかなって思うじゃないですか。それでまぁ,交渉を受け入れたら……パーキンスに撃たれて終わりました。
だび:
ほらー。やっぱりそうなるじゃないですか。
鼬:
もう二度と人間は信用しない!! でもね,それより辛かったのがフローチャートの項目に「マーカスが仲間を裏切り死亡」って書いてあることですよ。裏切ってないし。私は仲間のことを思って,ううっ……。
さがさん:
仲間からは裏切ったように捉えられたとか?
鼬:
それにしたって,言い方が酷い! 個人的にはこの文章が一番の追い打ちだった。結果として,生き残ったのはコナーだけでしたよ。
さがさん:
途中まではほとんど同じルートでも,まったく話の内容が変わりましたね。
鼬:
それが「Detroit: Become Human」の魅力ですよね。私はプレイし終わった後,知り合い一人ひとりにカーラが死んだかどうかを聞いて回りましたよ。
だび:
根に持ちすぎでは(笑)。
鼬:
すごい悔しかったんですもん。すぐにやりなおして,2周目は全員生存ルートを見たんですが,やっぱりなんか違うなと。2周目はIFストーリーにしか感じなかったんです。
だび:
2周目以降はフラグ回収みたいな感じになりますよね。
鼬:
結果的にはさがさんがカーラだけ生存,だびさんが主人公たち全員生存,私はコナーだけ生存という物語となりました。
今回なんと,ソニー・インタラクティブエンタテインメントさんから読者向けにプレゼントを提供してもらった。「Detroit:Become Human」でディレクター/脚本家を務めたQuantic DreamのCEO,David Cage(デヴィッド・ケイジ)氏のサイン入りポスターだ!
プレゼントの応募は,7月28日に掲載するWeekly 4Gamerの「今週のプレゼント」で受け付けるので,「Detroit」ファンは忘れずにチェックしてほしい。
※それぞれ1点物のため,折れや傷,汚れなどがあった場合でも交換は出来ません。ご了承の上応募してください。
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