本日発売「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- 4K ＆ Full HD Remaster」で始まる壮大な“宇宙暦”を一挙に紹介

　スクウェア・エニックスが本日（2017年11月28日）発売するPlayStation 4用ソフト「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- 4K ＆ Full HD Remaster」（PC版は世界同時配信。日本では11月29日2:00頃配信開始予定）は，2010年に発売されたPS3用ソフト「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- INTERNATIONAL」のリマスター作品で，フルHDはもちろん，4K映像にも対応している。


　タイトル名に「4」とナンバリングされているからといって，「1〜3をプレイしていないとストーリーが理解できないのでは？」などと思う必要はない。スターオーシャンシリーズの作品は，西暦から続く「宇宙暦」の時代を一貫して描いているのだが，「4」の舞台となる宇宙暦10年は，リリース済みの作品で一番早い時代になるのだ。

　作品ごとに時代が前後するシリーズは，プレイを「発売順」か「時代順」にするかで好みが分かれるところだが，時代順派のプレイヤーなら，「4」はシリーズ作品のプレイを始めたり，ストーリーを再確認したりするのにピッタリのタイトルだと言えるだろう。


　そしてここ数年，スターオーシャンシリーズのナンバリングタイトルでは，移植や最新作のリリースラッシュとなっていることも見逃せない。2015年10月に「Star Ocean2 セカンドエヴォリューション ダウンロード版」（PS4 / PS Vita），2016年3月に「スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-」（PS4 / PS3），2017年3月に「ULTIMATE HITS HD スターオーシャン3 ディレクターズカット」（PS4）がリリースされている。つまりPS4なら「2」「3」「4」「5」の4作品がプレイできるというわけだ。

　ということで，本稿ではスターオーシャンシリーズのストーリーの起点となる「4」を中心に，各作品のプロローグやキャラクターを時代順に紹介しよう。

●宇宙暦年表

年代	出来事
西暦2064年	第三次世界大戦勃発。地球のほとんどが放射能に汚染され，休戦状態に。
西暦2087年	トリラス・パークタイン博士による「ワープドライブ実験」が成功。後にこの年が宇宙暦元年と制定される。
宇宙暦10年	SRF（第一次宇宙開拓隊が）宇宙への第一歩を踏み出す。（スターオーシャン4）
宇宙暦12年	未開惑星保護条約が成立。
宇宙暦207年	地球にて「量子転送機」の発明。
宇宙暦346年	惑星ロークで石化病が発生。（スターオーシャン）
宇宙暦360年	地球連邦、銀河連邦に改称。
宇宙暦366年	十賢者がエタニティスペースから脱出し、惑星エクスペルに不時着。（スターオーシャン2）
宇宙暦368年	惑星エディフィスでムー大陸人の遺産であるマザーコンピュータを発見。人間の文明を管理していたマザーコンピュータを破壊する。
宇宙暦371年	惑星エクスペルにて、ノイマン博士により「マナクリーナー」が開発される。
宇宙暦537年	地球にて、クルップ博士により「重力ワープ」が開発される。（スターオーシャン5）
宇宙暦652年	銀河連邦、クラウストロ人と接触。
宇宙暦704年	銀河連邦、クリエイションエネルギーの実用化に成功。
宇宙暦710年	銀河連邦、アールディオン帝国と接触、戦争勃発。
宇宙暦732年	戦闘艦ディグレムによる、クリエイションエネルギーの暴走事故が発生。惑星がひとつ消滅。
宇宙暦752年	惑星ストリームにて、ロキシ・ラインゴット博士らが、タイムゲートを調査。
宇宙暦772年	惑星国家バンデーンが惑星ハイダを襲撃し、銀河連邦と交戦状態になる。（スターオーシャン3）

荒廃した地球から，人類の希望が旅立つ

「スターオーシャン4」（宇宙暦10年）

●プロローグ
　西暦2064年，「第三次世界大戦」という最悪の事態を招いてしまった人類は，その新天地を宇宙へと求め，国際科学技術局「USTA（Universal Science and Technology Administration）」を設立。亜空間ワープ実験の成功を機に，西暦を「宇宙暦」と改める。

　その10年後の宇宙暦10年，USTAによって秘密裏に進められてきた宇宙開拓プロジェクトによって，宇宙開拓隊SRF（Space Reconnaissance Force）が編成された。
　そのメンバーに選ばれたエッジ・マーベリックは，宇宙へ旅立つスペースシップの1隻「カルナス」の乗組員となり，同じ船に乗るレイミ・サイオンジ，そして001号「アキュラ」の船長を務めるクロウ・F・アルメディオの幼馴染み2人と共に，太陽系外の惑星へと飛び立つ。しかし，その行く手にはさまざまな困難が待ち受けていた。

