連載
「そうだ アニメ,見よう」第80回は「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」。全13話で語られる“シャア誕生秘話”
「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)のキャラクターデザインを手がけた安彦良和氏。その漫画原作を元に制作された,オリジナルアニメシリーズ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」(全6話)を,全13話のTVシリーズとして再編集したのが「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」だ。
「そうだ アニメ,見よう」第80回のタイトルとなる本作は,企画・製作をサンライズ,総作画監督を「ダンボール戦機」や「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール 幻影の覇者 ゾロアーク」の西村博之氏が担当し,総監督を安彦氏自らが務めている。
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」
やがて,ザビ家がサイド3を掌握し,身の危険を感じたキャスバルとアルテイシアは,ランバ・ラル(CV:喜山茂雄)の手引きで,地球へと逃れる。
3年後,ダイクンの遺児2人は,エドワウ(CV:池田秀一)とセイラと名を変え,資産家テアボロ・マス(CV:巻島康一)の子として地球で新たな生活を始めていた。しかし,そこにもキシリア・ザビ(CV:渡辺明乃)の差し向けた刺客が現われ,一同はサイド5,ルウムのテキサス・コロニーへ移住。そこでエドワウは自分と容姿がそっくりな青年シャア・アズナブル(CV:関 俊彦)と出会う。
そんな折,2人の母親であるアストライア(CV:恒松あゆみ)の訃報が届き,その知らせを受けたエドワウは豹変。ジオンの国防軍士官学校に合格していたシャアの身分を奪い,ザビ家の末子たるガルマ・ザビ(CV:柿原徹也)に学友として近づくのだった。
「機動戦士ガンダム」の主人公アムロのライバル「シャア・アズナブル」。言わずと知れた人気キャラクターの彼が,ジオン軍のエース・パイロット“赤い彗星”に成長するまでの半生を軸に,地球連邦とジオン公国による「一年戦争」緒戦までの物語を描いているのが,本作「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」だ。
本作では,「機動戦士ガンダム」で描かれなかった“どうやってシャアの身分を手に入れたのか”,“なぜ仮面をかぶっているのか”といった謎の部分が,安彦氏独自の解釈で描かれ,なかなか興味深い。また,ザビ家がジオン公国を建国した経緯やモビルスーツ(以下,MS)開発秘話など,これまで設定でしか語られていなかったエピソードが登場し,まさにファン待望の作品となっているのだ。
なかでも,シャアが“赤い彗星”と呼ばれる由来となった「ルウム会戦」の映像化は,本作のクライマックスとなる。ルウム会戦は,ジオン公国軍と地球連邦軍が初めて正面からぶつかった戦い。物量で勝る地球連邦軍に対して,いかにしてジオン軍は勝利をもぎとったのか,1人で5隻の戦艦を落したといわれるシャアの活躍ぶりが,現在のハイクオリティな映像で描かれるという。
現在第5話まで放送され,シャアの身分を手に入れたキャスバルの暗躍が始まっている。その先に,ファーストガンダムで描かれた「一年戦争」までのミッシングリンクともいえるエピソードが,今後待ち受けているわけで,今から放送が待ち遠しい。
安彦ガンダムが鮮やかに甦る
2001年6月に「月刊ガンダムエース」(KADOKAWA刊)誌上で連載がスタートした漫画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」。当時,「THE ORIGIN」がファンの圧倒的な支持を受けた理由は,やはりアムロやセイラを生み出した,安彦氏自身による漫画化という,リブートともいえる内容だったからだろう。
アニメ版となる本作でも,安彦氏の絵柄は丁寧に描かれ,ガンダムの世界に安心して没入できるのがなんともうれしい。考えてみれば,安彦氏がアニメーション畑に戻るのは,1991年に公開された「機動戦士ガンダムF91」以来,実に24年ぶりとなる。映画「アリオン」(1986年公開)や「ヴイナス戦記」(1989年公開)といった,安彦作品を知るファンにもうれしいプレゼントとなったのではないだろうか。
また,ランバ・ラルやハモン(CV:沢城みゆき),“黒い三連星”ことガイア(CV:一条和矢),オルテガ(CV:松田健一郎),マッシュ(CV:土屋トシヒデ)など,ファーストガンダムのキャラクター達の若かりし頃の姿が見られるのも本作ならでは。幼少期のアムロ(CV:古谷 徹)がさりげなく登場しているのも見逃せないポイントだ。
メカアニメの第一人者が揃ったMS戦に注目
ガンダム作品といえば,激しいMS同士のバトルが“華”となるのだが,本作のそれはひと味違うようだ。今回MSやメカニカルはセルルックのCGで表現され,デジタル作画に詳しい西村氏やメカアクションの第一人者・板野一郎氏,メカニカルデザインにカトキハジメ氏など,そうそうたる顔ぶれが制作に参加している。これまでの「ガンダム」シリーズでも,これほどMSにCGを使ったことはあまりなかったという。
ここまでMS戦はあまり登場していないが,終盤のルウム会戦では,安彦氏がほれ込んだというCGによる戦闘シーンが見られるとのこと。最先端のCG技術によるMS戦が楽しめそうだ。
1979年にTVシリーズが放送された「機動戦士ガンダム」は,今年で40周年を迎えた。その節目の年にふさわしい「THE ORIGIN」は,宇宙世紀の数々の歴史的物語が映像として,初めて描かれた作品となる。一年戦争に至る過程をしっかりその目に焼き付けておこう。
