インタビュー
スマホ版「パーフェクトワールド」の日本展開はそろそろですか? プロデューサーに聞いてみよう
そんな「パーフェクトワールド」のスマートフォン版「パーフェクトワールド-完美世界-」が東京ゲームショウ2016の会場でお披露目され(関連記事),さらに約2年を経た2019年3月に,Perfect Worldのお膝元である中国でサービスインとなった(関連記事)。
中国でサービスが開始されたのだし,日本での展開についてもそろそろ話が聞けるかもしれないと思い,「ChinaJoy 2019」開催のタイミングでインタビューを申し込んだ。それに応えてくれたのが,スマホ版のプロデューサーを努めている白 雪(バイ シュエ)氏だ。掲載までだいぶ時間が経過して申し訳ない限りだが,そのときのインタビューの模様を本稿でお伝えしよう。
4Gamer:
白さんとお会いするのは今回が初めてなので,ご自身のことから聞かせてください。今まで,どんなタイトルを作ってきたんですか。
白 雪氏 |
パーフェクトワールド-完美世界- |
「パーフェクトワールド-完美世界-」の前は「LEGEND of CHUSEN」のモバイル版でゲームデザイナーのリーダーを担当していました。CHUSENの開発が終わったあとに,「パーフェクトワールド-完美世界-」を会社から任された形です。
4Gamer:
なるほど。今おいくつですか。
白氏:
37歳です。
4Gamer:
では,経験豊富ですね。
白氏:
自分では,まだまだだと思っています。
4Gamer:
社会人になってからすぐにゲーム業界に入り,そのままずっとゲームを作っているんですね。
白氏:
そうです。2012年までPCゲームの開発をしていて,翌年からモバイルゲーム開発がメインなっています。当時は暢游(チャンヨウ)という会社にいましたが,PerfectWorldには3年くらい前に参加しました。
4Gamer:
素朴な疑問なんですが,どうして卒業後すぐにゲーム業界に飛び込もうと思ったんでしょうか。
白氏:
8〜9歳の小学生の頃に到来したファミリーコンピュータをきっかけにゲームを遊び始めて,その後の学生時代はMMORPGやFPSなど,あらゆるジャンルのタイトルに手を伸ばしました。なんとなくゲーム業界で働きたいと考えるようになり,卒業後に北京でいろんなゲーム会社にオファーを出したんです。でも,どこも未経験者は受け入れてくれませんでした(笑)。
なんとか友人の紹介でゲームに関連した会社に入社し,そこで初めてゲーム作りというものを経験しました。しばらく経験を積んだのち,別の会社でカジュアルゲームの開発を担当し,ようやく暢游(チャンヨウ)やPerfectWorldで大きなタイトルの制作に携わることができました。
4Gamer:
「パーフェクトワールド-完美世界-」の開発では,どこに一番気をつけていますか。
白氏:
PCで「パーフェクトワールド」を遊んできた人に,スマホ版も「パーフェクトワールドだ」と,どうやって認識させるかという点です。開発しつつ,問題を逐一解決していくしかありませんでした。
4Gamer:
開発の進め方としては,まずPC版をスマートフォンに移植して,そこにモバイル版ならではの要素を足しているというイメージですか。
白氏:
移植というよりは,「パーフェクトワールド」の特徴──カスタマイズ性やオープンワールド,空でも海でも戦えるシステムなど──をまず取り出して,モバイル版として再構成したイメージです。
4Gamer:
なるほど。
白氏:
パーフェクトワールドらしさを決めているのは開発サイドではありません。コミュニティに対するインタビューなど,さまざまな方法を使って得られたファンの意見がベースになっています。
4Gamer:
パーフェクトワールドらしさを一番よく知っているのは,開発者のはずだと思っていました。
白氏:
らしさの部分が,開発側とファンのあいだで共通しないことも多いんです。
4Gamer:
そのファンが思う「らしさ」の部分で,もっとも意外だったのはなんですか。
白氏:
モバイル版でもPC版に似たバトルシステムをできる限り再現すべきだとこちらは考えていたんですが,完成してみると,PC版のファンからも評判はよくなかったんです。これは意外でした。
4Gamer:
なるほど。では,ファンの要望に応えてしまったら,かえって,「パーフェクトワールド」のよさをつぶすことになる,といったこときは,どういう選択をするんでしょうか。
白氏:
たとえば,「パーフェクトワールド」はキャラのレベルアップに応じてステータスポイントを割り振れるのが特徴の1つなんですが,モバイル版で,この機能をあきらめました。スマホでMMORPGを遊ぶ人に合わなかったんです。でも,この選択は昔からのファンにも少しずつ理解してもらえました。
また,ポイントの割り振りでスキルを習得できるようにしたことで,キャラのカスタマイズ性を損なわないようにしており,これによってプレイヤーはオリジナリティのあるキャラも作り上げられます。このようにしてバランスをとっているんです。
4Gamer:
個人的には,レベルアップのステータスの割り振りは要らない派です。突き詰めていくと,みんな同じ方向に行くだけですし,私は賛成です。
ところで,反対にモバイル版だからこそ得られたものってなんですか。
白氏:
PC版であまり評判がよくなかった部分を,モバイル版の開発で再デザインできたことです。また,コツコツ狩りをするというレベリングの部分は,マルチプレイをメインコンテンツとして,短い時間で経験値を稼げるようになっています。
4Gamer:
中国は格づけが好き。誰が誰より強いかが重要。これが私の勝手な中国へのイメージなのでお聞きするんですが,ランキングシステムは搭載されているんですか。
白氏:
ランキングシステムのようなものはありますが,パーティともギルドとも違う「チーム」の順位になっています。単純な戦闘力だけでなく,連携を重視する人にも自分をアピールする場を用意したい,という考えからこのような形を採っています。
4Gamer:
中国と日本で「ここは外せない」という部分はやっぱり異なるんでしょうか。
ゲームの核は変えませんし,変える必要もないと思っています。ただしローカライズは絶対に必要なので,何らかのプラスを加えるつもりです。
4Gamer:
ローカライズにおけるプラスとは,どんなものを想定していますか。
白氏:
日本らしい季節イベントや,アイテムなどですね。
4Gamer:
ということは,中国と日本で運営会社は別になるということでしょうか。
白氏:
そうです。
4Gamer:
さり気なく話が進みましたけど,日本でもサービスするんですね。
白氏:
はい……(笑)。現状,日本でサービスすることは決定していますが,運営会社がどこになるかはまだお話しできません。
4Gamer:
ローンチ予定がいつ頃かは分かりますか。
白氏:
来年(2020年)の前半です。
4Gamer:
では,もうローカライズは始まっていますね。
白氏:
始まっています。
4Gamer:
ちなみに来年の前半って,1月から6月までありますが。
白氏:
そこはご容赦ください(笑)。
4Gamer:
分かりました。では,最後にコメントをいただけますか。
白氏:
自分が作ったゲームを,グローバルで愛されたい。もちろん日本も同じで,日本のファンにも,これからファンになってくれる人にも,運営と協力していいものを提供しますので,ご期待ください。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
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