　現実世界と地続きの「第三次世界大戦」から始まり，壮大な宇宙開拓時代の幕開けを描くストーリーは分かりやすく，すぐにゲームの世界へ入り込めるはず。
　主人公のエッジは強い正義感と責任感を持つ一方で，ライバルであるクロウへの嫉妬を見せたり，自身の判断ミスへの後悔がその後の旅にも影響したりと，人間らしさも垣間見せる。また，彼と行動を共にする仲間も，全員がさまざまな事情を抱えていて，そういったドラマも本作の魅力の一つだ。


●登場人物

エッジ・マーベリック 第1期SRFに選ばれた青年で，本編の主人公。まっすぐで正義感が強く，旅先で出会う困っている人々を放っておけない性格だが，時としてそれが裏目に出てしまい，ひどく思い悩むことも。使用武器は剣

レイミ・サイオンジ 名家のお嬢様で，USTAアカデミーを主席で卒業したエリート。弓の腕は達人級だ。心優しい女性だが，自分には厳しいという一面も。エッジとは幼馴染みで，無鉄砲な彼に説教しつつ，しっかりサポートする

フェイズ・シッファー・ベレス エッジ達が惑星エイオスで出会うエルダーの若者。高度な技術を持つエルダーの中でも，自ら搭乗する小型艇を設計するなど，才知に長けている。論理的な思考の持ち主だが，基本的には人なつこくて純粋実直だ。使用武器はレイピア

リムル・レムリ・ファイ 惑星レムリックにあるトリオム村の少女。ワンドを駆使して戦う呪紋使いで，その力によって召喚したケルベロスを友達としている。年齢は15歳だが，過去に起きた事件によって心を閉ざし，子供の姿のまま成長が止まっているという

メリクル・シャムロット 獣のような耳や尻尾を持った種族，レッサーフェルプールの少女で，軍事施設に捕らえられていたところをエッジ達に救出される。幼い頃に仲間からはぐれたため，仲間を大切にしようとする気持ちが強く，動物的な嗅覚や聴覚，そして爪や拳を使った攻撃で惑星探索を助けてくれる

バッカス・D-79 惑星EnII出身の科学者。「石化病」に感染したため，自身をサイボーグ化した。思考の一部もプロセッサに処理させているため，感情に流されることはないが，心の奥底には正義の心を持っている。光学迷彩で姿を消すことも可能で，使用武器はランチャー

ミュリア・ティオニセス EnIIの未開惑星調査員で，主な任務は地質や物質調査だが，モンスターの襲撃に備えて戦闘能力も身に付けており，使用武器のロッドと，呪紋による戦いを得意とする。過去にある事件に巻き込まれており，それに関係する男を追っているようだ

エイルマット・P・タナトス エルダーの第13独立機甲部隊隊長で，戦闘に特化したエリート部隊を率いている。危険な任務で多くの部下を失っており，自身は巨大な鎌を使うことから「死神」とあだ名されているが，能力の高さや責任感の強さなどから，部下からの信頼は厚い

サラ・ジェランド 惑星ロークのフェザーオルクという種族で，背中に天使のような翼を持つが，なぜか飛ぶことはできない。おっとりとした性格で，誰にでも愛情をそそぐ博愛主義者であり，かなりの天然ボケでもある。回復呪紋のスペシャリストで，使用武器は槍

クロウ・F・アルメディオ エッジとレイミの幼馴染みで，彼らの兄のような存在であり，同じSRFメンバー。21歳にしてSRFスペースシップの船長を務めるなど，天才肌に見えるが，実は努力の人。得意の銃だけでなく，さまざまな武器を使いこなす

●リリース作品
「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-」（Xbox 360）
「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- INTERNATIONAL」（PS3）
「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- 4K ＆ Full HD Remaster」（PC / PS4）

辺境惑星の住人と地球人の邂逅が，壮大な物語に発展

「スターオーシャン」（宇宙暦346年）

●プロローグ
　宇宙暦346年，惑星ロークに，人が石化してしまう疫病「石化病」が発生した。ロークの田舎町，クラトスに住むラティクス（ラティ）は，幼馴染みのミリーやドーンとともに石化病の特効薬を探そうとするが，その道中で地球連邦軍ローク調査団のロニキス，イリアと出会い，想像もつかなかった場所への冒険に出ることとなる。

