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【PR】ブラウザ型,しかしバトルはヘイトコントロールが要求される本格派。アピリッツの新作MMORPG「ファーヴニルの宝珠」インプレッション
ファーヴニルの宝珠。11月29日13:00〜12月1日13:00までオープンβテストを実施後,今冬にも基本プレイ料金無料(アイテム課金制)で正式サービス開始予定だ |
ごく大ざっぱに特徴を説明するなら,本作は「Flashで作られた」「国産の」「3Dグラフィックスによる」MMORPGである。まずはこの組み合わせだけで「おっ?」と興味をひかれる人も多いだろう。
今回は開発真っ只中という状況の本作を特別に遊ばせてもらったのだが,ブラウザゲームならではの手軽さと,“程良く”複雑なシステムを併せ持ち,「こりゃじっくり遊べ込めそうだぞ」との感触を得られた。アピリッツが「機能の充実と改善を図るため」と位置付けるオープンβテストが,11月29日13:00〜12月1日13:00に行われるということで,本稿では,本作はそもそもどんな世界設定なのか,そしてゲームの基本的な流れ,実際のプレイフィールなどをお伝えしよう。
なお今回遊べたのはあくまでも開発バージョンであり,システムや固有の名称などには今後変更が入る可能性があること,画像はすべて開発中のものであることはお断りしておく。
プレイに使用したブラウザはGoogle Chromeでバージョンは「54.0.2840.99 m」,Flashのバージョンは「23,0,0,207」。いずれも本稿執筆時点での最新版だ |
「ファーヴニルの宝珠」公式サイト
邪竜ファーヴニルの復活を阻止せよ!
カッコ可愛い(?)ワルキューレ達が地上で戦う
物語の舞台は,かつて欲望の化身である「邪竜ファーヴニル」に荒らされ,今もその影響の残る地上の世界だ。
その昔ファーヴニルは,神々が作り出したワルキューレ達によって撃ち倒された。しかしその死骸の破片「ファーヴニルの宝珠」(タイトル名にもなっている)は地上に散り,宝珠の持つ力「ソウル」が地上の生物を魔物に変えている。そしてソウルの力が強まれば,やがてファーヴニルは蘇ってしまう。過去,実際にファーヴニルは蘇り,その時もワルキューレ達が倒すこととなった。しかしまたファーヴニルは蘇り,ワルキューレに倒され――。
これを繰り返している世界が,本作の舞台なのである。ファーヴニル(ファフニールともいう),ワルキューレといった固有名詞から,本作の物語が北欧神話などをベースとしていることがうかがえる。
これが本作のワールドマップだ |
プレイヤーは,かつて復活したファーヴニルに殺されてしまったものの,20年後(の今)に復活を遂げたワルキューレである。時間はかかるものの,ワルキューレは死んでも蘇ることができるのである。
そして全ワルキューレの使命はただ一つ。ファーヴニルの宝珠の力「ソウル」をエネルギー源として世界を混乱させる魔物を,とにかく一匹でも多く倒し,ファーヴニルの復活を阻止することだ。
さて,システム面から本作を説明するなら「シミュレーションゲームのようなフィールドマップで冒険の場所を移すMMORPG」と言えば分かりやすいかもしれない。
3DグラフィックスのMMORPGと聞けば「EverQuest」シリーズやオンラインの「ファイナルファンタジー」シリーズなどが思い浮かぶと思うが,おおむねそのイメージは合っている。ただし,フィールドはまったく異なっている。
詳しくは後述するが,本作におけるキャラクターの移動は,ヘックスを切ったマップの上を動かすという仕組みである。フィールドマップは多人数が共有しリアルタイムで物事が進んでいく場所ではないのだ。
プレイヤーはそのフィールドで特定のポイントを消費してキャラクターを移動させる。ヘックスには,戦闘やイベントなどがあらかじめ設定されているので,それを踏んでイベントをこなしていくことで物語を進めるわけである。
一方,戦闘用のフィールドや,プレイヤーの拠点,プレイヤー達が集う街などは3Dグラフィックスで表現されている。操作方法も含め「ああ,MMORPGだな」と感じられるのはこちらのロケーションだ。
