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本日発売「FFXII THE ZODIAC AGE」のバトルと成長システムを解説。“1人でプレイするMMORPG”はオリジナルから10年以上経っても新鮮
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印刷2017/07/13 00:00

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本日発売「FFXII THE ZODIAC AGE」のバトルと成長システムを解説。“1人でプレイするMMORPG”はオリジナルから10年以上経っても新鮮

 スクウェア・エニックスが本日(2017年7月13日)発売するPlayStation 4用ソフト「FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE」(以下,FFXII TZA)は,「FINAL FANTASY XII」(以下,FFXII)を再構築した「FINAL FANTASY XII INTERNATIONAL ZODIAC JOB SYSTEM」(以下,FFXII IZJS)をベースに,グラフィックスやサウンドのクオリティアップ,ゲームシステムの改良が行われたタイトルだ。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 本日発売「FFXII THE ZODIAC AGE」のバトルと成長システムを解説。“1人でプレイするMMORPG”はオリジナルから10年以上経っても新鮮

 ファイナルファンタジーのナンバリングタイトルは,毎回システムを大きく変えてくるのが特徴の1つだが,FFXIIとその発展形であるFFXII IZJSを引き継いだ本作のバトルや成長システムは,シリーズ中でも屈指のユニークさで,戦略の練りがいがあるものになっている。
 ただ,それだけに初見で面食らう人は多いだろうし,コツをつかむまでに少々時間が必要になるはずだ。

 そこで,本稿ではFFXII TZAのバトルやキャラクター成長システムをじっくり紹介したい。本作からの変更点にも触れているので,初めての人はもちろん,FFXIIやFFXII IZJSをプレイ済みの人も,ぜひ読んでほしい。

グラフィックスが高解像度化され,音楽は新録のものが収録されている(オリジナル版BGMも設定可能)
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リアルだがひと癖ある「アクティブ・ディメンションバトル」には「ガンビット」が不可欠


 FFXIIシリーズのバトルシステム「アクティブ・ディメンションバトル」(以下,ADB)は,FFシリーズでお馴染みの「アクティブ・タイムバトル」(以下,ATB)をベースに,空間(ディメンション)の要素を取り入れたものだ。

パーティメンバー3人+ゲストキャラクターの最大4人で敵に挑む
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 フィールド上にいるモンスターに接触するとシームレスにバトルがスタート。バトル中はパーティのリーダーに設定したキャラクターを左スティックで自由に移動させられる。通常の物理攻撃をするにはターゲットに近づく必要があり,範囲魔法は文字通りその範囲内にいるキャラクターにしか効果がない……といった具合に,敵との距離がバトルに影響する仕組みだ。

 このあたりは直感的に理解できるだろうが,気を付けたいのはコマンド入力のタイミング。「時間の経過とともに溜まるゲージが最大になったキャラクターから行動」という基本的なルールはATBと同じなのだが,ATBが「ゲージが溜まった状態でコマンドを入力すると,キャラクターが即座に行動」という流れ(一部に例外あり)なのに対して,ADBは「コマンドを入力するとゲージが溜まり始め,溜まりきったら行動」という仕組みになっている。

 また,ATBではキャラクターが行動可能になると自動的にコマンドウィンドウが表示されるが,ADBではプレイヤーが[○]あるいは[□]ボタンを押さない限り,コマンドウィンドウが表示されないので,入力忘れには注意が必要だ。

 一度ターゲットを指定して「たたかう」コマンドを入力すれば,以降は自動的に繰り返してくれるが,ゲージが溜まる途中で魔法やアイテムのコマンドを入力すると,ゲージは溜め直しになる。さらに,「たたかう」で指定したターゲットの敵が倒れた場合は,新たなターゲットの入力待ちになるので,慣れないうちは何もせずに突っ立っているキャラクターを見ることが多くなるかもしれない。

