イベント
「アイドルマスター」のイベント「PRODUCER MEETING 2018」をレポート。声優陣がこれまでの13年を,開発陣が制作の裏話を語った
■出演者(敬称略)
中村繪里子(天海春香役)
今井麻美(如月千早役)
浅倉杏美(萩原雪歩役)
仁後真耶子(高槻やよい役)
若林直美(秋月律子役)
たかはし智秋(三浦あずさ役)
釘宮理恵(水瀬伊織役)
平田宏美(菊地 真役)
下田麻美(双海亜美/真美役)
原 由実(四条貴音役)
沼倉愛美(我那覇 響役)
高橋李依(詩花役)
赤羽根健治(アニメ版アイドルマスター プロデューサー役)
初日公演
■セットリスト
M1. 紅白応援V(765PRO ALLSTARS…and you!)※オープニング
VTR. マリオネットの心(星井美希)※映像
M2. ToP!!!!!!!!!!!!!(765PRO ALLSTARS)
M3. そしてぼくらは旅にでる(中村繪里子/浅倉杏美/仁後真耶子/たかはし智秋)
M4. 星彩ステッパー(釘宮理恵/下田麻美)
M5. Vertex Meister(今井麻美/若林直美/平田宏美/原 由実/沼倉愛美)
M6. Blooming Star(高橋李依)
M7. きゅんっ!ヴァンパイアガール(釘宮理恵/原 由実/沼倉愛美)
M8. サニー(中村繪里子/下田麻美)
M9. MUSIC♪(765PRO ALLSTARS)
M10. shy→shining(765PRO ALLSTARS)
M11. THE IDOLM@STER 2nd-mix(中村繪里子/今井麻美/浅倉杏美/仁後真耶子/若林直美/たかはし智秋/釘宮理恵/平田宏美/下田麻美/原 由実/沼倉愛美/高橋李依)
オープニングは恒例の高木順二朗社長(CV:大塚芳忠)による開演前の挨拶と,音無小鳥(CV:滝田樹里)によるアナウンス。今回の小鳥さんは,「清楚に,フレッシュに,ぴっちぴちに」といったノリで,仕出し弁当のリストを誤って読み上げたりもしながら,注意事項を観客に伝えてくれた。
開幕を飾ったのは,昨年度のPRODUCER MEETINGでコール公録が行われた「紅白応援V」。今回,残念ながら長谷川明子さんはお休みだったが,長谷川さんの演じる美希はスクリーンに登場した。
最初のコーナー「Producer's voice 2018」では,アニメ版プロデューサを演じた赤羽根健治氏によるMCのもと,765プロメンバーがアンケートに寄せられた声を見ながらのトークを行った。昨年度のアンケートは楽曲に関するものが多かったが,今回はファンの“リアルな声”を中心として意見や感想が集められている。
最初のテーマは「765PRO ALLSTARSの良さとは?」というもの。ファンからのコメントは「いつでも帰ってこれて『コレコレ』ってなること」や「個性がバラバラでも互いに尊重しあっている家族感」というものがあった。平田さんによると765PRO ALLSTARSとは“実家の味噌汁”のようなものだということで,安定感や安心感があるメンバーのようだ。ちなみに具は麩ならしい。
また仁後さんは,抱いていたアイドルのイメージとは違って根がいい子ばかりだと語る。その“抱いていたアイドルのイメージ”とは,ライバルの靴に画鋲を仕込んだりするようなものとのことで,今井さんに「ちょっと偏った少女漫画を読んだんだよね」とフォローされていた。
以下の写真にもある「これまでの765プロダクションの活動で一番びっくりしたことは?」というテーマには,今もたくさんの新人プロデューサーが参入し続けているところや,「THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!!」のユニット編成や選曲というコメントが寄せられていた。「HOTCHPOTCH FESTIV@L!!」の選曲は沼倉さんも驚いたとのことで,さらに原さんは周囲からピッタリだと思われていた麻倉ももさんとのデュエットでの「KisS」も斬新に感じたという。
「プラチナスターズからステラステージまでの期間が短かった(ことに驚いた)」という声に関連して,“ゲームで印象的だったこと”を聞かれた今井さんは「1時間もらっていいですか?」と前置きして,Xbox 360版「アイドルマスター」でグラフィックスが一新されたことや,「アイドルマスター ライブフォーユー!」で特典がアニメだったことなど,シリーズ黎明期から思い出を次々と語っていく。とくにアーケード版「アイドルマスター」で春香のグッドエンディングを迎えた後,親密になったはずなのに次周の冒頭で春香に冷たくされたのはショックだったとのこと。周回ごとにアイドルとの関係がリセットされる初代を遊んだ人には「あるある」なエピソードだ。
そんな“冷たい春香”が何か新鮮だったらしく,赤羽根さんは“春香に冷たくされたい”といった旨をコメント。そこで中村さんが「私でよければ!」と挙手するも,それは当然“見知らぬ人に冷たくする春香”でなく“知ってる人に冷たくする中村さん”なので,赤羽根さんは必死に拒否していた。