なお,ガンダム生誕40周年を記念して,本作の音楽を手掛けた服部隆之氏が編曲・指揮を担当する「劇場版『機動戦士ガンダム』シネマ・コンサート」が8月16日,17日の2日間,東京オペラシティで開催される。シネマ・コンサートとは,セリフや効果音はそのままに,劇中で流れる音楽パートを上映にあわせてフルオーケストラが生演奏するというもの。このほかにも,さまざまなアニバーサリー企画が進行中とのことなので,詳細が気になる人は「こちら」をチェックしてほしい。
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」公式サイト
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」公式Twitter
「機動戦士ガンダム 40周年プロジェクト」公式サイト
放映データ |
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2019年4月〜 |
全13話 |
キャスト | |
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シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン、エドワウ・マス):池田秀一(少年時代:田中真弓) | |
アムロ・レイ:古谷 徹 | |
セイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン):潘めぐみ | |
デギン・ソド・ザビ:浦山 迅 | |
ギレン・ザビ:銀河万丈 | |
サスロ・ザビ:藤 真秀 | |
ドズル・ザビ:三宅健太 | |
キシリア・ザビ:渡辺明乃 | |
ガルマ・ザビ:柿原徹也 | |
ランバ・ラル:喜山茂雄 | |
クラウレ・ハモン:沢城みゆき | |
ジオン・ズム・ダイクン:津田英三 | |
アストライア・トア・ダイクン:恒松あゆみ | |
ローゼルシア・ダイクン:一城みゆ希 | |
ジンバ・ラル:茶風林 | |
ガイア:一条和矢 | |
オルテガ:松田健一郎 | |
マッシュ:土屋トシヒデ | |
シャア・アズナブル:関 俊彦 | |
トレノフ・Y・ミノフスキー:坂東尚樹 | |
ゼナ・ミア:茅野愛衣 | |
テム・レイ:坂口候一 | |
ヨハン・I・レビル:中 博史 | |
マ・クベ:山崎たくみ | |
カイ・シデン:古川登志夫 | |
ブライト・ノア:成田 剣 | |
フラウ・ボゥ:福圓美里 | |
ミライ・ヤシマ:藤村 歩 | |
ハヤト・コバヤシ:中西英樹 | |
リュウ・ホセイ:田中美央 | |
ララァ・スン:早見沙織 | |
ナレーション:大塚明夫 |
スタッフ |
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原作:矢立肇、富野由悠季 |
漫画原作:安彦良和 |
脚本:隅沢克之 |
キャラクターデザイン:安彦良和、ことぶきつかさ |
メカニカルデザイン: カトキハジメ、山根公利、明貴美加、アストレイズ |
モビルスーツ原案:大河原邦男 |
総作画監督:西村博之 |
メカニカル総作画監督:鈴木卓也 |
美術監督:池田繁美、丸山由紀子、東 潤一 |
色彩設計:安部なぎさ |
撮影監督:葛山剛士 |
CGディレクター:井上喜一郎、長嶋晋平 |
編集:吉武将人 |
音響監督:藤野貞義 |
音楽:服部隆之 |
音楽プロデューサー:藤田純二、山田智子 |
監督:今西隆志 |
総監督:安彦良和 |
エグゼクティブプロデューサー:富岡秀行 |
企画プロデューサー:佐々木 新 |
プロデューサー:谷口 理 |
企画・製作:サンライズ |
TV版OP,ED楽曲プロデュース:SUGIZO |
TV版第1弾オープニングテーマ:宇宙の詩(そらのうた) 〜Higher and Higher〜 アーティスト:LUNA SEA |
TV版第1弾エンディングテーマ:めぐりあい アーティスト:SUGIZO feat. GLIM SPANKY |
TV版第2弾オープニングテーマ:悲壮美(ひそうび) アーティスト:LUNA SEA |
TV版第2弾エンディングテーマ:水の星へ愛をこめて アーティスト:SUGIZO feat. コムアイ(水曜日のカンパネラ) |
機動戦士ガンダム40周年プロジェクト
劇場版『機動戦士ガンダム』シネマ・コンサート
ガンダム初となるシネマ・コンサートの開催が決定!
映画のセリフや効果音はそのままに、劇中で流れる音楽パートを上映にあわせてフルオーケストラが生演奏する、新感覚の複合型エンタテインメント・コンサート。編曲・指揮は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で音楽を担当した服部隆之氏、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が担当します。
【日程】
2019年8月16日(金)18:00開場/19:00開演
8月17日(土)
<昼公演>11:00開場/12:00開演
<夜公演>16:00開場/17:00開演
【場所】
東京オペラシティ・コンサートホール:タケミツメモリアル
【出演者】
編曲・指揮:服部隆之
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
【チケット情報】
HP先行
受付期間:2019年5月20日(月)12:00〜6月9日(日)23:59
受付はこちら:https://w.pia.jp/t/gundam-concert/
【特設サイト】
http://gundam40th.net/cinemaconcert/
※出演者は予定なしに変更となる場合がございます。
※出演者変更に伴うチケットの払戻しは致しかねます。
この他にも、ライブイベント、プロ野球12球団とのコラボや、ハローキティとの対決プロジェクトなど、様々な展開を実施中。
【40周年特設サイト】
http://gundam40th.net/
(C)創通・サンライズ
- 関連タイトル:
SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ
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