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ヒーローはピンチになるほど強くなる! ロンメルゲームズの新作テーブルトークRPG「デッドラインヒーローズRPG」先行体験会レポート
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印刷2017/04/15 12:00

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ヒーローはピンチになるほど強くなる! ロンメルゲームズの新作テーブルトークRPG「デッドラインヒーローズRPG」先行体験会レポート

 2017年4月6日,ドラゴンブック編集部主催による新作テーブルトークRPG「デッドラインヒーローズRPG」のメディア向け先行体験会が,東京・飯田橋で開催された。「ガラコと破界の塔」「バッドライフ」などを手がけたロンメルゲームズが,KADOKAWAとのタッグで世に送り出す本作は,果たしてどんなゲームなのか? 4月20日に発売予定の本作を,いち早くプレイして来たので,その内容を紹介していこう。

ルールブック(左)と同時に,電子書籍でのシナリオ集(右)も発売予定だ。ドラゴンブック編集部では,初の試みになるとのこと
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「デッドラインヒーローズRPG」公式サイト



ミュータントや超能力者が大活躍。ヒーローになってヴィランと戦うRPG


公式リプレイの挿絵より。ヒーローが傷だらけになりながら,ヴィランと戦うイメージが描かれている
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 本作の舞台となるのは,「X-MEN」や「スパイダーマン」のようなヒーローが日常的に活躍する世界だ。この世界には超常的な能力を持つ「超人種」が,常人の数パーセントの割合で存在しており,誘惑に負けて悪の道に走った超人である「ヴィラン」と,平和を守るためにヴィランと対峙する超人「ヒーロー」との戦いを描いたものとなっている。
 プレイヤーが演じるのは,もちろん正義のヒーロー側。本作はヒーローとなったプレイヤー達が,悪の組織や人々に害を為す巨大生物と戦うテーブルトークRPGというわけである。


ヴィラン側のイメージイラストがこちら。悪の組織は1つではなく,目的などに応じて幾つもの組織が乱立している。画像は「フォーセイクン・ファクトリー」(上)と「地獄兵団」(下)という組織だ
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 今回の先行体験会では,ヒーローを養成するための「ヒーロー科」がある巨大学園都市がシナリオの舞台となっていた。体験会では,筆者ともう1人のプレイヤーが卓に参加し,どちらも学園に入学したばかりの「ヒーローのタマゴ」という設定で,キャラクターメイクを行うことに。今回は体験会ということで,名前以外はあらかじめ能力が決められたプレロールドキャラクターから使用するキャラクターを選ぶ方式だったが,ヒーローの種別を示す「オリジン」を,以下の6種類から選ぶことができた。

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「サイオン」。ミュータントなどの生まれついての超人種
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「テクノマンサー」。科学の力で生み出された強力な装備品を用いて戦う
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「ジャスティカ」。超人種ではなく普通の人間。修行や意志の力で超人種と同等の力を発揮する
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「エンハンスド」。事故や実験などで,後天的に超人種になった存在
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「ミスティック」。魔法や超能力など,超自然的な能力を持つ超人種
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「ハービンジャー」。天界や宇宙などの異世界からやってきた超人種

 筆者が選択したキャラクターは,パワードスーツを装備して戦う「テクノマンサー」の女性ヒーロー「レディ・ダーク」だ。そしてもう一人のプレイヤーは,ツメや牙など自身の体を変化させて戦う「サイオン」の男性ヒーロー「クワトロスペシャル」を担当することとなった。

今回の先行体験会で使用したキャラクターシート。実際のキャラクターメイクでは,各能力値や戦闘時に使う「パワー」もプレイヤーが選択できる
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ヒーローの意義は人助けにあり。ヒーローらしさを体現したチャレンジイベント


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 本作のゲーム進行は,「フェイズ制」が採用されている。
 今回のプレイでは「導入フェイズ」にて,2人のキャラクターが学園に入学し,さっそくヒーローとしての経験を積むべく「学園内の施設をめぐりながら,トラブルを解決する」という課題が与えられた。ここから,「展開フェイズ」に入り,「チャレンジ」と呼ばれるイベントをこなしていくことになる。
 今回用意された「チャレンジ」は4つで,これらに挑戦してクリアすると,その後の「決戦フェイズ」を有利に進められるようになる。一方で,プレイヤーの行動や行為判定で致命的なミスを犯すと,チャレンジ失敗となり,「決戦フェイズ」でペナルティを負うことになる,という仕組みだ。