今井さんが旧作の驚きを語った一方,若林さんは最新作である「ステラステージ」に関して,ぬるぬる動くようになった髪やコーチング機能の便利さなどを熱弁。ステージ上の数分間では全然話足りないようで,イベントBlu-rayの映像特典やニコニコ生放送などで語り尽くしたいといった旨を“偉い人”に向かって懇願した。
台湾公演の思い出などを挟みつつ,最後に取り上げられたのは「アイドルマスターが10年続いて,これからも続きそうなこと」というコメント。しかし中村さんは,“実際にはいつまでも続かないから,今がピークと思ってやっている”といった旨をコメントした。「アイドルマスター」は長続きしているIPだが,提供プラットフォームやゲームのスタイルは頻繁に変わっている。中村さんの語る無常観と,それゆえに成立している柔軟性は,シリーズと長く付き合ってきたプレイヤーほど実感できる話ではないだろうか。
トークに続いては「765プロ朗読劇」のコーナー。これは「ステラステージ」劇中を舞台に,765プロの面々がAチーム(律子,響,貴音,真,千早,春香)とBチーム(亜美/真美,あずさ,伊織,やよい,雪歩)に分かれて「レインボーサマーアイドルフェスティバル」という大型イベントに向けた準備を進めるというもの。一部のパートで2種類のシナリオが用意されており,どちらに分岐するかは観客の反応(ペンライトを振るか,振らずに掲げるか)の多さで決められる。初日は“かっこいい曲をかわいく”が選ばれて春香が「Relations(REM@STER-A)」のサビを「わっほい!」と熱唱したり,悪の組織の女幹部と化した雪歩にほかのメンバーがヴァーテックスファイブという戦隊で立ち向かったりといったシーンを見ることができた。
後半には高橋李依さんの演じる詩花も登場。765プロメンバーと語り合い,フェスへの気持ちを高め合った。
765プロメンバー&高橋さんがはけた壇上で始まったのは,赤羽根さんをMCとした「これが本当のプロデューサーミーティング!!緊急スタッフ会議!!」のコーナー。これは“ミーティングというならアイドル達だけでなく,それを支えるスタッフとも語り合わなければならない”といった趣向の,制作関係者をメインとしたパートだ。
ステージには赤羽根さんのほか,バンダイナムコエンターテインメントの「アイドルマスター」総合プロデューサーである坂上陽三氏,同じく「ステラステージ」などのプロデューサーである久夛良木隼人氏,バンダイナムコスタジオのサウンドプロデューサーである中川浩二氏,同じくサウンドディレクターの佐藤貴文氏,日本コロムビアのサウンドプロデューサーである柏谷智浩氏が登壇。「今まで一番フェチを感じた楽曲は?」という質問に対しての「作家の一曲目は思いを詰め込むからフェチの塊が感じられる(佐藤氏)」,「一番心に残っているCDシリーズは?」という質問に対しての「第54回日本レコード大賞の企画賞を受賞した『生っすかSPECIAL01』は緊張感が続いていて単純作業的な感覚がなかった(柏谷氏)」など,語られる機会の少ない話題をもとに,トークが繰り広げられた。
また「ヘンタイと呼ばれることについてどう思いますか?(カナは投影された原文ママ)」と聞かれた坂上氏は,かつてコントグループのザ・ドリフターズが幼児のような格好をしていたのをオマージュしたいと提案したとき,「僕の趣味です」と説明したのが曲解され,変態呼ばわりが定着したと語る。しかし,ザ・ドリフターズという中年男性(当時)のコントで行われたギャグを,10代・20代の女性キャラクターにそのまま持ってこようとするのは,やはり何というか,ソレな気配を感じなくもないというのが正直なところだ。
終盤はお待ちかねのライブパート。今回は一部楽曲について,事前のWeb番組におけるクジ引きで決められたユニットに対し,ユニット名と歌唱曲を一般投票で決める「みんなで選ぶ!ユニットソング!」という企画が行われていた。
中村さん,浅倉さん,仁後さん,たかはしさんによる「そしてぼくらは旅にでる」 |
「星彩ステッパー」は釘宮さんと下田さんでのデュエット |
戦隊ヒーローのようなポージングから始まった,今井さん,若林さん,平田さん,原さん,沼倉さんのカルテットによる「Vertex Meister」 |
高橋さんの「Blooming Star」は,今回がライブ初披露 |
初日の「みんなで選ぶ!ユニットソング!」パートは,釘宮さん,沼倉さん,原さんによるユニット“プロジェクトイオリー”での「きゅんっ!ヴァンパイアガール」と,中村さん,下田さんによるユニット“あみまみあまみ”での「サニー」だ。
クライマックスは,765PRO ALLSTARSによる「MUSIC♪」と「shy→shining」,そして765PRO ALLSTARS&詩花のスペシャル編成による「THE IDOLM@STER 2nd-mix」が演じられた。
MUSIC♪ |
shy→shining |
THE IDOLM@STER 2nd-mix |
2日目公演
■セットリスト
M1. 紅白応援V(765PRO ALLSTARS…and you!)※オープニング
VTR. マリオネットの心(星井美希)※映像
M2. ToP!!!!!!!!!!!!!(765PRO ALLSTARS)
