プレイレポート
「星のカービィ スターアライズ」プレイレポート。おなじみのキャラクターを“フレンズ”にして冒険が楽しめる,ファンも満足のシリーズ最新作
1992年に第1作が発売され,2017年に25周年を迎えた「星のカービィ」は,主人公のカービィをはじめ,プププランドの“自称”大王デデデ大王や,寡黙なライバルであるメタナイトなど,さまざまなキャラクター達が歴史を彩ってきたシリーズ作品だ。
シリーズ最新作となる「星のカービィ スターアライズ」は,そんな歴代シリーズ作品のキャラクター達を仲間にして,新たなアクションと冒険が楽しめる作品となっていた。本稿でその魅力を紹介していこう。
「星のカービィ スターアライズ」公式サイト
おなじみのキャラクター達を“フレンズ”にして
助け合いながら冒険を進めよう
宇宙の遥か彼方で行われた謎の儀式によって,闇の力が銀河中に広がり,カービィが暮らす平和なポップスターにも異変が起こりはじめていた。“星の仲間達”という意味を持つタイトル名のとおり,カービィはおなじみのキャラクター達を仲間にして,宇宙から迫る“じゃあくなたくらみ”から,世界を救うため戦うことになる。
カービィ達が冒険するその世界は,絵本のようで温かみのあるグラフィックスで表現されている。緑の草原や風光明媚な南国,巨大な隕石が降ってくる火山地帯といったさまざまなステージを,もちもちとした質感のカービィ達が冒険する姿は実に可愛らしく,見ていて心が和んでしまう。
横スクロールアクションである本作は,“すって,はいて,コピーして”というシリーズお馴染みのアクションに,後述する新要素「フレンズハート」が追加。それらのアクションを駆使した共闘が,1人でも最大4人での協力プレイでも楽しめる。
なんでも吸い込む食いしんぼうのカービィの特技は,吸い込んだ敵の能力をコピーすること。剣を持ったブレイドナイトなら剣で攻撃する「ソード」,炎に包まれたバーニンレオだと火炎放射する「ファイア」……といった具合に,敵の特性を自らの力にして,戦いや謎解きに生かしていく。
コピー能力は,シリーズ最多の28種類が用意されている。新しい能力も4種類増えており,実体化させた食べ物の絵で体力を回復したり,8ビットキャラを描いて攻撃したりできる「アーティスト」,クモの巣でバリアを張り,発射したクモ糸で敵をマユにできる「スパイダー」,長レンジの突き攻撃や棒高跳びができる「スティック」,お祭り騒ぎで敵を一掃する「フェスティバル」と,いずれも個性的で面白いものばかりだ。
もちろんほかのコピー能力も,おなじみのものから通好みのものまでたくさん揃っている。「この敵からコピーした能力の使い勝手はどうだろう」「プレイにどのような変化を与えてくれるのだろう」と考えるうち,敵を吸い込むのが楽しくなっていくはずだ。
今回のカービィが持つ新たな能力「フレンズハート」は,放物線を描いて飛ぶフレンズハートを敵に当てると,「フレンズヘルパー」(以下,フレンズ)にできるというもの。フレンズは3人まで仲間に加えることが可能で,それぞれが持つ能力を生かすことで敵を倒したり,進むべき道を切り開いたりできるのだ。
デデデ大王やメタナイトといった特別なキャラクターは「ドリームフレンズ」として登場し,フィールド上ではなく「ドリームしんでん」で仲間にできる。これまでの作品で敵やライバルとして登場したおなじみのキャラクター達と一列に並んで歩く様子は,シリーズファンにはたまらないものがあるだろう。
フレンズ達は,謎解きや戦闘などの状況に応じて「フレンズ能力」を発動し,カービィの手助けをしてくれる。
まずは謎解きについて紹介しよう。例えば「石に変身して地面の杭を打つ」という謎があった場合,これまでどおりカービィ自身がストーン能力で謎を解くこともできるが,岩に変身する能力を持つロッキーがフレンズにいれば,ロッキーにその役目を任せることもできるのだ。
謎解きには,複数の能力を組み合わせなければ解けないものもある。カービィとフレンズの組み合わせをいろいろ試して,仕掛けを解いていこう。