 ちなみに各種行為判定は,D100によるパーセンテージロールで行われる。また判定を助ける要素として,キャラクターの「サニティ」を使用して成功率を上げる「集中」や,「クレジット」を使用して成功率を上げる「支援」がある(ともに4ポイント消費で10%アップ)。また,いわゆるヒーローポイントにあたる「グリット」「リトライ」といった要素もあって,これらを使えば振り直しも可能。ただし,これらは全員で共有するポイントであるため,使用は計画的に行う必要があるだろう。

 実際のチャレンジの内容はというと,残念ながらネタバレになってしまうために詳細をお伝えすることはできないが,筆者達は順調にイベントをこなしていき,いよいよ「決戦フェイズ」を迎えることとなった。

「グリット」「リトライ」のほかに,「リマーク」という要素もある。プレイヤーがプレイ中に1回だけ,自由にシナリオを演出できるというシステムだ。これを行うことでグリットを獲得でき,それを「判定の振り直し」「判定の成功率の底上げ」「ダメージの増加」などに使うことができる
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臨死(デッドライン)からの一発逆転,緊張感あふれるバトルシステム


 本作のバトルでは,敵味方の位置関係を「エリア」,行動順を「ターンカウンタ」で管理する。ボスはエリア4,ボスが生み出したザコ4匹はエリア3に配置された(下画像参照)。プレイヤーは,エリア1またはエリア2に自由に配置できるとのことで,接近戦が得意なクワトロスペシャルはエリア2を,遠距離攻撃タイプのレディ・ダークはエリア1を,それぞれ選択した。

「決戦フェイズ」でのバトル管理シート。黄色のサイコロがボス,紫がザコ,赤がクワトロスペシャル,青がレディ・ダークを表している
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 行動は,ラウンドの開始に1D10を振って出た目がターンカウンタの基本値となり,以後は数字の小さい順に行動することになる。ただし,各種「パワー」や行動には代償としてターン数を要求するものがあり,21を超えてしまうと,そのキャラクターは行動済となる。

 具体的に見ていこう。1ラウンド目,1D10の結果により,ボスのターンカウンタは6,2人のプレイヤーと幼体は,揃って8となった。順番が回ってきたレディ・ダークは,「誘導弾」の「パワー」を使ってボスを攻撃する。「誘導弾」は代償がターン10となっているため,レディ・ダークのターンカウンタは,最初の8に10を足し,18となった。21までにはまだ少し余裕があるので,あと1回くらいは手番が回ってくるだろう。これを繰りかえし,全員が行動済になると,次のラウンドに移る。

 この戦闘では,クワトロスペシャルがボスが生み出した4匹のザコを接近戦で迎撃。そのあいだに,レディ・ダークが遠距離からボスを攻撃する作戦を採ることに。幼体はライフが低く,すぐ数を減らせたものの,その攻防でクワトロスペシャルのライフが尽きてしまった。

 本作では,ライフやサニティ,クレジットなど「エナジー」が0未満になると,「デスチャート」による判定が行われる。1D10とマイナスとなったエナジーの値を足し合わせ(-5なら1D10+5),その値が高いと即死したり,絶望しすぎて廃人になったりしてゲームから退場してしまうが,値が低ければそのまま戦闘を続行も可能だ。
 さらに,ライフまたはサニティのデスチャート判定後に生き残った場合は,「臨死(デッドライン)状態」となり,すべての判定が30%アップし,ダメージに2D6のボーナスが得られる。ヒーローの生命に危機が迫ると,火事場の馬鹿力のようにパワーアップするというわけだ。

ライフ,サニティ,クレジットの0を下回った値と,サイコロの出目の和が高いほど,危険な状態となる
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 臨死状態になった相棒のクワトロスペシャルの活躍もあり,ボスとそのザコをどうにか3ラウンド目で全滅させた。レディ・ダークのライフも3,クワトロスペシャルにいたっては−11とかなり追い込まれており,あと1回,敵の攻撃を受けていたら「死亡」はまぬがれなかったところだ。クワトロスペシャルは本来なら死亡する攻撃を,「リマーク」まで使って回避していたため,本当に薄氷の勝利だった。