そのあたりは直感的に分かりにくいので,実際に序盤の流れを見てもらいながら説明していこう。
アクションはドキドキ,それ以外はのんびり
序盤のゲームの流れを見てみる
というわけで以下,スクリーンショットを中心にゲームの流れを紹介する。操作方法などについても随時触れていこう。
ちなみにジョブ(キャラクタークラスに相当するもの)は,どのプレイヤーも等しく「メイジ」から始まる模様 |
地上に降り立つと,ガイド役となる「妖精」が,記憶を失ったプレイヤーに世界のアレコレを教えてくれる。物腰は柔らかいが「魔物を片っ端からブチ倒すのデス!」と連呼する,なかなかにドライな妖精さんである |
これが最初に降り立つ本作のフィールド,というかマップ(ゲーム内の呼称としては「エリアマップ」)だ。中央から左へ向かって岩山に囲まれた一本道があり,右側は海に囲まれている。直感的に分かると思うが,岩山や海のヘックスは移動できない |
「?」のヘックスを踏んでBATTLEのシンボルが出てきた場合,戦闘後にそのヘックスはBATTLEとして固定される。以降は何度踏んでも「BATTLE」が発生する。ミッション達成やレベリング,アイテム集めなどのための戦闘に使えるというわけだ |
未知のヘックスを踏む時には,画面上部にある「AP」(おそらくアクションポイントとかそういった意味だろう)を消費する。一度踏んだヘックスは,APを消費せずに移動できる仕組みである |
前述のとおり,BATTLEのヘックスを踏むと戦闘だ。ここは完全なアクションパートとなっており,リアルタイムで3Dのキャラクターを操作し,同じく3Dで表現された魔物と戦う |
ストーリーを進めていくうえで,プレイヤーは同じ境遇のワルキューレに出会い,仲間を増やしていく。戦闘には最大で2人のパートナーを連れて行けるので,自分のジョブの特徴をキチンと把握し,盾役,攻撃役,回復役といった形でバランスの良いパーティ構成を心掛けたい |
戦闘の詳しい仕組みについては後述するが,プレイヤーはジョブごとに用意された「スキル」のみを使用して戦う。いわゆる「通常攻撃」のようなものが存在しないのも,本作の特徴といえるかもしれない |
エリアマップやバトル画面以外のロケーションとして,今のところ,プレイヤーだけのプライベートな場所であり,装備や能力の強化などを行える「拠点」と(続く) |
ほかのプレイヤーと交流したりショッピングなどができたりする「街」を確認できた。街は今後のテストや正式サービスでは,多くのプレイヤー達で賑わうことだろう |
拠点と街は,エリアマップ画面の左側に用意されたタブからいつでも移動可能だ |
エリアマップはもちろん,3Dグラフィックスとなっている戦闘のフィールド,拠点,街は,基本的にはマウスのみで操作可能。ただし後者の三つは,[W/A/S/D]キーで移動,カーソルキーで視点移動といった具合にキーボードでも操作できる。そして戦闘においては一般的なMMORPGと同様に,数字キーでスキルを発動できるようになっている |
エリアマップにある「?」のヘックスをどんどん開放してストーリーを進めていく。そしてBATTLEヘックスで戦闘をこなし,拠点や街でさらに冒険をラクに進められるよう準備を整える。そしてまた新たなヘックスを開放して――というのが,本作の基本的な流れであると考えればいいだろう。
複数キャラによる「スキルコンボ」がキモ
そしてソロでもパーティでもヘイトコントロールは重要
次は戦闘をもう少し詳しく見ていこう。
前述のとおり本作の戦闘には通常攻撃のようなものがなく,各ジョブに用意されたスキルのみを使用して戦う。スキルにはリキャストタイムが設定されているので連続で使えない,しかもアイテムを使うといった要素もないことから,「どのようにキャラクターの位置取りをし,どのタイミングで,何のスキルを使うか」といった点に集中できる仕様であると言えるだろう。
スキルについて覚えておくべきことは,大きく二つある。
一つは,スキルには「斬」「突」「打」「火」「水」「風」「光」「闇」といった「属性」が存在しており,魔物の弱点となる属性を突いた攻撃を行うことで効率良く敵にダメージが与えられること。