続いては戦闘でのフレンズの活躍に触れたい。分かりやすい例だと,ソードのコピー能力を持っているとき,チリーがいた場合は冷気の「ブリザソード」,コンセだと電撃を帯びた「バリッカソード」というように,フレンズの属性によって武器の属性も変化し,その属性を苦手とする敵に大ダメージを与えられるようになることだろう。
その逆で,メタナイトやデデデ大王の武器をパワーアップさせるという,カービィ自身がフレンズの武器に属性を付与することも可能だ。
風属性を付与すると投げた爆弾が風に乗って上昇する「ボム」のように挙動が変わるものや,連れているフレンズの数によって効果や攻撃力がアップするものもある。
回復アイテムを作り出すビビッティアや,フレンズを弾丸のように投げ飛ばして攻撃するバグジーなどユニークな特技を持つキャラクターも多く,パーティ編成を工夫するのはもちろん,その技を眺めているだけでも楽しい。中でも“フレンズを煮込んで弾丸のように発射する”というコックカワサキの「ナベブッパフレンズ」には笑わせられた。ぜひ一度見て欲しい,ユーモアあふれる技だ。
また,フレンズ達の背中に乗る「のっとりおんぶ」をすれば,プレイヤー自身がフレンズを操作できる。シリーズおなじみのキャラクター達をプレイヤー自身が動かせるというのも,シリーズファンにとって嬉しいポイントだろう。
ユーモアあふれるアクションや仕掛けも盛りだくさん
1人でも“おすそわけ”でも共闘が楽しめる
フレンズ達はJoy-Conを「おすそわけ」することで直接操作することが可能だ。1人でも十分楽しめる要素がたくさんある作品だが,複数の能力を組み合わせての謎解きや,二手に分かれて進むステージ,スパイダー能力で張った網をトランポリンのように使ってハイジャンプする「ボヨンガフレンズ」,巨大パラソルで仲間を守る「アイアイパラソル」など,多人数プレイが楽しい仕掛けも盛りだくさんだ。
上下二手に分かれて進むステージ。1人プレイでもCPUがフレンズを操作してそつなく突破してくれるし,多人数プレイなら盛り上がること間違いなし |
パラソル能力の「アイアイパラソル」を使って仲間を守ろう |
アクションゲームが苦手な人や低年齢層でも楽しめる難度なので,友達と遊ぶのはもちろん,家族で楽しむのもおすすめだ。4人が肩車して人間吊り橋を作る「フレンズつりばし」,ゴロゴロ転がって敵を吹っ飛ばす「フレンズころがり」といった,フレンズ4人での合体技「フレンズアクション」は,その見た目のインパクトもあって皆で爆笑してしまうはず。おすそわけならではの近い距離感もあって,大盛り上がりになるのは間違いないだろう。
その名のとおり仲間を投げつける能力「ブンナゲフレンズ」は,攻撃したり,行く手を阻む障害物を壊したりするのに役立つ | |
「フレンズスター」はワープスター風の乗り物で空を飛び,シューティングゲームのように戦う | |
とある懐かしい漫画を思わせる男気に溢れた技が「フレンズつりばし」だ。肩車を組んで人間橋を架け,対岸へカギを持ったウォンキィを送り届けよう |
「星のカービィ スーパーデラックス」以降,「星のカービィ3」「星のカービィ 鏡の大迷宮」「星のカービィWii」など,“仲間との共闘”が大きな要素として魅力の一つとなっている「星のカービィ」シリーズ。本作の特徴となるフレンズシステムも,「スーパーデラックス」の「ヘルパー」や,「みんなで! カービィハンターズZ」のジョブによる役割分担といったこれまでの作品で楽しめた要素を感じさせ,それにカービィとフレンズが互いに得意とする能力を付与するという面が加わり,より“仲間と協力して冒険を進める”という感覚が味わえるものとなっていた。
それらをシンプル操作で楽しめる本作は,1人プレイでも“おすそわけ”でも,コアなシリーズファンから「そういえば昔『星のカービィ』って遊んでいたなあ」という人まで,広くおすすめできる作品だ。
「星のカービィ スターアライズ」公式サイト
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星のカービィ スターアライズ
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