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 このように,ADBは「位置取り」「間合い」といった概念や「キャラクターが指示に応じた準備時間を経て行動する」という点で,ATBよりリアルではあるが,プレイヤーがコマンド入力でパーティメンバーすべての行動をきっちりと管理するには,なかなか難しいシステムだ。
 FFXIIやFFXII IZJSをプレイしたことがない人は「なぜそんな仕組みにするのか?」と思うかもしれないが,実はこれを解決するシステムがしっかりと用意されている。それが「ガンビット」だ。

 ガンビットは,味方キャラクターの行動を指定できるシステム。これをオンにしたキャラクターは自動で行動してくれるので,プレイヤーがいちいちコマンドを入力する必要がなくなる。

ガンビットの設定画面
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 キャラクターの行動指定は,「ガンビットスロット」に,「ターゲット」「アクション」を設定する形で行う。
 ターゲットは「『火』に弱い敵」「HP<50%の味方」といった対象を指定するもので,店で購入する必要がある。
 アクションは「たたかう」「ケアル」といった攻撃や魔法,アイテムの使用など,そのキャラクターが可能な行動から設定できる。

ほとんどのターゲットは100ギル以下で購入可能だ
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 ガンビットスロットは「ライセンスボード」(詳細は後述)での開放で増えていく。バトルではガンビットスロットの優先順位が高いものから順に判定が行われ,合致するターゲットがあれば,それに応じたアクションが発動する仕組みだ。
 イメージしやすいよう,下のスクリーンショットのようなガンビットを組んだときを例にして説明しよう。

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 この場合,まず戦闘不能の味方がいるかどうかの判定が行われ,いる場合はフェニックスの尾を自動的に使って蘇生させる。戦闘不能の味方がいない場合は,同様に味方のHPについての判定があり,50%以下のメンバーがいればケアルで回復。戦闘不能やHPが少ない味方がいない状態なら敵に攻撃を加え,戦いが終了して敵がいなくなったら,次の戦いに備えて味方の体力を90%まで回復させる,といった感じだ。

 相手の弱点属性に合わせた魔法を使うようにするなど,うまくガンビットを設定すれば,プレイヤーがボタンに触れることなく,あっという間に戦闘が終了する。FFXII TZAでは2倍または4倍のハイスピードモードが用意されているので,これを併用すれば雑魚敵を倒しての経験値やアイテム稼ぎに時間を食うことはないだろう。

ゲーム開始時にハイスピードモードの速度などを設定する。開始後もオプション画面から変更可能だ
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 もちろん,キャラクターを思い通りに動かせるシステムではないので,その点には注意が必要だ。特にキャラクターの位置取りは指定できないので,魔法主体のHPが低いキャラクターには「たたかう」を設定せず,不用意に敵へ近づけさせないといった間接的な対処が必要になる。

 さすがに初見のボス敵などになると,見ているだけでは倒せないし,ガンビットスロットの数が少ない序盤は,対応できない状態異常攻撃を食らって慌てることも多くなるはず。また,ガンビットはプレイヤーの意を汲むわけではなく,あくまで機械的な判断をするものなので,「そう来たか……」という,思惑とは違った行動をすることが頻繁にある。

 だが,そういった場合であっても,いちいちコマンド入力をするより,可能な限りガンビットを組み直したほうが,効率的に戦えるはず。また,ゲームに慣れてくると,そういった予想できない状況に対応するためにガンビットを組むこと自体が面白くなってくる
 手元にあるターゲットとアクションを組み合わせて,なんとか理想に近づけていく作業はパズルゲームに似たものがあるし,それが実戦で本当に機能するか確かめるときの緊張感や,狙いどおりにいったときの達成感は,ほかのRPGでは味わえないものだ。

「沈黙」の永久効果が付く代わりに,さまざまな属性の攻撃を半減させるアクセサリは,物理攻撃主体のキャラクターに装備させたい。しかし,誰かに「沈黙の味方にエスナ」といったガンビットを設定していると,効果がないのにエスナをかけ続けることになる
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取捨選択が重要になるライセンスボード


