インタビュー
MMORPGが死ぬほど大好きな人達によって作られたスマホ向けRPG「トライリンク 光の女神と七魔獣」開発者インタビュー
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経歴もバラバラで共通点の見えない3人は
MMORPGが死ぬほど大好きだった
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介を兼ねて,本作における役割をお聞かせください。
水島 克氏(以下,水島氏):
企画を立ち上げた当初はプランナーでしたが,今ではプロデューサーを担当しています。
保泉高広氏(以下,保泉氏):
元々は別の会社でサーバーエンジニアとしてMMORPGの開発に携わっていましたが,Aimingに入社後はインフラ周りとサーバークライアントの担当者を兼任しています。
遠藤博紀氏(以下,遠藤氏):
フリーランスで映像関係の仕事をしていましたが,ゲームを作りたいという思いから,Aimingに入社しました。今はアートディレクターを担当しています。
4Gamer:
お三方は,どういった経緯でトライリンクの開発に関わることになったんでしょうか。
今から約1年半前に,Aimingの社内でトライリンクの開発をスタートすることが決まったんですが,僕ら3人は,もうとにかくMMORPGが死ぬほど大好きなんです。「MMORPGの興奮をスマホで味わえるようにしよう!」という強い想いで一致団結し,当初はこの3人で開発を進めました。
4Gamer:
業界の流行に寄せず,あえてMMORPGにこだわったんですか。
水島氏:
お手軽に遊べるスマホRPGというものは,すでにたくさんのタイトルがリリースされていますからね。とはいえ,PC向けのMMORPGをそのままの形でスマホに持ってくることは難しかったので,「レイドバトル」の再現に注力することにしました。
4Gamer:
MMORPGのレイドといえば,事前に大変な準備が必要となるコアプレイヤー向けのコンテンツですよね。
水島氏:
パーティ編成を決めたり,ボスモンスターの出現間隔を管理したりと,本当に大変ですよね(笑)。スマホに相応しい形のレイドバトルをどう作るかと悩み抜いた結果,「ゲームを始めて1分でボスモンスターと戦える」という具体的なコンセプトを決めました。
保泉氏:
しかし,スマホでの通信環境を考慮すると,マルチプレイにおけるプレイヤーの参加人数は,多くても3人が限界でした。プレイヤーキャラクター3体でレイドバトルを再現できるとは思えませんので,1人のプレイヤーが3体のキャラを操作するというシステムを採用し,1体の強力なボスに総勢9体のキャラで挑むという形にしました。
4Gamer:
定番の「タンク」「アタッカー」「ヒーラー」という役割を,プレイヤーが1人で担うのも特徴的ですよね。
水島氏:
その3クラスは,パーティ構成における骨格ですから,絶対に外せませんでした。1人のプレイヤーで構成が完結しているのも大きなポイントで,これなら仮に3人のプレイヤーが集まっても,偏った編成になりません。
MMORPGでありがちな「ヒーラー待ち」といった状況がスマホで発生してしまうのは,厳しいと考えたからでもあります。
4Gamer:
実際にプレイしたところ,あまりにもスムーズにマッチングが成立したので,最初はチュートリアルとしてNPCが参加しているのかなと錯覚しました(笑)。
保泉氏:
そういった声はよく届きます。すばやくマッチングを行うためにさまざまな工夫を施していて,現在のマッチング仕様には開発としてもおおむね満足しています。
DoTやHoTといった専門用語を使える
ユニークなバトルシステム
4Gamer:
トライリンクは,非常にユニークなバトルシステムを採用されていますよね。
水島氏:
バトルシステムにおける開発のコンセプトは,大きく分けて2つあります。
1つは,各ボスのアルゴリズムに個性を持たせて,プレイヤーが奥深い攻略を楽しめることです。ボスが大技を繰り出す前には“前兆”を見せて,部位破壊によってそれを阻止したり,「HoT」(Heal over Time,持続回復)系のスキルを重ねたりといった具合に,対策を講じられるようになっています。
難度によりますが,スマホゲーム定番の“オートバトル”では勝てないバランスを意識して作っています。
バトルの見た目を派手にするために,ボスモンスターを9体のキャラクターが取り囲むという構図にしているのですが,たとえばボスの背後に位置するパーティのみ尻尾やマントといった部位に攻撃できるんです。ボスによっては背後からの攻撃が有効だったり,背後の部位を破壊すると特別なドロップアイテムを獲得したりできます。
ターンによってボスの向きが変わるので,毎ターン「状況が変わる」という点を楽しんでいただきたいですね。
4Gamer:
もう1つのコンセプトについてもお聞かせください。
水島氏:
ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取りながら,息の合った連携を実現するということです。トライリンクのバトルでは,ほかのプレイヤーがどのコマンドを選択しているか(コマンド確定前の段階)が,リアルタイムで確認できます。