M3. そしてぼくらは旅にでる(中村繪里子/浅倉杏美/仁後真耶子/たかはし智秋)
M4. 星彩ステッパー(釘宮理恵/下田麻美)
M5. Vertex Meister(今井麻美/若林直美/平田宏美/原 由実/沼倉愛美)
M6. Blooming Star(高橋李依)
M7. シャララ(若林直美/たかはし智秋)
M8. アマテラス(今井麻美/浅倉杏美/仁後真耶子/平田宏美)
M9. MUSIC♪(765PRO ALLSTARS)
M10. shy→shining(765PRO ALLSTARS)
M11. THE IDOLM@STER 2nd-mix.(中村繪里子/今井麻美/浅倉杏美/仁後真耶子/若林直美/たかはし智秋/釘宮理恵/平田宏美/下田麻美/原 由実/沼倉愛美/高橋李依)
2日目のオープニングも高木社長の挨拶からスタート。しかし小鳥さんは登場せず,乱入してきた961プロの黒井崇男社長(CV:子安武人)が場の流れで注意事項のアナウンスを行うことに。黒井社長が猫なで声で注意事項をアナウンスするという,意外に意外を重ねた状況で会場が爆笑に包まれるなか,黒井社長による「It's show time!」の掛け声で2日目公演がスタートした。
2日目の「Producer's Voice 2018」は,765プロの面々に加えて坂上氏,中川氏,柏谷氏も登場。これまでの「ビックリしたこと」や,黎明期から今日までの歴史などが語られた。アーケード版の稼働開始から数えて13年間にもおよぶ歴史は長大すぎるので割愛するが,ライブでの振り付けや衣装が自前だったり,マイクがワイヤードだったりした最初期から,幕張イベントホールやライブビューイングすら「おなじみ」感のある現在までの歴史には,ファンにとってもいろいろな思い出やドラマがあるのではないだろうか。
「765プロ朗読劇」コーナーは,初日公演からチームと選択肢を入れ替えた,言うなれば裏バージョン。こちらでは“かわいい曲をかっこよく”が選ばれて亜美/真美が「おはよう!!朝ご飯(REM@STER-A)」を歌い上げたり,あずさがシュートダンス風な盆踊りを踊ったり,千早や律子が極寒のダジャレを飛ばしたり,Aチームに百合の花が咲き乱れたりした。初日以上に形容しがたい混沌ぶりだったので,会場やライブビューイングに行けなかったという人は,いずれ発売されるであろう映像ソフトで確認してほしい。
そんな朗読劇に続く「これが本当のプロデューサーミーティング!!」コーナーは,「ステラステージ」の開発メンバーが同作について語る「緊急ステラステージ会議!!」として展開された。登壇したのは,開発プロデューサーの加藤正隆氏,ディレクターの押山萌香氏,リードアニメーターの飯島弘通氏,リード背景アーティストの富田智子氏,リードキャラクターアーティストの阿部貴之氏,シナリオディレクターの東 義人氏,プログラマーの土井良文氏,サウンドディレクターの佐藤貴文氏といったバンダイナムコスタジオのスタッフ陣だ。
ここでは,ストーリーや設定を決める会議にはお菓子が付きものであることや,現在のキャラクターモデルは髪の量で労力が大きく変わること,詩花の泣きぼくろは元々コピー紙に載ったノイズの点だったこと,開発中にパラメータ入力ミスであずさの胸が揺れなくなったことなどが語られた。
終盤のライブパートは,美希の「マリオネットの心」からスタート。「みんなで選ぶ!ユニットソング!」パートは,あずさ,律子によるユニット“パジャマパーティー”の「シャララ」と,やよい,千早,雪歩,真によるユニット“ダブルデート”の「アマテラス」だ。
会場では「ステラステージ」のセールや,「ミリオンライブ! シアターデイズ」の最新アップデート,「MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE
終盤のMCでは,赤羽根さんから“プロデューサー役でなく観客A役でもいいから朗読劇に入りたい”といった旨が語られた。来年に「PRODUCER MEETING 2019」が開催されれば,そんなシーンが見られるかもしれない。
ただトークパートでも語られたように,“次”は自然とあるものではなく,ベストを尽くす出演者や,努力と苦労を重ねる開発陣,そして顧客であるファンの応援があってこそ存続するもの。プロデューサー(プレイヤー)諸氏は,さらなるプロデュース活動に励んでほしい。
「アイドルマスター」シリーズ公式サイト
- 関連タイトル:
アイドルマスター ステラステージ
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(C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
- 【PS4】アイドルマスター ステラステージ 【早期購入特典】1特製衣装DLCと特製テーマがもらえるプロダクトコード(封入)2「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2018」チケット先行抽選予約申込コード(封入)
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