 「決戦フェイズ」を終えると,最後は「余韻フェイズ」に移る。ここでは,物語のエピローグが語られ,キャラクターをレベルアップさせられる。エナジーや能力値,技能などが成長し,新たな「パワー」も習得可能だ。ヒーローとして強くなり,より困難な任務に立ち向かえるようになる,というわけだ。

決戦フェイズでは,展開フェイズで入手したサポートアイテムを活用するのも重要となる。今回のラストバトルでも,手に入れたアイテムが大いに役立ってくれた
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冒険する以上は危険と向き合ってほしい――ゲームデザイナー 長田 崇氏インタビュー


 体験会終了後,本作のデザイナーである長田 崇氏に話を聞いてみたので,これを掲載して本稿の締めとしたい。

4Gamer:
 「ヒーローもの」という本作のアイデアを思いつき,制作したきっかけをお聞かせください。

ロンメルゲームズ ゲームデザイナー 長田 崇氏
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長田 崇氏(以下,長田氏):
 制作は2015年の年末ぐらいからスタートしたのですが,ちょうどキャプテン・アメリカが主人公の映画「シビル・ウォー」が公開されていたタイミングでして。ほかにも「僕のヒーローアカデミア」や「TIGER&BUNNY」といった,ヒーローものが好きだったこともあって,そういう世界観を目指して制作しました。

4Gamer:
 キャプテン・アメリカのようなマーベルヒーローがお好きなんですか?

長田氏:
 そうですね。マーベルなら,ほかにもデアデビルやハルク,DCならロビンやフラッシュが好きです。好きなヒーローはほかにも沢山あって,語りきれません(笑)。

4Gamer:
 本作のゲームシステムについてなのですが,プレイヤーがシナリオを自由に演出できる「リマーク」が面白いと思いました。ほかのタイトルではあまり見られないルールですよね。

長田氏:
 そうですね。マナーのいいプレイヤーほど,シナリオ中に「どこで口を挟めばいいのか」と遠慮しがちなので,気軽に参加してもらうために,このシステムを用意しました。今回の体験会では用いませんでしたが,「リマーク」と対になる「クエリー」というシステムもあるんです。これは,NPCからプレイヤーに質問を投げかけることで,プレイヤーが役を演じやすくするというものです。

4Gamer:
 もう一つ,キャラクターが強化される「臨死(デッドライン)状態」というのは,実にヒーローものらしくて面白いと感じました。本作のタイトルにもなっていますが,これについては?

長田氏:
 「臨死(デッドライン)状態」になるとものすごく強くなったり,キャラクターのロストが決定したときに,1回だけ無制限に行動できたりといった要素は,極限状態における「かっこよさ」を演出したかったからですが……やっぱりプレイヤーには,危険とちゃんと向き合ってほしいという思いがあるんです。

4Gamer:
 というと?

長田氏:
 キャラクターを「死」から遠ざけてしまうと,緊張感がなくなるじゃないですか。その一方で,「死」の辛さを緩和したいとも考えてまして,本作ではキャラクターを作り直すときに,ロストしたキャラクターの成長点をそのまま引き継げるようにしています。

4Gamer:
 なるほど。隣り合わせの死を恐れず,悪に立ち向かってほしいってことですね。

長田氏:
 ええ。あと,細かい部分ですが,「パワー」の効果の下に書かれているフレーバーテキストにも注目してほしいです。自由に書かせていただきましたので,そこを読んで笑ってもらえたらな,と(笑)。

4Gamer:
 本作を楽しみにしているファンに向けて,メッセージをお願いします。

長田氏:
 本作は「ゲームが好きな人」のために作りました。4Gamerさんの読者は,きっとゲームが大好きな方ばかりだと思うので,本作を通じてテーブルトークRPGに触れてもらえれば,そのおもしろさが伝わるんじゃないかと思っています。動画リプレイや解説動画をYouTubeやニコニコ動画で配信したり,ゲーム体験セットをウェブで配信したりと,初心者の方でもすぐに始められるよう,ハードルを低くする施策も行っていきます。「お手軽に熱くなれる」ゲームなので,ぜひ遊んでみてください!

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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