企画記事
「バイオハザード リベレーションズ」のレイドモードはいかにして,またまた面白くなってしまったのか。100時間超の筆者に語らせてほしい
Xbox 360版を100時間以上遊んだうえで,ロード時間の短縮と高フレームレートに惹かれてPC版も遊んでいたのだが,またしてもドップリと“レイドモード沼”に浸かってしまった。奴はとんでもないものを盗んでいきました。私の194時間です。
「レイドモード」とは,「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション」に収録されているエクストラコンテンツのことだ。PS4/Xbox One版の発売当日,4Gamerでは,筆者の友人である板東氏がレイドモードの魅力をお伝えする記事を寄稿している。
実は,今回もレイドモードに焦点を当てた内容だ。そもそも「レイドモードって何?」という人は,まずは板東氏の記事を読んでもらうとして,今回は同記事に対するアンサーソングならぬアンサー記事をお届けしたい。
なお,本稿はPS4/Xbox One版のレイドモードを基に執筆しているが,本日(2017年11月30日)発売となるNintendo Switch版にも同じ構成のレイドモードが収録されている。
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「バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション」公式サイト
新たな追加武器がもたらした大きな変化
レイドモードの楽しさは,「ステージに持ち込める3つの武器の組み合わせをどうするか」「パーツ構成はどうするか」といったセッティングに頭を悩ませる時間が半分を占める。残りの半分は,それを持って実戦に挑み,思いどおりの成果が出たときだ。
「ハンドガン/マシンガン/ライフル」というオールラウンダー編成もいいが,弾薬効率を考慮して「ハンドガン×2/ライフル」にしつつ,あまり使わないほうのハンドガンに「コルヌコピア」を付ける人も多いと聞く。このパーツは「いずれかの武器に装備しているだけで効果(30秒ごとに弾薬を入手する)が発生する」ので,メインで使うハンドガンのスロットが節約できるというわけだ。
また,同種の武器を2つ持ち込むメリットはほかにもある。「アモマグネット」というパーツには,倒した敵が弾薬を落としやすくなる効果があり,あまり使わないほうの武器に付けて序盤から中盤を戦い抜けば,メイン武器の弾薬を温存できる。
「アモマグネットをメイン武器にも付ければいいのに?」と思われるかもしれないが,武器のスロット数に余裕があるとは限らない。その筆頭が初心者の心強い味方であり,元々はDLC武器だった「ガバメント“パーカー・モデル”」だ。ハンドガンの中では桁違いの威力を持つが,スロット数が3つしかない。
パーカー・モデルを強化すれば,THE GHOST SHIPの最終ボスにも通用する。ただし,そのパーツ構成は「グラトニー」(すべての武器の弾薬を使用可能),「オートローダー」(リロード時間がゼロに),「フルバースト」(装弾数を一気に全弾発射)が鉄板だ。三種の神器は外せないので,ほかのパーツが入る余地がない。
武器には「タグ」というものもあり,これによって性能が変化する。ただし,メリットもデメリットもあるので,選択は慎重にならざるを得ない。
例えば,移動速度が上がる「ライトウェイト」は重宝するが,その代償として武器の威力が下がってしまう。これを活用するなら,あまり使わない武器にタグを付けて,移動時のみ持ち替えるといいだろう。
武器,パーツ,タグ。これらの組み合わせの膨大なパターンを試行錯誤しつつ,「ああでもない」「こうでもない」と悩んでいるときが,筆者にとって至福の時間だ。
さて,ここまでは従来のレイドモードと同様。だが,PS4/Xbox One/Nintendo Switch版のレイドモードには,「新パーツ」「高難度の新ステージ“THE GHOST SHIP HELL”」,そして「THE GHOST SHIP HELLでしか入手できない青アイコン武器」が追加されている。
青アイコン武器(通称,青武器)は従来のレベル50武器より遥かに威力が高く,スロット数が増えている。これは公式サイトで確認できることだが,さらにとんでもない性能が隠されていた。
なんと,「タグのデメリット」を無効化できるのだ。
これまで,デメリットが厳しすぎるタグはあまり使われない傾向があった。最も希少な「レアタグ」ですら,「威力+35%」の恩恵を受ける代わりに「リコイル+60%」(撃ったときの反動が大きくなる)と「移動速度−20%」が発生するため,すんなりとは選びにくい。
しかし,デメリットによって敬遠されていたタグも,青武器のおかげで見直されるようになってきた。とくにレアタグは文字どおりの存在となり,これが付いている武器を求める人が後を絶たないとか。“ハック&スラッシュ”(ハクスラ)の要素に拍車がかかっている。
「そんなことより,『ステディハンド』の使い勝手が完璧に近付いた!」
「議長! スロット数が−1になるから見向きもされなかった『ソニックアシスト+』が息を吹き返しています!」
「なんだってー! 一旦休廷します!」
青武器の登場を受けて,筆者の脳内では大論戦が繰り広げられた。
さらに,新パーツ「レアファインダー」の投入である。レアな武器の入手確率を高める効果があり,1つの武器に3種類(I〜III)セット可能となると見逃せない。
しかし,ただでさえ貴重なスロットを3つも占めるので,パーツ構成の大幅な見直しも迫られる。かつて「僕が考える最強のパーツ構成」を完成させていた人も,イチからのやり直しだ。これがもうホントに楽しい!