もう一つは,本作には「チャージスキル」と「ブレイクスキル」の2種類が存在していることだ。
チャージスキルはMPを消費して発動できる,いわゆる通常のスキルだが,使用することで「テンションゲージ」を溜めることができる。
そして溜まったテンションゲージとMPを消費して使うのがブレイクスキルである。
ではブレイクスキルとは何かと言うと,これはいわばコンボ用のスキルである。仲間とブレイクスキルをうまくつなげることで「スキルコンボ」を決められるのだ。
かなり序盤から,パートナーとして設定できる何人かのワルキューレが仲間になるため,基本的に戦闘は3人で挑むことになる(マルチプレイ要素として本作に実装されている「レイド」では最大5人)。
ブレイクスキルを(自分や仲間の誰かが)発動して敵に当てると,その敵の頭上に「Combo Trial!」の文字,そして「Next <属性>」の文字が浮かぶ。そして一定時間内にNextとして指定された属性のスキルを使うと,コンボ攻撃となり,敵に大ダメージを与えられるという仕組みである。
パートナー(ジョブはファイター)が,ブレイクスキル「三連斬」を発動したことで,コンボ受付の状態となった。Combo Trial!の下にある火,水,風,いずれかの属性を持つブレイクスキルをぶつければ,コンボがつながるのだ |
ここでメイジの持つ火属性のブレイクスキル「火炎嵐」を発動。火炎嵐を単体でぶつけた時よりも大きなダメージを与えることができた |
コンボは最大で4段階までつなげることができるため,うまくMPとテンションゲージを管理して,仲間と連携すれば安定して敵に大きなダメージを与えることできるだろう。むしろ,敵の群れに囲まれてしまったときや,HPの多いボスと戦うときなどには必須となる,基本テクニックと言っていいかもしれない。
さて,先ほど少しレイドという言葉が出てきたが,これももう少し説明しておこう。
レイドといえば,複数のパーティが,例えば強大な敵に立ち向かうため一時的に参加する大規模戦闘という認識が一般的だと思う。
本作のレイドも共通の目的のため一時的に集うという点は同じだが,参加できるのは最大5人。白熱はするものの“大規模”という形ではない。
冒険を進めていくと,レイド専用戦闘が必要になるヘックスを踏むことがある |
レイドが成立すると,このようなロビーのような画面へ移動する。この画面のチャットで,戦略を相談したりするというわけ |
そこで重要なのが,敵の持つヘイト(敵対心。本作では“敵視”と表現されている)の制御,俗に言うヘイトコントロールだ。
本作には複数のジョブが存在するが,(最大5人という限られた人数で挑む)レイド戦における役割分担は,盾役,攻撃役,回復役という形でハッキリしている。「ドルイド」など,攻撃と回復の両方を得意とするジョブの存在も考慮しつつ,基本的にはこの三つの役割を満たす構成でレイドに挑むのが無難だろう。
そして盾役は必ず,ファイターの持つ「挑発」など,敵のヘイトを集めるスキルを使用して敵の注意攻撃を自分に向ける必要がある。攻撃役,回復役はヘイトが自らに向かないよう近づき過ぎない,時には攻撃や回復をひかえる……といった行動が必要となる。
加えて,まだこちらに気付いていない敵の注意を引かないよう,キャラクターの位置取りを考えることも重要である。つまり本作は,敵のヘイトを意識した立ち回りを要求されるバトルシステムを持っているのだ。
その一方で,「キャラクターが行使できるのは(リキャストタイムのため連発できない)スキルのみ」という形をとっているため,本作の戦闘はそれほど忙しくない。このあたりに,ブラウザゲームとしての味付けが見て取れる。
<短時間の放置が可能な自動戦闘>
プレイヤーはパートナーに対して「ATTACK」(攻撃しろ),「FOLLOW」(ついてこい)といったいくつかの命令を出せるが,パートナーはスキルの発動などを自動で行う。1体の敵を集中して攻撃したりするのは少し手間だし,うまくいかない時もある。