たとえば,ほかのプレイヤーが“仮の選択”として回復系のコマンドを選択していたら,こちらは攻撃のコマンドを“仮で選択”し,お互いが確認してからコマンドを確定するという流れができるんです。
複数のコマンドを順番に選択して,自分のパーティがどういった行動を取れるかを,ほかのプレイヤーにアピールすることも可能です。
保泉氏:
実は開発の初期段階では,どのコマンドを選択しているかは確定後でなければ分からない仕様だったんです。しかし,これではコマンドを確定するまでのプロセスが他者に伝わらないので,サーバーの構成から作り直して現在の形になっています。かなり大変でしたが,変更に踏み切った価値は大いにありました。
4Gamer:
気絶したボスに大ダメージを叩き込める「トライリンクコンボ」が本当に気持ちいいので,それを意図して発動しやすい現在の仕様は,コマンド選択の段階から楽しいですね。
遠藤氏:
はい。リアルタイムのシステムに変えたからこそ実現できた部分ですね。コマンドの選択を悩んでいる様子も見て取れるだけに,「生身の人間が操作している」ことが強く実感できます。
「ゲームには飽きても友達には飽きない」
MMORPGで感じたあのコミュニケーションの面白さ
4Gamer:
まだ正式サービスが始まったばかりですが,現状の手応えはいかがですか。
水島氏:
近年のスマホゲームといえばお手軽に遊べるRPGがほとんどなので,トライリンクのように連携を重視したタイトルに新鮮さを感じているお客様は多くいるみたいです。MMORPGの経験者には,あのレイドバトルの興奮を彷彿とさせるようなゲームとして受け入れられ,未経験者には新しいタイプのゲームとして楽しんでもらえていると思います。
ロビールームの光景もMMORPGっぽさがありますよね。
遠藤氏:
トライリンクの開発中は,昔ながらのMMORPGの良さというものを,3人で語り合うことが多かったです。中でも「よく露店を放置したよね」という話では,妙に盛り上がってしまって(笑)。
水島氏:
拠点のエリアで常に大勢の人がたむろしているのは,MMORPGでは当たり前の光景じゃないですか。ほかの人のキャラを見て「あの装備はどうやって手に入れたんだろう」と考えたり,サービス開始直後のタイトルでは周囲の皆が初期装備だったり,そんな光景が心に残っていて,何とかスマホゲームで実現できないかと考えました。
遠藤氏:
MMORPGにおけるあの独特な空気感は,それなりに伝えられるような形になっていると思います。
保泉氏::
トライリンクはロビーチャットが活発なタイトルで,その理由も,拠点がMMORPG風の見た目だからなのかもしれません。
4Gamer:
流行りとはあえて逆を行き,かつてのMMORPGの楽しさを何となく思い出させてくれるトライリンクは,個人的に遊んでいても大変面白いです。
水島氏:
よく椎葉(Aiming 代表取締役社長 CEO 椎葉忠志氏)も言っているんですが,Aimingは「ゲームには飽きても友達には飽きない」という考えを大切にしています。どんなに凝ったシステムやボスモンスターを我々が作り上げても,いずれは飽きられてしまう宿命にあります。
でも,そこで出会うプレイヤーとのコミュニケーションに飽きることはないと信じています。人と人が出会って協力したり,ライバルとして競い合ったりするのがオンラインゲームの醍醐味です。トライリンクの開発を通じて,そのためのコンテンツを提供したいとあらためて感じています。
4Gamer:
……もう少しお話を聞きたいところなんですが,残念ながらお時間のようです。最後に,記事を読んでトライリンクに興味を持った人や,すでに遊んでいる人に向けて,メッセージをお願いします。
水島氏:
トライリンクは,MMORPGにおけるレイドバトルの面白さをスマホで味わえるように,最大限に努力して開発したタイトルです。ぜひ本作でオンラインゲームの醍醐味を感じてもらえると嬉しいです。
保泉氏::
トライリンクは「画面の向こうに人がいる」という実感を強く抱かせるタイトルだと自負しています。レイドバトルと聞くと,ハードルの高いゲームだと思うかもしれません。実際は非常に遊びやすい作りになっているので,気軽にプレイしてみてください。
遠藤氏:
MMORPGといえばハマりすぎて“廃人”になる人も少なくありません。かつてそうだったから,廃人になることを避けてMMORPGに手を出していないという人もいると思いますが,トライリンクなら生活に支障が出ないほどほどの廃人になれます(笑)。ぜひ一度遊んでみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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(C)Aiming Inc.
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