レイドモードはステージ制のコンテンツだが,最終的には「レア武器集め」が目的となる。であるならば,レアドロップ確率を高めるパーツは最優先すべき。とはいえ,スロットを3つも奪われると,さすがに最難関「THE GHOST SHIP HELL」での戦いに支障をきたす。自身の力量と欲望がせめぎ合う。
たったこれだけのシンプルな変化が,従来のレイドモードにおける武器のパワーバランスを大きく変えたのだ。
高難度の新ステージ“THE GHOST SHIP HELL”は初心者にも熟練者にも恩恵あり
板東氏の記事でも触れているが,レイドモードが急激に面白くなるのは「グラトニー」と「オートローダー」を手に入れてからだ。両パーツを手に入れると「世界が変わる」と言っても過言ではない。
武器の弾薬はタイプ別に所持数の上限があり,威力の高いものほど少ない。通常,ライフル系は最大112発だが,ライフル用の「グラトニーIV」があれば,なんと1316発もの弾薬をすべてライフルに使える。このパーツのヤバさが理解できるはずだ。
しかし,「世界を変えるパーツ」はTHE GHOST SHIPでしか入手できず,クリアすれば必ず手に入るというわけでもない。なかなか厳しい条件が課せられていたのだ。
THE GHOST SHIPをクリアするためにパーツが欲しいのに,THE GHOST SHIPをクリアしないと手に入らない。グラトニーとオートローダーが入手できず,レイドモードが本格的に面白くなる前に膝を折った人も多いだろう。
そこで,青武器の出番だ。THE GHOST SHIPの難度は変わらないので,青武器があれば以前より有利に戦える。
火力が高い。スロット数が1つ増える。タグのデメリットが無効になる。これらはレイドモードをもっと楽しみたい熟練者はもちろん,かつてグラトニーやオートローダーが取れなくてあきらめた人にも希望をもたらしてくれる。間違いなく,THE GHOST SHIPは格段にクリアしやすくなった。
「ちょっと待った。青武器は“THE GHOST SHIP HELLでしか入手できない”はずでしょう? THE GHOST SHIPより難しいステージだし,レアなんじゃないの?」と思われるかもしれない。だが,ステージの途中でリタイアしても,それまでに回収したパーツやウェポンケースは手に入るので安心してほしい。
ウェポンケースの配置はTHE GHOST SHIPとは異なるが,筆者の場合,約12分でウェポンケースを3つ回収できる。必ず敵と戦わなければならない場所が2か所あり,敵のレベルは35前後。ちゃんと鍛えていれば,苦戦しないはずだ。
青武器の出現率も決して低くない。3つのウェポンケースのうち,2つが青武器だったこともある。ただし,3つの武器にレアファインダーを3つずつセットする“黄金の布陣”は忘れないでほしい。
どう,辛抱たまらなくなってきた? 一刻も早くリタイアマラソン(通称,リタマラ)に向かおう!
さらなる“レイドモード沼”へ……
以前のレイドモードでは,「レベル50のレアタグ武器」を手に入れることが最終目的だった。
しかし,これは本当に希少な一品。その出現率の低さから,「レベル50のレアタグ武器を3つ揃える」というのは現実的ではなかった。しかも,スロット数がランダムなので,「最大スロット数のレベル50のレアタグ武器」は絶望的な出現率だ。
前述したとおり,レアタグはデメリットも大きいため,「もし入手できても,そんなに使えない武器かもしれない。うん,きっとそうだ!」と無理矢理に自分を納得させた人もいるだろう。
しかし,青武器のレアタグは純粋にメリットしかなく,青武器の高火力にレアタグの効果「威力+35%」が加わると,“オバケ武器”が誕生する。もしレアタグ付きの青武器を3つ揃えられれば,筆者程度の腕前でもTHE GHOST SHIP HELLをソロで安定してクリアできるかも……。
こうなると,“レアタグ欲しい度”がダダ上がりだ。つまり,プレイヤーがこのゲームを離れるキッカケになりそうな可能性が消えている。ただでさえ中毒性の高いハクスラであるレイドモードが,いよいよ完全体に仕上がったのだ。……なんて恐ろしい子!