そして実はプレイヤーキャラクター自体も,画面左下の「AUTO」ボタンを押すことで全自動にできる。
この場合,ターゲットはバラけるうえ,ブレイクスキルによるスキルコンボはほぼ運任せだ。「?」のヘックスや,STORYシンボルのあるヘックスを新たに踏んで戦闘に入った場合などには使わないほうが無難だろう。
ただし,レベリングやアイテム集めのため格下の魔物を相手に戦う場合は,(大体10分強の)短い時間ではあるが“放置”が可能となっている。魔物の強さを見極めてからでないと,キャラクターがマップを走り回ってあらゆる場所から敵を集め,ボコボコにされて全滅といったこともままあるが,片手間でしかできない,それでもなにかゲーム内で行動しておきたいという場合は,積極的に使うといいだろう。
まあ格下でも,けっこう死ぬ。おそらく,本作の難度は読者の想像よりも高めだと思う
キャラクターの成長要素もかなり作り込まれている印象
「精霊」システムがカギを握るか
最後にキャラクターの成長要素にも触れておこう。今回はプレイできる時間が限られていたため,多くの要素は試せなかったが,本作のキャラクター育成におけるキモともいうべきシステムを確認できた。
キャラクターの装備をより品質の高いものへ変える以外の,本作のキャラクター成長要素は大きく分けて二つ。いずれもプレイヤーのプライベートな空間である拠点で行うものだ。
一つは素材を使用した装備品の強化だが,この要素は多くのMMORPGで採用されているシステムなのであらためて紹介するまでもないだろう。魔物を倒す,ほかのプレイヤーと売買するといったことで素材を集め,拠点にある「強化炉」で所持している武器の性能を高められる。装備の強化のほか,アクセサリーの製作,防具の染色,武器の外見変更などと,強化炉の使い道は多い。
そしてもう一つ,拠点にある「清浄の祭壇」を使って行う精霊の召喚および融合(合成)という要素がある。キャラクターの個性を出すという意味では,こちらの方が比重が大きく,キャラクター育成に関係するシステムとして,本作のキモとなるのはこちらだろう。
精霊は,プレイヤーキャラクターのステータスやスキルを強化してくれるもので,戦闘などでしばしば獲得できるソウルを消費して召喚できる。精霊にはステータスの能力値を加算する「パッシブアビリティ」とスキルの威力や能力を向上させる「ブーストアビリティ」が設定されており,前者は特定属性の攻撃力を増やすといったもの,後者は特定スキルの消費MP,リキャストタイムを軽減してくれたりするものとなっている。この精霊をキャラクターに装着することで,キャラクターを特定の攻撃に特化させたり,足りない面を補ったりすることが可能なのだ。
召喚した精霊は五つまで装着可能であることや,精霊融合によって精霊そのものも強化できるのもポイントだろう。これによってそのバリエーションは大幅に増え,同じジョブでもプレイヤーは好みの個性をワルキューレに反映させられるというわけである。
ブラウザ型,クライアント型のいいとこ取りをしたタイトル
今回遊んだ範囲で筆者が受けた印象を一言でまとめると,「本作は“本格派”と言える3DグラフィックスタイプのMMORPGから,リアルタイムで進行する要素そのものを減らし,さらに操作も可能な限りシンプルにしたタイトル」といったところだろうか。一言にしては長い気もするが,この認識で大きく間違ってはいないと思う。
ターゲットは,「プレイ環境の制限からブラウザゲームをよく遊んでいるが,クライアント型のMMORPGで集中して遊ぶようなスタイルは望まない人」,あるいは「既存のハードコアなMMORPGが持つ手応えのある戦闘は楽しみたいが,ある種の“疲れ”を感じている人」といったイメージである。
冒頭でお伝えしたとおり,本作では11月29日13:00から12月1日13:00まで,オープンβテストが行われる予定だ。「お手軽だが一筋縄ではいかないMMORPG」を探している人にはかなりの確率で刺さるだろうと思われるタイトルなので,ぜひ注目しておいてほしい。
「ファーヴニルの宝珠」公式サイト
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