 これまで紹介したバトルやガンビットと深く関わってくるのが「ライセンスボード」だ。敵を倒したとき,経験値とは別に入手できる「ライセンスポイント」(以下,LP)を使い,マス目上に配置された「武器」「防具」「アクセサリ」「魔法」「わざ」「ステータス上昇」「薬の知識」といった「ライセンス」(資格)を開放していく仕組みになっている。

ライセンスボードの画面。アイコンが表示されていないマスも,カーソルを合わせれば何のライセンスが配置されているのかを確認できる
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 イメージとしては,先にリリースされた「FINAL FANTASY X」の「スフィア盤」と似ているのだが,ライセンスボードで開放できるのはあくまで“資格”。装備類や魔法,わざは店で購入するなり,ダンジョンなどで拾うなりしないと,実際に使うことはできない。逆に言えば,高いお金を出して装備や魔法を買っても,ライセンスを持っていなければ宝の持ち腐れだ。

 そのため,所持金やLPを節約したいなら,そのライセンスを開放するか否かをしっかりと検討する必要がある。「装備を強化していくのか,それともステータスを上げるのか」「回復魔法がある程度使えるのに,『薬の知識』は必要か」などと悩みつつ選択するのも,このシステムの面白いところだ。

1人が最大3つ取得できる必殺技「ミストナック」もライセンスボードで開放する
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 なお,FFXIIでは各キャラクターのライセンスボードは共通だったが,FFXII IZJSでは,そのキャラクターに設定したジョブによって変わるようになった。さらにFFXII TZAでは,1人のキャラクターに最大2つのジョブを設定でき,その組み合わせで「魔法特化」「物理攻撃特化」「バランス型」といった方向性を選べるようになっている。ここも悩みがいがありそうだ。

ジョブは「白魔道士」「シカリ」「もののふ」「黒魔道士」「弓使い」「ブレイカー」「時空魔戦士」「モンク」「ナイト」「赤魔戦士」「機工士」「ウーラン」の12種類。ほかのFFシリーズ作品では見られないジョブが多い
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2つめのジョブを設定した後は,2枚のボードを切り替えながらライセンスを取得していく
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“1人でプレイするMMORPG”は,今プレイしても新鮮だ


 FFXIIのゲームシステムは“MMORPG風”と評されることが多いのだが,本稿をここまで読んだ人や,実際にプレイした人なら,それに納得してもらえるのではないだろうか。
 ガンビットの「味方にある程度の指示はできるが,思い通りに動かせるわけではない」ところはマルチプレイ風だし,「装備を持っていてもライセンスがないと身に着けられない」という仕様は,MMORPGでよく見られる「装備レベル」を思い起こさせる。

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 なので,特に初心者は“MMORPG的”に振る舞うことをオススメしたい。万能型のキャラクターを揃えるのではなく,“盾役”“回復役”“攻撃役”といった明確な役割をキャラクターに持たせれば,ジョブや取得ライセンスは自然と決まってくるし,ガンビットも組みやすくなるはずだ。

 実際のバトルでも,リーダーを次々と変えて臨機応変に対応するより,ガンビットをうまく活用し,実際に動かすのは1人だけにしたほうが,当然ながら落ち着いてプレイできる。
 オススメは回復役になり,敵とある程度距離を取りながらプレイするスタイルだ。こうするとバトル全体の状況が把握しやすくなるので,ガンビットで対応できない状況が発生しても対処しやすい。また,本作は「歩くとMPが回復する」というシステムになっているので,長期戦では「ひたすら走り回りながら回復魔法」という手が使えて重宝する。

 “1人でプレイするMMORPG”とでも表現したくなるFFXIIのゲームシステムは,オリジナル版のリリースから10年以上が経った今でも新鮮に映るはず。
 メインのストーリー進行とは別に,依頼されたモンスターを退治する「モブハント」が楽しめるほか,別モードとして,100ステージの連戦に挑む「トライアルモード」も用意されているので,進化したグラフィックスやサウンドとともに,じっくりと味わってほしい。

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「FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE」公式サイト

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