板東氏の記事で触れているとおり,THE GHOST SHIPのトリニティ・ボーナスである「グラトニーV」を手に入れることは容易ではない。だが,レアタグ付きの青武器があれば,かすかに希望が見える。
さらにグラトニーVがあれば,マグナムの火力が上がり,THE GHOST SHIP HELLもクリアしやすくなるはず。実際,THE GHOST SHIP HELLの敵は総じて高レベルでカタく,火力はノドから手が出るほど欲しい。
レイドモードのモチベーションは,「果てしない爽快感の向上」にあると思う。最初は弾切れに怯えながら攻略していたのが,射撃のペースがつかめてきたり,有用なパーツが手に入ったりすると思いっ切り撃てるようになる。
そのうち,「一発ずつ撃つとか,しゃらくさい!」となり,「三点バースト」や「フルバースト」を組み込み,ダイナミックに乱射しながら突き進んでいく。むしろ,このあたりからがレイドモードの真骨頂だ。
THE GHOST SHIPをソロでクリアしても,まだモチベーションは尽きない。グラトニーとオートローダー,THE GHOST SHIPのトリニティ・ボーナス,レベル50のレアタグ武器が欲しくなる。そして,新たに「最大スロット数の青武器」と「THE GHOST SHIP HELLのトリニティ・ボーナス」が追加された。果てしない目標だが,決して無理な目標ではない。
一つの目標を達成すると,それによって新しい目標の達成が射程に入る。このサイクルのバランスが絶妙だ。
さすがに「THE GHOST SHIP HELLのトリニティ・ボーナス」が最終目標だろうと思っていたが,こんな話を聞いた。
今回,新たに追加されたパーツのうち,3つはトリニティ・ボーナスの報酬になっている。いずれも高性能だが,なかでも「BSAAII」はコルヌコピアとアモマグネットを合わせたような効果があるうえ,両パーツと効果が重複するという。
つねに残弾数との戦いを強いられるTHE GHOST SHIPやTHE GHOST SHIP HELLにおいて,BSAAIIの存在は「ハイローラー」に大きく光を当てることになった。
マシンガンの中では最強の威力を持つハイローラーだが,ライフルと比べると物足りないし,弾薬の効率を考えると長丁場では運用しづらい。なるべく少ない弾数で乗り切るためには,威力が高いライフルやマグナムがベスト。事実,ライフル用のグラトニーIVが手に入れば,マシンガンはお役御免だ。
その序列が新パーツ「BSAAII」の登場によって変わった。
敵を倒したときに弾薬が手に入りやすくなるアモマグネットは,THE GHOST SHIPやTHE GHOST SHIP HELLの攻略に重用される。武器によって入手数が異なり,ハンドガン[11発],ショットガン[3発],マシンガン[21発],ライフル[3発],マグナム[1発]となっている。
つまり,マシンガンであるハイローラーは元々弾薬を補充しやすいが,新パーツによってそれが強化できる。唯一の弱点だった火力を「青武器+レアタグ」がカバーすることで,その潜在能力が開放された形だ。
ただし,これにはTHE GHOST SHIP HELLのトリニティ・ボーナスであるパーツを手に入れたうえで,レアタグ「ハイローラーII」が付いた青武器のハイローラーを持っていることが前提となる。最終目標だと思っていたら,それは新たな目標への始まりだったというわけだ。
より短時間で,よりスマートに攻略したい。そして,もっと強くなりたい。ゲーマーならではの飽くなき欲望をどこまでも貪欲に飲み込む。それがレイドモードだ。
Xbox 360版から数えて約200時間を費やしているのに,まだ知らない世界があった。その奥深さと完成度の高さに戦慄を覚えるばかりだ。
ああ,俺達はあと何時間,幽霊船を走り回ることになるのか。その姿はまさに船上をさまよう幽霊そのものなのかもしれない。
さて,レイドモードがいかに面白いのか,お分かりいただけただろうか。ちゃんと伝わっていなかったらゴメンナサイ。
自分がハマッたゲームをオススメしていたら,「うまい人は楽しめるんだろうけど……」という空気になったことはないだろうか。相手の言い分は「自分の力量では“楽しい”と思えるところに到達できないよ」ということだ。
その点,レイドモードは大丈夫。THE GHOST SHIPまでに60ステージ(20ステージ×3段階の難度)が用意されている。最も易しい難度の20ステージをクリアすれば,THE GHOST SHIPに挑戦できるが,60ステージはTHE GHOST SHIPを攻略するためのチュートリアルの役割を果たしているので,いつの間にかうまくなっているはずだ。実際,筆者は相当ヘボいのに何とかなっている。
筆者がどれくらいヘボいかを見てもらおう。以下のムービーは協力プレイ(パートナーは板東氏)でTHE GHOST SHIP HELLをクリアしたときのものだ。なるべく短時間で多くのウェポンケースを入手できるルートを選んでおり,ウェポンケース9個とパーツ4個を回収している。
これを見れば,「これなら俺のほうが,うまいじゃん!」と自信を持ってもらえるだろう。それによって,幽霊船をさまよおうとする同志を1人でも増やすことになれば,こんなに嬉しいことはない。
■ムービーの見どころ
- 船橋のエレベーターで板東氏を待っていたら,「ここのウェポンケース取ってなくね?」と指摘されて,筆者が「あっ……」となるまでの何とも言えない間。
- 思いのほか弾を消費してしまい,後半になるにつれて武器の残弾数を頻繁に確認する筆者の焦り。
- 最終ボスの戦いで弾切れに陥った筆者が,うろたえながらもナイフを振るところ。協力プレイでホントに良かったよね,ウフフ。
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