　「4」から300年以上が経過しているため，ストーリーに直接的なつながりはないのだが，共通するキーワードは多い。ロークは「4」でエッジ達が訪れる惑星であり，石化病は「4」でバッカスが感染していた。ロニキスとイリアが乗る宇宙船の名前は，エッジが乗ったものと同じ「カルナス」である。


●リリース作品
「スターオーシャン」（SFC）
「STAR OCEAN First Departure」（PSP）

2人の主人公が，銀河を脅かす破壊者「神の十賢者」に挑む

「スターオーシャン2」（宇宙暦366年）

●プロローグ
　宇宙暦366年，宇宙船カルナスは，惑星ミロキニアで謎のエネルギーフィールドを発見した。銀河連邦軍の英雄ロニキス・J・ケニー提督とその息子，クロードが調査に向かうが，クロードはそこで発見した正体不明の装置へ不用意に近づき，通信機も役に立たない未開の惑星，エクスペルに飛ばされてしまう。
　そのエクスペルでは数か月前に起こった隕石落下以降，異変が相次いでいた。クロードはそこで出会った少女レナとともに災厄の原因を探るうち，「神の十賢者」と呼ばれる存在と戦うことになる。

　本作は「ダブルヒーローシステム」を採用しており，クロードとレナのどちらかを主人公に選ぶことで，それぞれを主軸としたストーリーが楽しめる。さらに仲間にするメンバーとの関係性によって86ものエンディングが用意されているので，やり込み甲斐は十分だ。
　プロローグを読めば分かるとおり，クロードは「1」に登場したロニキスの息子なので，続けてプレイすると思い入れも深まるだろう。


●リリース作品
「スターオーシャン セカンドストーリー」（PS）
「スターオーシャン2 Second Evolution」（PSP）
「Star Ocean2 セカンドエヴォリューション ダウンロード版」（PS4 / PS3 / PS Vita）

銀河の片隅で繰り広げられる，謎の少女を巡る戦い

「スターオーシャン5」（宇宙暦537年）

●プロローグ
　神の十賢者の反乱から200年あまりが経過した宇宙暦537年。地球から6000光年以上も離れた未開惑星フェイクリードでは，動物たちの凶暴化，強盗団の横行，大国による戦争といった凶事が次々と起こり，大陸の中央に位置するレスリア王国では，この危機を「暗黒の七年」と呼んでいた。
　レスリア南端のスタール村に住む主人公のフィデル・カミューズと，その幼馴染みのミキは，上空から落ちてきた“鉄の塊”を発見。その中から現れた少女リリアを，彼女を捕まえようとする男たちから救うのだが，この小さな事件が，やがてフェイクリードを巻き込む大きな争いへと発展していく。

　舞台となるフェイクリードの文化・技術レベルは地球の15〜16世紀ぐらいで，どちらかといえばSF色よりもファンタジー色の強い世界設定。時代も「2」から200年以上経過しており，ストーリー上のつながりは薄めだ。
　オリジナル版の発売順でいうと一番新しいタイトルなので，ゲームシステムも洗練されており，フィールド移動やイベント，バトルがシームレスにつながるようになっている。


●リリース作品
「スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-」（PS4 / PS3）

衝撃の事実が次々と主人公を襲う

「スターオーシャン3」（宇宙暦772年）

●プロローグ
　宇宙暦772年，銀河連邦は既に宇宙の3分の1を探査し，多くの惑星を管理下に置いていた。
　主人公の地球人，フェイト・ラインゴッドは，家族や幼馴染みのソフィア・エスティードと銀河連邦管理下の保養惑星ハイダを訪れていたが，そのハイダが惑星国家バンデーンの宇宙軍に襲撃される。
　フェイトは何とかハイダを脱出するも，家族やソフィアとは離ればなれになったうえ，ヴァンガード3号星という未開惑星に不時着。そこで反銀河連邦組織「クォーク」に所属するクリフ・フィッターと出会い，やがて自身の出生に関する信じがたい事実を知ることになる……。

　「Till the End of Time」（時の終わりまで）という意味の副題の通り，宇宙暦の年表は本作の舞台である772年で終わる。フェイトの出生にまつわるエピソードも衝撃的なのだが，ラストにはその上を行く驚愕の展開が待ち受けており，プレイヤーの間でその解釈をめぐってさまざまな議論が巻き起こったタイトルだ。


●リリース作品
「スターオーシャン Till the End of Time」（PS2）
「スターオーシャン3 Till the End of Time ディレクターズカット」（PS2）
「ULTIMATE HITS HD スターオーシャン3 ディレクターズカット」（PS4）